magoichiさんのレビュー一覧
投稿者:magoichi
紙の本
紙の本この世の春 上
2019/12/13 20:27
時代物 老舗の安定感
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宮部みゆきの時代物を贔屓にする読者は多い。
聡明でいて所作も麗しいヒロイン、相手役は頭脳明晰だがどこか自信なさげなうらなり侍。脇を固めるのは世話焼きの年増女と健気な子供達。あとは世慣れた界隈の顔役が登場すれば役者は揃う。
登場人物が役回りや処を替えて、市井の不思議を解決する。
今回の謎は少し趣向を変えて、小なりといえ関東近郊の徳川譜代の大名家。突如起きた政変にお家の者共が翻弄される。その為登場人物も少しずつ武家よりとなり、ヒロインは下士の出戻り娘、他の登場人物もお抱え医師に、腕は確かだが純情一途な部屋住み侍、元ご家老や藩政の成り上がり侍、肝心の謎の中心はお殿様。
とはいえ登場人物の人となりに江戸文化、期待を裏切らぬ上巻でありました。
紙の本
紙の本信長の原理 下
2020/11/07 20:06
真理が悲劇を呼ぶ。信長にも光秀にも
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働き蟻を通して気づいた真理を家臣に当てはめ、自らの考えを確信する信長。
家臣は必ず怠ける、そして裏切る。家臣の中でも聡明な光秀は信長のその思考に気付き、気付き故に追い込まれる。
歴史の謎を当人同士の心理のみにフォーカスした、優れた仮説。
紙の本
紙の本光秀の定理
2020/11/07 19:02
誰が主役か不明
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本能寺の変に至る、光秀の心のうちを探る訳だが、光秀の存在が薄まる程に、狂言回しの二人が際立って魅力的。
本能寺の変の真相を求めるより、その題材を借りた市井の人物の時代小説とすれば秀逸。
紙の本
紙の本盤上の向日葵 下
2020/11/07 18:54
真剣師の鬼気迫る対局に一読の価値あり
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推理物の謎解きの顛末としては、予想の範疇でした。
それよりも、天才棋士がそうで無かった頃、真剣師の狂気の世界を垣間見て、そして引き込まれていく描写が圧巻。
タイトルの向日葵の必然性はイマイチ弱い。特に盤上と言われると、後付け感やチョイ役感が否めない。
紙の本
紙の本京都おいしいグルメちび348店
2020/02/05 18:03
ハンディサイズで使い良い
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最近新しい飲食店が増えてきたので、会社用に購入。
ガチ接待は長い付き合いの老舗に軍配が上がるが、親しい取引先とのカジュアルな飯食いや飲み会用に良さげな店が載ってます。
早速社員が何軒か偵察名目で経費回してました。
ネットの口コミは全否定なので、知った人間の生コメントのためと容認してます。
紙の本
紙の本ロケット・ササキ ジョブズが憧れた伝説のエンジニア・佐々木正
2020/01/19 16:54
日本が物づくり大国であった頃の話し
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戦後何もなかった時代の技術者ので一代期。
今年メーカーに技術者として就職した息子に渡した一冊。
正しい努力と状況判断、そして最後は人間性。
息子よオマエの仕事がチンプンカンプンな父は、もう後は健闘を祈るのみ。
紙の本
紙の本あきない世傳金と銀 7 碧流篇
2020/01/19 15:54
主人公の人物造形が秀逸
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主人公の人柄に感情移入し思わず応援してしまう、固定フアンは多いはず。物語は特段ひねった話しはなく、既視感のある商売モノであるが、そこも固定客には人気なのでしょう。肩肘張らずスラスラ読めます。
出ると買ってしまう。
紙の本
紙の本司馬遼太郎歴史のなかの邂逅 2 織田信長〜豊臣秀吉
2020/01/19 15:48
司馬史観の雑記帳
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司馬史観の本人解説ともいうべき書。創作の前後にその秘話を本人から聞く気分で楽しめる。
時代毎に分かれているので、自分の興味の薄い登場人物は飛ばして好きな人物だけ読んでも価値あり。
同行者のエピソードガチガチ頻発する、歴史街道よりも話に没頭し易い。
紙の本
紙の本信長燃ゆ 上巻
2020/01/11 18:45
朝廷を巡る心理戦
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信長の物語で余り取り上げられなかった、近衛前久が主要人物として登場します。
