電子書籍
もう一歩
2021/03/13 22:19
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投稿者:Masaru_F - この投稿者のレビュー一覧を見る
Netflixの人事施策に関連する本(No Rules!)を読んで非常に面白かったので、こちらも手に取ってみたが、もう一つ。焦点が絞り切れていない感じ。期待していただけに少し残念でした。
紙の本
レンタルビデオ業界を一新するまでの話が中心のnetflix物語
2021/01/03 13:04
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:もちお - この投稿者のレビュー一覧を見る
これはとあるベンチャー企業がレンタルビデオ店の大手、ブロックバスターやハリウッドビデオを放逐し、オンデマンドサービスに着手するまでの話である。本書の刊行が2012年であり、冒頭にそこからの大躍進が補足されているものの、まずはその点は留意されたい。では本書がつまらないかといえばそんなことは断然ない。ビデオからDVDへ移行されつつあり、ITバブルでインターネットが家庭にいきわたりつつある時代を背景に、ユーザー指向サイト作り、アルゴリズムを活用した推薦機能、ユーザー情報を基にした翌日配達を可能とした物流構築機能とライバルとの闘い。どれをとっても、今のnetfulixの源泉となっている。邦題も酷いし、訳者解説はもっと酷いが、それ以外は最高のエンタメ。
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大胆な方針転換のダイナミックさに感動した。2012年からの足跡があるともっと楽しめたのでは?と思う。
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ネットフリックスの株を買ったのは2017年ころか。それから株価は3倍になり、同様のサービスをAmazonやDisneyが力を入れてきた。米国ではオンデマンド市場が飽和してきたようだが、ネットフリックスは今後もさらに成長できるのか、それとも現在がピークなのか、その判断材料として読んだのだが…
アメリカでまだビデオが主流の時、大手が手掛けていないオンラインDVDレンタルを始めて、会員こそどんどん増えるが毎年赤字で、ビジネスモデルが、各方面から疑問視されていた。4割の社員をリストラしたり、家に帰らず古めかしい本社ビルで多くの社員が寝るのが当たり前だったり…
それでもIPOして必ず来るであろうブロードバンド時代に向けてやっていく。しかしDVDレンタル時代の苦労話ばかりで、結構な低迷時代が続いたことを実感する。
でもこの本米国で2012年に出ているので、最近の本当に急成長した場面は書かれておらず、物足りない事この上ない。であるから、表紙に書かれている「GAFAを超えるIT企業」と言えるのか判らない。
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アメリカのベンチャーの成功譚を本にしたものには、とても面白いものが多い。ナイキの創業を描いた『SHOE DOG』、Google Mapの元となったキーホール社の創業とGoogleによる買収後の成長を追った『Never Lost Again』、フェイスブックの創業を描き映画化もされた『フェイスブック 若き天才の野望』。いずれも手に汗を握る展開で、数多くの関係者への熱意溢れた取材に裏打ちされたストーリーが自分を含めた読者の気持ちを捉える。
本書の著者も、情熱と野望をもっており、この本を書くためにロイターの職を辞し、フリーのライターとして数多くの関係者から貴重な話を聞き集めてこの本を上梓した。すでにロイターの記者時代からネットフリックスおよび業界の興亡について取材を重ねており、面白いものになるという確信はあったであろうし、捧げることができる情熱と成功したらそれなりのリターンがあるという目論見があったのだろう。それでも、フリーになって本書の構想を進めるとき、極度の不安で眠れぬ夜を過ごすことが多々あったと告白する。日本でここまで自分の時間を捧げて仕上げるベンチャー成功譚を描いた本が少ないのは、この種の作品に対するリターンがアメリカと比べて少ないことにもその理由はあるだろう。おそらく、LINEでも、楽天でも、DeNAでも、サイバーエージェントでも、同じように胸に迫るストーリーを紡ぐことが可能なはずだ。もしかしたら、探せばあるのかもしれないが、目に入ってくることは少ない(面白い本があるのは孫さんのソフトバンクの物語くらい)。
内容であるが、本書で物語は、時系列に沿って語られていく。各章のタイトルがすべて過去の名画のタイトルにしてあるのはお洒落。語られる物語は、ネットフリックスの物語であるとともに、ライバルであるブロックバスターの物語でもある。ヘイスティングはカリスマ経営者として知られているが、本書では決して無謬な名経営者として描かれているわけではない。その弱みや、ここまでくる中での社内、社外での大きな失敗も含まれる。特に先を急ぎすぎたクイックスターでの失敗は、他人の言うことを聞かずに進めた傲慢でありえない失敗として描かれている。
そして何より、ヘイスティングスは決して本書の主役でもない。黎明期を支え、そして追い出されるようにして会社を去った共同創業者のマーク・ランドルフとそのチーム。そして、何といっても最大のライバル、ブロックバスターのアンティオコとエヴァンジェリスト。彼らこそが主役と呼んでよい存在感を示している。
