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電子書籍
ミトラ教について
2024/01/05 22:31
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は100年前に書かれたミトラ教についての本の訳書だがミトラ教がどのようにローマ帝国に広がったのか、権力者にどう受け止められたのかなど勉強になり名著であると感じた。
紙の本
ローマ帝国時代にキリスト教と覇権を争った密教の全貌を紹介します!
2019/01/24 15:06
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、ミトラ教についてその知られざる全貌を明らかにした画期的な書です。ミトラ教は、古代、東方からローマ帝国に伝えられ、キリスト教と覇権争いをしたとまで言われる密教です。ただし、密教であったがゆえに、その詳細はほとんど語られることはなく、現在まで分からないままとなっていました。その全貌が本書によってようやく明らかにされるのです。非常に画期的で歴史的にも貴重な一冊だと言えるのではないでしょうか。
紙の本
忘れられた神
2024/03/11 20:33
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DB - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミトラ教は古代ローマ帝国が取り入れた神々の中の一柱として名前は知っていたが、どのような宗教なのかは知らなかった。
ミトラはイラン文化で生まれたマズダー教の一宗派で、イランの古い自然崇拝という性格を保持したアーリア人の神だった。
ミトラはその名が古代ギリシアでよく知られていた唯一のイラン神で、バビロニアからインド、アッシリアに至るまで広まっていた。
ヘレニズムの影響を受けながらもオリエント的な性質を保ち、小アジアを経てローマへやってくる。
ミトラは「天の光の精霊」であり、「広い牧場の主」で悪の精霊たちと戦う軍神で、ミトラ崇拝はマズダー教の典礼に従った厳格な儀式があった。
ミトラがローマ帝国にやってきたのは遅く、エジプトのイシスやセラピス、カルタゴのアスタルテやカッパドキアのベロナ、シリアの女神デア・シュリナがローマで信者を獲得するもペルシアの密儀はローマの外にあった。
カッパドキアやポントス西部、コマゲネと小アルメニアがローマの支配下にはいることでアジア億千と西方の人や物資、そして観念の交流を引き起こす。
ローマにミトラを持ち込んだのはウェスパシアヌス帝の治世の第十五軍団で、軍人たちに信仰されるようになり彼らの移動に伴って勢力を拡大していった。
ミトラの軍神という性質を考えればこれも当然だろう。
ゲルマニアに最も多くのミトラ神殿が出土しているのも、軍団の移動と引退後の入植による人の動きで説明できるそうだ。
コンモドゥス帝の時代からミトラは皇帝崇拝と結びついて繁栄していく。
それまで行政長官という地位だった皇帝の権力をさらに高めるために宗教が利用されたのだろう。
岩から短剣で武装し帽子をかぶった姿で生まれたミトラですが、同じくアジアで生まれたキリスト教とぶつかり消えていく。
だが12月25日は冬至の後の太陽の復活を祝うミトラ教最大の祭儀であったり、善悪二元論や終末思想といった教義はキリスト教にも受け継がれたのだろう。
ミトラの後継者はマニ教だそうです。
表紙のミトラ神像は大英博物館にあるそうですが、牛を殺すミトラの図像が多数残されているそうです。
宗教観についてはよくわからないことも多かったが面白かった。
イランで始まりオリエントからローマへと広がったミトラ教の成り立ちや教義、伝播と後の宗教への影響について詳しく書かれた本だった。
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