紙の本
琥珀の夏
2024/03/21 15:41
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投稿者:ごんちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
夏の思い出にミライ゜の学校という宗教団体で起きた子供の死因について容疑者にされたミカとノリ子の切ない子供の心の葛藤と弁護するに至る経緯を細かく描写していてとても面白い作品でした。うつりゆく少女の心と大人になっても残っていて忘れがたい少女の心が良く表現できていたと思います。
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少女の気持ちの機微
2024/03/18 17:19
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投稿者:どらやき - この投稿者のレビュー一覧を見る
ノリコが初めて参加した、ミライの学校夏合宿のシーンを読んでいますが、少女達の気持ちの機微が丁寧に書かれています。 進みはやや遅く感じますが、ミカちゃんと、これから、どう繋がっていくのか、見つかった白骨体は、誰なのか、気になります。
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合わない
2023/09/10 03:26
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投稿者:ゆかの - この投稿者のレビュー一覧を見る
辻村さんの作品は基本好きなのですが、今回はちょっと合いませんでした。おもしろくない、ではなく合わない。
正直、この内容でこの長さ、うーんと思ってしまった。最後の方の会話も、丁寧なのだけど、ドラマなんかで犯人を明らかにするのを引きのばしてるみたいな感じで微妙でした。
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【見つかったのは、ミカちゃんなんじゃないか――】カルト団体の敷地跡から、少女の白骨遺体が見つかった。ニュースを知った法子は胸騒ぎを覚える。30年前の夏、私も、あそこにいた。
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読後の感想は(というか途中からずっと思っていたのですが),「辻村深月,すごい作家になったものだ」です.一気読みではもったいない,じっくりかみしめながら味わう作品でした.
まず驚いたのは,このご時世に理想的とも受け取れるカルト的な団体を描いていること.しかも,その団体に潜む危うさと少女時代の淡く美しい思い出を上手く混じり合わせて描き,緊張感あふれる物語を紡ぎ出している(このあたり,さすが辻村先生という感じです).
団体を(まっとうに)批判する元先生から受ける違和感や,カルト団体と関係していたことについての世間に対する恐れや,子供との接し方についての話を挟み,ミステリー的な要素も加味しながら物語は展開して行き,最後に田中美夏がかたくな理由や「子供のため」を理由にした大人達の浅はかで残酷な仕打ちが明らかにされる.
様々な角度から考えさせられる,実に味わい深い作品でした.
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読んでいる間も、読み終わってからも、不思議な、複雑な感情が、じわっと、存在している感じ。
もし仮に、この作品を数年後に読み返したとしても、この複雑さはそのまま存在し続けるだろう。
<ミライの学校>という団体の施設の跡地で、白骨遺体が発見される―
そんな事件から始まり、主人公の近藤法子は、弁護士としてこの事件に関わっていくことになる。
そして、弁護士として関わるずっとずっと前から、法子は、この団体を知っていたのだ。
辻村さんの子どもの感情の描き方は本当に丁寧で、今回は、「あなたのためを思って」という、大人がよく子どもに発するこの、良かれと思ってされた表現が、後々その子どもを、ひいては大人になったその人をどれほど苦しめるか、ということが608ページに渡って描かれている。
解説は、こちらも少女の心を丁寧に描くことに長けた、桜庭一樹さん。
解説にあった、愛と平等の話が印象的。
P614「わたしは、子どもには<愛>と<平等>の両方が必要だったのだな、と読後にしみじみ考えた。家庭などのプライベート空間には<愛>があり、学校などの学びの空間には<平等>がある、それが理想だといったら、理想を語りすぎだろうか?」
P614「残酷な現実ではあるけれど、学校であれ、家庭であれ、理想的とはいえない環境で生きのびるしかなかった子どもは、いびつな足場に合う独自の魂の形を作って成長し、その形に固まり、自分だけのバランスでかろうじて立っているような大人になるのではないかと思う。そうやって生き残り、大人になってから、『その足場、間違ってますよー』と誰かの手で正しいものに急に変えられたりしたら、逆にバランスが取れなくなって倒れてしまうかもしれない。」
(これはトー横とかの子どもがまさにそうだと思う)
仕事で出会う保護者や子どものことを思う。
例えば保護者は、子どもが学校に行かないことに、困り果てている。保護者と話していると、「子どものためを思って」いることが多い。だけど、子どもは保護者と同じ方向を向いていなかったり、保護者が、「子どものためを思って」用意した道が合わなくて苦しんでいたり、家庭環境が複雑だったり。
子どもの話を聞くと、「そんな風に思ってたんだー!」ということも多々。
解説にあるように、足場が急に倒れることは、誰にとっても苦しい。だから、保護者も子どもも、少しずつ別の価値観や選択肢を知って、いびつな足場を自分で調整したり、受け止めたりできるようになれたらいいなと思う。
「こうしたら楽なのに」と思うことや、大人が代わりにやってあげられることだってたくさんあるけれど、それを子どもが自分で選んだり決断することが大切で、その選択や決断が子どもにとって苦しいものであっても、いろんな感情と向き合って、「自分で選んだ」「自分で決めた」ことを尊重してエールを送りたい。
その大切な瞬間を「あなたのためを思って」奪って、代理で決めてしまうことは、結果として子どもを苦しめる。
遠回りをしてでも、不登校の期間が多少長くなっても、子どもがじっくり向き合う時間に、じっくり寄り添う。
あなたのためを��うのなら。
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大人の感情、子供の感情その難しさと
言葉だけで伝わらないもどかしさが凄く伝わる。
ずっと親と一緒にいたい、それを言えない気持ちの
どんなに辛いことか自分には経験がないから分からないけれど、読んでいて涙が止まらなかった。
ノリコとミカの再会する場面は、
ミカが誰にも信用を出来なくなってる時で
それでも最後にノリコの事を信用して友達として
また思えたんだなと、読んでいて良かったこれから幸せな方にもいけそうだなと思った。
久しぶりの辻村さんの作品。
発売日に買ってすぐに読んで没頭した。
大好きな作家、いつも考えさせられるいい作品をありがとうと言いたい。
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なかなか壮大なストーリーでした。
ずっと何となくもの悲しさが続くお話でしたが、最後はまぁ良い感じで終わって良かった(^_^;)
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やっぱり辻村先生の描くお話が好きだ。
読み出すと止まらなかった。
人の記憶は曖昧で、自分の都合良いようにねじ曲がって変わっていったりするけど、二人の大事な思い出がちゃんと同じでよかった。
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カルト団体「ミライの学校」の施設から白骨死体が見つかる。弁護士の法子は子供の頃にこの「ミライの学校」の夏合宿に参加した経験があった。もしかしたらあの子の白骨死体なのか?
