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夜市 みんなのレビュー

文庫 第12回日本ホラー小説大賞 受賞作品

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みんなのレビュー677件

みんなの評価4.0

評価内訳

677 件中 16 件~ 30 件を表示

紙の本

流れるように恐怖の心を描く

2012/01/31 19:29

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:更夜 - この投稿者のレビュー一覧を見る

今宵は夜市が開かれる。
夕闇の迫る空にそう告げたのは、学校蝙蝠だった。

この魅惑的な文章で始まる『夜市』
この中篇は第12回日本ホラー大賞を受賞しました。
ホラーと言っても、この物語は「異界への道」、スプラッタと混同しないで欲しいのは
この物語でこわいのは、「帰れないかもしれない」ということです。
帰れない、ということは、もともと居場所があるのを前提に帰れないことに恐怖を覚える。
大学生のいずみが、高校の同級生だった祐司に誘われて夜市に行く。
岬の森の中に、なんでも売っているという店が並ぶ。それを告げたのは、学校蝙蝠だ、と祐司は
言う。
行ってみるとそこは、異形の者たちが異形の者を価値観全く関係なく売る店が、森の中に
並んでいる。その風景を描く、作者の色の使い方と闇の描写がさりげなく、しかし、しっかりと
色づいています。
「ほのかな青白い光に、闇が切り取られていた」・・・そんな夜店。

 お祭りの夜店かフリーマーケットのつもりで、ついてきてしまったいずみは、その夜市に
とりつかれてしまったような恐怖を覚える。
それは、この夜市では「何かを買わないと帰れない」という掟がある、ということでした。
何故、そう親しくもない祐司は自分を誘ったのか、一人で行かなかったのか、その理由を
知っていずみは、最初は疑問、そして不安、心配、そして恐怖にかられます。
いきなり怖いものが出てきて「怖い」のではなく、おかしい、おかしい・・何故?がこわい、に
次第に変化していく。

 昔、子どもの頃の祐司は同じ夜市に行ってある物を買った。しかしその代金はお金では
なく、かけがえのないものを失うことになった。
帰れない、失ってしまった、いなくなってしまった・・・残酷な描写よりも、淡々とした夜市の
暗闇の様子を描きながら、じわじわと「先の見えない恐怖」が取り巻いて行く様子が実に
リアルであると同時に幻想的に描かれています。
そこに作者の言葉の抑制というものを感じます。過激な描写、露骨な描写は一切ださずに
異界という「アナザーワールド」を創り上げ、また、その中で謎がとかれていく展開でありながら
中篇という長さでもって、鮮やかに、さっぱりとレモンを切った時の新鮮な酸味を残すような
後味でもって、さっと切り上げる。

 同じく異界ものとして、書きおろしの中篇『風の古道(こどう)』もふとしたことから、異界へと
足を踏み入れてしまった少年の物語ですが、この物語も「帰れない」恐怖と同時に、
異界でしか生きられない者たちの哀しみも描いていて、意外な展開と少年の心の葛藤を
描いています。

 この物語はあくまでもふざけることなく、飾ることなく、しかし、他の誰も真似できない世界を
発想の転換という方法だけで創り上げました。そしてそこには、抑えに抑えた負の感情を
感じるのです。
負の感情をただただ、垂れ流しにするのではなく瓶詰めにして、そして美しいという所まで
昇華させている、その言葉の選び方、使い方、流し方・・・大変、流暢な物語とも言えます。

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紙の本

これってホラー?美しさと哀しさと恐ろしさの境目。

2010/10/17 15:01

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:惠。 - この投稿者のレビュー一覧を見る

久方ぶりの再読。

ホラー文庫からの刊行で、日本ホラー小説大賞を受賞しているのだからホラーというジャンルで正しいのだとは思うけれど、わたしにはホラーだとは思えなかった。むしろファンタジーというくくりのほうが合っている。


望むものが何でも手に入るという、妖怪たちが出店する夜市。裕司は小学生のとき、その夜市で弟と引き換えに野球の才能を手に入れた。二十歳になる年、裕司は友人のいずみを連れ、久しぶりに夜市を訪れる。裕司の目的はただひとつ――弟を買い戻すことだった。

もう設定がファンタジー。妖怪たちが出店する市で、夜に開かれるから夜市。そんな場所に人間が迷い込めるはずがないと思うのだけれど、これが不思議なことに迷い込めてしまうのだ。

なんて書くと批判的に聞こえるかもしれないが、これはこれでアリだと思う。ファンタジーは苦手だけれど、これはすんなりと設定を受け入れることができた。

ただ、感想としては「ふーん」としか思えなかった。不思議な設定も受け入れられた。展開も受け入れた。でも、ただそれだけだった。


表題作よりも格段に気に入ったのは同時収録されている『風の古道』だ。
人間の住む世界と紙一重のところにあるという風の古道。この世の者ではない生き物たちの道なのだけれど、時折人間が迷い込むこともあるという。小さな頃に古道に迷い混んでしまった私は、友人のカズキにそんな道はないのじゃないか(=うそつき)と疑われ、再び風の古道に足を踏み入れた。12歳の夏だった。

そこから少年たちはひたすら歩くことになる――人間が足を踏み入れてはいけない道を。途中、水牛車引きのレンに出会い彼と行動を共にする。しかし道中で少年のひとりが死んでしまう。そしてレンと生き残った少年は、死者を生き返らせる秘儀を求めてまた、歩き始める。

