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映画より「本」がオススメ!
2014/04/24 00:12
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投稿者:やまば・や - この投稿者のレビュー一覧を見る
もちろん映画も良かったです。
ただ、ビジュアルでドン!と提示されるよりか、
自身の想像力を膨らませて世界を描くと、
より一層味わえる作品ではないかと思いました。
戦争ものですが、戦争と距離を置きつつも、
キッチリとその時代を描いているあたりは脱帽モノ!
紙の本
ちいさいおうち
2019/11/22 19:48
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投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
ちいさいおうち、という可愛らしい題名からは想像つかないようなお話でした。昭和初期の上流家庭の様子など興味深かったです。
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映像化の前に読むべきだった
2019/01/28 14:26
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
2012年に映画化されている。山田洋次監督というとエリートが頭の中で組み立てたブルーカラー像を押し付けているイメージが私にはあって、作品は見ていないのだが、原作をよんでから配役を調べたら、タキが黒木華、時子が松たか子、健史が妻夫木聡とこのあたりはイメージがドンピシャリなのだが、肝心のイタクラが山田一家の吉岡秀隆なのには脱力した。違うだろ、それは。それはともかく、少なくても日中戦争(シナ事変は漢字変換できない)で南京を陥落させたころまでの日本は、「なんだか暢気すぎないか」と健史が大叔母にクレームをつけるほど楽しい時代だったことは間違いがなかったようだ。そういえば広瀬正の作品にも、そのころの楽しい光景がふんだんに描かれていたことを思い出した
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読みやすかったです。
2018/12/29 08:42
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投稿者:にこちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
女中のたきさんの思い出話を聞いているつもりで楽しく読み進めました。
時子奥様が板倉さんに会いに行くのを止めた時は、本当に時子奥様やご家族を大切に思っている事がうかがえましたが、自分がたきさんだったらどうしたものかと考えていました。
たきさん死後の展開があって、こうなるんだ…うーん…それぞれの思いを繋げるのは難しいなと思いました。
また、戦争事態はほとんど描かれていませんでしたが、平井家のご夫妻が防空壕であっけなく亡くなったのも、有無を言わさない戦争の悲惨さを感じさせました。
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第143回直木賞受賞作
2018/05/31 05:28
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
ヒロインの勤め先である、赤い屋根の洋館が美しさ溢れていました。雇い主にただひたすら忠実な姿が心に残りました。
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同名の絵本は、子供の頃の私の愛読書でした。あの絵本は、「おうち」の歴史が語られていましたが、この本は、戦前のモダンなつくりの小さいおうちで暮らす奥様(とご主人とお子さん)と女中のタキさんの物語。タキさんの回想の形で物語は進みますが、タキさんの甥っ子がそのノートを盗み読みしていることになっているので、少女時代のタキさんとおばあさんであるタキさんが交互に登場します。
戦前・戦中の空気って、もちろん私は知らないけれど、あんなのんびりとして優雅でキラキラした楽しいものだった(部分もある)だろうなと思います。だって、敗戦色濃厚になるまで、みんな戦争に勝つものだと信じていたのですから。
タキさん視点の思い出話を読む限りでは、タキさんはとても立派な女中さんであったように見えますが、最終章を読むと、やはり人間ですから、きれいなところもそうじゃないところもあったことがわかってきて、いちだんとタキさんという方がリアルに感じられます。だからこそ、私も、もっと幸せな晩年・最期はなかったものかと・・・思ってしまいます。
あの「小さいおうち」、後日そのままに再建できなかったということは、どれだけの愛情とこだわりをこめて作られた建物だったのか。
品とか矜持とか、そういう凛とした姿勢が、静謐でとても美しい物語。
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直木賞受賞も納得の傑作。
山田洋次監督で映画化されるそうだが、どのように映像化されるのか楽しみだ。
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淡々と読める本。
