紙の本
艶やか、艶やか、艶かしい。
2023/10/16 19:56
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投稿者:びずん - この投稿者のレビュー一覧を見る
とにかくこの漢字の言葉が感想になる。花を見てエロスを感じたことがある。彩瀬さんはそれを文章にしていると思う。花そのものになりたいという表現者の最高峰の願いを叶えてしまった後、彼が最後まで花として生きることができたのは、絶望の末、他に望むものがなかったからだと思う。幸福と不幸は表裏一体だ。人間は人間になり過ぎてしまったから、森へ還った方が良いのだと思う。
紙の本
大人の微妙な恋心
2023/06/01 20:29
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
恋愛とこだわりの間で揺れる大人たちの気持ちが描かれている、ちょっとエロティック、ちょっと不思議な短編集。
男の無神経さに訣別する女や、自分勝手な気持ちを受け入れる女など、力強く逞しくしなやかに生きる姿が心地いい。
しっとりした気持ちになります。
紙の本
花の香りに包まれたような不思議な気持ちに
2023/05/17 10:07
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投稿者:higassi - この投稿者のレビュー一覧を見る
様々な時期に書かれた6篇が収められた一冊。一冊を通すと(男性の私でも)花の香りに包まれたような不思議な気持ちになりました。個人的には最初2篇「なめらかなくぼみ」「二十三センチの祝福」が奇譚といったどこか浮世離れした雰囲気で良かったです。
紙の本
美しさと恐ろしさ
2023/06/29 15:40
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投稿者:302 - この投稿者のレビュー一覧を見る
官能的。
少し恐ろしいような、悲しいような、不思議な感覚に。
雨の日や夜、自然の音しか聞こえない環境でさらさらと読むのが合いそう。
装丁も美しくて雰囲気に合っていた。
紙の本
気持ち悪い
2024/04/11 11:44
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投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
ある意味、非常に気持ち悪い小説。
評価したくなる気持ちも分からなくはないけど。
よくわからないけど、賞を取るほどの小説ではないと思う。
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ベストアルバム的短編集ってすごくいいキャッチだなってくらいまさに、な短編集だった。
デビューされた作品は当時まだ受賞される前にWEBの方で読んだけど、こうして今の作品と並べると根本が同じなんだなと嬉しくなった。彩瀬さんと花はとてもよく似合う
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短編6作
ゆっくりと時間がたゆたう
くぼみや質感、重ねる部分に僅かなぬくもりを求める心
そういう濃密で細やかな描写と少しの狂気
記憶に紐づいた香りが鼻先を掠めていく
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石とか花とかが身体に入ったり、身体から出て来たり、なんとも不思議な短編集。ファンタジー要素が強めなのであまり共感出来ず。
自分好みではなかったけれど短編なのでサクサク読めた。
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よかった。好みの感じ。
どの作品も、ちょっとエロくて、可愛くて、変な設定ってところが、これまた好みでw
「マグノリアの夫」のラストの驚きが、なんか新鮮だったw
装画も、装丁も素敵で◎
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短編集。
全体的に好きな雰囲気ではあるが、人間が植物になったり、身体の中の石を交換しあったり不思議な世界観。
好きになった人と石を交換しあい、結婚する。相手にその気がなければ、石を手術で取ってもらうか相手に取ってもらわなければならないらしい。
相手が石を取るのに手馴れてれば、あ、そういうことかってなるわな。
この世界観に自分が存在するとしたら、自分の石がどんな石なのかには興味ある。誕生石がトルコ石(サファイアが良かった)なので、青っぽい石だといいなと思う。
ソファの座り心地が良すぎて恋人と別れた経験のある女性の話も面白かった。そんなことでと思う人もいるだろうが、誰にも侵害してほしくない自分の場所を持つ人には通じるところがあると思う。
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章が移り変わるごとに現実からはかけ離れた物語になっていく。
だけど違和感はなくするっとその世界に飲み込まれる気持ち良さがある。
愛や恋と断言できるものばかりではなく名前の付かない曖昧な部分が丁寧に描かれていて、こういうことを感じながら生きていきたいなと夢から醒めたばかりのような心地良い倦怠感みたいなものに包まれている。
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憧れ、執着、およそ恋に似た感情が幻想を呼び起こし、
世界の色さえ変えていく…。女による女のための
R-18文学賞受賞作「花に眩む」も収録した、ベスト
アルバム的短編集。
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贅沢することや欲を満たすのと違った、共感とか時間の共有といった緩やかで穏やかな時間の大切さに気付かされます。
短編のなかでも『二十三センチの祝福』が好きでした。
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「なめらかなくぼみ」
「二十三センチの祝福」
「マイ、マイマイ」
「ふるえる」
「マグノリアの夫」
「花に眩む」
六話収録の短編集。
一行目から彩瀬まるワールド全開。
それぞれの物語は独立していて何の関連性もないけれど全話から男女の満たされない思いがひたひたと迫って来る。
自身の欠乏している部分を埋めるかのように、人やモノに縋り生を紡ぐ。
時折、美しい文章の中に隠れ潜む狂気に気付きゾワッとする瞬間が存在する。
リアルな現実と幻想的な光景が融合されて不思議な空間へ導かれた。
芳醇な花の香りに包まれながら不思議な世界観に浸れる一冊。
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6編収録されている短編集で、特に『ふるえる』、『マグノリアの夫』が好み。日常の中に少し不思議な出来事が入り込んでいて、それが自然にも違和感にも感じられるようで心地良くもざわざわする。人に想いを馳せる瞬間とか残酷になる瞬間が唐突に現れて溢れる感情に惹きつけられる。素晴らしい短編集。