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お酒を通して描かれる、都さんと周りの人々の日々と人生。少しづつ進んで、いつか思い出になって、それでも変わらず進んでいく。読後感がすごく良かったです。
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久しぶりに北村薫を読んだ。
読むきっかけは、同名(正確には同音)の本と同時並行で読んでみる企みのためである。
この『飲めば都』と同音の読みの本で『呑めば、都』という本があるのだ。
今、このレビューも同時に書いている。(って無理だけど)
北村薫の本が小説で女性の飲兵衛編集者のドタバタ、会話中心の軽めの本に対して、
もう一方の本は、アメリカ人が書いた、居酒屋呑み歩き
体験記を書いたエッセイである。
内容が全く違うが、共通点は、両人とも飲兵衛であることと、とても、人が大好きで、よくしゃべる点である。
この本の著者、北村薫という作家は実に女性を書かせると上手い作家だと思う。
この本の中でも、その事がよく出ている。
銀座の表通りを髪振り乱して両腕をあげ、履物なしで走っていく、先輩の大田さんとか、
裸足で駆け出す愉快な早苗さんとか、
とにかく個性的な女性が出てくるのである。
一方アメリカ人が書いた『呑めば、都』は、男っぽさが満載。だって下町の居酒屋がドシドシ出てくる。
もつ鍋が美味しい店とか、赤羽で朝からお酒が飲める有名な店『まるます家』をベタ褒めしているのである。
日本人でも、そこまで褒めないなあ。
この本では、その他に呑みやの歴史も紹介されていて、さらに行って見たくなる内容になっている。
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北村薫の連作短編集。
女性文芸誌編集者:小酒井都の日常を、酒席での交流を巧みに交えながら、実にリアルに、且つ清々しいまでの潔さで描いています。
何故、北村薫はこんなに女性視線が上手いんだろう・・・「円紫さんと私」シリーズ同様、知らない人が読んだら女性が書いたと見紛う文章・・・久々に堪能させて頂きました(^_^)
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お酒にまつわるエピソードに事欠かない女、小坂井都のちょっぴり笑えてちょっぴり心暖まるお話。
都の脇を固める編集者たちがこれまた面白くて、酒の席での狼藉ぶりが半端ない。
中でもぐっときたのは、結婚指輪の話。切なかった。
都が振られるエピソードより、文ネエが振られるエピソードの方が泣ける。親友以上になれなかった女の無念。
他にも女同士の友情論なども興味深かった。
仕事も結婚もこなすアラサー女子都ちゃん。素敵な旦那様とこれからも面白い人生を歩んでいくんだろうな。
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はじめての北村薫。編集者の二十代女性が主人公。本人含め周りのお姉様方が豪快に酒を飲んで失敗する。微笑ましいかつ微妙に沁みてくるストーリーで面白い。女性心理をここまでそれっぽく描く北村薫っていったい何者。。という感じです。あくまで、男である自分目線ですが。
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相変わらす何故ここまで女性目線で女性らしい話が書けるのかと感心する。
ただ今までの北村作品と比べると楽しくはあるもストーリーはフラットで少し物足りない。主人公も前向きと言うよりは打算的な感じ。
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お酒が飲みたい!!と読んでいる間ずっと思っていたような気がする。楽しそうな飲酒シーンがとても多いけれど、時には泥酔して失敗したり、シビアなことを語り合ったりする中で都ちゃん達が良好な人間関係を築いているのを読むと、これぞ良い飲みニケーションだなぁと思った。ユーモラスで温かく、でも時に生じる齟齬は厳しく現実的で、読んでいて唸らされることも多数あり、読後の充実感は大きい。解説で豊崎さんが仰っている「北村薫は女たらしである」ということ、大いに納得した。
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酒好きで酒がからんだ失敗は星の数のごとくちらばっている。どれもこれも可笑しい。久しぶりに声をあげて笑わせてもらった。数多の試練、山坂を冷や冷やさせながらも度胸と愛嬌で見事に乗り越えていく。天真爛漫、純な都が何とも愛らしい。小説なのに他人事とはとても思えない親さを感じた。父か兄のような心境で行を追う。成長の過程を思わず目を細めて眺めた。「二人で暮らしていると、してもらうのもいいが、してあげられるのが有り難い」。都の独白にこんなことも言えるようになったのかと、感慨深いものをおぼえた。往時茫々。過ぎ去りし日は遠く遥か。
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性別は違うけど、他人とは思えない飲みっぷりと記憶の無くしぶりに、不思議な親近感がわいてきます(自分も酒大好き&酔うと記憶を無くす系なので)。