端的に言うと、ただ歩くだけの物語。しかし彼らが歩く風の古道は、幻想的で美しい。単純に、美しいと思った。人が生き返るストーリーはわたしの最も苦手とするところなのだけれど、本作においてはその秘儀の存在さえもすんなりと受け入れられてしまった。

不思議な物語。恐ろしくはない。そして恐くもない。ただただ美しいお話だった。




『夜市』収録作品
・夜市
・風の古道

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紙の本

ホラーファンタジーモノなのだが

2022/11/13 17:27

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る

一応はホラーファンタジーモノなのというカテゴリーに入るのだろうが、読んでいてゾットするようなホラーではなく、いつの間にか引き込まれてゆくようなそんな怖さをたたえた作品である。特に表題作の「夜市」は視覚的にその光景が浮かんでくるような名文である。その他の作品もよく似た雰囲気をたたえている。

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紙の本

ホラー

2022/09/04 15:23

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ねこにゃんこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

ホラー小説だと思って読みましたが、想像していたものと全く違っていました。自分のすぐ近くで起こっていそうな、妙な現実感があって、どんどん話に引き込まれていました。

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電子書籍

和風ファンタジー

2021/07/17 21:41

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:たま - この投稿者のレビュー一覧を見る

化物の市へ訪れる、「夜市」
外界と隔たれた謎の場所へ迷い込む、「風の古道」
どちらもホラーよりもファンタジー色が強く、そして美しい。
夜市も古道も黄泉の世界なのだろうか。
和の美しさ、薄気味悪さ、怖さ、儚さ……異界に触れてしまった普通の人達の物語はどれも一抹の寂しさを残して終る。
夏の夜に読んで欲しい和風ホラーファンタジーでした。

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紙の本

哀しくて、少し怖くて、優しい物語

2015/11/29 20:30

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:栗太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る

角川ホラー文庫ですが、ホラーというよりファンタジー。
 日本でファンタジーと言うと、ライトノベルの剣と魔法とツンデレ少女系か、児童文学の壮大な異世界書いてみました系が二大流派で、日常から一歩を踏み出してしまった異世界、現実と幻想の狭間を描いた作品は発表の場がありません。
 ファンタジーの書き手はもっと沢山いる筈なのに、相応しい場に巡りあえずにいて、半ば無理やり「児童文学」か「SF」に自らを押し込んでいるのでしょう。
 そんな中、本書の作者が選んだ土俵はホラーでした。目から鱗が落ちました。そうか、迷えるファンタジー作家はホラー界に行けばいいのか。

 本作品は狭義のホラーではありません。ホラー要素を求めて読む方は期待外れに終わるでしょう。でも、これは素晴らしい作品です。哀しくて、少し怖くて、優しい。
 息をするほど自然に、読者は幻想の世界に誘い込まれます。

 作者のデビューは10年近く前になるのに、初読でした。今まで手に取らなかったことを後悔するけれど、これから待たずに何冊も読めるので今、浮き立つような気分です。

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紙の本

日本ホラー小説大賞を見て、読みました。

2014/10/24 22:30

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投稿者:shingo - この投稿者のレビュー一覧を見る

日本ホラー小説大賞を見て、読みました。
怪談のような、実はミステリー。文章に無駄がなく、構成もうまいです。二話の短編で、どれも心に残ります。

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電子書籍

面白い

2014/03/08 23:11

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投稿者:minamiya - この投稿者のレビュー一覧を見る

ホラーを読んでいるが、とても面白い。

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電子書籍

納得の受賞作

2021/10/16 08:16

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投稿者:ちーかま - この投稿者のレビュー一覧を見る

ホラーファンタジーというか不思議な読後感がある作品。2話目の「風の古道」はミステリー要素も加わっていて名作。恒川作品は他にない独特の雰囲気があるので本棚に一冊は欲しい

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電子書籍

夜市がおすすめです。

2015/08/23 17:18

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:eri - この投稿者のレビュー一覧を見る

怖い話なのかもしれませんが、それ以上に美しく、幻想的な話だと思いました。表題になっている『夜市』は特に印象的で、一つの映画を見たような気持ちになりました。

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電子書籍

ホラーでは無く、後味もクソも無い。文学

2023/10/22 21:56

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投稿者:狂ったチワワ - この投稿者のレビュー一覧を見る

味気無いという一言であった。
どこかで想像した通りの内容だったのかなと思った。
レビューの良さに、もしかして、私は感情と何かを交換してしまったのでは無いだろうか?
と読み終わった後に、思ってしまった。

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紙の本

夜市

2022/03/04 17:32

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投稿者:もこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

やっぱりファンタジーではなくホラーだと思いました。
私は怖かったです。

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紙の本

世にも奇妙な・・・的

2014/07/17 15:49

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:papanpa - この投稿者のレビュー一覧を見る

表題の「夜市」は、異世界で催される市場でのお話、2話目の「風の古道」は、現世と隣接して存在する神の道へと迷い込んだ少年の話。
どちらもホラーではなく、世にも奇妙な・・・的。特に「夜市」のほうは、ストーリーもありきたりで、特に文章が面白い訳でもなく、高校生の書いた物語程度。
「風の古道」のほうが、この作者の持ち味なのかな?悪くはなかったが、恒川 光太郎という作家は、こういう作品だ!という印象もなく、全体にまあ・・・というところ。星3つ。

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2008/05/25 23:07

投稿元:ブクログ

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2010/02/14 21:37

投稿元:ブクログ

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