時系列に並んでいること、ライバルも含めてそれぞれのキャラが立っていること、わかりやすい勝者と敗者があること、などから、すぐにでも映画化ができそうな内容である。ぜひ、ネットフリックスで映画化してほしい...、無理か。いや、これでオリジナル映画を作る気概を見せてほしい。きっと、ネットフリックスのデータもこれは売れるという結果を出すはずだ。
ある日の何ということもないはずであった取締役会での役員報酬の問題から始まったアンティオコの、ここぞというタイミングでのブロックバスターCEO辞職。乾坤一擲の捨て身の反撃となった店舗とオンラインDVDレンタルを統合したトータルアクセスが功を奏してネットフリックスを追い詰めていた、まさにその時のことであった。そしてブロックバスターの決定的な敗因ともいえるキーズのCEO就任。彼は実店舗に拘り、顧客は来店して映画をUSBでダウンロードすることになるという今となれば眩暈がするようなビジョンを放ったセブンイレブン出身でデジタル音痴なキーズ。対して、ブロックバスターの脅威が薄れる中、DVDレンタルからストリーミングサービスの未来に賭けるネットフリックス。裏では悪役が似合う投資家カール・アイカーンが暗躍しており、アンティオコとアイカーンへの確執がアンティオコの失脚とキーズの就任につながった。ネットフリックスの成功の裏には致命的な敵失という大きな幸運があった(というのが、著者のストーリーだ)。ストリーミングサービスの開始にあたってコンテンツを供給する映画会社がネットフリックスのことを見くびってネットフリックスに有利な契約を結ぶことになったのも幸運であった。
去り行くアンティオコを前にして、苦労を共してきたブロックバスター社ナンバー2のシェファードはあふれくる涙をぬぐうために送別会の輪から離れて自分のオフィスへ引き返す。シェファードは、そのときにアンティオコと撮った携帯電話の写真を待ち受け画面に使っていたという。何とも絵になるシーン。そしてその後キーズが来た最初の研修会の内容の古色蒼然さにショックを受けてシェファードを含む古参幹部は持ち株を売り、あまつさえその資金でネットフリック株を購入する(インサイダー取引では?)。そして事態は予想されたように、もしくはその予想をはるかに超えてブロックバスターにとって悪い方向に転がる。DVDレンタルから始まった仁義なき戦いは、巨人ブロックバスターの破産を持って終わる。
そしてDVDレンタルからストリーミングへ時代は移る。TVでネットフリックスを見るために開発されたROKUのプロダクトとしての高い完成度が大いにその助けになったのは間違いない。(STB開発という近い仕事をしていた自分の経験からするとROKUは本当に素晴らしいプロダクトとサービスだ)
また、ストリーミングサービスの提供により、映画鑑賞中の顧客行動を把握することができるようになり、顧客が何を求めているのかをリアルタイムに把握することができるようになったことが、競争相手に対するサービス優位性を構築できることに気づき、それを最大限活用するように動いたことも大きかった。
もし、この本でネットフリックスという会社に興味を持ったのであれば、ネットフリックスの中長期ビジョン「Long Term View」を読むことをお勧めする。
https://www.netflixinvestor.com/ir-overview/long-term-view/default.aspx
”Internet entertainment is replacing linear TV”から始まるこのビジョンは、年々少し修正されているのかもしれないが(今読んだものはLast Updateが2018年1月になっていた)、おそらくは今のネットフリックスの精神を表している。Netflix Focus、Competition、ISP & MVPD relationships、など短い文章にはその粋が凝縮されている。そこに書かれていることを読むと、テレビ、映画、放送、というエンタテイメントビジネスは大きく変わることがわかるだろう。
ビジョンの最後のConclusionには次のように書かれているが、本書の要約を書��うとするともしかしたら同じものになるかもしれない。そして、あっさりと「5年間のブロックバスターとの闘い」の中にいた実際の人物たちこそが本書の魅力でもある。
We started in 1997 as a DVD-rental-by-mail firm, and spent the first five years struggling to get to a sustainable model that was cash flow positive. We spent most of the next five years fighting with Blockbuster in the US. We began streaming in the US in 2007, and internationally in 2010. Our sobering Qwikster DVD misstep was in 2011. Our first original series debuted in 2013. We became global in 2016, nearly twenty years after starting Netflix. Over the following decades, internet entertainment will replace linear TV, and we hope to keep leading by offering an amazing entertainment experience.