そうした酒飲みあるある的な、けれどほっこりするゆる〜い感じのエピソードの数々にとても癒されました。
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気持ちよくお酒を飲んで、無事お会計を済ませて、一人で家に帰ってお風呂に入ってパジャマに着替えて布団に入る、けれども翌朝起きたときに、お会計から着替えまでの記憶が全くない、というような経験を持つ女性にぜひ読んでほしい。
あと、毎度のことだけれど、北村薫はほんとに女性の心理をとらまえるのがうまいですな。
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出版社に勤める若い女性編集者を中心とした酔っ払いの物語。
あくまで第三者目線で、まるでドラマのナレーターのように呑んべえたちの珍妙な言動や心理状態を冷静に描写することろが何とも愉快です。
かつて覆面作家時代は性別不明と言われていた北村氏だけあって、その中性的で上品かつユニークな文章は読んでいて心地よく、控えめに登場する幅広い知識も小気味よいアクセントになっています。
他の作品でも感じますが、型にはまった女らしさではなく、むしろサバサバした魅力の女性の描き方が好みです。
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酒は飲んでも飲まれるな。
お酒を絡めた失敗談を基軸にした、OLさんの成長?記。ちょっと変わった切り口です。
個々のエピソードの間に結構な年月の開きがあって、1冊トータルだと結構長い時間が経過しています。題材は全然違うけど、加納朋子「七人の敵がいる」をちょっと思い出しました。
前後不覚になるまで酔いつぶれた経験がないので、正直酔っ払い談には感情移入できる要素がないのですが、人間模様の軽妙さに助けられてサクサク読み進めることができます。
…なーんて軽い気持ちでいたところに指輪エピソードだもんなあ。ガツンとやられました。そして月形君のまさかの顛末。やがて巡ってくる、都さんのターン。
北村薫氏が覆面作家だった頃、多くの人が女性だと思っていたという逸話は有名ですが、本作を読んでも、やっぱり氏が男性だとは信じられない。見返しの著者近影、何かの間違いではないのだろうか。
女と男の機微を、女性目線から細やかに、そしてリアルに描き出してしまう。ライトな作品だけど、北村薫ってやっぱり恐ろしい作家です。
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酒の席での主人公含め女性達の話しの突き放し方が面白。色々な雑学やエピソードを楽しく話せる人がいたら、お酒が美味しく飲めるのだろうと思うし、そう出来たらとも思う。「酒飲みの論理というのは常識を超越する」は笑ってしまった。酔っ払いに論理笑
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酒飲みの論理というのは常識を超越する……というか、酔っ払いには論理なんてないような気がする。そんな酒飲み達の生態をこんなに面白く書いていた小説は他に思い浮かびません。読んでいて何度も吹き出してしまいました。ほんとに、水だとこんなに飲めないという量を何故にアルコールなら呑めるのか、人体の七不思議です。可笑しいだけじゃなくて、指輪物語や智恵子抄でのオチのつけかたがやられたって感じで、流石に日常ミステリーの草分け的な存在なのだなあと感じ入ったと共に、絶対こんな失敗するもんかと自分に誓う一冊になりました。
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良いタイトルですよねえ。良い題名ですよねえ。
「飲めば都」と耳にすれば「住めば都」とピピーンと連想してしまいますが、
「どんな場所でも住んじゃえば都でしょ。居心地最高でしょ」ってな諺の意?のごとく
「どんな時でも飲みましょうよ、お酒を。それが一番です。色々あるけど、楽しいお酒を飲みましょうよ。それですぐに都気分。はあ、極楽極楽」
ってなもんですかね?秀逸なタイトルだなあ、とか思ってましたら、
この場合の「都」は、小説内の女性主人公の名前、だったのですね。で、「お酒と言ったら都さんでしょ」「酒飲みのエピソードっちゅうたら、都ちゃんが抜群ですな。ありゃあ、大した女傑ですわ」といわんばかりに、主人公の小酒井都さんを中心に繰り広げられる、酒飲み仲間の愉快痛快エピソードの数々。
その語り口が、北村さんの抜群の文体で延べられるんだから、そらもうオモロイことこの上なしです。北村さんの文章は、ホンマもう、キリッとしてるし、優しいし、ちゃんとしてるし、読んでてこう、すんごく、しっくりくるんですよねえ。お見事、という他なし。
あと、最初は、酒飲みエピソード満載の面白小説だとばっかり思っていたら、途中からですね、恋愛小説?といいますか、結婚小説?という感じに、かじ取りがギューンと変わりまして、ちょいとビックリしました。いやあ、でも、北村薫さんの文章は、ホンマにこう、良い。日本語の美しさをシミジミと感じさせてくれるのです。綺麗なんだよなあ~ホンマ。