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著者の本は以前にも読んだ事があるが、今回も前回同様にフィクションなのにどこか、ノンフィクションと錯覚してしまう程の妙なリアリティがある。14年前に起こった悲劇がまた蒸し返され、その狙いの真相を追い続けていく主人公の三上。
真相が明るみになり、個人としての想いと組織に飲み込まれまいと必死に葛藤する姿は、読み手にも痛い程伝わってきて辛くなった。
内容はずっしりと重いのに、いつの間にかこの世界に引き込まれてページをめくる手が止まらなくなった。
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警察小説は読みなれていないため、すごく難しかった。
刑事部・警務部・マスコミに挟まれる広報。本当に大変そうで、辛そうで、「だれか助けてあげて」とこっちが泣き言を言いそうになった。
この話のメインは「64」事件なのだろうが、他にも気になる事柄が目の前にあるのに、そちらは解決しない。
どころか、救いも無くなってマイナスに近い。
一応は解決を見せる「64」の事件も、普通のハッピーエンドではない。
読み終えたときの達成感よりも、もやもやが胸に残り、脱力感もあった。
こういう大人向け小説を読んでいると、「大人の事情」を突きつけられて、たまに嫌になることがある。
自分はこんなにも潔癖だったのだな、と自覚する。
ドラマ化、映画化するらしいが、いったいどんな形に仕上げてくるのか。
この重苦しさが少しでも晴れてくれるのならば、観てみたいと思えるのだが。
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とにかく上巻は説明や主人公の心情がくどくてあまり面白くなかった。
ここから全体感想 - - - - - - - - - -
D県警警務部広報官を主人公に刑事部、警務部、マスコミの対立、翔子ちゃん誘拐殺人事件、新たな少女誘拐事件等D県警内の出来事を描く。
なるほどこれは面白い、伏線の回収も素晴らしい。
が、そう思ったのは下巻までで、上巻は説明や主人公に心情などくどすぎて、この時点ではなんでこれが賞をと思って待ったぐらい。
下巻できれいにまとめ上げられて納得はできたが、もっと短くきれいにまとめることができたのではと思う。
ただ刑事部、警務部、上層部、マスコミの対立などは、踊るや相棒などの掲示物とは明らかに一線を画しており、リアルで生々しい。
リアルを追求したという意味では仕方ないだろうが、できれば娘の家での事件や64事件を解決して欲しかった思いが強くなったラストだった。
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下巻を早く読みたくてたまらない。
上を読んで決めた。今後は横山秀夫を「好きな作家」と言えるくらいには著作を読む!・・・ただし、この人の作品って絶対「連続しては読めない」気がするんですよね笑 読み過ぎると食傷してしまう気がする笑
『クライマーズ・ハイ』でもそうだけど、「仕事人としてどんな行動規範・信念・決意を持つべきか」ということを問われている気がして、背筋が伸びる。
主人公は迷う。仕事は大変だ。プライドを持って信じた道を進むべきなのか、組織の歯車であると自覚してやるべきことだけに取り組むのか。家庭もある。世間からの目も気にする。同僚からの目は出世に影響がある。揺れる。
人生は、仕事は、選択の連続だ。主人公の三上がどんな選択をするのか、読者は固唾をのんで見守ることになる。
続きが気になる!!!
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警察小説、との帯。
推理物かと思ったけど、組織の思惑がメイン。
時効近くの誘拐事件を軸に話が展開。
広報官の三上が最初悪人かなあと思いつつ自分の仕事を自覚するあたりが面白い。
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ダラダラしすぎ、特に記者クラブとのやり取りが。一般的にはそこまで興味ないよ。半落ちの横山秀夫を買いかぶりすぎてたか…?
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評価はもう一つ上でも良い感じがするが、、、、、
中盤まではどの様にストーリーが展開するのか掴めなかったが、上巻の最後の方で急展開をする。
一気に面白さが増してきた。
下巻の展開に期待している。
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新聞社との確執、謎のメモ、家庭の問題、、、様々な難題が輻輳する。
言葉の選び方、視点が著者の新聞記者としての経歴を際立たせる。スピード感、臨場感ともに申し分ない本作。
下巻も楽しみである。
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たびたび出てくる丁寧すぎる心象表現や理路整然とした台詞がやや気になるが、骨太なプロットがいかにも警察小説の名手らしい。県警の広報官と記者クラブとのやりとりが臨場感に溢れている。
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読み応えがありました。上巻はストーリーが進まず、読むのに時間がかかりましたが、下巻の半分を過ぎた頃から一気にストーリーが展開し、意外な結末に。普通の刑事小説ではなく、面白かったです。
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この数か月で横山さんの短編を数冊読んだが、
短編に比べるとやっぱり長編物は、長さも内容も超ハードだね(笑)
何かがテンポよく解決してゆくわけではなく痛快感も欠けるためか、読むスピードもどうしても遅くなってしまうけど、それでもやっぱりこの重厚さが好きなんだよな♪
警察とマスコミ、キャリアとノンキャリ警官、被害者遺族、そして警察官の家族。。。様々な複雑な人間模様が広報官三上を悩ませる。
下巻ではこれらがどのように展開するんだろう?
三上警視ガンバレ~(^_-)-☆
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刑事と警務の間で揺れる三上の葛藤がこちらに伝わってくるほど圧倒的な筆致で描かれている。最終的にどうなっていくのかが全く読めないので、下巻が気になって仕方ない。
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昭和64年に起きた誘拐殺人事件の時効を一年後に控え、サプライズ人事で広報管に就いた元敏腕刑事の葛藤と奮闘と矜持。一人娘の失踪、刑事部と警務部の対立、マスコミとの闘争、上司との確執と不信、、、家庭の事情ものっぴきならず、対マスコミだけでなく警察組織内の複雑な力関係や対立構図も抜き差しならずがんじがらめ、職務意識と立場に抱える本意と不本意のジレンマ、その理不尽で窮屈な状態がこれ以上ないリアリティをもった主観で延々味あわされるものだからこちらもストレスがすごい。
容姿コンプレックスを拗らせ豹変した娘の失踪と無言電話
「幸田メモ」なる符号から察知した組織の不穏と長官視察計画
匿名発表を巡るマスコミとの信頼関係喪失と再構築
刑事部の魂と警務部の責任の狭間で葛藤する理性
同期エースの不可解な調査行為と不自然な箝口令…
それぞれ個々で一冊になりそうなくらいのトピックスが随所に散りばめられ、それを一人で抱えてハードワークする主観に体力的についてゆくのがやっと。働く男の苦悩と警察組織の理不尽さ、不透明な真実がもどかしく苦しい前半。
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横山秀夫の警察小説は奥が深いというのは前から思っているけど、今回は今までとはまた違ったパターン。公安などではないけれど内部で内部を調べている。そこに事件の捜査とは違った駆け引きがあり、どきどき。
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20代半ばの自分には、難しい言葉・内容ばかりでした。
40代以上の方に向けられた小説?と思ってしまいました…(笑)
もしくは、小説慣れしているか。
それもあってか、最初はなかなか物語に入ることができなかったのですが、
中盤から物語がアップテンポになり、どんどん読み進んでいきました。
主人公に次々と降りかかる災難、そして葛藤。
その中からピースが一つ一つ見つかり、周りの人間達の思惑や行動の意味が浮き彫りになっていく。
でもピースを集めただけで、まだ合わさってはいない。
どれをどこに当てはめるのか…。
そして、「何」が現れるのか。
「組織」と呼ばれる職場で働く人間図や心情をリアルに描かれていると思います。
後半がとても気になります。
気になる要素たっぷりです!