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時々ミステリーを読んでいて
どんな優れているトリックやオチがあっても
(それまで語られてきた人物像)から
オチやトリックが少しずれていて、
たまに違和感を覚えることがあるんだけど、
(そんな行動的か?とか、そんな派手か?とか、
そんなジメジメしたか?とか)
でもこの短編に登場する主人公たちは
その人物像からしっかり想像できるんですよね。
なぜ、そこに至ったのかが。
執念深さ。姑息さ。自分勝手さ。使命感。
それは、それぞれ違うんですけど、
根雪のように積み重なった何かがあるから、
心から震えるんでしょうね。
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ずーっと読みたくて、けど文庫になるまで我慢!と思ってたからやっと読めて嬉しいです。
短編集でいわゆるどんでん返しっていうオチが多いお話しばかりでした。
なんとなく、これからどんでん返ししますよーっていう雰囲気が嫌いなので、万灯が一番好きでした。
あと柘榴は女の恐ろしさが煮詰まってて、
夜警はざ、ゆとりって感じで、
死人宿はここで終わらないのが米澤穂信だな〜後味悪いボトルネックみたい。。
関守は一番オチが読めたかな〜けど先輩こわい
満願はそこまでする?っていう
感想が走り書きすぎるけど、とっても面白かった
文庫になるまで待っててよかった!
2017.08.23 読了
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ミステリランキング3冠&山本周五郎賞受賞、はあまりに読者の期待値を上げ過ぎた。個々の短編のレベルは高い一方、「視聴者vsミスディレクションが超絶上手いマジシャンの6番勝負」特番、っていう感じで物語そのものに入りづらかった。僕は起伏の少ないホラーテイストの「死人宿」「関守」が好きです。
横山秀夫の短編集と、「ジョーカー・ゲーム」を是非再読せねば、と思いました。
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ひやっとする短編6つ。
どれも短編とは思えないほど細部までしっかり描かれていて、話にぐっと引きこまれた。
ひとつめの「夜警」では、川藤の臆病でずるい考えと行動には嫌になるほどリアリティがあり、こういう丁寧な描写が物語に厚みを作るんだろうと思う。
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普段はあまりミステリーを読まないワタクシ、とあるレビューにそそられ、近所の本屋に在庫を確認し入手、即読了。
全6編の短編で構成されており、数々のミステリー賞を受賞しただけあって、どの短編も意外な結末を迎えることになる。一見、素朴さ、真面目さの中にある強かさのようなものの表現が巧みで、素晴らしい。
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米澤穂信は実は1人の作家ではないんじゃなかろうか。
っていう漠然とした疑念をずっと持ち続けていました(解決済み
初めて著者の作品を読んだのが氷菓で、
次が多分インシテミル、
どうも作家としての評価やイメージが定まらないと思って手にした三作目が儚い羊たちの祝宴です。
で、本作は多分四か五作目。
大した冊数を読んでもいないのに、大きい顔して冒頭のセリフ言うかね( ´_ゝ`)
まあでもブクログの個人レビューだしいいよね( ´_ゝ`)←←
と言うわけで冒頭に戻ります。
それだけ作風が作品によってガラッと変わる作家さんなんですよね。
今時のラノベタッチなミステリ作家かと思いきや、藤原竜也が主演しちゃう感じのパズルミステリも書いちゃうし、あーそっちね〜山田悠介系ね〜と思ってたら、突然本格派な連作ミステリのジャブ繰り出しちゃうみたいな。
あとは、文章に特徴がないのも特徴でしょうか(禅問答??)。地味って言う形容もあたらないけど、ビビってくるセンテンスがない感じ。でも、例えばクセのスゴイ作家の語感に米澤作品を変換したら、すごく読み辛いんだろうなァ。
今作は6作を収録した短編集ですが、儚い羊たちの祝宴のようなリンクはありません。それぞれ完全に独立した短編です。
6作全て、昨今ゲキ受け(らしい)の意外なラストものです。あまりくどくどしく言うとネタバレになるので控えますが、押し並べて感じたのは「人間が一番不可解でホラー」でした(模範解答)。
オススメは、夜警・関守・満願かな。
柘榴がなかなか高評価なようですが、ちょっと評価が分かれそうな作品だと思ったのは私だけかなァ( ´_ゝ`)
【内容まとめ】
◎夜警…暴漢を制圧する為に拳銃を発砲した新人警官が、最後に言い残した言葉ーー「こんなはずじゃなかった」。彼を評して警官にはとても向かないと断言した上司がたどり着いた、発砲事件の戦慄の真実とは。
◎死人宿…不幸な事故が起こる温泉の側に建つ旅館の女将となったかつての恋人を訪れた男に、彼女が奇妙な相談事をもちかける。「脱衣所に忘れられた遺書の書き手は誰なのか突き止めて欲しい」ーー候補者は三人。果たして誰が自殺を遂げようとしているのか?
◎柘榴…あまりお家に帰ってきてはくれないけれどたまに会うと優しいお父さんと、ほとんど女手一つで育ててくれた大好きなお母さん。そんな両親が離婚を決めた時、美しい姉妹が着いて行くと決めた方はどちら?
◎万灯…人を殺した。それも2人も。命運を賭して手を血に染めた男が、ひょんなことから罪状を白日のもとに晒されるところまで追い詰められる。彼の罪状を明らかにするものとは?