偶然依頼された仕事から、この白骨死体の謎に法子は踏み込むことになるのだが…。
魅力的な謎と、何が正しさなのかを突きつける物語。決してカルト団体を擁護しているわけではないが、立場が違うことで価値観も違うことの難しさに読み進めながら考えさせられる。
「ミライの学校」と向き合うことは、自分の過去に向き合うこと。法子の視点、「ミライの学校」の子どもの視点が交互に語られ、物語の本質に近づく様は読む手が止まらなくなる。さすが、辻村深月さん。
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長編小説。
やっと読み終えたー!!
宗教団体的な存在のミライの学校に
通う子供たちが大人になってからの
話。
ミステリー要素あり、最後は若干
後味の残る感覚はあった。
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弁護士と母親の両立に悩む法子は、子どものときの夏休みに誘われて参加した「ミライの学校」の有った場所で少女の遺体が埋められていたというニュースに接し、合宿での思い出がよみがえる。そこに自分たちの孫ではないかという老夫婦からの依頼で、今の「ミライの学校」と関わることになる。合宿で出会ったミカやシゲルを思い出し、まさかの再会。遺体がミカではないかと恐れていたところから一転、ミカがその少女を殺したと訴えられ、自らもそれを認めるという事態に。
親と子のこと、教育とは、を「ミライの学校」という架空の舞台を作り上げて問いかけているが、よくこんな設定を作り上げたもんだと感心。
ラストで美夏と滋が子供たちと過ごすシーンで、そこまでの緊張が和らいだ。
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子どものしてしまったことを大人が庇い、揉み消すのは、子どもに責任を負わせているだけ。
自分は良かれと思って行動しているようで、いつの間にか自分は悪くない、責任がないと思うように自分から誘導していることが多々あることに気づきました。
ノリコちゃんがミカちゃんのことを救い出すことができて本当に良かったと思いました。
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親の義務とは、適切な養育とは?色々考えさせられたのに、この感情をどうにも言語化することが難しいお話だった。
「ミライの学校」は、一見子どもの自主性を育む素晴らしい施設に見えて、実際には大人たちが子どもに見せたいものだけをコントロールすることで成り立つかりそめの理想郷で、子どもたちが信じた自由はすべて、大人たちが誘導する選択肢。
親はどんな子でも、健やかであれば、いや健やかでなくても無条件に愛おしいと思いながらも、心の底では少しだけ、願ってしまうのではないだろうか。できることなら優しい子に、自立した子に、頭のいい子になってほしい。だから良い環境を与えようとするけれど、それが子どもにとっての良い環境かどうかは分からない。自分の人生のレールは、自分で敷くことしかできないから。
親としての自信が持てずに、終わりのない子育ての正解を求める中で見つけた愛の形が「ミライの学校」だったのかもしれないし、その愛情を第三者が非難することは決してできないけど。
子どもの「未来」は、目に見える親の愛情とともに「現在」を積み重ねた先にあるものではないのか?でも親がいなくてもまっすぐ育った子は沢山いるな?離れる愛情も関係によってはあるんだろうな?と、答えのないモヤモヤが止まらない。
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ちょっと期待しすぎた…
わたしは【ミライの学校】の存在がそんなに悪いことじゃないって思ってしまった
宗教ってなるとちょっと…ってなるけど、田舎に住んでるからか都会から1週間過ごす分にはいいんじゃない?って。
親元からずっと離れて子供たちだけで過ごして育つことには疑問もあるけど…
難しい。白黒つけられるような話じゃないと思う。
宗教だろうがなんだろうが、当人たちが良いと思えば良いんだろうし、それらを他人がどうこう決めることではないって思った。