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紙の本
宮部の短編の書き方
2019/06/01 18:49
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
宮部みゆきが短編6編を書き、最後の短編のタイトルから『淋しい狩人』と名付けた。この6編の主人公は、古書店の経営を友人から任されている初老の店主イワさんとその孫の稔である。古書店の経営の様子が本書を読んでいるとよく理解できる。場所は都内の下町荒川区である。
いずれの短編も何とも言えない味わいがある。確かに宮部は『模倣犯』、『ソロモンの偽証』などの長編で名が知れているが、短編にも光輝くものがある。そういえば、宮部がミステリー系のアンソロジーの編集を行っていることを思い出した。
長編の方は、読者の興味をどのように惹くかを、宮部に考えるメソッドがなくても不思議には思わない。これこれこういうストーリーを考えるのが先で、その後エネルギーを執筆にぶつけるというスタイルが想像できるのである。一方で、短編となると頁数が限られ、その限られた中で完結させなければならない。したがって、短編の方は適度な長さというかなり困難な制約がある。
短編小説の一編一編に少なくとも一つのプロットがあり、これを膨らませるという手なのだろうか? これならある程度想像がつく。たとえば、本書でも「小説の読みかけのブックサインの代わりに自分の名刺を挟んで置き、電車の網棚に故意に忘れておく。奇特な人であれば電話なり、メールなりをしてくれるかも知れない」というプロットがあった。
後は、その名刺で誰かとのコンタクトを取りたかったのか、単に適当なブックマークがなかったので、名刺を挟んだだけかも知れない。このように膨らませていけば、ミステリー的なストーリーはできそうである。
こちらは作家ではないので、短編とは言えども、それほど単純にストーリーがまとまるとは限らないのかも知れない。しかし、短編と長編との違いを考えると、宮部みゆきの長編の書き方から、同じ書き方で短編が書けるとは思えないのである。
いずれにしてもこの作家はそのどちらも素晴らしい出来栄えであることを言いたかったのである。
紙の本
老人と少年のコンビが活き活きと活躍する宮部ワールドの本領発揮
2002/06/20 23:41
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くろねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
宮部みゆきは、本当にキャラがみんな活き活きしていて好き。
小さな古本屋の主イワさんこと岩永幸吉氏と、その孫高校生の稔。
で、この稔、なんだか、高校生なのに、なんとなく、10歳ぐらいみたいな印象。
なんだか、やんちゃなところが、そんな感じに見せているのですね。
それが、宮部みゆきの作品の魅力なのですよね。
おじいちゃん(イワさん)を、いいように冷やかしては、ひっぱたかれる前に
ひょっと逃げてしまうところなんて、ほんと、きかないぼんずそのもの(笑)
で、それを、この2人が実に楽しそうにやっているのがまた素敵。
それに、あんまり出てきませんが、稔の両親(イワさんの息子とそのお嫁さん)の
スタンスもすごくいいんですよね。
学校の勉強の他にも、大事なことがいっぱいあることを分かっていて、
だから、おじいちゃんのところで、息子が店番の手伝いをするのを見守っている。
それから、たとえば、書初め。
学校で出た宿題に、PTAから反対の嵐があったときの、この2人のせりふ。
そして、「お茶漬け」
これには大爆笑(^O^)
いいわぁ、こういうお母さんに育てられたから、
稔も、そんなにいい子に育ったのだわ。
そんな古本屋「田辺書店」にやってくる様々な事件たち。
殺伐としていたり、どこかほのぼのしていたり。
メインのエピソードではないのですが、冒頭のとある「本」のお話。
その男性には悪いのですが、笑っちゃいました。
1番、そんな田辺書店にふさわしくないのは、最後の「寂しい狩人」だと思います。
あまりにもあんまりな犯人像は、いかにも現代的といってしまえばそれまで。
でも、何か、彼らが出会う事件にはそういうのはあってほしくない気がしてしまって。
ほのぼの路線では、「黙って逝った」なんて、なかなか好きです。
ついにやりとしてしまって。
どの作品も、目を見張るようなトリックがあるわけではありません。
でも、それ以上に気をそらさないストーリー・テリングがあるのですね。
人の心の機微を知っているイワさんだからこそ気づくあれやこれや。
そして、年齢的に知識の少ない目新しいところを孫の稔が補って行く。
すごくいいコンビ。
紙の本
さすが宮部みゆきさん
2022/05/07 15:03
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:飛行白秋男 - この投稿者のレビュー一覧を見る
地元の古本屋がモデルということで久しぶりに宮部さんの作品を読了。
火車とは違う日常が舞台。日常とはいっても殺人事件が頻発。
設定と文章のうまさはさすが宮部さんです。
紙の本
小さな本屋が舞台
2016/09/22 14:35
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投稿者:くまぜみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ってのが、楽しめました。
紙の本
宮部わぁるど!
2003/01/07 20:59
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投稿者:furu - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本は田辺書店という小さいながらも
そこそこやっている店で店長をやっているイワさんという
ひととその孫の稔の切り盛りする本屋でここの本屋を
舞台に起こる、様々な事件がくりひろげられるという、
この二人が事件をといていくというよくありそうな展開の
ように思うんだけど、宮部みゆき作品は、
こういうありきたりと言ったら失礼だけど、そういうのも
おもしろたのしくよめる。
この本も、話的には、事件としては、
めちゃくちゃ重い内容の作品や、いろいろと考えさえられる
作品も多くて、ほのぼのとした本屋の雰囲気とは正反対なんだけど、何故か、そうは思わないと言うか、
合間合間にコミカルな出来事などがたくさんつまっているから
なのだろうか。