紙の本
ガーーーン、となった。 ★5つです。
2020/08/17 20:30
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投稿者:オオハシ - この投稿者のレビュー一覧を見る
どなたかにこの本めっちゃいいですと薦められたことしか頭にない中、なんの本なのか中身の確認もせずに、あぁ本屋大賞な本なら間違いないよねと(複数冊購入した際に)ついで買いした本なのですが、大変失礼しました。
ガーーーン、となった。 ★5つです。
帯に「多様性ってやつは、喧嘩や衝突が絶えないし、そりゃないほうが楽よ」と書いてあったり「楽じゃないものが、どうしていの?」と書かれていたり、思春期真っただ中な息子とパンクな母ちゃんの著作は、ともに考え悩み乗り越えていく、私的で普遍的な『親子の成長物語』とあり、何にも知らずに読んでからこちらに至って、なるほど帯というものはすごいものだな、と妙に感心したりしてもいた(超個人的レビュですみません)。
僕も一応学生の時にニュージーランドに留学したり、アイルランドやイングランド、フランス、スペイン、シンガポール、ミャンマーほかもろもろ自分の目で見たことはあるので、一定の理解は頭ではあるが、さてこの著書に出てくるだけの世界観を日本のみに住み続けていたら全く知りえることもできない。 多様性の受容なんて言葉では言っているものの、この日本人社会で一体何が学べるというのか、中学の息子を持つ親として本当に考えさせられる本。
途中、シティズンシップ・エデュケーションの話や、大雪の日の「緊縮財政で、自治体は何の緊急支援もできなくなっているから、民間が何とかするしかない」「こういうときの英国の草の根の機動力には驚かされる」というくだりがあるが、こんなこと、日本でおきえるのだろうか? お上がやらないなら自分たちでやらなきゃ、として行動できる人はいったいどれほどいるのか?
(英国のこうした助け合いの機動力は、まんざら個人の善意のみに頼っているわけではなく、教育というシステムの中にしっかりと根付いているとも言えるのだろう、と記載はあるが)
貧富の差や国籍の差、価値観の差、それぞれまぜまぜになってこその多様性、(後半はドラッグリスクの話や里親の話もあり)
どこまで言っても均質化を求める、出る杭は打たれて、しかしながら町会などの地域活動は見て見ぬふりをされる日本社会、本当に自分の子らが育った狭い社会での価値観に、ある意味、恐怖を覚えてしまった。 こんな狭い世界の凝り固まった社会で生きていていいんだろうか、と。
『多様性は、うんざりするほど大変だし、めんどくさいけど、無知をへらすからいいことなんだと母ちゃんは思う』 との記載あり、 いいのか本当に無知で?
どこまでが普通なのか、一般的なのか、と思いながらも、実は『エンパシー』というところは私はかなり苦手な能力であって『誰かの靴をはいてみること』は実際のところ僕もまだまだ努力していかなきゃな(これが不足しているからいろんな衝突を生むともいわれています)とも思う。
なんだかへんなレビュになってしまいましたが、とにかくオススメすぎる本です。
電子書籍
読書でしか知らない世界
2020/08/01 23:28
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投稿者:みっきー - この投稿者のレビュー一覧を見る
イギリス南部の都市ブライトンにある中学校の様子など普段の生活や本にはなかなか載っていないのでとりわけ興味深かった。多感な中学生の息子を持つ母親が、息子の交友関係、学校のカリキュラムを通してイギリス社会を洞察している。読んでいると日本の格差、教育環境についても少し考えさせられた。
紙の本
評判以上
2020/06/14 22:18
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投稿者:玉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
久々に、人に自信をもってすすめられる本でした。
テレビで著者のお話も聞けたし、大学生たちにも推薦できました。
日本人には特に読んでほしいです。
井の中の蛙にならないために。
筆者も、けっこう目が覚まされましたよ。
ありがとうございます。
紙の本
すごくおすすめです!
2020/05/09 01:59
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投稿者:りんごちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ブレイディみかこさんの息子さんがすごくよくできた子で、読んでいて自分の心はなんて汚れているんだろうと思い知らされました。
外国に興味のない人にもすごくおすすめです!
