紙の本
そんなに怖くないけど、ジンワリ来る
2020/11/17 18:25
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ちょっとリアルで、なんだか不思議な短編集。基本、暗めです。
ずっと一緒にいたいけど憎しみや悲しみで歪んだ愛情になってしまう、
普通の生活が一瞬にして反転しちゃうような、悪意に陥れられるような、そんな感じです。
最後まで読むと、どうしようもない絶望の先に、ちょこっとだけ希望が見える印象をもちました。
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投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
5つの短編を収録した一冊。連作とまでは言えませんが一部の登場人物が重複しています。なお、本のタイトルと一致する作品はありません。
恒川さんの作品はずっと読んでいますが、本作はファンタジーではなくリアルな小説です。「悪夢」から夢が無くなった感じ。どうも後味が良くない。期待が大きかったためとは思うのですが残念。また次回作に期待します。
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短編5作。
一話目の読後、脱力してしまった
滲み出てくる喪失感がいつもと違って現実的
恐ろしさより悲しみでいっぱいだ
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普通に短篇集として読んでいたら2篇めの主人公が4篇に再び登場し、さらに人探し請負の女調査員… ここで新潮社のサイトに行って…「連作集」としっかり書かれておりました。
今回の作品は、ホラーやファンタジーの異世界にどっぷりつかる恒川ワールドではない。登場人物たちは皆、数奇な運命をたどるけれど、より現実的に描かれている。それゆえにそれぞれの登場人物たちがリンクするところでグッと引き込まれ、新たな恒川ワールドを堪能できた。
「人探し探偵 咲島秋」で続編どうでしょう?
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3話目「やがて夕暮れが夜に」が
断然おもしろかったけど
殺人とか金とか薬とかネットとか
この世のゴタゴタなら他の誰でもいいわけで
恐ろしく怪しげな
まだ見たことのない異形の世界を
期待していただけにちょっとがっかり…
本当に怖いのは
得体の知れないものより人間ということか。
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暗くて、私の大好きな恒川さん特有の叙情的な感じが薄かったのが少し残念。
1話目以外はうっすらとどこかしらで繋がっている感じがあった。理不尽な状況にたまたま追い込まれた人達にこの先全く救いがない訳では無いと思いたい。
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今までの恒川光太郎作品に比べると幻想味はマイナス、リアルにあるタイプの犯罪や人間関係の悪さが+されている短編集。
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#読了 恒川さんにしては、地に足ついた感のある短編集だった。それでもやはり現実感は希薄で、死者が喋ったり、絵が語りかけてきたり、幻想的で不穏な世界観。救いようがない話が続いたけれど、それぞれの話の主人公たちがなんやかんや前向きになって生きていく。そんなささやかな希望も感じる。
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#読了
今までの著者の作品とは違いリアル具合が増した短編連鎖作品。作者に思い描いている作風とは違った。「ずっと昔、あなたと二人で」「真夜中の秘密」が中でも好きな作品。昔みたいな少し御伽噺テイストが入った作品が読みたいなぁと勝手に思っている。
#恒川光太郎
#真夜中のたずねびと
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ごく緩いつながりがなくもない、5編からなる短編集。やっぱり短編集は苦手だな、っていうのが第一の感想。特に最初のが一番キツかった。それだけが他との繋がりも無いから、寧ろ他の4編だけで良かったのでは、と思えるくらい。寡作だから、次は来年かもしれないけど、是非また長編をお願いします。
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久しぶりの恒川作品に期待したがなんだか期待外れ。
物語が神秘的と言うよりよく解らない。
「夜市」や「金色機械」が余りに面白かっただけにそれから読んだ作品は何だかグッと来ない。
この手の展開に慣れたのか?
