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投稿者:ヤマキヨ - この投稿者のレビュー一覧を見る
男の身勝手さというか郷の深さが痛いなぁと同性として強く感じた一冊でした。武家の女として男の都合に翻弄された女性たちの物語。男の目線ではこのように呼んでしまいますが、作中の女性たちにとってはそうした男の身勝手さにあらがう戦の物語でした。
もっとも武士の本分とか、武家の反映とかを押し付けられる男も悲しいものだとも思ってしまうのが男の性なのでしょうか。
紙の本
風のかたみ
2020/10/24 08:18
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投稿者:雨読 - この投稿者のレビュー一覧を見る
豊後安見藩のお家騒動に絡み上意討ちにあった一門衆筆頭の佐野了禅とその一家の命運を描いています。
上意討ち前に女、子供は了禅が白鷺屋敷に避難させた。
目付方の密命を帯びた女医師の伊都子が同居することになるが、伊都子がその女たちの命運を握ることとなる。
登場人物の不審死やその心理が謎めいていたのと、同じ文言が繰り返されていたので他の葉室麟氏の作品とは若干相違を感じた。
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話はミステリーのごとく進行し、すべてが明かされたところで切なさがこみ上げてくる。葉室麟はやはり手練れだと思う
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時代小説というよりも、時代ミステリという作品ですね。
上意討ちをされた家の女性たちが、白鷺屋敷という所に集められる。密室ですよね。そこへ派遣された女医の伊都子。
そこで起こる様々な怪異、そして死者が出た時、一人の女性が疑われる。
本当に彼女が犯人なのか?
上質なミステリでもありましたし、今も変わらない女性の立場の悲しさを感じる作品でもありました。
流石、葉室燐さん!
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上意討ちにあった一門衆筆頭の別宅に、密命を帯びて送り込まれた女医師の伊都子が主人公。
そこでは、奥方や嫁たちとその子供、女中たちが暮らしている。互いに何やら剣呑な雰囲気があり、やがて、この屋敷に来た男が次々と死んでゆく。
誰の仕業なのか、その裏に何があるのか。密室ミステリー仕立てにしながら、著者は武家ゆえの運命に抗う女性たちの哀しみを描く。
「世間では武門の者はいついかなるときでも死を決しているべきだと申しますが、わたくしは、それは殿方に限ったことだと思っています。女子は子を守り、家を守って生き抜くのが務めです。殿方は死んでしまえば努めは終わりますが、女子はいかなる艱難にも負けずに生き抜かねばなりません。それは時には死ぬよりも辛いことだと思いますが、生きる戦いにたじろがないのが女の真です」
「亡くなった夫にとっては何よりも家名が大切だったのでしょうが、女子にとっては、命そのものが大事です。わたくしたちは命を守るために闘わねばならぬようです」
男の身勝手に振り回されながらも、懸命に生きる武家の女性の思いが込められたこの言葉が胸を打つ。
没後3年になるが、いまだに新たに刊行される著者の作品を読めるということは、ファンにとってうれしい限りではないでしょうか。
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この時代の武士やその家族の生き方を背景に女性の強さや想いの強さに圧倒されそうでした。ミステリーを時代小説の中に取り込んだ内容で今までの葉室麟の小説とは大きく違うような印象を持った。また、本の表紙に描かれている白鷺がとても哀しく感じた。
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面白かった
時代小説ながらもミステリー
最後に明かされる真実と本当の想いに切なさがこみ上げます。
ストーリとしては、
上意討ちにあった筆頭の佐野了禅。男たちはそこで果てるも、女たちは白鷺屋敷に逃れ、暮らすことに。
そこには了禅の妻のきぬを筆頭に、長男の妻の芳江と娘の結、次男の妻の初、女中の春、その、ゆりの7人が暮らしています。
そこに目付方の密命をもって送り込まれた女医師の伊都子。
そんな中、この屋敷で、相次ぐ不審な死。
誰が犯人なのか?
疑われるある人物。しかし、その女は本当に犯人なのか?
といった展開です。
この時代の中の女としての生き様が心打ちます。
そして、明らかになる真相
そこにあった想い
切ない...
お勧めです
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よくできたお話しです。
見栄っ張りな亭主と息子二人が 上意討ちにあって
殿様から攻められ 火をかけ自害してしまいます。
残された女たちは 混乱の前 白鷺屋敷に移されます。
そこに 伊都子という女医さんが 住み込みで派遣されました。
女たちが死なないように見張れ!という命令のもと
一緒に住み始めます。
秘密がいっぱい。家に入ってくる男の人が死に 毒薬も
誰がなにを企んでいるのか
本当はみんなどうしたいのか
面白い本でした。