紙の本
オススメです
2020/03/16 16:33
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投稿者:夏眠 - この投稿者のレビュー一覧を見る
4時間ほどで読み終わりました。
ずっと気になっていた本だったので読むのが楽しみでした。
この本は主にイギリスに住んでいる日本人の著者と
中学生の息子さんとの日常のノンフィクション本です。
帯にある"これは「私たち一人一人の話」だ。三浦しをん"
とあるように、〇〇だから読むべきとかではなく全ての人にとって大切なことを書いているんじゃないかなと思います。
日本と英国との違いはもちろん
現代社会の問題を色々と考えさせられます。
聡明な息子さんの一言一言にもはっとさせられました。
日本に帰省した際の出来事には胸が締め付けられました。
電子書籍
買いたくなりました
2020/03/13 21:03
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投稿者:おうもり - この投稿者のレビュー一覧を見る
階級や人種差別が明確に存在する社会で、大人はあきらめ気味で、子どもたちは逞しく生きている。
「息子さん」の次の言葉が早く見たくて、本屋に走りました。
すごく面白くて子どもにも読んでもらいたいけど、彼らが生きている社会を理解してないと、興味を持つのは難しそう。
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これはすごい本に出会った!
特設サイトは感涙エッセイという売り出しだけど、個人的には感涙という感じではなかったな。
ただ、こ難しいというか丁寧に説明されたら「うーん」と唸りたくなる問題が、少年の言葉だとすーっと染み込んでくるところに感動した。
著者も息子もすごくクールでかっこいい。著者は仕事柄かもしれないし、あえてそうして書いているのかもしれないけど、息子のことをきちんと距離を置いて見つめている感じ。そしてこれだけきちんと自分の意見を持てる息子さんが、とにかくカッコいいと思った。日本とイギリスの教育の違いも大きいんだろうけど。
いつか自分が子どもを産むことがあれば、こういう風に接していきたい。行けるようになりたい。
とにかくむちゃくちゃ好きなので、ぜひ大勢の人に読んでほしいと思う。
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どうしよう、だれかれかまわずおすすめしたい……
平常、お薦めの本は?と聞かれたときは、相手の好みや求めているものをまずよく聞いて、それならこんなのどうかしら、と対応します。自分の好みを全面に出すことはできるだけせずに、相手の”今”にほどよくハマるものを手渡したいなぁと思っています。
それなのにどうしよう、この本を誰彼かまわずおすすめしたい。傍若無人自己満足強烈押売をしたい。
でもそれはやっぱりしたくないなぁ……なので、相手の話をよく聞いて、髪の毛一本分でも、この本に結び付きそうなものがあったら、こんなのどうかしらと手渡す本の中に、この本を必ず入れよう、と思います。
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今!新鮮なうちに読まなきゃ。普遍的な要素も多分に含んでいるんですが、数年後に読むと、また少し違って来ると思う。
児童書紹介の販促物を読んでいて、強烈に引っかかったこの秀逸なタイトル。
読書は専ら物語しかチョイスしない私でも、自分のための読書タイム(仕事のための読書とは別ける派)に読んでみました。
学校から帰ってきて、今日身をもって感じた疑問や憤りや違和感をとてもストレートに質問する姿が印象的。あの環境で、被差別民族とのハーフ(いや、ハーフアンドハーフか)として育った子どもだからこそする経験だと思うのと同時に、そういう子たちがみんなああいった疑問を持つのかというとそれは違うとも思う。
痛いくらいにストレートで純粋な質問に対して、ストレート、かつ、真摯に向き合ってきた著者に育てられたからこそちゃんと「疑問」が湧いてくるんじゃないか。憤りと恥辱に塗れて鬱屈するだけにならない、ということは案外難しいと思う。
この本を読んでいると、私もある意味まだまだグリーンだな(ティーンじゃないけど)と思いました。
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「他人の靴を履いてみること」
言葉にすると簡単なようにも見えるけど、実際には難しいことだろうなーと思う。エンパシーという言葉を知れただけでも読んでよかった。
今まで、考えなくてはいけないとは思う、でもどこかで他人事だとも感じていた私にとっての社会問題が、英国の中学校に通う息子「ぼく」にとっては日常の出来事だなんて、自分の無知さ加減に愕然とする。知らない事というより、知ろうともしていなかった事が多いのだ。それでも彼の日常を読んでいくことで段々と、遠かった社会問題が身近な悩みへと変わっていく。これが自然にそう感じるようになるのが、この作品のすごい所。決して、考えるべきだと言われているわけじゃない。押し付けられてない。つい考えてしまっている。息子の立場で同じように悩んでしまう。もちろん彼と同じ答えばかりではないし、答えが出ないこともある。それでも悩んだことに多分意味はある。
