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投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
孔子の実像に近づこうとした意欲作。後書きにもあるように様々な文献を考慮するには困難が伴ったようだが真に迫っているような作品となっている。そうしたことが題名にも込められいるようだ。
紙の本
なんとなく中途半端に終わる気がする
2024/01/21 23:14
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投稿者:じゅんべぇ - この投稿者のレビュー一覧を見る
なかなか難しいのですが、一気に読み終わった感じでしたので一応面白かったのかと思います。
大所高所で、著者の解説や評価が入る(今までの作品もそうですが)のが、わかりやすくていいです。
私から見た評価としては、賛成と反対とが半々くらいです。
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【人間・孔子が生きている】政敵の言葉「仁」に衝撃を受ける孔丘。50代にして母国をおわれ弟子達と放浪した苦しい時期、帰国してから亡くなるまでを描く。
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陽虎がクーデタを起こしますが失敗し国を逐われ、孔丘は魯で政務に就くことに。
しかし存在を危険視され、55歳で魯を逐われてしまいます。
衛から宋、陳、葉と、弟子達と放浪。
これが後に「儒教」の礎となります。
その後魯に戻った孔丘の死まで、その一生を描く傑作です。
それは蓋がかぶせられた器のようなもので、そこには水を注ぎこめないし、食べ物を盛ることもできない。おのれに欠けたところがあると自覚しつづけないかぎり、人は大きな器量を得られない。 ー 35ページ
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陽虎を避けて斉に至ったときには晏嬰と反りが合わず仕舞い。著者の「晏子」は好きな作品だったから、何とも残念に思う。互いに融通の利かぬ偏屈ということなのか。
陽虎の野望が潰え、季孫斯の輔弼となる孔子。城壁の取り壊しを行うが、仲孫氏、叔孫家の反発を買い、弟子たちとの長い放浪となる。
正直、礼による国家づくりに季孫斯が賛成したのが納得し難い。白川静先生は孔子によりクーデターと捉えていたと思う。酒見賢一のサイキック小説「陋巷に在り」もそう。
小説の終盤、顔回や子貢も活躍するが、論語のエピソードから飛び出た俊英の弟子たちの像がはっきりしたように思う。ただ、それでもその描き方はあっさりして、不満が残った。
論語にある狂接輿とのエピソードとか、白川先生が「子路は孔子に褒められたかったんですよ」というネタなど、もっと描ける話はあったんじゃないかなとないものねだりしたくなった。
何より長期の放浪が孔子の思想を研ぎ澄ませたとする白川先生の学説を背負うものになっていないと感じた。
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ついに故郷の魯で政務に就いたが、政争の結果追われて、色々な国を転々としたが、結局環境に恵まれずに、ようやく魯に帰国。。孔子自身は何かを成し遂げた人ではないので、小説として話の展開は盛り上がりに欠ける印象。
この話が事実として、孔子自身よりもなんだか分からんが付いてきてくれる弟子たちの活躍が素晴らしい。ソクラテスもそんなイメージなんだが、孔子自身は偏屈なおじさんに思えてくる。
自分でも聞いたことがあるようなお弟子さんたちは孔子より早く亡くなっているっぽくて、じゃあ誰が儒教を後世に伝えてくれたのだろうというのがとても不思議。