紙の本
思わずこんな課題がある、視点があると教えてくれる
2023/06/17 10:57
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投稿者:雑多な本読み - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は「現代ビジネス」に掲載された論考で、小出時から現時点における加筆修正を行ったものである。「日本の死角」という題名より、「現代ビジネス編」というところが重要かもしれない。私たちが、当然と思っていたり、気に留めず過ごしていたところを取り上げているところは面白い。目次を見ると、
はじめに
「日本人は集団主義」という幻想
日本人が「移動」しなくなっているのはナゼ?地方で不気味な「格差」が拡大中
日本人が大好きな「ハーバード式・シリコンバレー式教育」
日本が中国に完敗した今、26歳の私が全てのオッサンに言いたいこと
日本のエリート学生が「中国の論理」に染まっていたことへの危機感
いまの若者たちにとって「個性的」とは否定の言葉である
日本の学校から「いじめ」が絶対なくならないシンプルな理由
家族はコスパが悪すぎる?結婚しない若者たち、結婚教の信者たち
ご飯はこうして「悪魔」になった~大ブーム「糖質制限」を考える
なぜ「ていねいな暮らし」はブーム化した一方、批判も噴出するのか
「死んでまで一緒はイヤ」日本で死後離婚と夫婦別墓が増えた理由
自然災害大国の避難が「体育館生活」であることへの大きな違和感
女性に大人気「フクロウカフェ」のあぶない実態
性暴力加害者と被害者が直接顔を合わせた瞬間 一体どうなるのか
「差別」とは何か?アフリカ人と結婚した日本人の私がいま考えること
私が「美しい」と思われる時代は来るのか?褐色肌、金髪、青い眼のモデルが問う
となっている。
例えば日本は集団主義の社会かという問いかけで、個人主義と対比させて、日本は決して集団主義社会ではないと明らかにするので、思い込みに警鐘を鳴らす。この説は正しいかというところはあるにせよ、視点を変えて多面的に見る姿勢は絶えず必要であることはよくわかる。いろいろなテーマが取り上げられ、確かに社会として正面から捉えることなく過ごしているところは貴重だと思う。自然災害での避難先が学校の体育館で、一時でなく長期に生活を強いられることがあるという現実はおかしいし、具体的な政策欠如が放置されていることも住民の人権(健康、生命等も含む)を蔑ろにしているところに一石を投じている。一読してほしい本である。
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興味深いテーマ
2024/04/16 10:36
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投稿者:あー - この投稿者のレビュー一覧を見る
読みやすかったです。いろいろなテーマについての考察。もとはウェブ記事とのことで納得です。ひとつひとつが長くもなく短くもなくのページ数。
個人的には「ハーバード式教育」の項が面白かったです。教育方法もそうですけど、他国のいろいろ良いと思われるものを日本に取り入れるのは良いのですが、土台(国)が違うから、その方式をそのまま持ってきても馴染まないし、弊害(いわゆるゆとり教育とか)がでて大混乱。維新後の日本はこうだったのかな?と思ったり。今の円安、海外から買いたたかれている日本にとても危機感が募ります。
もちろん著者の方々のいち意見としての内容ですけど、結構な人数の日本人が感じているのでは?
「死角」というか、「危機」という感じ。
紙の本
「死角」というよりは「狭間」「隙間」
2023/09/14 09:08
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投稿者:とらとら - この投稿者のレビュー一覧を見る
ひとつひとつの論点を個別の筆者が書いて、いろいろな角度で見逃しがちな点を指摘している。それぞれ考えさせられる内容も多かった。災害時の避難施設などの考え方をイタリアの例と比べている点なんかは、そうなんだと思った。全体を通したテーマなんかは感じなくて、日本の「死角」というよりは、ひとつひとつの「隙間」みたいなもののように感じた。
紙の本
死角だらけの日本
2023/06/14 16:26
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投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本という国に生まれ生活し、そこで起きる社会事象を見ていると、国の形や制度は長い間に変わることはなく、謎に満ちている。それを様々な視点からとらえ、論評したものが本書である。科学的な比較研究の結果もある。社会を日本の外か見た論評もある。それぞれの場で指摘される問題点を、これから私たちや次の世代、孫の世代が、取り込み解決しなくてはいけないのだ。死角だらけの国に、明るい未来はあるのか。
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ネットで読んだら面白く感じるのに
2023/08/16 12:34
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投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
ウェブサイトで読んで面白いと思い、購入したが、紙で読むと随分と中身が軽く、一部を除いて暴論や空論に思えてしまうのは何故だろう。
