電子書籍
イギリスの中等教育の今
2021/02/07 22:17
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投稿者:うみしま - この投稿者のレビュー一覧を見る
教育格差についていろいろと情報を得るため、ある方の推薦もあり、読んでみました。平易な言葉で書かれているエッセイ集ですが、イギリスの中等教育や市民生活を活写しており、ニュースだけでは知ることができない現状を楽しく読むことができました。教育格差は日本でも問題になっているのですが、イギリスでも格差は広がっていることを知りました。分断の時代と言われていますが、分断を埋めるためには、教育が必要であることは明白ですが、どのように埋めていくかという点で、このイギリスの公立学校の例は、興味深いものがありました。
紙の本
何かに一直線になってる人にこそ読んで欲しい本
2020/10/02 10:53
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投稿者:わに♂ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「誰かの靴を履いてみること」「エンパシー」
ある意味子ども的に、「いやこれなんで?」って思えたら自分自身深まるだろうな。
社会を写すメディアは、見てる側としてはマクロを見てて、当事者やそれに近い人のミクロの部分にまではなかなか見れないし、考えを近く持てない。そこまで想像できる人は本当に相手のことを想う力があるんだなと思うし、エンパシーがある人だと思う。
誰かの靴を履いてみる感覚でこの本を読んで欲しいと思います。
紙の本
イギリスのことを学びました。
2020/09/14 11:58
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投稿者:ら君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
いろいろな国や人種をルーツに持つ人たちが、イギリスというひとつの国に一緒に暮らし続けることの現実が、描かれています。
日本人の母とアイルランド人の父を持つ息子さんが、とても冷静に鋭く現実を捉えて、力強く成長していく姿が、すがすがしい。
紙の本
うん、まあまあ
2020/01/27 22:34
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投稿者:ひややっこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
悪くなかったです。テーマは面白いし、主役の息子さんは魅力的だし。
すごく気に入りました…とは、思わない、どこかなにかが私の好みから外れるみたい。
でも、彼のこの先は気になります。
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これはすごい本に出会った!
特設サイトは感涙エッセイという売り出しだけど、個人的には感涙という感じではなかったな。
ただ、こ難しいというか丁寧に説明されたら「うーん」と唸りたくなる問題が、少年の言葉だとすーっと染み込んでくるところに感動した。
著者も息子もすごくクールでかっこいい。著者は仕事柄かもしれないし、あえてそうして書いているのかもしれないけど、息子のことをきちんと距離を置いて見つめている感じ。そしてこれだけきちんと自分の意見を持てる息子さんが、とにかくカッコいいと思った。日本とイギリスの教育の違いも大きいんだろうけど。
いつか自分が子どもを産むことがあれば、こういう風に接していきたい。行けるようになりたい。
とにかくむちゃくちゃ好きなので、ぜひ大勢の人に読んでほしいと思う。
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どうしよう、だれかれかまわずおすすめしたい……
平常、お薦めの本は?と聞かれたときは、相手の好みや求めているものをまずよく聞いて、それならこんなのどうかしら、と対応します。自分の好みを全面に出すことはできるだけせずに、相手の”今”にほどよくハマるものを手渡したいなぁと思っています。
それなのにどうしよう、この本を誰彼かまわずおすすめしたい。傍若無人自己満足強烈押売をしたい。
でもそれはやっぱりしたくないなぁ……なので、相手の話をよく聞いて、髪の毛一本分でも、この本に結び付きそうなものがあったら、こんなのどうかしらと手渡す本の中に、この本を必ず入れよう、と思います。
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今!新鮮なうちに読まなきゃ。普遍的な要素も多分に含んでいるんですが、数年後に読むと、また少し違って来ると思う。
児童書紹介の販促物を読んでいて、強烈に引っかかったこの秀逸なタイトル。
読書は専ら物語しかチョイスしない私でも、自分のための読書タイム(仕事のための読書とは別ける派)に読んでみました。
