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読みたい、でも終わって欲しくない
2021/06/02 17:44
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投稿者:GORI - この投稿者のレビュー一覧を見る
この長流の畔は妻房江の、なんとも悲しく、しかしもう二度と今までのような生き方はしたくないと誓い、一歩を踏み出す再生の物語である。
熊吾、糖尿病は大丈夫か?事業は大丈夫なのか?伸仁の父親として語る言葉は持っているのか?
最終章に期待が高まる。
一字一字大切に読みたい。
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相変わらず2-3日で読んでしまう。そしていつも、男とはどうあるべきか、ということを教えてくれるし思い出させてくれる。早く次を読みたい。最終巻となる第9巻は新刊で出ているけど...文庫版で揃えたシリーズ、また文庫化を待とう...
ほんとに面白い。
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発行が最近は1年に1回なので、読む側も遅々として進まない。主人公の熊吾は老いてなお元気だ。だが自分の意思と力では及ばぬ運命なる流れに翻弄される。人に裏切られ、家族にも愛想をつかされる。しかし、時々人のために行なったことに報いを得る。場合によっては命を長らえる。人生をどう生きるか、ふと考える瞬間を持つ。2018.12.20
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いよいよ物語も佳境に入ってきた。ハッピーエンドではないのかもしれないけれど、完結が本当に楽しみ。どんな一文で締めくくるんだろう。
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後半になると、熊吾の妻房江の動きが物語の進展に大きなファクターとなってくる。
この期に及んでこの展開には、随分驚いた。
極めて哀しい状況下だったけれど吹っ切れた様な房江の姿に、最終巻が待ち遠しい。
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とうとうここまで来たか、という感覚。第七部までは文庫でそのつど何度か再読を重ねてきたけれど、第八部は未読だった、そして一気に読んでしまった。年月の経つ中でのそれぞれの変化、心情の描き方、生と死の不思議。改めてじんわりと沁み込む小説…あぁ、やはり好きなのだ、流転の海が、熊吾が、どうしようもなく動き続ける人々や物語が。
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関西中古車事業連合会を再興し板金塗装会社を東尾に売り渡して大阪中古車センターの商売に専念しようとしたが、東尾の商売の失敗による失踪でまたもや窮地に立たされる熊吾。
さらに森井博美との愛人関係を断ち切れぬまま房子にばれてしまい、自暴自棄になった房子は自殺未遂を図る。
これまで幾多の幸不幸、喜び悲しみが繰り広げられてきたが第八巻にして最悪の展開に。しかしそんな中でも伸仁はしっかり自我を確立したくましく成長し、房江は本来の自分を取り戻す。熊吾は反省しながらも相変わらず自分の生き方を貫く。
いよいよ最終巻を迎える物語。明るい結末を願いたい。
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ここにきて夫婦それぞれの運命、生き方がガラッと変わってしまった。
やましいことは隠し通せない。うん、うん、そうだよね。
最終巻、家族の絆は修復されるのか?熊吾が最期をむかえるのか?
