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紙の本

歴史をかき回す男

2023/02/24 22:29

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:SlowBird - この投稿者のレビュー一覧を見る

フランス革命ってもっと早く起きてもおかしくなかったんじゃないか、という問いかけから始まるこのお話。そして実は17世紀末に革命になってもおかしくなかった事件があったという。当時横暴な為政者に反発する、多くの貴族たちによる打倒計画が企てられていた。
その反乱勢力の拠点に、一人の床屋が迷い込む。彼は幼い頃に自分を捨てた母親がそこにいると思い込んでいるだけなのだが、謎めいた男に導かれて、まんまと権力側のスパイとして利用され地方貴族になりすまして潜入するのだ。この床屋がなかなか調子のいい男で、妙な縁起を担ぐのにこだわって変な方向に向かっていくとはいえ、口八丁でまんまと潜入に成功してしまう。ただし政治の状況も、両勢力の事情もまったく関知しない一庶民であり、ただ自分の欲求と保身のためだけに、緊迫した集結場所の中をふらふらと遊泳する。
その綱渡りの情報収集もスリリングだが、肝心の革命の帰結は如何にというと、お調子者の素人が一人紛れ込んだだけで掻き回されてしまう反乱側の組織力の弱さが気にかかってしまう。例えていうと薩摩や長州の志士たちが江戸屋敷で初対面で顔合わせをして蜂起しようというようなもの。大阪の陣の豊臣方よりレベチで脆弱。主人公のチュルリュパンも癖のあるキャラだが、この反乱軍の右往左往や同レベルの体制側にコミカルな印象を感じてしまう。
つまり国を二分する大決戦を行うほどには、まだ政府も地方も体制が成熟しておらず、なんか地方豪族同士の引っかき合いみたいなのだ。この100年後のフランス革命でも劇的な変化があったかというと、それも疑わしいのかもしれない。そういう近代社会との落差を語ろうという意図があったのかわからないが、英雄的な活躍で歴史を動かした的な展開ではないストーリーによって、歴史の動きなんてその時の流れでどう転んだかわからないものという感覚が浮き出してくる。
同時期で同じオーストリアのヨーゼフ・ロート「ラデツキー行進曲」でも、ほんの偶然みたいに皇帝の命が救われる場面があったが、強大なオーストリア帝国があっという間に消失した経験もあって、歴史が必然的な流れというよりも、個人の思い思いの行動の集積であるというような歴史観は育まれていたのかもしれない。

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2022/04/28 22:45

投稿元:ブクログ

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