◎関守…一年に一度、死亡事故が発生するかつての関所跡に建つドライブイン。事故直前に犠牲者達と言葉を交わした老婆にインタビューする男に最後に突きつけられる驚愕の事実。
◎満願…夫の借金を苦に、妻が取り立て屋を殺すーーそんな単純な事件の筈だった。事件現場の掛け軸と達磨、そして夫が病死した直後に告訴を取り下げた妻の態度から、かつて夫���の下宿人だった弁護士は真の動機を見出す。
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この作品はミステリーの短編集だが、
2014年の山本周五郎賞や
「このミステリーがすごい!」「ミステリが読みたい!」
「週刊文春ミステリーベスト10」の国内部門ランキングにて1位取得。
史上初の三冠を達成した作品なのだそうだ。
●夜警 ●死人宿 ●柘榴
●万灯 ●関守 ●満願 以上6作品からなる。
交番勤務の警官や在外ビジネスマン、
フリーライター、美人の女子中学生、平凡な妻など
身近にいるかのような主人公たちが
平凡な毎日の中で遭遇する不運と恐怖。
作者はよねぽ。
短編でもどれもこれも
じっくりと読んでいける深い作品だった。
長編のミステリー作品も面白いけれど、
短編はすっきりとまとめられていて
気軽に読める物が多く、なかなかいいなあと思った。
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短編集。どの話も読みやすく、しかし読後は喉に何かが詰まるような、そんな話が多かった。人の考え、心理が巧みに描かれていると思った。どの話も面白かったが、特に気に入ったのは柘榴と関守。柘榴は女性に好かれる男とその妻、娘の話だ。人は死なないが、傷つく人の多い話。多少のエロティシズムはいいスパイス。男の心理が全く見えないのが奇妙さを煽る気がしているが、これは女性の視点で語るからこその話だとも思う。関守は、ライターがネタ目当てに都市伝説紛いの峠へ向かう。途中の喫茶店、老婆、お堂。まさに、都市伝説然とした短編だった。
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全六編を収録したミステリー短編集。
夜警と万灯が特に好き。どの話もどうしようもない孤独を感じるし、読了後は背筋に冷たいものが走る。
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米澤さんらしい、最後数ページドロドロとして終わる短編集。「柘榴」だけは他の短編集で読んでいたがそれ以外は初見。意外な方向に進んでいくし本当に面白い。実際にあれば嫌なものばかり笑
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何年か前の各ミステリー紙でナンバーワンを総なめにした作品です。
この作家を読むのははじめてですが緻密な文章とその構成力、トリックには舌を巻きました。
いい作家ですね、他の作品も読んでみたい!!!
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この著者のものは初めて読む。
1978(昭和53)年生まれで、昭和40年代~60年代を書いたものが、まるで江戸時代の設定のような文章に感じてしまう。もしかして女性かなとネットで調べると男性の顔が出てきた。そうですかぁ。
夜警
警察官に向くもの、向かないもの。自ら招いた窮地に、謙虚に頭を垂れることができるもの、なんとか誤魔化そうとあがくもの その一瞬の判断の迷いがその後の人生を別ける。
死人宿
山深い宿の近くに火山ガスが溜まりやすい窪地があり、年に1~2人は自ら命を絶ちにやってくる。露天風呂の脱衣室で遺書を拾う。宿泊客の誰が自殺をしようとしているのか、込み入った関係の二人がそれを探る。
柘榴
綺麗な母とカリスマ的な魅力を持つ父とこれまた綺麗なその長女と次女。両親の離婚調停から明らかになっていく母から受け継いだ長女の性格。邪魔ものは消せとまでもいかずとも、蹴落とせ! ってお話。
万灯
すべてが金で動く世界で、自分を律することができなくなった男の話。ちょっと『死刑台のエレベータ』ってフランス映画を思い出しました。
関守
静岡県の桂谷峠の同じ場所で、4年で5人が男女が転落事故で死亡。その理由を探りにライターが峠茶屋の老婆に話を伺う。ふっふっふ
満願
褒めたたえられていたので読んでみた。筋は面白いけど掛け軸じゃなぁ…。みんな納得できるのかなぁ。
書き方が優しいせいか 最初弁護士の先生は女性かと思っていたら途中で男性なんだとわかった。う~ん。
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短編集なのにその一つ一つが濃い。
最初の『夜警』を読み終えて,
そのずっしりとした読み応えに続けて読むのは躊躇われたが,
再び手に取ると今度は一気読み。
もっと味わいながら読むべきだった。
洗練された6つの短編。
その中の『死人宿』『関守』が個人的に好きだった。
読んでいるとき,
”お前が深淵を覗くとき、深淵もまたお前を覗いているのだ”
― ニーチェ
のフレーズが頭をよぎった。
日常の中の謎に一度囚われてしまうと,
もうそれを見なかったことには出来ない。
そして自分もその謎の一部となる。
気付けばもう9月も終わり,
今の季節感にぴったりの雰囲気を醸し出す本作。
秋の夜長を過ごすお供としてぜひ。
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読書中に眠くなったり、気が散ることがあるけど、この小説には一切それがなかった。
これを機に未読のミステリー小説を掘り出します笑
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6つの短編のうち「柘榴」を読んで。年頃になった娘が父親を忌避するのは間違いが起きないように本能的に刷り込まれているからだとどこぞの有識者が言っていたのを思い出しました。家庭を顧みず、ほとんど家に戻らなかった父親ならばこの限りではないのかと思いました。