学校から帰ってきて、今日身をもって感じた疑問や憤りや違和感をとてもストレートに質問する姿が印象的。あの環境で、被差別民族とのハーフ(いや、ハーフアンドハーフか)として育った子どもだからこそする経験だと思うのと同時に、そういう子たちがみんなああいった疑問を持つのかというとそれは違うとも思う。
痛いくらいにストレートで純粋な質問に対して、ストレート、かつ、真摯に向き合ってきた著者に育てられたからこそちゃんと「疑問」が湧いてくるんじゃないか。憤りと恥辱に塗れて鬱屈するだけにならない、ということは案外難しいと思う。
この本を読んでいると、私もある意味まだまだグリーンだな(ティーンじゃないけど)と思いました。
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「他人の靴を履いてみること」
言葉にすると簡単なようにも見えるけど、実際には難しいことだろうなーと思う。エンパシーという言葉を知れただけでも読んでよかった。
今まで、考えなくてはいけないとは思う、でもどこかで他人事だとも感じていた私にとっての社会問題が、英国の中学校に通う息子「ぼく」にとっては日常の出来事だなんて、自分の無知さ加減に愕然とする。知らない事というより、知ろうともしていなかった事が多いのだ。それでも彼の日常を読んでいくことで段々と、遠かった社会問題が身近な悩みへと変わっていく。これが自然にそう感じるようになるのが、この作品のすごい所。決して、考えるべきだと言われているわけじゃない。押し付けられてない。つい考えてしまっている。息子の立場で同じように悩んでしまう。もちろん彼と同じ答えばかりではないし、答えが出ないこともある。それでも悩んだことに多分意味はある。
そして母ちゃんと息子、ときどき父ちゃんの関係も本当に素敵。11歳の息子が、こんなに色々な事を母親に相談するんだろうか?どんだけ信頼できる母ちゃんなんだよ。
決して子ども扱いするわけではなく、一緒に悩んだり、怒ったり、時には息子に褒められたり、本当に良い関係性だなと思う。これがフィクションではなくノンフィクションなのだから、きっと世界はまだまだ捨てたものではない。
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PR誌「波」連載はまったく知らずにいて、出版前の試し読みサイトで読んで心待ちにしていた新刊。ブレイディ家の一人息子くんがキリスト教系のお上品な小学校から地元の元・底辺中学校に入ってさまざまなできごとや気持ちを経験していく日常を描いたノンフィクション。おおげさではなく、一章ごとに心揺すぶられて落涙必至。思春期にさしかかった少年(とお母さん)の成長物語としても読ませるし、日本とはだいぶ違う英国の学校教育事情などもよくわかるし、なにより日英に限らずこれからの世界の多文化共生(なんてカンケーないよ、と思うふつうの中学生だって日常の人間関係や帰属意識、アイデンティティのことで悩まないことはないはず)を考えるうえで知るべきこと考えるべきことがたくさん詰まっている。
中学や高校の図書室においてほしいなぁ(夏休みの課題図書にしてもいいぐらいだけれど、課題とか感想文とか言うとかえって敬遠されちゃうしね…)。でも、こどもだけでなく、先生や大人にもひろく読んでもらいたいなぁ。
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多様性はうんざりするほど大変だし、めんどくさいけど、無知を減らすからいいことなんだと母ちゃんは思う
よく考えてみれば、誰だってアイデンティティが一つしかないってことはないはずなんですよ
エンパシーは能力
他人の感情や経験などを理解する能力
シンパシーは感情や行為や理解
体外受精を告白したときに、息子が「うちの家庭も本物だと思っちゃった。いろいろあるのが当たり前だから」って言ったのイケメンすぎる
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他人の立場に立ってみる
自分にとっての当たり前は
他の人の当たり前ではないし
そのまた逆も然り
なので
相手の立場に立っても
捉えが同じとは限らない
また
宗教、国、階級等によっても偏りが生じる。
自分たちとは違う、異質なものを排除しようとする。
みんな違ってみんないいはずなのに
なぜか。
196ページ
「僕は、人間は人をいじめるのが好きなんじゃないと思う。……罰するのが好きなんだ」
弱冠12歳にして
すごい
この、現在のコロナ禍で
まさに目の当たりにしてきた
罰する人々
その通りだと思いました。
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イギリスの公立中学校に通うことになった作者の息子さんのお話。格差やいじめ、偏見。リアルな状況の中、子供達はこどもなりに戦っているなぁと思う。
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本屋さんで平積みされていて、読みたいなあと思っていた一冊です。
題名の「イエロー」「ホワイト」「ブルー」は、気持ちのことを言っているのかと思っていました。思春期のそんな複雑な気持ちを描いた小説かとも思っていました。
