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新刊の告知も出まして、完全版も着々と刊行されてます『十二国記』シリーズ。
安全牌的な雁チームの1冊なので、個人的には一番安心して純粋にファンタジーを楽しめる1冊(苦笑)。他はなかなか心臓に悪いので…。
とはいえ十二国たるもの、引き裂かれるような痛みや、凍てつくような悲しみもあるけれど、常にその上に大きく暖かい心や、強い信念をしっかりと見せてくれる。
シリーズ内で雁チームが出てくると、自然と場が明るくなるような、希望が見えるような安心感がある。
雁は腹心達のキャラクターも個性的で笑わせてくれるし、それでいてプロフェッショナルな所が憎いが、そのギャップの最たる人こそ尚隆なので、悔しいくらい格好良い。良いとこばっかり持っていきやがって…!
飄々としているけれど、その背にずっしりと国を背負っている。「百万の民」と「百万と一の民」の差をきちんとわかっている。民の命は自分の体の一部だと言い、それが奪われる度にできるであろう傷もしっかりと抱えたまま、より良い国を民にもたらす為に存在する。もともと小松での経験値という部分もあるだろうけれど、「王」としてやるべき事を把握し、「王である」という事に迷いが無い。だから尚隆には安定感や安心感がある。
毎回最後に史書として顛末や後日談が垣間見られるのも良い。これが長い長い年月の中のほんの一瞬の出来事だという壮大さと、少しの儚さのようなものが感じられる。
王の為に生まれ、王の為に生き、王の為に死ぬ麒麟は、毎回哀しく愛しい生き物だと思うけれど、その哀しさや愛しさや弱さや強さは、そのまま十二国記シリーズの象徴のように思える。
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何回読んでも面白い。
大好き。愛してる。
最後の雁国主従のイラストを見てリアルに「ぎゃー!!」と叫んだ。
かわいすぎる素敵すぎる。
生きてて良かった。
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王たる、とは。
十二国記の根底を抉るように説明する作品かなと。
気高く民を守るより、
這いつくばってでも国を殺す意思。
延は安定感がありますね。
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「月の影~」「風の海~」に出ていた延王尚隆と延麒六太が主人公。
十二国のなかでも1,2を争う豊かな国の雁国。
「月の影~」から遡ること約500年。
尚隆が雁国の王となってから20年後のお話です。
先王の圧政によって荒廃きわまった雁国がようやく平穏を取り戻した頃、
政務に対しいい加減と思われている延王に対し、
元州の斡由が政策に異を唱え反乱を起こします。
王とは何か、国とは何か、
国民が平穏に過ごせるためには何が必要で何をすべきかを、
蓬莱での尚隆と六太の話を挟みながら物語は進んで行きます。
“莫迦。ふざけたやつ。愚帝”という仮の衣を次第に脱いでいく尚隆に対し、
“仁道厚い。民思い”というメッキがボロボロと剥がれていく斡由。
対照的に描かれていて、とても面白かったです。
最後、乗騎家禽のそれぞれに妖魔を加えたくだりでは、
“尚隆が更夜との約束を果たしたのだ”と、
胸に温かいものが染みわたりました。
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延王尚隆と、延麒六太の物語。過去の苦渋があってこその決意。斡由みたいな人、現代にもよくいますよね…。歪んだプライド持ち。更夜がその後幸せであることを切に願いたいものです。
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六太と尚隆の関係がいい。
普段は悪態をつくけれど、底の方では堅い絆でつながっていて、いざという時は、ブレない、揺らがない。
かっこいい。
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国とは?民とは?平和とは?豊かさとは?
読むたびに、そんなことが頭を過ります。大国・雁の「はじまり」であり、「延主従の根幹」のお話でしょう。
自分が年を重ねて、改めて読むと、六太と、尚隆と、更夜、それぞれが思い描く「平和な国」には微妙にズレがあることがわかります。
尚隆の言う「豊かな国」というのは、六太の希望も更夜の希望も民の願いも全部叶えられて、彼らが一人残らず満足する国、という意味なんだな、とつくづく思いました。
それらを全部承知の上で、「豊かな国」を作ろうとする延王はやっぱりかっこいいです。
延王大好きですが……でも、こんな人が直属の上司だとかなり困りますね……。
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小野さんの十二国記シリーズ。シリーズも中盤あたりでしょうか。
今回は雁という国の内乱を描いたお話。君主たるものはどうあるべきかということについて、雁王に語らせている辺りは痺れます。
ただ、内容はそんなに濃くないかなぁ…。比べてしまうのもアレなんですが、上橋菜穂子さんの作品と比べると…、といった感じです。まぁこれは好みの問題でしょうけど。
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延主従は延王の安定感が強くて好き。
六太の見た目と実年齢の差からくる子どもっぽさと相まって、いい関係だなーと。
六太の30年立ち止まっていたっていうのがなんとも言えない気分になる。
尚隆を見つけて安堵する六太とか、こっちもほっとする。
六太のもやもやと広がっていく心情はわかるんだけど、悲しい。
更夜と斡由はやっぱりあまり好きではない。
図南の更夜はいい具合になっていて、不安にならないから良いけど。
最後の居場所を約束するシーンと、国を抜け出すシーンが好き。
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延の話。
一見ダラダラしてて信用出来ない感じだけど、結局最後はなんだかんだ言いながらうまくやれる尚隆と、口ではばかにしながら結局一番尚隆を信用している六太の二人の関係がとても好きです。
他の延の臣皆の最初と最後の違いは笑えます。
本当に皆悟ったのね。
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十二国記シリーズの1つです。
やっぱり、面白いですね。
延王と延麒、六太の掛け合いがほほえましいです。
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楽しみながら一気に読了!
このシリーズは、わりと不幸な末路があるけど、この巻に出てくる国はハッピーエンドなので、気楽に読めました♪
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2013.02.11
延王は魅力的だなぁ。
格好良すぎるわぁ。
斡由のように、自分が絶対正しいと思い込んだり悪いことを他人のせいにしたりって少なからずあるから、延王や延麒が彼に向かって発した言葉を戒めにするわ。
国を作っていくって治めていくって難しい。
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十二国記で一二を争うぐらい大好き!
雁国のお話です。
普段はお気楽な尚隆が、ここぞと言う時にきめてくれるとすかっとします。
レベルは全然違うんだけど、結局教員も生徒がいないとダメなんです。
国の主役は民ですが、学校の主役は生徒なんですよね。
六太、本当に良かったね。
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十二国記のエピソード3。
冒頭の国の荒廃と結末の国の復興という対比が効いていた。
民とは。国とは。王とは。
ファンタジーでは王や王が統治する国など良く出てくる設定だが、この本は私に1つの答えを与えてくれた。
魅力的なキャラクターたちもはずせない。
特に尚隆と六太。
尚隆はいつもはちゃらんぽらんだが男気あふれる切れ者。ちょっと生意気、まだ幼さ残る六太。今回彼は麒麟としての自分と13歳の自分の間に揺れ動く。
2人の掛け合いも見どころです。
読み終わった後、温かい気持ちになります。