紙の本
難しいことをわかりやすく伝える力。 目に見えないこと、気づかないことの根源に迫る探究心。 心優しき感性から生まれるユーモア。 気軽に読めて、たくさんの気づきがある好著。
2022/11/01 16:54
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mitu - この投稿者のレビュー一覧を見る
「AIは『絶対押すなよ』(熱湯風呂の上島竜平)を理解できるか」
これだけでも、興味深い。
そして表紙には、ラッシャー木村、アニマル浜口、藤波辰爾、長州力がいる。
「退屈なヤツはプロレスで遊べ!」
週刊プロレスがかつて掲げたキャッチコピーを思い出す。
著者は言語学を専門にする、昭和生まれのプロレス好き。
本書は東京大学出版会が発行している「UP」(ユーピー)に連載されたコラムをまとめたものだ。
「だだし、筆者の連載はどちらかというとイロモノ枠で、フルコースの途中に出てくる『お口直しのシャーベット』程度の位置づけである」
「できれば、最初から『箸休め的な内容しか載っていない』ことをご了承いただいた上で、読むかどうかをはご判断いただきたい」
(「この本を手に取ってくださった皆さまへ」より)
・ラッシャー木村の「こんばんは事件」の謎に迫る。
なぜ普通の挨拶が、ファンに語り継がれる事件になってしまったのか。
・たったひとつの冴えたAnswer
氷室京介とTERUの対談に読む、相手を思う「心」の大切さ。
・藤波辰爾には、その得意技だけでなく、すべてに「ドラゴン」がつくのか。
ドラゴン・スープレックス、ドラゴン・ロケット、ドラゴン・スリーパー、ドラゴン・リングイン、ドラゴン・ストップなどなど。
難しいことをわかりやすく伝える力。
目に見えないこと、気づかないことの根源に迫る探究心。
心優しき感性から生まれるユーモア。
気軽に読めて、たくさんの気づきがある好著。
紙の本
読むなよ!読むなよ!
2021/09/20 23:08
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:pascal - この投稿者のレビュー一覧を見る
これはこの本の帯に書かれている言葉です。もちろんダチョウ倶楽部の上島竜平氏が熱闘風呂に入る時に周りにかける言葉として有名です。では、今をときめく(?)AIがこの言葉を理解できるのだろうか、そんな切り口で真面目な「言語学」の話がなされます。
とは言え、もちろん表紙に長州力が描かれているなんて、ただの言語学の本ではないわけで、一般の人たちが言葉について考えるきっかけになると思います。
この本はROUND1ですから、個人的にはROUND2以降も期待しているところです。
出すなよ、出すなよ!
紙の本
身近にわかりやすく
2023/04/29 16:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ヒグラシカナ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ことばは身近なもの。毎日使うし、自分にとって
必要不可欠なもの。
ことばについてもっと知りたいと思い、言語学の本を
手に取ると、正直とっつきにくいものがまだまだ多い
印象がある。
身近な題材で分かりやすく、堅苦しくないこの本は
今までと異なるアプローチでことばについて教えてくれた
ように感じました。
紙の本
ユーモラスで示唆に富んだ言語学×エッセイ。
2022/05/16 00:41
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゲイリーゲイリー - この投稿者のレビュー一覧を見る
言語ほど私たちと密接な関係にある分野はそうそうないだろう。
年代や職業、出身国や趣味嗜好問わず人と人とがコミュニケーションをとる上での基盤となり、人類の発展に大きく関わってきた言語。
では、私たち人類と切っても切り離せない言語を専門とする言語学とは一体どういう学問なのだろうか。
本書はそうした疑問に対してのベストアンサーとなりうる一冊である。
プロレスやアーティスト、誰もが知る国民的大ヒット曲からアニメ等私たちの身近なものを例にとり、言語の深淵さを垣間見せてくれるのだ。
また、思わず笑ってしまうような軽妙洒脱な文体も本書の醍醐味。
言語学初心者はもちろんのこと、言語学に興味のない方でもエッセイとして十分に楽しめる作品となっている。
意味や意図の違いや、言語の持つ曖昧さや不明瞭さ。
普段私たちはこれらを難なく使いこなしているわけだが、AIはこれを適切に判断できない。