違いました。
一気に読めてしまうけれど、それはもったいない。考えながら、少しずつ少しずつ読み進めたい、そんなエッセイでした。
恥ずかしながら全然知らない、社会情勢の勉強にもなりました。
人種のこと、経済的階級のこと、宗教のこと…。日本は、そんな多様性に触れる機会がとても少ない国だと思います。すぐに「〇〇人」とか、外国から来た人に「〇〇語で話して」とか言ってしまう。島国だから生まれるのか?古くからの文化的なものか?私も(悪意なく)そういう考えに触れて過ごしてきました。
しかし、世界(と言うと広すぎる?)では、そんな考えは古いと感じさせられました。
多様性を意識している筆者でさえ地雷を踏み抜いてしまうのだから、自分も含め、日本人は危ういと思いました。(それは、アイデンティティに関わることだけでなく、昨今の〇〇ハラスメントに関してもそう。)
読んでいてすごいと感じたのは、息子さんと筆者や筆者の配偶者が話す言葉が嘘くさくないこと。子どもの疑問に対して、きれいな言葉で取り繕っておくこともできるはずです。しかし、筆者はそうしない。きちんと自分の考えを伝え、かつ押し付けない。そして、一緒に考える。
そう、筆者が一緒に考えている姿がすごく素敵だと思いました。だから、読んでいて共感したり自分に置き換えて考えたりできたと思います。
自分を「母ちゃん」と書いているところも好きです。
自分を表す言葉=アイデンティティは、一つでなくていいし、変わっていってもいい。
人と話して考えて、自分なりの考えを言えるようにしていきたいと思いました。
連載はまだ続いているとのこと。息子さんの成長が気になる!(さらに素敵になっているのでは…)
続編の刊行を期待します。
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この本は、英国に住む著者の息子が中学生だったころの実体験をもとに書かれた本です。小学校は カトリック系の学校通っていた息子が、中学校は公立の学校を選択し、そこで様々な経験をしていきま す。まず驚くのが、英国の中学教育には「ドラマ(演劇)」という教科があり、彼も入学早々ミュージカル のオーディションを受けるところです。コミュニケーション能力を高めるための教育の一つで、幼児教育 の段階から「この顔はどんな気持ちの顔かな?」とか「この気持ちを表現してみよう」など、気持ちを表 現し、「伝えること」「読み取ること」の教育が行われているのです。
また、彼が選択した中学校は公立校の中でも底辺校で、人種や、貧富の差もさまざまな子供たちが通 っていました。彼の友人にも、貧しく、兄弟がたくさんいるため新しい服が買えない少年が出てきます。 擦り切れた制服を着ている友人に母親がボランティアで繕ったリサイクルの制服を上げたいのですが、どうしたら友人の プライドを傷つけずに渡すことができるか悩みます。
この本のタイトルは著者の息子がノートに走り書きしたものを使っています。「ブルー」という言葉がネガティブな印象を 持ちますが、作中の最後では別の色に変化します。そこにも注目してみてください。
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今まで「差別問題とかには割と問題意識をもってきたし、自分自身差別的なことを言ったりしたりなんかしていないもんね」と思っていた私は、このエッセイを読んで、思いっきり往復ビンタされ、みぞおちに膝蹴りを食らったほど打ちのめされた。
ものすごく、衝撃だった。この世界にはこんなにも多くの「差別」レイヤーが存在し、多くの人が差別を受け、そして差別しているのだということが、そしてそれをほとんど知らずに平気で生きてきた自分の浅はかさが恥ずかしくてうずくまっている。
ほんの12歳の少年が、これほど多くの差別に直面し、それを自分の頭で考え、そのときそのときで最善と思える行動をとっていることも、ある意味衝撃だった。自分が12歳の時はどうだっただろうか。自分の子どもたちが12歳のときは…答えは明らかだ。「何も知らず、何も考えす、何も行動していなかった」。
知らないということの罪深さ。「差別なんてしていない」と言い切っていた自分は、今までに多分たくさん差別的な視線で人を見てきたのだろう、気づかないままに。そしてきっと相手が「差別だ」と思うような発言をしてきたのだろう。いったい何人の人を傷つけてしまったのだろう。
人種、職種、生活レベル、宗教、セクシャリティ…今の日本にも存在するたくさんのレイヤー。その一つ一つに「差別」が存在している。私たちは、「単一民族」だの「総中流」だのという幻想から早く脱するべきなんだ。まずは知ること。自分とは違う隣の誰かを、違うままに受け入れること。そこから始めなきゃ。
カッコいい母ちゃんと、クールでクレバーでだけどホットな息子の毎日は、サイコーの教科書だ。
この世界のどこでどんな風に生きていくとしても、人として必要な、とてもとても大切なことがこの一冊の中にある。いろんな人と一緒に暮らすことの困難さと大切さ、その大きさの意味を私たちは知らなければならない。