紙の本
妙に現実味があって怖い小説
2022/08/20 09:35
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投稿者:makiko - この投稿者のレビュー一覧を見る
ホラー小説を書く小説家の元に、ライターをしている女性から持ち込まれた怪談話。マンションに引っ越したら畳の上を擦るような音がするということで、ご近所に聞いたり昔の新聞を調べたりして原因を調べていく話。マンションの部屋が原因でなく、土地自体が問題だと突き止めていく展開が面白かったです。『月の影 影の海』よりずっと読みやすかったです。
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投稿者:ゆかの - この投稿者のレビュー一覧を見る
恐い、というより気味の悪いお話でした。
自分の住んでる所は大丈夫かな、引っ越しの時には気を付けなきゃとか考えたけど、こんなに些細なことでも残穢とかが影響してくるなら、がんばっても無駄なのかなと思ってしまう。
人の犯した罪や死は、本当にただそれだけで完結しているのか?続いているのではないか?
じわじわくる一冊。
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投稿者:うたこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
怖い本が読みたくて購入。
前評判で怖い怖いと聞き過ぎていたせいなのか、意外と怖くなく拍子抜けした感じでした。
確かに精神的に気持ち悪く感じる内容ではありますが、私の求めていたホラーではありませんでした。
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投稿者:ぴこいぬ - この投稿者のレビュー一覧を見る
フィクションと分かっていても、現実に起こったことではないかとさえ思ってしまう、そんなホラー小説でした。読み終わった後でじわり、じわりと恐ろしさを感じさせられます。
どうしてそのような奇怪な現象が起こるのかを解き明かす過程を早く知りたくて、途中飛ばし読みをしてしまったのですが、飛ばした細部を読みなおすことが躊躇われていますし、「この本を手元に置いておくことすら怖い」という唯川恵さんのコメントに共感しています。
映画化されるようですが、とても怖くて観られそうにありません・・・
紙の本
心の弱さと怖さ
2016/01/19 18:44
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投稿者:せーとー - この投稿者のレビュー一覧を見る
はっきりと見えるものは出てこないけど、はっきりと見えないからこその恐怖。
気のせい、と言われればそれだけとも思える出来事。
だけどそれを掘り下げていくと、思いもよらぬ因縁が。
ストーリーの中で、少しずつ明らかになっていく過去。
因果関係はわからない。そもそも恐怖そのものが自分の気持ちの問題かもしれない。
でも繋げて考えてしまわずにはいられない。
人は何かを見て怯えることもあるけど、自分の中で作り出した何かを感じて怯えることもある。
そんな人の心の弱さを、虚実が交錯するような物語で描いた作品です。
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投稿者:アトム - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初は退屈だが、だんだん引き込まれる。穢れが残るということはあるのかもしれない。
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ドキュメンタリータッチのホラー。
次々と糸が繋がっていく過程がおもしろかった~!
怪談蒐集家なんていらっしゃるんですねぇ。
夏に読むには丁度いいです。
映画も面白そうだけど、どうせなら夏に!やって欲しかった!
余談だけど、旦那様作の深泥丘奇談も再読したくなりました(笑。
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読み終わって、妙にすっきりした気持ちになっているのだけれど――作中で紹介された幾つかの怪異は、鬼談百景で紹介されていると聞いたような気がするので、そちらの記述も気になってきた。
若干の手は加わっているだろうとはいえ、実話録はオチがないことがあって、そこがどうにも怖いので、読みたい気はありながら手を出さないでおこうと思っていたのに……。
これも連鎖?
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図書館で借りたけど、ゆっくり読みたくて文庫版購入。
まぁ何かはあるんだろうけど……懐疑的。
そして●●家が多すぎてやはり何が何やら??
映画観たいな。
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角川文庫から刊行された『鬼談百景』の姉妹編。単行本を持っているので再読。
実話怪談の長編バージョンと言うべきだろうか。過去のことを徐々に紐解いて行く様子は、ミステリ風でもある。最初に読んだときもそうだったが、本書のように『調査』を主体としたストーリーは、『次は何が出て来るのか?』が気になって、あまり怖いとは思えないw
勿論、小説としては面白いのだが、自分はこれを『実話怪談っぽいミステリ』として読んでいるような気がする……。
ところで、巻末の解説にあった、『怪談話』の傾向の変遷も面白かった。言われてみれば最近、因果応報系の怪談ってあんまり聞かないね。
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ライトノベル以外を読みたくて?久々の(新潮の)小野不由美を読んでみた。相変わらずの筆力でグイグイ引き込まれ一日で読了。ひとまず大満足。
淡々としたルポ形式じみた小説だったので、最初は前書きかなんか読んでいるのかと勘違いしました。
私は前半が特に怖くて、眠れないかと思いましたがだんだん恐怖に慣れてきたw
最後、本当にあっさりと終わるので良い意味でさっぱりしていて、怖さを引きずらなかった。
小野ホラー大好き!
