紙の本
読者への挑戦の、極まった一冊
2018/02/01 00:00
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アントネスト - この投稿者のレビュー一覧を見る
論理を研ぎ澄ませ、推理が緻密になればなるほど、説得力を増す――のが普通のミステリですが、本作はそれには当てはまりません。
メルカトルの推理がシャープさを増すごとに、導かれる真相は不条理に、曖昧模糊となっていきます。
と言っても、決して書きっぱなしの無責任な作品ではなく、伏せられた真実が読者の深読みや推理を誘っているだろうことは、麻耶作品の愛読者なら想定範囲内。ミステリ読みを挑発する、油断ならない傑作短編集です。
電子書籍
長編に向かない銘探偵
2019/07/24 08:04
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投稿者:な - この投稿者のレビュー一覧を見る
衝撃の結末、のようなアオリはネタバレのような気がして苦手なのですが、まさに衝撃の結末でした。
1話ごとに衝撃の結末がやってきて夢中で読んでしまいます。
あくまでロジカルな解決編からミステリ概念をぶち壊すような推理が出てきて、飽きることなくあっという間に読み終わりました。
紙の本
完成された短編集
2018/09/18 17:49
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投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
麻耶先生の作品は昔から愛読しているのですが、この本ほど興奮した本はないんじゃないかと思いました。思いついてもなかなか出来ない嗜好の短編集ですが、それを完成した短編集として世に送ることが出来たのは麻耶先生、そしてメルカトル鮎だからこそだと思います。そのように「メルだから」と納得できるほどメルカトル鮎というキャラクターを浸透させた麻耶先生はほんとすごい...。
紙の本
ミステリ好きにはたまらない短編集
2024/02/16 15:54
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投稿者:栄本勇人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
短篇ミステリには多くの傑作があるが、短編集通しで考えたとき、私はこの作品を国内ナンバー1に推す。「収束」も「答えのない絵本」も最高だが、締めもまた素晴らしい。
紙の本
著者にしか書けない独自の世界観
2021/09/30 07:10
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投稿者:yino - この投稿者のレビュー一覧を見る
5つの難事件に対峙するメルカトル鮎。どれもこれも一筋縄ではいかない事件ばかりだが、ひたすらロジカルに事件を解きほぐしていく様は正に本格ミステリのそれである。アンチミステリの体裁を保ちつつ、このロジカルな謎解きは、メルカトルシリーズの真骨頂であるように感じます。さすがは麻耶雄嵩。
紙の本
メルカトル鮎
2019/05/25 09:44
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投稿者:モフモフモフ - この投稿者のレビュー一覧を見る
これは自分にはハイレベルすぎたかもしれない。
アンチミステリとわかって読んでいても、一話を読むたびに終わり方に茫然としてしまう。そして、読んでいるうちにそれが癖になって、もっと読みたくなる。
特に「密室荘」の「固めてポン」にはまってしまった。
紙の本
論理的だけど
2016/11/22 23:16
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投稿者:おさる - この投稿者のレビュー一覧を見る
論理的だけど、なんかすっきりしないという話です。
高慢なメルカトルの語り口も巧妙で、
また毒舌な切り口は話題を強引にでも完了させていきます。
ミステリの不条理を提示されていくので、
作者がいうように「慣れ」が必要です。
本格ミステリが大好きな人は、結末に敬遠するかもしれませんが、
楽しんで欲しい作品です。
電子書籍
面白かったです
2023/07/05 13:41
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投稿者:まかゆら - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミステリー好き
あらすじを読んで気になったので購入
予想通り面白かったです
同じ作者様の他の作品も是非よんでみたい
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シリーズものというのを全く知らずに読んだので、人物関係が全く分からなかったのは兎も角、ミステリーとしては見事に全て裏切られる短編集で、作者が自ら述べているように、段々とこういう物語なのだということを読者に誘導して最後に至るという感があり、これは読む人を選ぶだろう。
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メルカトルシリーズの短篇集。
一見、ノリ重視のおふざけにも見えるが、ロジックを突き詰めればこういう結果も有り得る……と思わせる。
キツいブラックジョーク的な側面があるのも面白い。
