紙の本
前に向かうストーリー
2020/06/27 15:54
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投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
これまで読んでくるとより味わいのある4つの短編。うち2つはこれまで出てきた国のその後が書かれていて、それぞれの人がそれぞれの立場で迷い苦悩している様子がありつつも、最後には前に向かって進んでいくというところが良かったです。また、タイトル作品では、非難することは何かをなすことではないという意味の『責難は成事にあらず』という言葉が印象的な作品でした。
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天意とは?
2019/10/27 23:36
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投稿者:coco - この投稿者のレビュー一覧を見る
十二国の世界の広がりをさらに目の当たりにする一冊。
「既刊長編の後日譚やその補足の意味合いを強くもっている」(新潮文庫版解説より引用)短編集。
各長編の読後に当作品を読み、気になっていた人物の後日譚に涙したり、天意が王を定めるという十二国のルールの不気味さをより強く感じた。
ホントに何なのこのルール・・・!
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新潮文庫
2016/05/20 23:37
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投稿者:ぽんぽん - この投稿者のレビュー一覧を見る
新潮文庫で出たんですね。
間違って買っちゃった…。ホワイトハートのほうの同じ本持ってました。
ま、表紙かわいいしいっかー。
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「責難は成事にあらず」
ホワイトハート版しか出ていなかった頃、
短篇集の中で慶が関わってこない「華胥」が好きではなかったけれど、
この言葉の意味を本当に理解してから、
ずっと忘れることなく記憶に残している言葉です。
誰かを、何かを避難することは容易い。
でも、私は、何かを成し遂げることはできていない。
一人驕り高ぶっていた頃に、頬を張られるような衝撃を受けて
情けなくてわんわん泣いたことを思い出します。
これだけ、仕事観や死生観、学ぶことや、人との関わり方を
ファンタジーという世界のなかで説いている小説が
そもそも、ティーンズ向けに書かれているという事実に
毎度のことながらびっくりしてしまいます。
逆に言えば、10代の中頃から十二国記に親しめたことが
何より幸せなことだなと思っています。
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十二国記の短編集。一部既にアニメにもある乗月。これはアニメも良かったがこちらはもう少し読者に心情を語る。う〜ん、いい。また表題にもなった華胥の幽夢。傾きつつある才国の国王を支える一族の話。理想を求めた王に対して国情は残念ながらいっこうに良くならない。とうとう麒麟が失道する。それを支えようとしている王周辺の近親者の憂鬱。
ついに王が譲位を行う。 その一族の過程を語った物語。今の日本にも言える政とは何かという話。考えさせる。後は慶の国王の陽子と楽俊の手紙のやりとりと柳国についての奏国での宗王一家での柳王についての話。陽子と楽俊の話は手紙では本音が書かれていないがその中に裏に隠れた気遣いがしっかり書かれていて、読み取れるものだと言うことが綴られている。最近のメールとは異なり手紙にはそのようなものがあると言うことが考えさせられる良い話です。
うん、十二国記良いですね。
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短編集なので、これまで出てきた主人公やサブキャラのその後が描かれている。
華胥はミステリーのよう。
書簡は半獣の楽俊のその後が描かれていて嬉しい。
乗月は月渓の逡巡に共感した。
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お気に入りは珠昌のこれ。
"「公主の罰は国外追放、以後一切、恭国への入国はまかりならず、恭国にあるのを発見されれば、委細かまわず叩き出す。」"
ツンデレの鑑のようなセリフ。王デレ。
あと、利広が陽子の初勅を評価してくれたことが嬉しくて仕方ない。
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十二国記を読む度に巻頭の十二国図に戻る事は何度もあるのだけど、短編集になってくると年表と各国登場人物表が切実に欲しくなる…。覚えとけって話なんですけどね…。