長年に渡って家政婦をしていた語り手が、家政婦になりたての頃から振り返りながら半生を綴っていく、というスタイルで進んでいく。
語り手の性格を表すかのように、静かに、淡々と進んでいく物語だけど、語り手が移った最終章、最後の最後でどんでん返しされた気分でした。
読み終わったあのときの気持ちを、なんて言ったらいいかわからない気分。
答えはない、というかたぶん想像するしかなくって、本人にもわかってはなかったんじゃないかと。
映画化が決まったそうで、あの静かな世界をどう表現してくれるかがひそかな楽しみ。
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昭和初期、世はまさに軍国主義台頭、隣の国々に戦争を仕掛け、景気も良く、人々が浮かれていた時期から第二次世界大戦の敗戦に至る迄を中心にした、女中さんの回想録形式の物語。
この時代を扱うと、もっと思想的だったり、反体制的な物だったりすると思うのだが、これはそういう思想論争的なことは殆ど無い。国が非常時体制下でも、如何に美味しい料理を一家のために作るか、とか、少ない物資でもお洒落を楽しみたい奥様のために如何に工夫を凝らすか、とか、そういうことに、自分の全てを捧げた女性の視点で当時の世相が描かれていることが新鮮。
当時の流行り歌とか、軍歌とか、やたら、懐かしいので、主人公の年令設定を確認したら、母の歳と四つ違いの設定。父も健康に難があったが、結局徴兵された。それでも母たちはそこまで危機感を持ってなかったようだから、女中さんでなくても、また、女中さんを置いておけるような恵まれた家庭の奥様にしても、歴史の教科書で習うよりも、ドラマや映画で観るよりも、庶民は呑気だったのだろう。情報量が半端ではない現代では信じられないことだ。
最後はちょっぴり情念を感じさせる話になっているが、さもありなん、というところ。
じんわりと良さが巡ってくる感じの本。
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戦前・戦中の東京を舞台に、女中タキの目を通して物語は語られていく。タキは終始読者を物語へ誘う「目」として、タキの奉公先の一家に起る事件を語っていく。読者はタキと一体になって、タキの目を通して小説を読み進めていくが、最終章で物語の語り手が、タキからその甥に移った時、始めて他者として物語上語られる「タキ」という他者に出会う。
人は誰しも秘密がある、そのことを思い知らされるのだ。
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昭和初期、今の私達にとっては戦争の足音が次第に近づいてくる重苦しい空気、暗い時代というイメージだが、タキという天性の女中さんの目を通して語られる人々の日常や感情はいまの私たちのそれとさほど違いはない。震災や国際的な緊張を経てちょうど選挙の最中に読みはじめ、私たちのこの時代も60年、70年後の人から見たら昭和初期と同じようにみえるのかもしれないと背筋が寒くなった。
ノンフィクションさながらの細々とした時代を写すできごとや人物の描写、女中の仕事のディテールも読ませるし、登場人物それぞれの秘めたる思い、ミステリめいた展開も読み手をひっぱる。晩年のタキが覚え書を綴る、それもときどき訪ねてくる年若い縁者を読者として意識しつつ、という構成と、最終章での視点の変化からぱっと視界が広がっていき、小説の醍醐味もたっぷり楽しめた。が、この小説の主題はそれらではなく、ささやかなよいものがいつのまにか損なわれてしまったとりかえしのつかないかなしみややりきれなさ、かな。多少時勢が変わっても敏腕女中が「まだだいじょうぶ」「なんとかなる」と創意工夫で切り盛りして保たれてきたささやかな暮らし、どんな嵐からもまもられていた「おうち」がいつのまにか永遠に失われてしまったことに気がつくのは戦争が終わってしばらくしてからのこと。客観的には愚かしいことだけれど、いまの自分も同じ道をたどりうるのではないかと思えてならない。
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いい作品なんだろうな。でもちょっと退屈だったかな。戦時中の裕福な家庭の生活にリアリティーがあり、現代と戦争も常に地続きにあることが再認識させられました。
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タキちゃんの作る料理はおいしそう。そしてタキちゃんみたいな女性になりたいとも思った。女中の仕事に関しては誰にも負けないという感じがかっこいい。十分キャリアウーマンだと思う。でも結末はえっ終わり?という感じで私には物足りなかった。もう少し大人になってからもう一度読みたいと思った。
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女中時代の思い出を書いた大伯母の手記を譲り受けた甥の息子が、不思議な偶然にあいながら、大伯母の知人に会っていく。
ほんわかと優しい気持ちになります。
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昭和初期から戦後までの東京郊外の女中と主人一家の物語。女中の手記のかたちで語られる昭和初期東京の小春日和のようなひと時の豊かさが切ない。この本の舞台と同じ、玄関の次の間が洋風の応接間になっている家は、30年位前までは世田谷あたりで普通に見られた。今はどうだろうか。