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紙の本
吉村昭、ここに始まる
2018/11/29 15:59
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
1990年に新潮社から刊行された『吉村昭自選作品集』第一巻が二分冊されて、この秋中公文庫から2冊同時に出版された。
吉村さんが亡くなったのは2006年7月31日だから、もう10年以上の歳月が過ぎたことになる。
それがこうして作家デビュー以前の初期短編が名門の文庫のタイトルに名をつらねるのだから、故人も苦笑いをしているやもしれない。
この一巻めには昭和27年に吉村さんがまだ学習院の学生だった頃に書かれ、当時新進作家として脚光を浴びつつあった三島由紀夫が褒めたという「死体」、結局は受賞出来なかったものの自身として初めて芥川賞候補作になった「鉄橋」、初期の作品群の中で極めて評価の高い、表題作にもなった「少女架刑」、自身の結核治療時代の生活を濃厚に映しつつ生涯愛し続けた弟との関係を描いた「さよと僕たち」、それと「青い骨」、「服喪の夏」、「星と葬礼」といった1960年までの7篇の短編が収められている。
繰り返すが、この時期吉村さんはほとんど芽のでない新人作家である。
作家という呼び方もおかしいかもしれない。同人誌に書くしかない、作家未満の人である。
それでいて、これらの短編の成熟度はうまいというしかない。
その後の記録小説や時代小説の作家としての活躍はあるとしても、作家デビュー後の初期の段階からこれらの作品は多くの人の喝采を得たし、没後もこうして文庫本になるのだから、吉村昭という作家のすごさというしかない。
そして、吉村さんは生涯この作家未満の時期の作品の根幹をなす心のありようを喪うことはなかったといえる。
紙の本
徹底した取材と綿密な調査に基づく重厚な歴史小説家・吉村昭氏の文学的出発点を示す自選短篇集の第1巻目です!
2020/08/10 11:00
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、『星への旅』、『戦艦武蔵』、『関東大震災』、『ふぉん・しいほるとの娘』などの名作を世に発表してこられた吉村昭氏の作品です。同書は、徹底した取材と綿密な調査に基づく重厚な歴史小説家として知られる同氏の文学的出発点を示す自選短篇集です。中公文庫からは2巻シリーズで刊行されており、同書はその第1巻です。同書には、表題作のほか、三島由紀夫氏が激賞した「死体」、初の芥川賞候補作「鉄橋」など、1952年から1960年までの7編が収められています。なかなか興味深い作品ばかりです。
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