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「これ、フィクションだよね?」と確認したくなる。こうしてレビュー書いていいものか?という怖さはあるし、「リング」のように感染していく怖さもある。その意味では、クトゥルフ神話+リングみたいな質の怖さと言える。ただ、長い歴史の中、そういうこともあるだろうな、と考えた事のある人にはそんなに恐怖は無いかも。石田衣良氏はその怖さを「この本を家に置いておきたくない」と表現したようだが、これだけ売れていればその心配はないでしょうね。
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小説家の私に届いた一通の手紙。誰もいない部屋で誰かがはい回る足音、赤ちゃんの泣き声。興味を持った私はその部屋の住民と共に調査を開始するが…。
文句なしに怖かった!猛暑にぴったりの怪談ホラーです。
怖いポイントはいくつかあるのですが、まずは調査とともに明らかになっていくその現象の根深さとその現象に関わってしまった人々の末路。
時代を超え明らかになっていく様々な人たちの悲惨な末路。ルポ形式で書かれているため、それぞれの末路も伝聞形式で明らかになっていくわけですが、その伝聞の語りがリアルで読者の想像力をかきたてられます。当事者として派手に怖がらせるのでなく、外部の人間として徐々に深みにはまっていく感じが恐ろしいです。
そしてこのルポ形式の書き方がとにかく絶妙です! 調査によって徐々に過去の話が掘り返されていく様子は、現実の探偵のような詳細さです。また作中の「私」は名前こそ出てきませんが、著者の小野不由美さんであることは一目瞭然。
また平山夢明さんや福澤徹三さんといった有名作家さんも実名で登場するなど読めば読むほど、この話がどこまで事実でどこからが創作なのか分からなくなります。だからこそ作中の話がフィクションでなく現実味を持って読者に迫ってきます。
そして、「私」のオカルトに対するスタンスもいいです。「私」は怪談全般にたいして懐疑的で、現象やそれぞれの事案につながりが見えても合理的に解釈しようとします。しかしその一方で偶然と片づけられないことも出てきて、そして徐々に「穢れ」に囚われていくのです。こうした書き方も巧く、オカルトに懐疑的な自分もいつの間にか「私」と一緒に穢れを信じざるを得なくなってしまいます。
平山さんや福澤さんの怪談談義も面白かったです。なんでも力の強い怪談は語るだけでも不幸を招くそうです。だから怪談を扱う作家さんは、その話を書いてしまうと不幸が訪れる(作中ではすでに訪れた経験があるような記述がされていたと思います)ため、書くことができない怪談もあるそうです。
そんなことを聞くと「この本を読んで大丈夫なのか?」という気がしないでもないですが、(まあ小野さんがご健在なので大丈夫だとは思いますが…)そんな迷信気にならないよ、という方は、季節も季節なのでぜひ読んでほしいです。逆に今の話に引っかかった人は読まない方が無難かもしれないですね。
怪談ものなので明確な解決や、盛り上がりを求めると、ちょっとあてが外れてしまうかもしれませんが、冷静な語り口と事実を積み重ねていくルポ形式のスタイルなので、ひたひたと徐々に迫りくる怖さや不気味さという点では本当に一級品の作品でした!
映画化されるそうですが、そちらも原作のようにあまり映像の派手さにこだわらないようにしてもらいたいなあ、と思います。
第26回山本周五郎賞
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2015/8/2。2015年8冊目。
(後半ネタバレ?あり…注意されたし)
怖い怖い怖い。と言いつつ読み終えた一冊。
主人公があまりに小野さん的なので、フィクションなのにノンフィクションみたいでクラクラしながら読みましたよ。
引っ越して来た部屋に出る、というのは定番。だけど部屋じゃない、マンションじゃない。この辺り一帯…と怖いものが拡がるこの感じ…
まさに恐怖は伝染するのですね、と。
今棲んでいる家の前に、何があったか…ついつい好奇心が勝って読み進めてしまいます。お嬢さんを旦那さま実家にお迎えに行ってる時も、続きが気になって気になって読んでしまうという悪嫁でした(ーー;)
でもって、一番怖かったのはラスト付近のあのおうち。打ち棄てられた廃屋に残る複数の仏壇、神棚…もうそれだけで恐ろし過ぎます。
怖い。でも読んでしまう…やっぱ小野さんは凄い。
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ドキュメンタリー(あるいは実際に作者が体験したドキュメンタリーなのかも知れないけど)的な語り口は、とてもよかったのですが、いかんせん、他の方のレビューや前評判ほど「怖い」と思えませんでした。
怖さに対して鈍感になっているのかな。部分部分で、ゾッとすることはあったものの…という感じでした。
起こる怪異と影響が、発端と比較して広く大きくなりすぎたこともあるのかも知れません。
詰まるところ、因縁とかが細かくわかってるよりも「得体の知れない」恐怖が僕にとって一番怖いのかもということに気づきました。