というわけで『黄昏〜』の前にこちらの短編集が新装版刊行されました。で、前述の現象がピークに達したので、各国登場人物を十二国図に加えたようなものを思わず書いてしまいました…だってそうしないとちゃんと内容深く読めないんだもの…。そうやってあらためてまとめてみると、まだほとんど書かれてない国もあるんだなとか、巧はどうなっちゃってるんだろうとか、柳は結構出てくる割に実はあんまり内部はまだ書かれてないんだなとか、範の話とかももうちょっと見てみたいなとか、いろいろ整理出来て良かった。
今回は5編中『書簡』『帰山』は掌編のような、内容も比較的軽めの息抜きのような感じ。『冬栄』『乗月』は今までの物語の隙間を埋めるような、ある意味通常の短編という印象。『華胥』がちょっと重めかなと。
『丕緒の鳥』の時もそうだったけれど、短編になると物語の中心となる人物というよりも、その周りの人々に焦点を当てられる事が多いので、より一層親近感だったり人間味だったりがリアリティを持って感じられる。たくさんの人達によって作られていく大きな歴史の流れの中の、そのまたほんのかすかなところで悩み苦悩し生きている人々を知る事で、またひとつ十二国記と言う世界が厚みを増してゆく。
ファンタジーの世界観作りは、どこまでも細かく詳細で揺るぎのない設定が重要だとは思うけれど、十二国記シリーズの凄い所は、ここまで作り込まれた世界についてかなり説明が多い部分だったり、大前提として力技で教えてくるような部分もあるものの、それらに変に引っかかる事無く(陽子が四苦八苦しながらこの国に付いて勉強しているような感覚ではあるけれど)読み進められる事だと思う。
往々にしてしっかりとしたファンタジー作品とはそういうものだと思うけれど、役職名とか制度とか法律とかここまでほぼ全て独自の設定は稀じゃないかと。
さて新装版としては残す所『黄昏〜』のみ。また精神的に消耗する長編なので、刊行されたら読む時期を気をつけねばと心して待ちます。
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既に講談社のXハート文庫、講談社文庫で出版されているものの新装版です。
これは各国の王と麒麟にかかわる物語。
美麗な表紙が『華胥』の悲劇を一層彩っているように私には見えました。
解説はアニメの脚色を担当された會川昇氏。なかなかに興味深いお話を書かれています。(私、個人が彼のファンなので特にそう思うのでしょうが)
来年の三月には『黄昏の岸 暁の天』が発行。そして次は書きおろし長編が待っています。楽しみですね。
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元旦の、旦那様実家という環境にて了読。
昨年はこれまでない位読書から遠ざかっていたので、今年はいっぱい読みたいと思います。
さて、本書。2001年7月に出版されてたんだったか…
読んだ筈も、ほとんど記憶になく。強いて言えば利広が家に帰る「帰山」位。
陽子と楽俊のやりとり(書簡)も記憶にないって…お陰で新鮮気分で楽しめました。
以下備忘。
「冬栄」泰麒が廉麟に会いに行く。
「乗月」芳のその後。風の万里黎明の空を読み返したくなった。
「華胥」才国采麟失道。何だか身につまされるような…
きっとまた忘れた頃に、読み返すんだろうなぁ…
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十二国記短編。
他の話より比較的気楽に読める物の中で、やっぱり「華胥」は我が身に響く。
そうそう。批判は簡単。ああはなりたくないよねって言う考えだけじゃ、うまくいかないんだよねぇ・・。
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06/30/2014 読了。
短編が5つ。
楽俊が久々に登場していてよかったです。
陽子が王としてどうしたいのか、どうするべきなのか、をよく考えていて、こちらも考えさせられる。
表題作が好みでした。
悲しいけど、正しいだけでは国は立ち行かないし、
「認めること」が重要なのだと感じた。
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「冬栄」「乗月」「書簡」「華胥」「帰山」
久しぶりに読んだら、思いがけず「華胥」に涙してしまった。残された人たちの無念さと後悔がつらいですね。
新潮文庫が出版した順に、「冬栄」→『黄昏の岸 暁の天』を読んだらわかりやすかった。とはいえ、まだ魔性の子読めていないのですが。
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後書きにもあるが、乗月を読んで涙がこぼれるほどの熱いものが湧き上がると評されているが、この章は嗚咽しながら読んだ。
主上を止められない自分、諫言するだけ事態が悪くなる現状、尊敬する人が愚行を繰り返すのを見ていられず、幕を引いた事。それが謀反じゃないと主上にもうし開きしたい自分。
タイムリーでした。
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これだけ同じ世界観の中でテーマを変えながら、毎度面白いのは素晴らしい。
今回は短編集。
一部嬉しい番外編はあるものの、全体として善と悪の難しさを問いかけてくる。
読んですっきりはしない。
ただ、考えさせられる。