本書は言語が如何に奥深く複雑で、素晴らしいものであるかを再認識させてくれる。
しかしその一方で、言語に対する私たちの姿勢には反省すべき点も存在する。
言語の正誤に囚われマウントの取り合いを繰り返し、他者へ攻撃的な言葉を投げかける風潮には著者も警鐘を鳴らす。
著者の文体の様なユーモラスで朗らかな姿勢こそが、言語を用いる私たちにも必要不可欠ではないだろうか。
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面白かった。
ユーミンのあの曲がなぜ「恋人はサンタクロース」ではないか、の章を読みながら、学生時代に、同級生が何かの授業の初回、生徒同士の自己紹介の時に、”なぜJR東海のCMは「そうだ京都、行こう」なのか”の持論を熱く語っていたのを思い出した。なぜ、京都へ行こう、京都に行こう、ではないのか、を結構長く語っていて、今では名前も思い出せず、顔もうろ覚えなのに、この出来事はよく覚えている。
と関係ない話になってしまったが、昔から言葉に興味だけはある(知識と教養は別にない)私としては、この「”は”と”が”の違い」とか、上島竜兵さんの「絶対に押すなよ」の「”意味”と”意図”」についてなど、身近でカジュアルなネタながら、なるほど!と思える話は、とても興味深かった。
正しい日本語についてや、文末の「・・・」やw(笑)についてなども面白かった。
ちなみに私自身は、・・・も使ってしまうし、年齢的にちょっとwを使うのはためらうが”(笑)(苦笑)”などは使ってしまう(ただし、ビジネスの場では使わないが)
それは、著者がかつての電報の例や、仕事などでのやり取りが電話からメールがメインになった時の例などで触れていたように、「淡泊さ」「冷たさ」「怖さ」を感じることが、受け手としての経験であるからだ。だから、自分が発信する場合に、冷たいとか素っ気ないと感じさせるかもしれないと思った場合に、そう思わせるリスクよりは、「こいつ(笑)とか、絵文字とか”・・・”とか、うざっ」と思われるリスクの方を取る、と言う感じだ。
しかしこれも、正しい日本語、と同じで、それを余計なことや、自己防衛のようでうっとおしい、却って失礼、と感じる人もいるのだろうし、、、言葉って難しいですよね。
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タイトルのインパクトに惹かれて手に取ったところ、とっても面白かった!言語学は全くの専門外だけれども、こういった奥深い世界があるんだなと楽しめました。広報誌に寄せたコラムということで、ひとつひとつも読みやすい長さでした。
世の中にあふれることばの「なぜ?」や「しくみ」を面白おかしく(著者の謎で愉快なハイテンションギャグとともに)読みていく本です。プロレス愛も凄まじい(ちょっとだけ知っているのでクスクス笑わせていただきました)
AIについての言及はほんの一部で、本書の主題ではありませんが、「意図と意味」の違いや「意図を推測するということは相当複雑なプロセスがある」という話は本全体を通して共通するテーマだなと。
個人的なお気に入りの章は「新しい娯楽を考える」で、巷に溢れるコピー(キャッチコピー)を真面目に見ていく会です。マンションポエムが好きな私には良いお酒のつまみでした。w
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出版社サイト
http://www.utp.or.jp/book/b582876.html
書評(毎日新聞7/31)
https://mainichi.jp/articles/20210731/ddm/015/070/029000c
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言語学やAIについて積極的に一般向けの著作を発表なさっているのは存じ上げていたがもう少し小難しい感じで迫ってくるのかと食わず嫌いをしていた
訳のわからんタイトルにひかれというかジャケ買いをしたら大当たりだった
欲を言えば一つ一つのテーマから専門的な方向に踏み出すための読書ガイドが欲しいけど
困難は専門とは全然違う手遊びだよ
とか言われちまうのだろうな
やはり言語学者には近寄らない方がいいという偏見が拭いされない
