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これがデビュー作とは。
2015/05/10 11:32
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:はる - この投稿者のレビュー一覧を見る
克明かつ精細な描写により構成された世界を舞台に、欠けたるものが再び満ちる物語が語られます。主軸となる千年にも及ぶ復讐譚はもとより、外連味あふれる魔法も、主人公に突然訪れる幻視ですら、現実味をもって迫ってきました。惜しむらくは、抑圧された社会についての描写が、写本師達が魔道師に立ち向かう理由に説得力を与えるには足りない気がしますが、それを相殺して余りある圧倒的な構築力、表現力、ストーリーテリング。読了に際し、全身の肌が粟立ちました。これがデビュー作とは。乾石智子さんという魔道師に出会えた僥倖を感謝します。
世界観に浸りました
2016/02/29 17:00
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yukka - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本には珍しい本格的ファンタジーと聞いて買ってみました。世界観の説明中心に淡々と語られていくため初めは主人公に感情移入できずにいましたが、読み進めていくうちにその世界観にどんどん引き込まれてしまいました。
主人公が千年前から生まれ変わる度に奪われてきた力を取り戻すという復讐劇なのですが、単純に敵を滅ぼして終わりではないところが好きです。温かみのある結末で読後感も良かったです。
すばらしいファンタジー
2015/08/23 16:03
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投稿者:たま - この投稿者のレビュー一覧を見る
東京創元社の本の後ろの広告で、この作品に出会いました。
その時はまるで気にも留めなかったのですが、その後も同じ広告を数度目にすることで、タイトルがうっすらと記憶に残るようになりました。
しばらくして、次に読む本に悩み、新しい作者や作品を開拓したいと思った折に、ふっとこのタイトルを思い出しました。
ファンタジーであるということ以外の前情報は何もなく読み始め、一気に読み終わりました。
すてきなファンタジーでした。
世界に浸れるファンタジーでした。
乾石智子さんの作品はこの先、できうる限り追って行こうと決めました。
最後まで気が抜けない、圧倒的な闇と呪いの復讐劇
2021/07/13 19:48
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投稿者:左京 遥 - この投稿者のレビュー一覧を見る
復讐相手は同情を誘えるような人物ではないのだが、抱えるものは全ての人間が逃れることはできず、ときには死に至ることさえもある、孤独だ。
復讐が孤独を癒すと言えば奇妙に聞こえるかもしれないが、私にはそのようにも読めた。
千年も続く復讐劇。この波がうねるような物語を説明するには陳腐な話になってしまうが、憎悪を千年も抱き続けるのは同じだけの愛を抱いていたことがなければ不可能だろう。
欠けたもの、失われたもの、奪われたものを求めるときこそ、人は何より強い持続的な衝動に駆られる。それは遥か遠い昔、生物が二つの性に分たれた時から始まったものなのかもしれない。
途中で挟まれる物語で視点人物が変わるときに、継ぎ目がない。少し混乱させられるが、物語の流れから推測することはできる。もしここで視点人物の語りではなく作者からの懇切丁寧な説明が挟まれていれば、読者はたちまち思考の糸を分断されてしまい、現実に引き戻されてしまうだろう。
また、復讐相手の過去の記述はあっさりしたもので、読んでいた時はもう少し深堀りがほしいと思ったりもしたが、物語の終わりを前にあまり長く書かれていても冗長だと今では思う。
人なら誰もが心の奥底に抱いている闇を暴かれ呼び覚まされる感覚に陥る物語だが、一人一人が持つ闇はどこかしらで繋がっていて、たった一人で立ち向かわねばならないものではないのかもしれない。
この物語を読んだ人と話すことがあれば、秘密を共有しているときのように、目には見えない繋がりを持っているかのような感覚に陥りそうだ。
引力
2019/06/16 20:04
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投稿者:りゅい - この投稿者のレビュー一覧を見る
ファンタジーは情景描写や世界のイメージがつかめないものも多いけれど、とてもすんなり世界に入れた。
濃いです。
2018/09/09 21:11
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投稿者:yms - この投稿者のレビュー一覧を見る
とても一冊に収まっていたとは思えない程の内容量。読み終えたときには主人公と一緒に長い長い旅を終えたようで、密度の高い小説というか、とにかく凄かった!新しい魔法の在り方がとても面白くて、魔法の種類も色々とあるし、続編も読まずにいられなくなる作品でした!
