投稿元:
レビューを見る
広く書物を愛する私は翻訳業というものにも一時興味を持った過去もある…ということでこの本を手に取ってみたが凄絶な地獄絵図として捉えることしかできなかった。
出版不況と言われて長く苦しい時代が続いているが、傍からみるのと、ど真ん中でそれを体感するのとではこれほどか!
著者、有名な翻訳家の先生が、足を洗うまでの闘いを読ませていただいたけれど、この本が今後も売れ行き好調となりますようお祈り申し上げます。
文筆業、そして広く携わる諸々の職域の方々のためにも出版業界がこれからも社会的にもっと認められるということ、祈らずにはいられません。
投稿元:
レビューを見る
職業体験を綴った個人の日記(本書のことだったかどうかは定かではないのだが)がおもしろいと翻訳家兼エッセイストの村井理子さんがtwitterで呟いていたことがあって、気になっていたシリーズ。
どんな仕事でもその業界ならではの常識や習慣があるんだろうけれども、はたから見ればおかしな事、改善されるべきこともたくさん有りそう。
AIで翻訳が当たり前になってきているし出版業界も厳しいと聞くけれど‥文体にはそれぞれの翻訳家の技術や個性が滲み出るものだから、「翻訳家」はこれからも憧れの職業であってほしい。
投稿元:
レビューを見る
ベストセラーになったときはこっちまで嬉しかったけど、著者と出版社のトラブルなどをみてるとめっちゃ可哀想になった。自分が翻訳家であったことに対して「ちょっとやそっとでは他人が真似できないことをやったという自負がある。後悔などあろうはずがない」と思っているのに、もう100%約束を守ってもらえるような誠実な出版社があらわれない限りは翻訳を引き受けることはないと…どれほどまでに出版社に痛めつけられたのかと。出版社のイメージが変わりました。
あと宮崎さんが訳したのに、ある外国人著者が自分の見栄のために自分自身だけで書き上げた本として出版したのはいったい誰の何という本だったのかがめちゃくちゃ気になる!
投稿元:
レビューを見る
出版翻訳家としてのキャリアを赤裸々に綴ったエッセイ。
自身の翻訳した本の出版、出版社とのいざこざ等著者ならではの悲喜こもごもが記されており、面白かった。
ただ、基本的には文章には「怒り」が強く感じられるため、読み終わった後少し落ち込んだ。
兎にも角にも出版業界は闇が深いのだなぁ、と他人事ながら思う一冊。