紙の本
今度の主人公は肖像画家です
2017/03/13 00:32
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投稿者:NaK - この投稿者のレビュー一覧を見る
今度の主人公は肖像画家です。
IQ84と比較するとテンポがちょっと悪いです。
基本は謎解きっぽいですが、そこまで引き込まれる謎かというと。。。
まぁ、暇なときに読むぶんにはそれなりに楽しめると思います。
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引き継がれる命
2017/03/10 18:41
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投稿者:つよし - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネット上には村上春樹のベストアルバムという揶揄も聞こえるが、それは本書がまとっている見せかけにすぎない。むしろ作者は過去の作品に類似したモチーフやキャラクターを意図的に多用することで、セルフパロディのように見せつつ、重要なテーマを奥に隠しているように見える。主人公が書く肖像画のように、表に見える色彩だけで判断してはいけない。端的に言えば、この作品が描いているのは、父の死と子の誕生だ。物語上は友人の父だが、精神的には実父と実子のような結び付きを持つ。そして妻が孕んだ子もまた実子かどうか判然としないが、主人公は強い精神的結び付きを感じているようだ。過去作品の重要モチーフである井戸の変奏として、今作では石室が登場した。子の名前が室であるように、そして女性器を思わせる形状であることからも、これは命の通り道、産道を暗示している。東日本大震災を経て、村上春樹の視線が命に注がれているように感じる。
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村上春樹作品
2017/08/25 18:22
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投稿者:akiko - この投稿者のレビュー一覧を見る
村上春樹が村上春樹の作品を書いた、という印象。よく言えば、安定感であり、まさに読者が求めているものを書いてくれた。悪く言うなら、どこかで読んだような感覚を拭えない、というところだろうか。両方を感じた上で、面白かった。
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騎士団長
2017/06/02 21:29
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投稿者:シロー - この投稿者のレビュー一覧を見る
村上作品初挑戦。
内容とか難しいのかなと思ってたけどすらすら楽しく
読めました。第2部も読もうと思います。
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炸裂、村上ワールド
2017/05/24 00:07
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投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公は、妻に別れを言い渡されて家を出、小田原に近い山荘に暮らしている。職業は肖像画家と言っていいが、生計の足しに、子供や女性を対象にした絵画教室の講師も務めており、生徒である中年女性と肉体関係もある。山荘の持ち主は同業の友人だが、彼の父親は、将来を嘱望された洋画家でウイーン留学の経験もありながら、ヒトラーの侵攻を機に帰国し、一転、日本画に宗旨替えした。その山荘の中で主人公は、友人の父が描いたと思しき「騎士団長殺し」という絵画を屋根裏に発見。さらには免色と名乗る不可識な人物と出会うことによって、奇妙な世界に引き込まれていく。相変わらず比喩が多く、パーレンも多様、周りくどい文体もそこここにあるのだが、何より表面的に楽しむもよし、掘り下げて読むもよし、これが村上ワールドなのだろう。昨今の芥川賞作家あたりとは、根本的な力の相違を感じざぜるを得ない。後編に期待大。
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これからどうなっていくのか楽しみである
2017/03/23 15:15
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投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
待ちに待った村上春樹の新作である。ぐいぐいと読者を引っ張っていく筆力はさすがである。最初から不思議な話であるが、第1部の終わりの方の展開は特に意外である。これからどうなっていくのか楽しみである。
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「騎士団長殺し:第1部 顕れるイデア編」
主な舞台は、小田原市郊外の山中に建つ一軒家。
「1Q84から7年」、そんな経っていたか・・・と思ったけど、新潮社から出た村上春樹の長編小説が7年であり、その間に”多崎つくる”が発売されてました。それをカウントすると4年振り?の様です。出版社毎に年を弄った所で読者へのインパクトって大したものを期待できないと思うので、普通に統一した表記にして欲しいです。
漸く1部を読了しました。久々の一人称”私”が主人公。”私”は、6年ほど共に結婚生活を送っていたユズと離婚調停中、外で男を作っておりいきなりのByeBye発言を喰らうというおまけつき、の絵描きであり、高名な日本画家である雨田具彦の旧アトリエ兼住居に引っ越した。
因みに、離婚調停中ということで相当落ち込んでいるかと思いきや、複数の女性と夜な夜なSEXを繰り返しているようでそこまで落ち込んでいない模様。となると男は性が無いと自我を保てないと言いたげのような村上春樹の大好きな手法が出てきそうだなと思いきや、やっぱり出てきました。村上春樹小説あるあるですね。
それは置いといて、前作”多崎つくる”と比べると「騎士団長殺し」は、随分とファンタジーになったなと感じました。ファンタジーのポイントになったのは、雨田邸に眠っていた1つの絵。彼の未発表作である「騎士団長殺し」です。如何様にも読み取れるこの絵には、歴史上の事件や雨田本人やその恋人やら色んな秘密が詰まっています。
極めつけは、その騎士団長を模して突如姿を現すイデアです。”私”の全てを見ていると言われ、SEXも見られていたのかとあたふたする”私”。勿論、「僕は僕を理解することは簡単じゃない」と絵画教室の教え子に話していた、まさにそれを実現する道を1歩1歩歩き始める。ここら辺は、どこか観念的でもありました。
不気味なファンタジーという点では、免色渉を語らずにはいられません。谷をはさんで向かいの山に建つ白い邸宅に住むこの中年男ととあるきっかけで交流を持つ”私”。そのきっかけとは、旧雨田邸付近で聞こえてくる”ある音”なのですが、「もしあなたが穴の中にいたのならば、私はそのままにしていたかもしれません」など言われたら怖くて今後付き合えないです。この不気味さの一方で、多面的な物事の見方を示唆する辺りは、役割としては重要な存在ではあると思うんですけどね。
今のところは、面白さがイマイチ掴めない。慌ただしい次の日曜日は、第2部へ。
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村上作品とは不思議とリンクする。
今回も主人公が同い年(前作に続き)。
スルッと非日常になるのが心地好い。
お馴染みの魅力的な少女が出て来たところで下巻へ。
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2017年13冊目。
いつかのインタビューで、「『カラマーゾフの兄弟』のような総合小説をいつか書きたい」と言っていた記憶がある。
今作のタイトルから「父なるものを殺す」というイメージが湧き、あの時の宣言に対する挑戦作なのではと想像した。
騎士団長と『海辺のカフカ』のカーネル・サンダース、穴の中にこもるシーンは『ねじまき鳥クロニクル』の井戸のシーン、など、過去の作品からの既視感が強い表現が多い印象を受けた。
が、それはやはり村上春樹さんの中の強烈なイメージが出てきている証拠で、それらのイメージが今作でさらに深まって、過去に出してきたものの集大成的なものとなる、という期待を第2部に。
芸術家の主人公であることからも、著者自身の「創作」に対する捉え方が如実に表れている気がする。
暗くて深い場所をくぐり抜ける体験を、物語を通じてしたい。
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私の求めていた村上春樹が帰ってきた!