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見ている限りでは毎日と日経と読売の書評欄で取り上げられていて「今、話題の」って感じの本です。週刊誌では文春でも評されていました。どの評者それぞれに書名の「バーリ・トゥード」という言葉への馴染みのなさを告白しているような、知っている人はそれを説明しているような感じだったような気がします。(本書に登場する「STO先生」的な立ち位置ですね。)ってことで、字義通り「言語学何でもあり」なんだろう、と手にしました。言語学にマウントポジション取ったり、関節決めたり、肛門攻撃したり。前に読んだ『働きたくないイタチと言葉がわかるロボット 人工知能から考える「人と言葉」』をハードにしたあの手この手を期待していました。でも表紙のイラストからなんかホンワカ感溢れていてて。で、言語学をバーリ・トゥードするのではなく、バーリ・トゥード、いやプロレス、あるいはポップカルチャー全般に言語学フレーバーを掛けている、そんな本に思いました。まあ「なんでもあり」だから、それもバーリ・トゥードなのかも。実は言語学の大切な肝を語っているのかもしれないのですが、ネタがツボりすぎてその印象で読後感決まっちゃった感じなのかもしれません。恥ずかしながら「真霜拳號選手の無道」知らなかったので著者に言われるがまま検索してしまいました。プチ鹿島とフミ斎藤の「プロレス社会学のススメ」も面白かったし、最近、プロレス者たちによる自分の専門領域にプロレス重ね合わせ技系の本、増えているかも。
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東京大学出版会のPR誌『UP』連載がたのしみでたのしみで、掲載されている号を図書館でまとめて借りては読んでいたのが、はやくも書籍化。最初の12回分(←11回までは読んでいる)+書き下ろし4回(←うれしい!)、さらにコジマコウヨウ氏の描き下ろしにして絶妙なイラストもたっぷり添えられており、連載で読んでいる人にも楽しみの多い本になった。連載はさらに続くようだから、もうそろそろ定期購読にしようかなぁ…
プロレスネタが多いので、プロレスが好きな人はもちろん面白く読めること請け合いだけれど、わたしのような「バーリ・トゥードなにそれおいしいの?」状態でも気楽に読んで得るものがある。
言語学徒の端くれとしてはやはり「違う、そうじゃない」や「ことば地獄めぐり」など自分の立ち位置と世間の期待や想像とのギャップにもやもやしたりもだえたりしてるあたりが共感の嵐だし、「宇宙人の言葉」「本当は怖い『前提』の話」などは言葉のおもしろさやこわさがよくわかるので、みんなに読んでもらいたくなる。
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Facebookの知り合いから紹介された本.言語に興味のある方もない方も,読んで面白い本である.川添愛さんのファンになってしまった.
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言葉の選択と表現方法が面白かった。
言語学者と聞いて堅苦しいイメージがあったが、ジャケットの通りその堅苦しさを面白さに変えて日常を解説してもらった…という印象。
切り取る日常に気付きがあり、新鮮さを覚えた。
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自虐ネタに対しての返答は難しい。
たしかにそうだ。
しかし、神回答するコツがあるのだ!
氷室京介の自虐ネタに神回答する
GRAYのTERU。サイコーです!!
笑えて役に立つ‼️
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著者Twitter: https://twitter.com/zoeai
◆「言語学バーリ・トゥード」川添愛さんインタビュー ダチョウ倶楽部やラッシャー木村をAIは理解できる?(朝日新聞「好書好日」2021.9.3) https://book.asahi.com/article/14429444
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東京大学出版会のPR紙「UP」で言語学者である氏が連載されたエッセイ集。
言語学という難しい内容はあまり出てこないし、バーリトゥードとの話はほとんどなく、あるのはプロレスである。
その話がどれもツボにハマると思ったら、やはり同世代だった。プロレス好きで、BON JOVIの歌詞も出てくるとすれば、きっとメタルへの造詣も深いのではないか?
政則先生の十番勝負に登場する日も近いと推測している。
肝心の内容だが、表面的な面白さに流されてしまい、すっかり読み流してしまったので、次は新潮選書の本に手を出してみようと思う。