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投稿者:エミー - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルの「迷宮」が後半に掛けてじわじわと染みてくる。
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投稿者:狂人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
折鶴事件という殺人事件から始まる迷宮…女の嘘…中村文則さんの作品のなかでもエンターテイメント性があると思います。
紙の本
共感できる部分もある。人間ってこうなのかな。
2016/01/05 15:23
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投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
内々に闇を抱え鬱屈してる主人公。猟奇的な部分が大きいけれど、でもなあ、わたしにもこういう部分あるよなあと思う。なんとなく消化して、なんとなくごまかして、それで生きている。生きることに懐疑的で自分を責めて、これって逆に生きることにとても真面目なんだなあと思う。わたしはそこまで真面目じゃないから、だからなんとなくやり過ごせているんだろう。日置事件の遺児と主人公の共依存的な関係、でもこの関係は刹那的で狂おしいほど無意味。それをお互い分かっているようなところがまた危うく、そして哀しいほど美しく物語りを彩っている。
紙の本
特殊なテーマを息づまる迫力で描き切っている。
2015/11/02 16:43
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投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
歪んだ精神、猟奇殺人、ストーカー的強迫観念、近親相姦…グロテスクで暗い要素がてんこもり、なのになぜか読んでしまう。内容そのものには引くけれど、作者は奇をてらうためにこういうテーマで書いているわけではない、という気がする。おぞましくも歪んでいるー、けれど確かにそういった精神を持つ者もいるのだ、という人間の真実に踏み込むための作品、のような気がする。そういった狂気や猟奇性を肯定するわけでもないし、誰にでも潜んでいるものなのだとうそぶくわけでもない。ただ、その特殊性を息づまるような文章で描く。正直、しんどいし、気持ち悪くもなってくる。でも、力強い作品だと思う。
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作者は、本書を東日本大震災後に初めて書いた小説と説明し、久しぶりに、初期作に近い傾向の(しかも新潮社の出版)出来だと感じた。
しかし、エンタメ性やミステリーといった要素に重きを置くようになってからは、”悪”や”狂気”といったものが、テーマから、描写の一片に見劣りした印象が今作にもあり、流動的で一定に落ち着かない主人公や、その周りの人たちの行動が、理屈があるようで、何もなく、狂気が狂気として生きていない気がした。
読了してから、何か見落としているような、大事なものをすっかり忘れているような、そんな気分がするが、部分的に読み返してみても、そんな記述はなくて、未だに掴みようの無い不安が残る。これが作者の描きたかったものなのだろうか?
過去作から繋がってる景色、場面などもあり、作者の根底にあるイメージというのは、多分本作が一番詰め込まれていると感じた。終わりはどこか、「最後の命」を連想させられた。
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非常に不安を誘う小説。
一応の謎はあるが、ミステリ読みには恐らく物足りないだろう。その点に関しては、予想以上のものは出て来ない。それが主眼ではないから当然ではあるのだが。
読者の不安を誘うのは、全編に漂う狂気の匂い。正気と狂気の合間で踏みとどまりつつも、いつ転げ落ちるか解らない不安定さが魅力的。
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相変わらず怖い作家だと思う。
その辺を歩いている人間が押し並べて、まともなわけじゃないということを思い知らされる。
隣で笑ってる誰かは心の心底に深い闇を抱えていないだろうか、自分もまた……。
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やっぱすげえよなあ、中村文則。
これもおもしろかったよ。
新潮社の字体はこの人の小説に合ってるよね。
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"僕"が出会ったのは、惨殺された一家で、ただひとり生き残った女の子。
ものすごく眠い時に読んだので全然頭に入ってこず。しかしたぶん、再読することはないな。去年の冬〜も合わなかったし、思わせぶりで自意識の強いモノローグが苦手なんだろうな。
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とにかく陰鬱で重く暗い物語りなのに、こんなにも引き込まれて読んでしまうのはなぜだろう。そういう陰鬱で重くて暗いものを私自身も隠し持ってて、無意識にシンパシーを感じていたりするんだろうか。
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中村さんの作品を読むとこの人は少し狂気じみているといつも思っていました。
掏摸や王国よりの小説かなーと思うのだけれどもっと簡単に簡潔に言葉が綴られているような気がしました。
あとがきで作中に出てくるRは、昔の僕の中に実際にいた存在だった…と書かれてありましたがなんとなくあーそうなんだと頷ける感じがしました。
作品は面白かったです。いろんな人生があるんだなーと思いました。彼女のことをずっと守ってあげてほしいなーと中村さんの作品にしては珍しくそういう気持ちになりました。
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初めての中村文則作品。
つまんなくはないんだけどそんなに面白くもないイマイチよくわからない作品だった。
なんかやらかしそうな主人公は結局たいしたことをやらかすわけでもなく、最後にはむしろ平凡な男となって終わる。
人は誰しも異常な面を内面に持ちながらも、なんだかんだで平凡になっていくのかも。これがいわゆる社会的に「成長」していくことなのかな…
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不安定な人ばっかり出てきて不安ばかりが増すのに、読後はなぜか一抹の幸福感。不思議。
夫婦の歪みが子どもに及ぼす影響に怖じ気づく。
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少しずつ、確かに、狂気の世界へと向かっているよう
すぐに中村ワールドに引きずり込まれる
決して、気持ちの良い小説ではないけど
悪は誰の中にもあるから、読んでしまうのかな
自分の人生と向き合う時間を少しでも減らさなければ、
耐えられそうもない。自分の人生を、
そうやってやり過ごさないといけない。
まともに生きる必要があるのだろうか?
一度しかない人生を、常に健全に生きろと?
そして、最後は想像もしない終わり方
中村文則さんご自身のあとがきの
「人にあまり言えないことの一つや二つ
内面に抱えてるのが人間だと思う。
無理に明るく生きる必要はないし、
明るさの強制は恐ろしい。」の言葉が
この小説のひとつの真実なんだなと思いました
中村さんの小説の中でいちばん好きな
去年の冬、きみと別れは
この「迷宮」を経なければ書けなかっただろうということ
こういう本は、ずっと読んではいられないけど
たまに読みたくなります
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初めて読む、中村文則さんの作品。
好き嫌いがわかれるかもしれないけれど、私は、とても好きです。
とある、迷宮入りした、猟奇的な一家惨殺事件に引き寄せられる主人公。
事件の唯一の生存者である長女と、主人公に、似通う闇の部分。
事件は、単なる結果でしかなく、本質は、もっと別の所に。