そして母ちゃんと息子、ときどき父ちゃんの関係も本当に素敵。11歳の息子が、こんなに色々な事を母親に相談するんだろうか?どんだけ信頼できる母ちゃんなんだよ。
決して子ども扱いするわけではなく、一緒に悩んだり、怒ったり、時には息子に褒められたり、本当に良い関係性だなと思う。これがフィクションではなくノンフィクションなのだから、きっと世界はまだまだ捨てたものではない。
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PR誌「波」連載はまったく知らずにいて、出版前の試し読みサイトで読んで心待ちにしていた新刊。ブレイディ家の一人息子くんがキリスト教系のお上品な小学校から地元の元・底辺中学校に入ってさまざまなできごとや気持ちを経験していく日常を描いたノンフィクション。おおげさではなく、一章ごとに心揺すぶられて落涙必至。思春期にさしかかった少年(とお母さん)の成長物語としても読ませるし、日本とはだいぶ違う英国の学校教育事情などもよくわかるし、なにより日英に限らずこれからの世界の多文化共生(なんてカンケーないよ、と思うふつうの中学生だって日常の人間関係や帰属意識、アイデンティティのことで悩まないことはないはず)を考えるうえで知るべきこと考えるべきことがたくさん詰まっている。
中学や高校の図書室においてほしいなぁ(夏休みの課題図書にしてもいいぐらいだけれど、課題とか感想文とか言うとかえって敬遠されちゃうしね…)。でも、こどもだけでなく、先生や大人にもひろく読んでもらいたいなぁ。
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多様性はうんざりするほど大変だし、めんどくさいけど、無知を減らすからいいことなんだと母ちゃんは思う
よく考えてみれば、誰だってアイデンティティが一つしかないってことはないはずなんですよ
エンパシーは能力
他人の感情や経験などを理解する能力
シンパシーは感情や行為や理解
体外受精を告白したときに、息子が「うちの家庭も本物だと思っちゃった。いろいろあるのが当たり前だから」って言ったのイケメンすぎる
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他人の立場に立ってみる
自分にとっての当たり前は
他の人の当たり前ではないし
そのまた逆も然り
なので
相手の立場に立っても
捉えが同じとは限らない
また
宗教、国、階級等によっても偏りが生じる。
自分たちとは違う、異質なものを排除しようとする。
みんな違ってみんないいはずなのに
なぜか。
196ページ
「僕は、人間は人をいじめるのが好きなんじゃないと思う。……罰するのが好きなんだ」
弱冠12歳にして
すごい
この、現在のコロナ禍で
まさに目の当たりにしてきた
罰する人々
その通りだと思いました。
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イギリスの公立中学校に通うことになった作者の息子さんのお話。格差やいじめ、偏見。リアルな状況の中、子供達はこどもなりに戦っているなぁと思う。
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本屋さんで平積みされていて、読みたいなあと思っていた一冊です。
題名の「イエロー」「ホワイト」「ブルー」は、気持ちのことを言っているのかと思っていました。思春期のそんな複雑な気持ちを描いた小説かとも思っていました。
違いました。
一気に読めてしまうけれど、それはもったいない。考えながら、少しずつ少しずつ読み進めたい、そんなエッセイでした。
恥ずかしながら全然知らない、社会情勢の勉強にもなりました。
人種のこと、経済的階級のこと、宗教のこと…。日本は、そんな多様性に触れる機会がとても少ない国だと思います。すぐに「〇〇人」とか、外国から来た人に「〇〇語で話して」とか言ってしまう。島国だから生まれるのか?古くからの文化的なものか?私も(悪意なく)そういう考えに触れて過ごしてきました。
しかし、世界(と言うと広すぎる?)では、そんな考えは古いと感じさせられました。
多様性を意識している筆者でさえ地雷を踏み抜いてしまうのだから、自分も含め、日本人は危ういと思いました。(それは、アイデンティティに関わることだけでなく、昨今の〇〇ハラスメントに関してもそう。)
読んでいてすごいと感じたのは、息子さんと筆者や筆者の配偶者が話す言葉が嘘くさくないこと。子どもの疑問に対して、きれいな言葉で取り繕っておくこともできるはずです。しかし、筆者はそうしない。きちんと自分の考えを伝え、かつ押し付けない。そして、一緒に考える。
そう、筆者が一緒に考えている姿がすごく素敵だと思いました。だから、読んでいて共感したり自分に置き換えて考えたりできたと思います。
自分を「母ちゃん」と書いているところも好きです。
自分を表す言葉=アイデンティティは、一つでなくていいし、変わっていってもいい。
人と話して考えて、自分なりの考えを言えるようにしていきたいと思いました。
連載はまだ続いているとのこと。息子さんの成長が気になる!(さらに素敵になっているのでは…)
続編の刊行を期待します。