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全9部で完結する流転の海の第8部。正月休み中に読了。前巻のあとがきで房江がつらい思いをするとあったので読むのが怖かったのだが、それほどでもなくてよかった。予想通り市電は止まったけどね。今回も、人と人とのふれあいに胸が熱くなる宮本輝作品を堪能。麻衣子ってどういうつながりだったっけ?大河ドラマなので、全巻一気に読みんだほうがいいね。長期の休みのときに読んでいるので、最終巻は春休みや盆休みんかな。博美がやや可愛そうなのだが、彼女にも幸せになってほしいと思う。
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松坂熊吾は転落の人生だ。
またしても部下の裏切りで借金の危機を迎え、愛人の存在が妻にバレてしまう。
子供の伸仁にも遠慮をしてしまうほど。
方や妻の房江は夫の裏切りから自殺未遂をするが、僥倖が重なって生き延びる。
そこからの見事な転身。
対照的な夫婦の人生。
さあ、いよいよ次巻は最終巻だ。
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流転の海 第8部。
本書の半ばから話の展開がとても早い。気になって一気に読んでしまった。
松坂熊吾と房江の夫婦それぞれの描写の対比がすごい。
最終の第9部でどういう結びを迎えるか、楽しみ。
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老いらくの恋ではなかったのか。
一時の気の迷いで家族と距離を置かれてしまう、67歳松坂熊吾。
それはそれで切ないなあ。
仕事も、他人の世話を焼いているうちはいいのだが、自分の商売となるといつも足元をすくわれて左前になってしまう。
愚かだと言えば愚かだ。
毎度同じ過ちを繰り返す。
それが性分だとしても、学習しなさすぎる。
ただ、この時代の男として松坂熊吾が卓越しているのは、家族の危機には必ずその場に立ち会っていることだ。
身体が弱くて何故か怪我しがちな伸仁の、命にかかわるとき。
学校で伸仁が教師に理不尽な目にあわされていた時。
熊吾は頼れる父としてその場に居合わせた。
今回は房江。自らが蒔いた種とはいえ、房江が酔っ払って線路で動けなくなった顚末、城崎で死のうとした結果、自らの力で生きていこうと多幸ホテルで働き帰途に就く姿を、熊吾はしっかりと目を逸らさずに見届けた。
これができない男に限って「いざという時に出ていけばいい」なんてうそぶくけれども、常日頃を見ようとしない人が、一体いつ「いざ」がわかるの?
熊吾は仕事で忙しくしていても、女遊びをしていても、常に家族のことはちゃんと見ていた。
けれど、仕事は逆にいつも抜けてるんだなあ。
「こいつに任せておけばいい」と思うとチェックが甘くなる。
とすると、熊吾にとって一番大切なのはやっぱり家族であって、だとするとこの展開は切ないのぉ。
自業自得だけれど。
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P158 熊吾曰く
「また先の心配ばっかりしちょるんじゃろう。心配したら心配したとおりに事が運んでいくぞ」
P373 房江思す
先のことを心配したからといって、その心配が杞憂に終わったりはしない。心配すればするほど、その心配は心配したとおりになっていく。
第九部へ。
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とうとう自分が房江と同じ年齢に!
房江は生まれ変わり、強く生きる力を得た。
熊吾と房江が生かされている奇跡に感謝しているのと同様に自分もこのタイミングにこの本に出会えたことに感謝!
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著者、宮本輝さんの作品、ブクログ登録は9冊目になります。
宮本輝さん、どのような方か、ウィキペディアで再確認しておきます。
宮本 輝(みやもと てる、1947年(昭和22年)3月6日 - )は、日本の小説家。本名は宮本正仁。兵庫県神戸市に生まれる。後、愛媛県、大阪府、富山県に転居。関西大倉中学校・高等学校、追手門学院大学文学部卒業。
1947年(昭和22年)、自動車部品を扱う事業を手掛けていた宮本熊市の長男として生まれる。
今回手にしたのは、著者の実父を主人公にした、自伝的な小説になります。
全9巻という、著者のライフワーク的な作品と言われています。
で、第一部が刊行されたのが1984年、今回読んだ第八部が刊行されたのが2016年。そして、まだ読んでいない最終第九部が刊行されたのが2018年。不幸にも?第一部を刊行時に手にした方は、全巻を読み終えるまでに、最短でも34年位かかってしまいます。(-_-;)
私の場合は、2018年6月に第一部を読み終え、おそらく、2022年9月には全巻を読み終えることができそうです。4年位になりますか。
で、本作(流転の海 第八部)の内容は、次のとおり。(コピペです)
昭和38年、松坂熊吾は会社の金を横領され金策に奔走していた。大阪中古車センターのオープンにこぎ着けるのだが、別れたはずの女との関係を復活させてしまう。それは房江の知るところとなり、彼女は烈しく憤り、深く傷つく。伸仁は熊吾と距離を置き、老犬ムクは車にはねられて死ぬ。房江はある決意を胸に秘め城崎へと向かった……。宿運の軸は茫洋たる暗闇へと大きく急速に傾斜していく。