何か中身が物足りなく、不安になる。
しかしネットではそんなことはみじんも思わなかった。激しい言葉や極端な意見に惹かれてしまうのだろうか。。。それこそがネットの怖さもしれない。
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blind spot
2023/07/31 06:52
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投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本の問題点に関する16の考察。興味深いテーマがそろっています。記載されているデータもインパクトが強く説得力がある。しかし惜しむらくは全般に文章がかたい。もう少し読みやすければもっと高い評価にしました。
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日本っていい意味でも悪い意味でも面白い点を持っている、と思う。その中には、自分勝手な思い込みで正しくない認識もあるような気もするので、その確認のために読んでみたい
#日本の死角
#現代ビジネス
23/5/18出版
#読書好きな人と繋がりたい
#読書
#本好き
#読みたい本
https://amzn.to/3IhqpFA
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各章タイトルに、そのテーマの全体像把握を期待してしまったが、わりと局所的な事柄について実例や数値を上げつつ論じている感じ。
だからこそ、こういう視点や知らなかった事例があるのだな、と思いがけない読み応えもあり。
ただ、最後の章以外は5年以上前に書かれた記事だったので現在の状況とは異なる点もままあるのかなと思う(私の事前の情報収集ミスかな)
各章に、発行にあたって再編したり言葉を添えたりといった初出とは違う部分もあるので良かった。
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16本の論考が一冊に収められている。初出から少し年数が経っているモノも見受けられるが、内容自体に古さは感じ悪い。(それだけ、或る時点の課題のような何かが、延々と続いているのかもしれない…)年数を経たモノに関しては、一部の加筆修正等は施しているようだ。
そういう、コンパクトな論考を纏めた一冊なので、1篇ずつゆっくりと読む感じで向き合うと、存外に素早く読了出来る。また、1篇ずつ向き合うという方式で、短い読書時間を積み上げて読了に至るのも容易だと思う。
と、コンパクト、短いという話しをしたが、「内容」は濃く、強く迫って来るような場合も在る。そこが肝要である。
題名に在る「死角」というのは、射撃関係の用語に源が在るそうだ。障害物や地形の関係で、見えないので狙い悪いというようなことだ。そこから転じて、「見えない角度」ということになった訳だ。
『日本の死角』という題には、「日本に在る我々が、普段佇んでいる辺りから視えていないかもしれないような事柄」という含意が込められているのであろう。本書に収められた各篇を通じてそういうことを感じた。
最近の流行りに関する疑義を論じているような内容も在る。が、多くは「その“当り前”のようになっている事柄は“正しい”とか“妥当”と考えていて差し支えないのか?」という、強く迫って来るような内容だと思った。
未だ新しい本で、“ネタバレ”というような詳述は避けたいが、「災害時の避難所」の事や「いじめ」の事を論じた篇は大いに考えさせられた。何れも「最近の流行り」ということでもなく、長く在る課題だ。
「災害時の避難所」が(学校等の)“体育館”という様子が妥当なのかという話しが在った。一晩凌ぐという臨時的な措置でもない限り、劣悪な環境で体調を崩し、場合によっては亡くなる人達迄現れる状況は改善が必要な筈だという話しだ。加えて、諸外国の様子を観れば、「災害時に居宅等を喪った」というような状況下では「手を差し伸べて頂く“権利”」が人々には在り、そういう人達に「手を差し伸べる“義務”」が政府等には在るという展開だった。或いは人々の権利と、政府等の義務がゴチャゴチャして、何やら「自己責任」なるよく判らない話しになる辺りは、災害対応に限らないのかもしれない。
「いじめ」の篇である。これはあ大規模災害で居宅を喪った家族の子どもが、引っ越した地域の学校で何年間にも亘って「いじめ」被害に遭い続け、総額で150万円にもなるような金を撒き上げられ、それを訴えて「“いじめ”に相当しない」という話しが出て騒ぎになったという一件を引いて論じている。“学校”という場そのものが「異常?」ということに関してである。脅して金を撒き上げるようなことは“恐喝”という犯罪で、犯罪を犯しているとして処断するのが一般社会の常識だ。「いじめ」なる特殊な教育上の問題ではない筈だ。“学校”という場は、「独自の価値観を中に在る児童生徒に押し付ける」という異様さを放ち、独自の妙な論理で犯罪を重ねた新興宗教団体や過激派グループの様子にさえ似ているかもしれないとしていた。
この2篇が殊更に記憶に残ったが、こういうような「死角」は多々在る訳だ。
本書の各篇は���「死角」を謳うだけに、或いは多数派を占める観方でもないのかもしれない。が、各篇や、各篇の中で取上げられている事柄を題材にして「“当り前”のようになっている事柄は“正しい”とか“妥当”と考えていて差し支えないのか?」と問うてみることは重要な筈だ。
こうした本は意外に価値が高いと思う。広く御薦めしたい。