繰り返しだが、ぜひ映画化を期待する。熱望すると言ってもいいかもしれない。
面白い。お勧め。
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『NEVER LOST AGAIN グーグルマップ誕生 (世界を変えた地図)』のレビュー
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/481327160X
『SHOE DOG』のレビュー
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4492046178
『フェイスブック 若き天才の野望』のレビュー
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4822248372
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ブロックバスターとの戦いのところが楽しい。ネットフリックスよりもブロックバスターの方が情報量が多い。取材ベースでの本だから、読み応えあります。分析してその通りやってても、マスコミがその分析を信じないとか普通にあるんだねというとこが大変勉強になりました。
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ヘイスティングスはブロックバスターを同じ過ちを犯したくなかった。ブロックバスターが競争に負けたのは、消えゆく運命にあった店舗ビジネスにこだわったためだ
ネットフリックス シネマッチにまさるアルゴリズムのコンテストを開催
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ネットフリックスによる0年代のジャイアントキリング物語。という事で相当期待していたのだけど、あまりカタルシスは感じられなかった。
お相手のブロックバスターは最初からグダグダで、後半ようやく本気になり資本力をバックに兵糧攻めをしだすも、内部分裂で自滅。勝手に倒れてるだけ。
ネトフリの世界一のレコメンドアルゴリズムの出番がもうちょいあれば、よかったのかも。
池井戸さんあたりに日本人向けに書き直して欲しい。
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Netflix創業物語。月並みな言い方だけど凡百の小説よりよっぽど面白い!2012年時点までの話のためGAFAに並ぶ規模に成長する部分が無いのが逆に物語の密度を高めている。敵役のブロックバスター側の視点が充実しているのも厚みが増して良かった。あと一歩まで追い詰めていたとは…まさに歴史の分岐点。表紙や帯の印象と異なりビジネス書ではないのでその点はミスマッチが起きないように注意が必要。
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かなり刺激的で面白かった。
文量は多いけど、オンラインDVDレンタルという我々の知らないネトフリが、どうやって王国を築いていったか。
大手競合の参入などのリスクに常にさらされて、その中でどうやって参入障壁を高めていったか、みたいな話が特に興味深かった。
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一番記憶に新しいからだけど、Netflixの創業者は中年サラリーマンであり、今を働く人々のアメリカンドリームかも。
アルゴリズムを一般?に募集するのは印象的だった。
1ヶ月お試しにお世話になりました!
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2019/09/05市図書館
起業の一連の流れがわかってよかった。
Netflixが変革の道を歩んでいた頃、まだFacebookはなかった。
なぜなら、マークザッカーバーグは、その時まだ、高校生だったのだから。
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NETFLIX誕生の郵便DVD時代〜ストリーミング開始の2012年までを書いた内容。
本以外を売るアマゾンを目指したという起業コンセプト、DVD普及の時代やブロックバスター破綻などの周辺も描かれた読み応えのある企業史。
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日本に来る前がほとんどなので、ここがすごいぞNetflix!みたいなものではなかった。
郵便DVDサービスから始まっているとは知らなかった。ブロックバスター倒産したのは知ってたけど、結構ギリギリの闘いだったんだなあ。
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【顧客にとってネットフリックスは単なるDVD宅配便ではなかった。見たい映画を見つける最高の手段、自分の好みについての秘密を共有する友人、会うたびにもっと秘密を共有してますます信頼関係を深める永遠のパートナー。アルゴリズムの塊にすぎないという説なんて絶対に受け入れられない】(文中より引用)
郵便DVDレンタル事業から始まり、今やオンライン・ストリーミング・サービスの帝国を築き上げたネットフリックス。その創業から勇躍たる足場を築き上げるまでの歩みを描いたノンフィクションです。著者は、ロイター通信でメディア業界を担当したジーナ・キーティング。訳者は、『福岡はすごい』等の著作も持つ牧野洋。原題は、『Netflixed』。
今年のトップ10に入ってくるであろう作品。「茶の間の5時間」をめぐる戦国絵巻として非常に面白いだけでなく、何故に新参者のネットフリックスが既存の大手を打ち負かすことができたかを経営的な視点から学ぶこともできる一冊でした。ブロックバスターとのせめぎ合いはそれこそネットフリックスで映像化しても良いのでは。
今は『ナルコス』を観てます☆5つ