早く読めばよかった
2018/01/15 11:19
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投稿者:ねむこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
時代も、登場人物もどんどん入れ替わることに、最初戸惑いますが、
やがて一つの流れに収束していく。
複雑なんだけど、シンプル?とにかく一気読みです。
びっくりするくらい本格ファンタジーでした
2015/08/31 22:24
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投稿者:うおざ - この投稿者のレビュー一覧を見る
びっくりするくらい本格ファンタジーでした。
日本にもこういう人が現れたのね、と驚く。
・・・というのは、大人向けだから。
上橋菜穂子も荻原規子も「児童書」発信だもんね。
こういう大人向けのファンタジー、しかも「本格」は、
ありそうでなかったかもなあ。
ラノベレーベルのファンタジーは、
面白いのもあるけどやはり「子ども向け」「マンガ・テイスト」だし、
新書判の大人向けファンタジーレーベルのは、
たまに大当たりがあるけど、大概はラノベの路線上にある気がする。
これは全然違う。
全編を覆うダークな感じは児童書では味わえない。
大人でよかった♪
あ、でも中学2・3年くらいなら、読める子がいると思うな。
というか、「ダーク」な要素は、
中学生くらいの子が一番必要としているのかもしれない。
この本は、ダークな世界をかいくぐって、
ちゃんとまっとうな穏やかな世界に戻ってくる話でした。
中学生って、ダークな世界に憧れるんだよね。
そう言えば、わたしがC・L・ムーアにはまったのって、中学時代だったっけ。
この本は、C・L・ムーアより本格派でまっすぐだから、
学校図書館にも入れていいと思うけど、どうかな。
ジェンダーの扱いが
「女性を抑圧する権威(ラスボス)」に対抗するという枠組みで、
物語の最後は、単なる対抗を越えて救いを求める話で、
それはそれで面白かったんだけど、
そういうジェンダーのとらえ方が、
たとえば「ハガレン」とかと読み比べると、
もう古いのかな、とかちょっと思った。
そう考えると、
作者さんは、わたしと同年代か若くても40代くらい。。。違うかな?(^-^;)
ゆっくりと読みたくなる作品でした
2018/07/23 19:09
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投稿者:koji - この投稿者のレビュー一覧を見る
初見の作家さんです。
装丁の美しさに惹かれて手に入れました。
ファンタジーはあまり得意な分野ではないのです。
作者が文字で表された世界観を私が頭の中で上手く再構築することができれば、
中々楽しい読書体験となるのですが、中途半端にこの世の常識に縛られている私には
そのことのハードルがかなり高いのです。
その点、この作品はわりとすんなりと私の乏しい想像力でも物語世界を思い浮かべることができ楽しめました。
その理由は一も二もなく作者の筆力であることは明白です。
それでいてこの作品が作者にとってのデビュー作であるそうですので、
才能というのは不公平なものですね。
最後まで読むのに結構時間がかかる作品でした。
それは登場人物の多さや、時間や場所の移動など丁寧に読まなければついて行けなく要素があるせいですが、どこかで読み飛ばすようなことをするのが勿体無いと思わせるものがあったせいでもありました。
ハマりました
2022/03/24 06:45
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投稿者:もこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
結構なシリーズ物なので、ファンタジー好きの私は手を出さない様にしていました。
でも、本屋で実際に手にしたら買わずにはいられませんでした。
まるで私が写本師の魔術にかかったかのように。
1回目を読み終え、次は相関図を書きながら読もうと思いました。
本に惹き込まれ、一気に読みました。
何度も読み返したいです。
異色のファンタジー。
2015/06/19 11:04
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投稿者:ポン太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
評価が高かったので購入。
面白かったの確かだが、自分にはちょっと馴染めない部分もあり4点評価。
ファンタジーなので何でもありと言われればそれまでなのだが。
十二国記好きにオススメ
2020/04/17 07:26
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投稿者:うれい - この投稿者のレビュー一覧を見る
ジュンク堂の十二国記冊子にオススメで書いてあったので読んでみた。千年に渡る復讐と生まれ変わりの物語。千年も続く因縁とあってなかなかに人が凄惨な死に方をする。エイリャの死もつらかったが、それ以上に3人の魔女の過去を巡る“旅”。ハリーポッターの憂いの篩を彷彿とさせるが、描写が細かくリアリティがあって彼女たちの怨念がまるで自分にも憑依したかのような錯覚を起こす。これが闇に取り込まれるということなのかも?終盤の、誰かに助けてもらえるとは思いもしなかったというカリュドウの台詞が心に残る。希望を残す終わり方は好き。