そろそろこれ!って言う良質の長編物が読みたい。
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死人が隣り合わせのちょっと奇妙でちょっと怖い5話。
こんな事があったら怖くて怖くてと思うが、どこか親しみも感じてしまう。
告白文の話は特に引き込まれた。
どこまでが現実なのか、境がうやむやになる。
そんな読後感。
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2020.11.08
ファンタジー要素少なめホラー多め。ホラーというより人間が怖い感じ。こんな家族、こんな人いないでしょってところがファンタジーか?
「ずっと昔、あなたと2人で」
これはファンタジーぽい?アキも老婆もよくわからないまま終わった。ミイラのリョウコちゃんを最後飾ったケンちゃんて、4編目に出てくるKENと関係あり?
「母の肖像」
母すごい。一馬が見つけられて嫌な展開になるかと思いきやお金が出てきて終わった。殺人鬼の家でまともに育ったのがすごいし、よく母もそんなのと暮らしてたと思う。洗脳ってそういうことなのかな。
「やがて夕暮れが夜に」
みつるがひたすら嫌だ。こんな兄弟がいて、縁を切りたくても向こうは何も失うものなんかないからどこまでも追ってきてたかってきたりするんだろうな。本当に生きてる価値のない下らないみつるみたいなやつどこにでもいそう。最後は突き放されてアレっ?て感じ。夢か幻オチ?
「さまよえる絵描きが、森へ」
偶然ゲストハウスで過ごしただけの人から突然送られてくる罪の告白。人探しが得意な探偵が出てくるまで二編目で出てきた一馬が主人公と気付かず。
一方的な告白をついつい読んでしまって、作者はうまいなあと思った。
「真夜中の秘密」
夜中に突然現れた殺人犯の女。家に招き入れてから豹変してく様子が怖かった。女を殴ってから家に送り届けようとするまでドキドキした。
ハラハラしたけど結局はハッピーエンドで意外だった。
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五編の短編集。
全体的に救いようのない話だったり掴みどころのない話だったりと、私の好きな恒川さんらしさを感じられない作品だったのが残念。
第一話から第三話は本人には責任のないことで孤独な人生を進むことになる主人公たちの物語が続き、胸が痛む。
震災で家族を亡くした少女が、やはり孤独な老婆と暮らし始める第一話はほっこりした話になるのかと思いきや、老婆が怪しげな商売をしているところから不穏な空気が漂う。
人殺しを生業とする狡猾な父親と覚醒剤中毒の母親に育てられ、その後は施設で育ち一人で生きてきた青年が突然母親から会いたいとコンタクトを受ける第二話は不安と緊張しかない。
弟が身勝手な理由で殺人事件を起こしたために両親と主人公である姉もまた悪意の嵐に曝されることになる第三話もまた息苦しくなるほどだった。
第四話、旅先で一晩一緒に過ごしただけの男から延々と過去の罪についての告白がスマホに送られてくる話は得体の知れない怖さがあったが、ここでこの話が前の話に登場したある人物と繋がることをようやく知る。
どうもゆるく繋がった連作集のようだ。となると、この話に登場するKENは第一話のあの人? ちょっとキャラクターが違うように感じるが。
第五話、奥深い自然の谷間にあるレンタル民家を営む青年の元に、そうとは知らずにあることをしに女がやって来る話も、この女の豹変振りにハラハラする。恐怖なのか緊張なのか、奇妙な旅路の果ては。
ここでも先の話に出てきたある人物が現れる。同時に別の人物のその後も分かるのだが、そこだけは少し安心した。
恒川さんの作品というと、救いのない話であってもホラーであってもどこか物哀しさやそこに漂う切なさや愛情といったものがあるのだが、このところの恒川作品はそうした作風からは少し離れていっている気がする。
キリキリするような緊張感と突如そこから突き放されどこに行けば良いのか分からない呆然とした感覚とで、この読後感をどう表したら良いのか分からない。
物語の人々はそれでも突き進んでいくのだけど。
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メッセージングアプリなど、現代生活に密着した感じの話。期待を裏切らない面白さではあったが、期待を大きく上回るほどではなかったか。