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新本格ブーム時にはメルカトルシリーズも読んでおりましたが、一時のブランクの後、ここ数年比較的コンスタントに刊行物のある麻耶作品。まさか今になってメルカトルシリーズもちょいちょいお目にかかるとは。
とはいえ昔からちょっとメタ的要素を含む事が多い傾向だったので、そこまでどっぷり嵌った訳ではないのだけど、文庫挿画が鈴木さんの罠にまたしても嵌りましたよね…(懲りない)。
短編5篇。
全ての作品において「真実はこうだ!」とは言われないという共通項の短編集…ってことでいいのだろうか…。ミステリ好きなわりに推理してみようとかロジックに挑んでみようとかあまり考えずに読み進んでしまうので、わかる人には全然別の流れとか切り口があるのかもしれないんですが、そうだったらごめんなさい…。
なのであまり内容に言及はできないんですが(苦)、王道ミステリとは言い難いけれど、他の完全なメタミステリというようなものとは何か違う、限りなくメタなんだけどどこか芯に王道めいた雰囲気があるのが麻耶作品らしい気がする。あくまで感覚的なものですが。
整然とロジカルに組み上げられ、さもそれが真実かのように語られながら、最後にはいつも「まあ全部こじつけだけどね」と突き放される。ある意味そこが、普通のミステリ作品を読みながらどこかで「答えはこれしか無い」と言われても「本当にそうなの?」ともやつく気持ちを明るみにされたような感じで皮肉な面白さがある。そんなこと微塵も感じさせない作品は山ほどあるんですが、やっぱりちょっともやつく事もあるじゃないですか。
でもまあ個人的には素直に楽しみたい派なので、麻耶作品の個人的ベストは『鴉』が不動かなあ。
あ、でもメルと美袋の掛け合いは久しぶりに楽しみました。
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ああ…わかっているのに。わかっているのに読むのだ。読んでしまうのだ。
…このミステリというものにロジックというものに馬鹿にされてるような騙されてるようなごまかされてるようなでも論理的には正しいけどさ、という読後感が癖になってしまったら、あなたもメルカトル中毒( ತಎತ)
推理はほんとちゃんとしてるんだけどなあ!
帯の文句も素晴らしかったです…メルカトルを読むにはドMでwwww
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「こんなのあり!?」という一言につきる。
シリーズものとは知りつつも短編集という事で手を出してみた。推理は面白いし、かなり読み応えがある。だけど、もやもやする!全編通して犯人が明言されてないなんて!自分なりに考えてみても、ゴールは見えているのに、ちっともゴールに近づけない、ゴールテープをきれないって感じでもどかしい。あ〜もやもやする!!一話一話終わる度に、「えぇ!?なぜ!?」と唸ってしまった。「九州旅行」のラストに関しては覆された感じが良く面白かったけど、ここまでの推理は一体なんだったんだとつっこみたい気持ちでいっぱいに。
あえてこういう話にした作者の冒険心と発想に桁違いの才能を感じ驚かされるが、振り回すだけ振り回しといてバカにしてんの!?って気分に。。。
物語の結果がどういうものであるにせよ私は犯人がはっきりしないと嫌だという事がはっきりした。そういう小説であれば文句なく素晴らしい!かな?メルカトルは呆れる程に人でなしで、悪魔で、そこが魅力的なキャラクターだった。いつもお付き合いさせられる美袋君はお気の毒だけど。彼の心中お察しする。
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表紙がもうちょっと…集英社版くらい開き直るか、イラストじゃない方がよかったかなと…。これが絶版になったら集英社からまた出るだろうか。
あと凄まじい帯ですね。
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新しいものをミステリに求めすぎると、行き着くところはこういう着地点になってしまうのだろうか…(震)。
収録作品、全てが挑発的です。酷いもんです←
帯の【ドMなミステリファン、快感絶頂!】も、なかなか酷い(笑)。
これは、古き良き推理小説をこよなく愛する方は、下手したらお怒りになるんじゃないでしょうか( ^ω^ )
新本格以降・メフィストスキーの私にとっては、「そんなんありか〜?!」とニヤニヤしながら楽しめる奇作でございました( ^ω^ )
感想を書こうと思ったら、どうしたって事件の内容云々よりメルカトルの解決策に触れずにはいられなくなりそうなので、今回はこの辺で( ^ω^ )
◎死人を起こす…謎の転落死を遂げた友人を悼み再訪した屋敷で、今度は仲間の1人が何者かに撲殺された!殺害直後に現場に颯爽と現れた銘探偵・メルカトル鮎が指摘した、あり得ない犯人とは?!
◎九州旅行…被害者の手に握られたペンは、ダイイングメッセージを残した痕跡があるにも関わらず、フタが閉められていた。
◎収束…新興宗教の教祖が殺害された。メルカトルと美袋、そして信者達以外の人の出入りが不可能な孤島での犯行だったが、メルカトルが提案した犯人の指摘方法は、あまりに無慈悲なものだった!
◎答えのない絵本…メフィスト学園で、オタク教師が殺害された。容疑者は、犯行現場である理科準備室のある4階にいた生徒達。犯行時刻の彼等の足取りを追ったメルカトルが口にした、とんでもない真相とは?
◎密室荘…地下室に転がる、一体の絞殺体。容疑者は、メルカトルと私。そして銘探偵は、驚愕の解決策を提案する!