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講談社の現代新書の悪い本の典型だ。一貫した主張もなく、ただ評論を集めただけの安易な企画です。
未来の年表もそうだけど、もっと突っ込んだ本が欲しい。もう、題名では騙されないようにしようと思いながら、また買ってしまった。
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今の日本への認識を正しくするために、各論客がトピックごとに違う視点を持ち込んでいる記事をまとめた良書。
印象的だった箇所をいくつか抜き出すとしよう。
◾️ご飯はこうして「悪魔」になった〜大ブーム「糖質制限」を考える
→ 「食べたいけど痩せたい」という欲望を満たしてくれたからブームに。
たくさんの食べ物があふれ、貧しい人でも簡単に太ることができ、やせることが無条件に美しさ、カッコよさ、聡明さ、自己管理能力の高さと結びつく、人類史稀に見る社会状況にフィットすることにより糖質制限はブームになった。
◾️なぜ「ていねいな暮らし」はブーム化した一方、批判も噴出するのか
→人が心に余裕をなくす現代社会。
日々の生活で、家事が行き届いていない今に不満があるからこそ、ほかの人の「ていねいな暮らし」ぶりに腹を立てる。それを自分にも求められていると感じて、いらだつ。
◾️「死んでまで一緒はイヤ…」日本で死後離婚と夫婦別墓が増えた理由
→ 家族の個人化
・1980年代後半〜、家族は選択不可能であり解消困難なものと認識されたまま、家族という枠内で、家族員が個々に自己実現を求めるなど、行動の選択肢の可能性を高めていった。
・1990年代〜、家族関係自体を選択したり、解消したりする自由が拡大し、「家族の本質的個人化」が進む。個人の側から見れば、家族の範囲を決定する自由の拡大ということ。
◾️差別とは何か?
→「分割=差異化=意味付与」のプロセス
必要なのは抽象的な理念でも大袈裟なイデオロギーでもなく、人と人とのコミュニケーションの中で「落ちる」瞬間を具体的に体感し、その経験を積み重ねて、自身の心の中に自由な空間を広げてゆくことなのだ。
ざっと見ていくと、世界の潮流と同じくして、日本でも個人化、リベラル化が進んできたのだ、ということ。
その流れがブームやトレンドを生み出したわけだが、それは個人化が生み出した心地よさをSNSやメディアが破壊してきたとも読み取れる。
"不寛容"が蔓延ってしまうことにより、その反動が起こっているし、これからも起こり続けるのではないか、と感じた。
死角のうちの一角でしかないが、とりあえずまとめ。
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え、何これ??
多分、新聞の広告とかで見て手に取ったんだと思うが、、、
中身がない。記憶に残らない。。。バラバラなエッセイなのかコラムなのかが続き、、、編集者は何を伝えたいのだろうか?
日本の死角??
6年も7年も前の若者の生意気な記事を転載して、6年後に振り返ったコメントも大して載せずに??
あえて言えば、フクロウカフェのフクロウが可哀想で読むに堪えなかったくらいかな??
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日本の深刻な問題を世界と比較することで解決のヒントを与えてくれる本。いじめは先生や家庭だけに責任があるのではなく、学校という特殊な環境が生み出しているものでもあると著者は論じている。また、暴力を振るって相手を傷つけたりしない限り刑法で罰せられず、「いじめ」という言葉で片付けられてしまうことも原因にあると言っている。たしかにと思った。
高校、大学と大人になるにしたがっていじめは減っていく。そう考えると、小学校、中学校でいじめに遭っている人は、中学校を卒業するまでは卒業認定をもらえるフリースクールに通うのも手である。一方で学校側はいじめを防ぐために、もっと対策を講じていくべきだ。詰め込み教育ばかりしていてはダメだと思う。ヨーロッパ1いじめが少ないと言われているデンマークは日本にない2つの対策がある。1つは悲しんでいる子どもに熊の人形を渡すこと、もう1つは「共感」という授業を取り入れることである。熊の人形を渡すことは実験的にいくつかの学校で取り入れてみて変化を調査してみてもいいと思う。日本の詰め込み教育を今一度見直す時ではないか。
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2023年70冊目。満足度★★★☆☆
日本社会の現状・問題など、かなりバラバラな16の項目について16人の識者などが論ずるものをまとめたもの
項目毎の分量もかなり違いがあるし、著名な人も少ないし、全体として中途半端な仕上がりの本だった
図書館で借りて読んで十分
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対外的な視点を見るとき、中国というフィルターが間に入って西洋を見るようになったと感じること。日本の勢いがなくなった。このままではいけないという危機感がある。対内的には、世界からの批判が根強い人権に対する意識の問題。今回、被災地の体育館避難の常識が問題ということにハッとされた。避難者は援助を受ける客体ではなく、援助を受ける権利者でなくてはならない。言われたらそうだなあと思う。国費によるホテル避難など、イタリアにできて日本できないことはないだろう。でも何か違和感もある。うまく言い表せないが、その違和感が消化できていない日本の人権意識の問題点なんだろうと思う。