数多い宇宙論に関する本の中で、まずこの1冊
2017/05/28 22:15
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投稿者:YK - この投稿者のレビュー一覧を見る
宇宙は誕生して約140億年と言われています。140億年を1年に置き換え、宇宙誕生の瞬間を1月1日午前0時とすると、人類の誕生は12月31日午後11時52分ごろになるという喩えを耳にしたことがある方もおられるでしょう。それだけでも宇宙スケールの時間の大きさに驚きますが、現在の宇宙論では宇宙の寿命がある程度推定されており、それは10の100乗(”0”が100個並ぶほど大きな数)年と見積もることができ、これをまた1年に置き換えると、誕生後約140億年の今は1月1日午前0時0分0.000…4(”0”が77個並ぶほど小さい数)秒だというのです。
本書は宇宙誕生から寿命を終えるまで、宇宙がどのような姿を見せるのかを時間の経過を追って解説しています。それによると、銀河や星雲、恒星が煌びやかに彩る今の変化に富む宇宙は寿命を通じてほんの限られた一時期にしか存在せず、それ以外はもっと一様で変化に乏しい姿だという事です。
永い宇宙の寿命のなかで限られた瞬間に人間が生きているという事ですね。人間の存在の儚さを再認識できる本です。
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投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
数十億年前に誕生した太陽と同程度の質量の恒星は壮年期を迎えているが星を作る材料は枯渇しつつあり、少子高齢化の時代に突入しているということがわかった。そのうち水素がなくなって星もなくなるのは知っていたけどすでにその段階に足を踏み入れてることを初めて知れた。
さらにその後の宇宙は(あまりに未来の話はまだ理論が確定していないので諸説あるうちの最もありうる理論だが)銀河も崩壊して、果てには10の100乗年といった未来には陽子も崩壊して物質がなくなったりブラックホールも蒸発し永遠に膨張する宇宙の中で何も変化しないという死を迎える(可能性が高い)ことがわかった。
生命を育むような星が生まれるのはビッグバンからこの数百億年ほどの極めて短期間の幻のようなものなんだなと感じた
宇宙についての壮大な物語です!
2020/01/28 10:16
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、多分野の知識をわかりやすく提供してくれる大人気の講談社のブルーバックス・シリーズの一冊で、同巻は宇宙について考察した書です。今からおよそ138億年前にビッグバンで生まれた宇宙は、この先少なくとも「10の100乗年」もの想像を絶する長い未来を有すると考えられていると著者は言います。そんな遠大な未来において、宇宙は一体「終わり」を迎えることがあるのだろうか?それが本書の最大のテーマとなっています。内容も、「第1章 不自然で奇妙なビッグバン」、「第2章 広大な空間、わずかな物質」、「第3章 残光が宇宙に満ちる」、「第4章 星たちの謎めいた誕生」、「第5章 そして<現在>へ」、「第6章 銀河壮年期の終わり」、「第7章 消えゆく星、残る生命」、「第8章 第二の<暗黒時代>」、「第9章 怪物と漂流者の宇宙」、「第10章 虚空へ飛び立つ素粒子」、「第11章 ビッグウィンパーとともに」、「終章 不確かな未来と確かなこと」となっており、宇宙について壮大な物語になっています。
ビッグウィンパーとは?
2022/04/10 17:55
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
宇宙の始まりが「ビッグバン」と呼応するように、宇宙の終わりも「ビッグ〜」と呼ぶことが宇宙論研究者の習わしとなっているらしいです、すべてのブラックホールが蒸発し、熱死に近い状態を迎えるという最期は、「ビッグウィンパー」というのだそうです
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内容紹介
◆「ビッグバンから138億年」は、宇宙の始まりにすぎなかった――。
◆未来の果てに、宇宙は「終わり」を迎えるのか?
宇宙の歴史は138億年だ。138億年という長い歴史の到達点に、私たち人類の誕生があるのだ。……このような話を聞いたことがあるかもしれません。
確かに、宇宙は今から138億年前、ビッグバンで生まれました。では、宇宙はこの先どうなっていくのでしょうか? 宇宙が滅びるのは何億年先? 何兆年先? もし、遠い未来から現在という時点を振り返ってみたら、どのような時代に見えるのでしょうか?
