紙の本
カラス夫婦は一生添い遂げている
2016/01/09 21:12
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投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
私は子供の頃、「手乗りインコ」を飼っていたこともあり、町を飛び交う鳥たちに大変興味があります。スズメ・ハト・カラスはもとより、最近は猛禽類が悠然と空を飛んでいたりして、町の中でも十分バードウオッチングを楽しむことができます。
本書は、スズメ・ハト・カラス・ハクセキレイ・コゲラの生態を平易に解説した上で、町の鳥たちとの付き合い方(餌やりや飼育の可否等)を提言しており、身近な鳥好きには恰好の良書でした。
例えば、スズメは人間を見分けたり、害虫や雑草を食べてくれる、ハトはミルクで子育てするし、恋路を邪魔するスズメを投げ飛ばす、町のカラスにはブトとボソの2種類がいて、たいへん賢く、夫婦は一生添い遂げているかもしれない等々、生態を詳しく知れば知るほど興味が倍増します。また、注意深く観察すると、町の中で50種類もの鳥を楽しむことができることに驚きです。
本書を読むと、町の鳥たちに、自ずと視線を向けるようになるでしょう。
紙の本
どれもスズメに見えてしまっている
2019/07/05 11:12
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投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
三上修『身近な鳥の生活図鑑』(ちくま新書)は、スズメ、ハト、カラスという文字通り身近な鳥のあれこれを教えてくれる本です。
スズメぐらいの大きさの鳥は、まちなかに20種類ぐらいいるんですって。
え、そんなに見たことないよ、と言う人は、どれもスズメに見えてしまっているということらしいですよ。
わたしがよく見かける、しっぽの長い鳥は、ハクセキレイというのだとわかりました。
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スズメ・ハト・カラスのたった3種の鳥で一冊の本が書けてしまうことに驚きました。
2016/08/31 11:59
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
スズメ・ハト・カラスのたった3種の鳥で一冊の本が書けてしまうことに驚きました。しかも、余りにも身近なために、良く見ているつもりでも殆ど見ていなかったことに気付かされたことにも驚きでした。しかも、研究者が書いただけあって、判らないことに関しては様々な説はあるけれど正確なことは判らないとハッキリと書いていることである。これはある意味では、全くの素人が日常的に注意することで、意外に簡単にある種の鳥の専門家に成り得ることも示唆しており、研究という行為、研究対象は実に身近なところに有ることをも示唆しており興味深い。さて、こうした野生?生物との共存は、都市が巨大化した近年は大きな課題であろう。こうした生物がいることによる精神的充足と同時に、様々な弊害をも含めた野生?生物との共存は今後の都市計画の大きな課題である。
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まちかどバードウォッチャーのススメ
2016/06/12 11:24
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投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「鳥はスズメとハト、カラスぐらいしかわからない」人でも充分鳥の観察が楽しめますよ、と教えてくれる本。
ハトも、私たちが見かけるものに2種類あること、その見分け方が載っています。「ドバーッといるのがドバト」などと書かれたら、一度読んだら忘れられません。カラスもやはり主に2種類いて、行動も違いがある。歩き回るハシボソ、飛び降りてくるハシブト。それだけ覚えておいても見分ける楽しみができそうです。
街中でのこういった鳥の観察は、手間もかからないし街を見直すことにもなる、と著者は書いています。それだけでなく、カラスなどは頭も良いので結構「発見」がありそうな楽しさを感じました。
糞の迷惑やら、襲われる恐怖など感じることもあるかもしれないけれど、よく知って適当な距離で街中で棲み分けていけたらいいなと思います。
著者は岩波科学ライブラリーからスズメについてだけの著書も出しています。こちらも面白かったです。カラスについては別の著者の「カラスの教科書」が面白かったです。一寸分厚いですが。
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<目次>
第1章 鳥にとって町はどんなところか?
第2章 スズメ~町の代表種
第3章 ハト~いつからか平和の象徴
第4章 カラス~町の嫌われ者?