と言うか
やっとこの世界に村上春樹が戻ってきた!
クロニクルの後の作品は
戸惑ったり、ガッカリしたり、反応すらできなかったり。。。
今回も恐る恐る読みはじめた感じだったけど
第1部読み終わった時点で
どっぷり世界にハマってます
羊シリーズ や 世界の終わり〜、ねじまき鳥〜
の世界観が好きな人にはたまらないと思いますた!
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★評価は読了後まで保留。
主人公の年齢設定が中年となり、抱えている問題が過去作品より現実社会に関連しているように見受けられる。というのも色んな設定・キャラ・モチーフ等が過去作品を連想させるものの確実に違う感覚を想起させるから。この辺は作家が自身のキャリアを有用に利用しているのもさりながら、終焉を意識しているのかもしれないなと深読みしてみたり。まぁ楽しみに次に進みます。
しかしなんですなぁ、ファンもアンチも日本におけるこの作家への反応は金太郎飴的です。例えばアンチの典型の某芸人は毎度同じ自分の反応を恥ずかしく思わないのか?と余計な心配をするくらい(まぁ当方もこの作家の相も変わらず妙なセックスへの拘りには多少うんざりしているので変わらんのですが)。一方、ハルキスト(村上主義者ですか?)の時を争う購入態度は、新作ゲームを待つみたくで作家をある意味冒涜しているようにも思える。
そもそもこの作家の作品ってカルト的人気を誇る方が相応しいと思うんですが、何故か爆発的に売れる。結局このズレが皆を刺激するのかと思われ。
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1Q84を積読にしたまま、読まずにいるので、久しぶりの村上作品。
まだ独特の世界観が掴めないのか、ペースがいまいち。第1部では、話の展開がどこに向かっていくのか、全く分からないので、第2部に期待。
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20170224
購入してからランチの持ち帰りてんやの天丼待っている間に読んだだけで、もう主人公とおぼしき男は人妻二人と関係を持った。
いつもの調子ぽい
20170226
安定のハム・サンドイッチ(でも今回サンドウィッチじゃない)に、やれやれ、もはや自己パロディ
20170227
一人を様々角度からスケッチ(クロッキーだか分からないが)し、どのスケッチを元に仕上げたか、の違いみたいな本が続いている様だ。
村上春樹が書きたいことはひとつなのかもしれない
それが何かは分からないけど
でも今回は既視感が強い気がする
20170227
読了1日後
急に思ったが、アンの娘リラとかドラゴンボールみたいに次世代で第3部とかないよね?
20170227
あんまりにも細切れにすっ飛ばして(スピード)読んでぼぉっとしていたが、第1部の頭でその後も関わられているのだから、第3部あるのか・・?
スバルの男、顔がもやの帽子の男、名前も、たいした描写もない主人公
そういえば知人の小学生の息子が「騎士団ながごろし」と読んでいたのは笑った。
じわじわ殺されそう。
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不思議と読んでしまう。物語をどう結論づけようとしているのか上巻を読んでもよくわからない。会話は翻訳的。こんな話し方をする日本人はいない。
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今回も発売日に書店へ急いだ作品。学生時代からずっと村上春樹ファンの自分にとって「1Q84」以来の長編である今作は発売前からワクワクが止まらなかった。
まずそのタイトルには興味をひかれサスペンス要素が盛り込まれた作品になるのかなど色々と想像して楽しんでいたが漸く読める事になり嬉しいの一言に尽きる。
なぜ村上春樹の作品にこれほどまで惹かれるのか、改めて考えてみたが正直分からなかった。文体が好きなのは間違えないのだが、日常生活の何でもない一コマを丁寧に描写してあるその味わい深さが好きなんだと思う。他の作家ではなかなか感じられないものでもある。
今作もとても興味深い登場人物の出現にイデアやメタファーなど概念的要素を主体に「穴」や「鈴」の出現でさっそくワクワクしながら読み進めている。