実は、「138億年」は、宇宙にしてみればほんの一瞬です。宇宙は、人類誕生までの138億年を序盤のごく一部として含み、この先少なくとも「10の100乗年」(10の100乗は、1の後に0が100個続く数)に及ぶ、想像を絶する未来を有しています。
現在は、宇宙が誕生した「直後」です。「宇宙138億年の歴史」は、宇宙の始まりにすぎないのです。
138億年が一瞬に思えるような、そんな遥か遠大な未来に、はたして宇宙は「終わり」を迎えるのでしょうか? 本書に、その答えがあります。
本書は、宇宙に流れる「10の100乗年」の時間を眺め、人類の時間感覚とは全く異なる壮大な視点に立てる、知的冒険の書です。
■おもな内容
第1章 不自然で奇妙なビッグバン――始まりの瞬間
第2章 広大な空間、わずかな物質――宇宙暦10分まで
第3章 残光が宇宙に満ちる――宇宙暦100万年まで
第4章 星たちの謎めいた誕生――宇宙暦10億年まで
第5章 そして「現在」へ――宇宙暦138億年まで
第6章 銀河壮年期の終わり――宇宙暦数百億年まで
第7章 消えゆく星、残る生命――宇宙暦1兆年まで
第8章 第二の「暗黒時代」――宇宙暦100兆年まで
第9章 怪物と漂流者の宇宙――宇宙暦1垓(10^20)年まで
第10章 虚空へ飛び立つ素粒子――宇宙暦1正(10^40)年まで
第11章 ビッグウィンパーとともに――宇宙暦10^100年、それ以降
終章 不確かな未来と確かなこと――残された謎と仮説
補遺 宇宙を統べる法則
年表 宇宙「10の100乗年」全史
著者について
吉田 伸夫
1956年、三重県生まれ。東京大学理学部卒業、東京大学大学院博士課程修了。理学博士。専攻は素粒子論(量子色力学)。科学哲学や科学史をはじめ幅広い分野で研究を行っている。ホームページ「科学と技術の諸相」(http://www005.upp.so-net.ne.jp/yoshida_n/)を運営。著書に『明解 量子重力理論入門』『明解 量子宇宙論入門』『完全独習相対性理論』(いずれも講談社)、『宇宙に果てはあるか』『光の場、電子の海』(いずれも新潮社)、『素粒子論はなぜわかりにくいのか』(技術評論社)など多数。
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宇宙は誕生して約140億年と言われています。140億年を1年に置き換え、宇宙誕生の瞬間を1月1日午前0時とすると、人類の誕生は12月31日午後11時52分ごろになるという喩えを耳にしたことがある方もおられるでしょう。それだけでも宇宙スケールの時間の大きさに驚きますが、現在の宇宙論では宇宙の寿命がある程度推定されており、それは10の100乗(”0”が100個並ぶほど大きな数)年と見積もることができ、これをまた1年に置き換えると、誕生後約140億年の今は1月1日午前0時0分0.000…4(”0”が77個並ぶほど小さい数)秒だというのです。
本書は宇宙誕生から寿命を終えるまで、宇宙がどのような姿を見せるのかを時間の経過を追って解説しています。それによると、銀河や星雲、恒星が煌びやかに彩る今の変化に富む宇宙は寿命を通じてほんの限られた一時期にしか存在せず、それ以外はもっと一様で変化に乏しい姿だという事です。
永い宇宙の寿命のなかで限られた瞬間に人間が生きているという事ですね。人間の存在の儚さを再認識できる本です。
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宇宙の始まりに関する本は読んだことはあるがこれだけ未来に紙幅を割いた本は初めて。人や生命が滅びても宇宙は何となく続いているのだろうと思っていたが、遂には物質ひいては素粒子まで消滅するとは想像だにしていなかった。
主論ではないが常々疑問に思っていた水がないと生命が存在しないという説も、生命維持の観点からではなく複雑な構成をもつ原子が自然に生成される(化学進化する)可能性が低いということがわかりようやく得心がいった。
その他、地球が灼熱地獄と化すには10数億年しかないんじゃ弥勒菩薩も間に合わないじゃんとか、この宇宙の外は2次元世界にとっての3次元世界のようにわかりようがないなら、突然この宇宙が外的要因で消し去られたりするんじゃとかいう子どもの頃からの想像を思い出したりと、色々なことに想いを馳せながら面白く読めた。
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わかりやすい宇宙の歴史10の100乗年。
ビッグバンで、エネルギーの場から素粒子が誕生し、結合し元素が生まれる。
宇宙が膨張していく中で温度が下がり38万年後くらいに3000度隣、電子と陽子が結合し、水素原子になる(宇宙の晴れ上がり)。その後最初の恒星が形成され、超新星により、恒星内部の核融合により形成された水素やヘリウムより重い原子が宇宙空間に拡散され、第二世代の恒星の材料となり、現在の太陽系のようなものと人類が138億年後に誕生することとなる。これ以降は、140億年後には太陽の膨張で地球がハビタブルゾーンから外れ、数百億年後には銀河系がアンドロメダ銀河と合体し、星形成率もだいぶ落ちてくる。1000億年後には宇宙の膨張が進むことで他の銀河が観測できなくなり、それ以降は通常の理論であれば(ダークマター、ダークエネルギーについてはほぼ分かっていないので)、新たな星や銀河などの構造は生まれず恒星は徐々に力尽き、原子でさえも1兆年単位では半減期を迎え、ブラックホールと残存物だけが残る世界となり、それすらもいつかは無くなる。