第5章 街で見かける他の鳥たち
第6章 都市の中での鳥と人
<内容>
鳥を愛する研究者の街で見かける鳥にしぼった案内書。著者はスズメが研究対象なので、スズメが一番詳しいが、カラスやハトにもかなりの紙数を割いている。ただ、私にはドバトとキジバトの違い、ハシブトカラスとハシボソカラスの違いはまだ分からない。それでもカラスやハトが我々人間の生活の中で、併存出来るようにしていきたいと思いました。
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スズメ、ハト、カラスなど人の生活圏で見られる鳥たちの生態について記した本。日常的に見られる鳥たちについて詳しく説明がされていて、これらの鳥をじっくり観察してみたいと思った。
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岩波科学ライブラリシリーズの『スズメ』の著者による新書。こちらはスズメだけでなくカラス,ハトなどの話も。1種1冊よりも軽めで,見る時のポイントを端的に書いてあるので,イントロとしてかなり良書。
セキレイ,ツバメ,コゲラについての記述もあり。
セキレイはむしろこれ1種で1冊ってのを,岩波科学ライブラリかフィールドの生物学シリーズあたりで出してほしいなあ。>セキレイの研究してる人。
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スズメ、カラス、鳩を中心に都市にいる鳥について書いた本。へぇー、なるほどーがたくさんあった。古典の中の鳥の記述にも触れられていたのは、さすが大学の先生。最後の章の人と鳥がいかに共存すべきかが印象深い。あとがきであまり書きたくはなかったと書いていたが、鳥によりすきず、人に寄りすぎず、良い考えだと思った
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詳しく書かれているのは、スズメとハトとカラス。特にカラスの生態を興味深く読んだ。カラスってガァガァうるさいし、悪さばっかりするし、迷惑千万!と思ってきたけれど、ちょっと気をつけて観察してみようかな。そういう気持ちにさせる優しい書き方だ。
「第6章については、書くのに覚悟がいりました」とあとがきにあるが、ここが一番おもしろかった。人間の身近にいる鳥については、軋轢が生じやすい。その解決策を考える際の基本方針が三つあげられていているのだが、なるほどなあと納得できるものだ。
「都市では人間本位で考える」「良く言えば寛容、悪く言えば曖昧な線引きをする」「控えめに鳥と接する」
それぞれの詳しい説明は省くが、「初めから、ほどほどのところでやめておけば、ルールなど作らなくてすむことが多い」という考え方に共感する。これって鳥に限らず、いろいろな場面で言えるのではないかなあ。
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「本格的なバード・ウォッチングもいいけど,実は街中にいる身近な鳥たちにも目を向けてみると,結構楽しいよ」ということで,スズメ,ハト,カラスをはじめとする街の鳥の生態について紹介された1冊。著者の茶目っ気たっぷりの解説に,何度も笑った。ところどころ,おおらかな説明があるけれど,そこがまた何ともお茶目で。帰り道が楽しみ♪
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スズメ以外の鳥は名前がよくわからないので、しばらくはハクセキレイとコゲラに注意して街を歩いてみよう。
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鳥。スズメ。ハト。カラス。ツバメ。ハクセキレイ。コゲラ。
身近な鳥の生態を、人の立場とも関連して紹介。
この本を読んでいる日に、家の庭で初めてハクセキレイを発見し、とてもタイムリー。可愛かった。
気合を入れてバードウォッチングをしなくても、身近な鳥を眺めるだけでも十分に楽しめる、と思わせてくれる良い本でした。
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6年かけて読み終えたことになります。いろいろな本を読む合間に一章ずつ、少しずつ読んできて、ついに読み終えました。
難しい本ではないので、そんなに長期間で読まずに一気に読んだ方が良いようにも思います。スズメ、カラス、ハト、ツバメ、ハクセキレイ、コゲラについて書かれてます。
この本の嬉しいところは、緩い感じ。都会に暮らす鳥を語ると文明についても語ることになっていきますが、そうすると~べきだという論調になりがちだと思います。しかし、その押しつけがましさが微塵もない。世の中には多様な事情があるのだから、その事情を考えないといけない、ということがあるのでしょうか。鳥と人、自然と人、文明と人との適切な距離の取り方、ということをそれとなく教えてくれているように思います。
6年前、この本を読み始めてすぐ買った双眼鏡でずっと窓外を飛び、木に憩う鳥を見てきました。世界が広がる本です。
都会や市街、庭について語った言葉ではありませんが、「ゆったりと、ほこほこと、がちゃがちゃ、が同居した空間です」という言葉が印象に残ります。素敵な空間だと思います。
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Twitterで筑摩書房をフォローしていたら「鳩が雀をほうり投げる瞬間!」と題された画像(本書p105掲載)が流れてきて、何だこれは⁉︎と笑ってしまったのがきっかけで手にした一冊だ。スズメ、カラス、ハトは勿論のこと、ヒヨドリもムクドリもセキレイも、春先の梅にメジロの姿を見ることもあるし、自転車通勤の川沿いを行けば、カモ、サギ、カワウの子育てコロニーに出会う。都市に棲む野鳥を見て楽しんでいる。それで、人間と人間以外の動植物の共生を考えるとき、著者が第6章で述べている考え方には共感することが多数。
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鳥類(特に雀)の研究をされている著者による良書でした。身近な鳥たち…雀、鳩、烏を中心に燕、ハクセキレイ、コゲラを加えた鳥たちに対する愛情が感じられる記述で、面白く読みつつ、大変に参考になりました。鳥の生態は興味深く、その観察は面白いですね。…と同時に鳥と人間の生活との共存についても考えさせられます。