今までは、武家かぶれのお調子者の公家扱いであった近衛前久が、実は信長包囲網の首謀者であり、面従腹背し水面下の外交戦を繰り広げる強力な敵として立ち塞がる。
信長が前久の嫡男である信基に、前久が信忠へそれぞれに布石を打ち合い、馬揃えの挙行や譲位など政を通じて、旧体制の象徴たる朝廷を巡る心理戦が展開される。
このまま朝廷陰謀説による本能寺の変となるであろう下巻にて、併せて東宮夫人勧修寺晴子の伏線がどう回収されるか期待したい。
変から 35年後、公家出身の元小姓の歴史書執筆の体裁は今のところ余り効果なし。
紙の本
紙の本5Gがひらく未来予想図 5Gがもたらす社会変革25
2019/12/26 19:11
超初心者向け
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5Gを5ギガだと思ってました。そんな初心者に1番最初の扉を開けてくれます。
詳しい人が購入するとは思いませんが、新技術の社会全体への影響をふんわり理解したい程度のIT素人にピッタリ。
経済効果や社会への影響度といった評価が、若干拡大解釈気味な箇所はご愛嬌。仕組み自体はわかり易く解説されてます。
紙の本
紙の本この世の春 中
2019/12/13 20:54
状況は明らかになっても謎は更に深まる。
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過去を題材とする物語に触れる我々は、その時代の出来事の正解を知る、神の目を持っている。
歴史上の誰かの選択の正誤も、大事件がいつ起こるかも知っている。登場人物が右往左往する病も、その多くについてメカニズムや対処法を知っている。
今回の謎解きの鍵となる前藩主の言動も、現代に置き換えれば謎たり得ない。
だから読者はミステリーも経済小説も、ヘタなストーリーには作者の神の目を感じ、後出しジャンケンに我に帰り物語に入れなくなる。
本作での大事なものを護ろうとする故の弱さや、エゴを浮かび上がらせる為の舞台装置として、謎の病(本人達には病ともつかぬ恐ろしい謎だが)を用いるためには、この時代設定が必要であった。
宮部作品には現代を舞台とするミステリーも多い。
ただ本作は時代物である必然性がまずあったはず。その制約を制約と感じない力量に感謝。
紙の本
紙の本子規の音
2019/12/06 13:49
子規の人生を彼の作品に沿って追う
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我儘で世間知らずでプライドが高い、自分の興味があるものだけを追求し、それを他人に強く勧める。
付き合いづらい変人でありながら、多くの理解者に囲まれて短い生涯を駆け抜けた。
文学者、俳人にして絵も達者多面的な人であり、掴み所の無い人であった。
俳句の解説とともに江戸期の風情が残る明治初期の東京の描写が素晴らしい。
紙の本
紙の本羽生善治闘う頭脳
2018/10/29 14:02
勝負師にして天才、尚且つ人格者の思考を垣間見る
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羽生善治と複数の方の対談集。
対談集はフォーカスする人物よりも、対談相手の能力や人柄に全体のクオリティが左右されるので敬遠してきた。
結果は、印象深い言葉やメッセージが多く、読後直ぐに読み返した。
氏にとっても聞き飽きたであろう、凡庸な質問もままあり、ある人の羽生評や棋戦の端歩の解説などは、のちに本人の口から語られる呆気ない真相とのズレ具合がご愛嬌。
通常では考えもよらない厳しい場面をくぐり抜けた人物でありながら、人に対する穏やかな人柄も失わない、非凡な才能と高尚な人格を併せ持つ人物の言葉を身近に感じることのできる。
今後も読み返す一事になる一冊。
紙の本
紙の本マンガーの投資術 バークシャー・ハザウェイ副会長チャーリー・マンガーの珠玉の言葉−富の追求、ビジネス、処世について
2018/06/17 16:52
バフェットの投資方針をビジネスパートナーが語る。
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株式投資で長年の課題であった「安くで買った株が相場上昇で値上がり。売却益の次の投資先って難しい。。。」
株投資雑誌等々が誰のお金で商売してるか?判ってたのにやっぱり乗せられてた自分を改めて認識しました。もうファンダメンタルとかテクニカル分析とか勉強しません!
ファンドが何故最後に利益を溶かすのか。キャッシュポジションの重要性とそれをコントロール出来ないファンドの仕組みが解説されています。プロが溶かすのに個人が勝てるわけがない。
投資の原則が平易な言葉と多彩な切り口で語られてます。
後の方はいつのまにか人生訓に。いつもなら読み飛ばす内容ですが、老練なベテラン教師に諭されるように最後まで素直に読んでしまった。