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宇宙に終わりはある、どうも人類以外に知的生命体はいなさそう
・仮に地球上での生命進化が典型的なものだとするならば、恒星が形成されてから文明を持つ知的生命が誕生するまでに、50億年ほどかかることになる。ビッグバンから100億年少々という現在は、星形成率がピークとなった時期(宇宙歴40~60億年)から生命進化に必要な期間を経た時期に当たり、宇宙における第1世代の生命が最も反映している頃だと推測される。だからこそ、そうした生命の一つである人類も、この瞬間を生きているのだろう。
しかしこの繁栄は、宇宙全史からすると、一瞬の出来事にすぎない。これからの100億年の間に、宇宙はどんどんと老いていき、生命の総数は減少していくだろう。宇宙に生命の煌めきがみられる期間は、実はかなり短いのである。
・陸地が存在しにくい、光量が不足するなど障害のせいで、赤色矮星が生命をはぐくむのは難しいかもしれない。あるいは、生命の発生は可能であっても、高度な文明も持ち得る知的生命にまで進化することは困難だとも考えられる。この見方が正しいとすると、数千億年後の宇宙には、ごくわずかなの原始的な生命しか存在できないだろう。H・G・ウェルズが描いた「すさまじいわびしさ」を感じさせる世界が、宇宙的な規模で現実のものとなるのである。
・われわれは、天文学的な観測によって、宇宙がビッグバンから始まることを知ることができたが、それ以前のマザーユニバースに関する情報は、ビッグバンの際に大半が失われており、マザーユニバースがどのようにして始まったか、あるいは、そもそもマザーユニバースなど存在したのかを確認することはきわめて難しい。
・われわれを含む複雑な構造の形成は、宇宙という途轍もなく巨大なシステムが、最初の均一な状態から急激に崩れていく束の間に実現された、一時的な出来事なのである。
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【尺が違いすぎる】
宇宙の一生においては星や銀河、人類、生物が存在する時期は一瞬に過ぎないということです。
しかも宇宙が生まれてすぐの過渡期起きる過渡的現象ということです。われわれの人生が過渡的現象とは悲しいですね。
宇宙の寿命は10の100乗年です。
それに比べたら星や銀河が存在する時期は、一瞬もないくらいです。
この時間的スケールを考えてしまうと、人はなんて小さなことで日々悩んでいるのでしょう。
人の一生が一瞬の出来事とは。。。
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高校生のころに天文学にあこがれて、宇宙関連の本を多く読んだが、20数年ぶりにこの手の本を読んでみたら、当然ながら科学の進歩に驚かされた。
本書は宇宙の始まりから終わりまでを、章毎に分けて分かり易い言葉で解説しているので、基礎知識がなくてもある程度理解することができる。
良い機会なので、これからは若いころを思い出して、この手の本も本棚に加えていきたいと思う。
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文系にはかなりしんどかった。やはり理系の頭脳には素直に敬服する。
宇宙に終わりがあるのかというのは大問題だが、人間の寿命の方が恐らく短いのが悲しい。著者が最後に書かれたように、人間なんてほんと「ちっぽけな存在」だと思う。
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星形成のピークはもう過ぎたのか。半永久的に作られるとばかり思っていたから、これはちょうと意外。とすると惑星ができるチャンスが減り、生命が発生するのも減る。高等生物も減るので、地球は貴重な存在かも知れない。
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悠久の宇宙の流れを感じさせる良書。現在分かっていること、分かってないことを明確にして、どの仮説を前提として話を進めているか分かりやすい。難しいことは読み飛ばしても雰囲気でなんとなく分かる。高校卒業程度の物理学が分かってるなら読み飛ばさずに理解できるだろう。X粒子のくだりは再読を要したが、おそらく冗長な文書がうまく頭に入らなかったためと思われる。その辺りを差し引いても、内容の背景である研究者たちの温度感まで伝わってくる正直感は評価できる。""
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http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000226655 ,
http://www005.upp.so-net.ne.jp/yoshida_n/