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magoichiさんのレビュー一覧

投稿者:magoichi

72 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

教科書に載る出来事の更に向こう側

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

維新後の日清戦争から日中、太平洋戦争まで。
教科書に載るような出来事に関し、その時々の判断に影響を与えた事情を丁寧に説明する事で浮かび上がらせる。
反戦に極端に振れる事なく、推測に頼らず、確認できる確かな資料だけで進む展開はまさに授業であった。
日中戦争開戦前、世界恐慌の影響で瀕死の地方農漁村の救済を陸軍のみが主張した。陸軍の暴走が何故止められなかったか疑問であったが、第一次産業従事者が国民の半数を占める時代にそのような事実があれば、成る程確かに軍部は暴走もしたが、確たる支持者がいた事もまた事実であったのだ。他にも国内外の当時の判断に至る、各々の状況に関わる明確な事実が多数開示される。
柔らかな語り口に引き込まれて、難解な箇所を行きつ戻りつするのも苦にならず読み切った。
関連書籍を読後再読したい。

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紙の本

紙の本下山事件 最後の証言 完全版

2018/11/07 12:22

証言を掘り出し、真実を見つけ出す渾身の調査報告書

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

フィクションの下山事件 暗殺者たちの夏とどちらを先に読むか迷ってこちらを先にしました。自分にとってはそれが正解でした。
知らぬ人のいない有名な事件ですが、TVの特集などでは他殺自殺の両論併記後に「戦後の闇は深い」的な終わり方しか見てこなかったので、今回改めて当時の警察の調査内容の詳細を知った上で、深く真相に近づいていく著者にまるで時代を遡りガイドされているかのように思えました。
それぞれの事情があり、虚実入り混じる当事者の証言や別の取材者の情報、それらを元に展開される推論には飛躍やこじつけが一切無いように感じました。そして最後に真実にたどりついた結論は。
著者の配慮もありフィクションに委ねざる得ない部分は理解できる。
丁寧に真摯に過去の大事件に向き合った良書です。

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紙の本

紙の本第二次大戦回顧録抄

2018/05/26 10:52

史実の記録として、ある時代の物語として引き込まれる戦記。

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

第2次世界大戦時の英国宰相チャーチルによる歴史書。
思わず引き込まれるのは、総崩れ状態のヨーロッパを一時期まさに孤軍奮闘で支えた大英帝国の軍人にして政治家としてのリアリティか。
ドイツ帝国がヒットラーという怪物を生み出した理由を第1次世界大戦の戦後処理に求める視点は説得力十分であり、敵国のドイツ軍司令官の実力、人物を敵国でありながら高く評価する客観性、装飾を排除し抑制された文書など、本書の高い評価に納得させられる。
一方、連合国側の主戦力として戦い、一時期ドーバー海峡まで敵国の迫ったヨーロッパ戦線に比べて、目的が植民地権益の防衛であり米国軍の補完的役割であったアジア太平洋戦線の記述は少し喰い足りなく残念。
名文家にして近代史に残る稀代のリーダーによる向こう側から見た日本の評価をもっと知りたかった。
とはいえ、日本側の指導者や日本軍の作戦計画の論評であったり、当初破竹の勢いであった日本軍を情報戦で制し、最後は米国の国力で押し切る様は現在においても通用する戦争の根幹を示しており、その貴重さが失われるものでは無い。
「歴史は勝者が作る」勝者の矛盾が皆無ではないが、それを差し引いても久しぶりに原文で読めない自分を残念に思う一冊。
せめてこの抄本を入口に、いつの日か全文通読してみたい。

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紙の本

本をより深く味わうために

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

名作と言われる小説を題材に、その文中に隠された書き手の意図を解説し、その世界観の更に深みを垣間見る。まるで人の立ち入らない深い山々の案内人のように、静かに読み手に語りかける。
速読への辛辣な批判はご愛嬌。
若い人に是非読んで欲しい。

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紙の本

貴重な小旅行を体験した

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ヨーロッパの森を知り尽くした森林管理官の言葉は、深い森のように静かに心に染み入る。
自らを誇る事なく、観察眼と科学的な根拠に基づくエピソードが続く。そこには森の匂いや風の音といった空気そのものが伝わってくる。
何度も読み返し、森に足を踏み入れたい。そんな気持ちにさせる一冊。

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紙の本

紙の本約束の海

2019/11/30 01:09

事実に基く一流のフィクション

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

事実をいたずらに曲げずに、フィクションとして読ませる、山崎豊子の真骨頂。
実際の潜水艦と遊漁船の海難事故を善悪の切り口でしか報道できなかったマスコミに比べ、双方の事実を掘り起こす観察眼と筆力は素晴らしいの一言。
遺作となってしまったが、最後まで読みたかった。

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紙の本

紙の本棲月

2020/11/07 19:41

食わず嫌いを後悔

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

今野敏は相当昔に一冊読んだ。
超能力を使える一族の末裔が、陰ながら世の平安を守る的な設定だったか、荒唐無稽な設定に投げ出して以来避けてきた。
本書は現実もそうであろうと思わせる警察内部の描写で進む。
公務員かつ警察と言う特殊な社会において、組織の人間関係に悩みまた家庭人としての足枷もある。
その世界観の中で活躍する主人公は能力は高いが、組織人としては変人。その変わり者っぷりに引き込まれたらもう抜け出せない。

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紙の本

タイトルに偽り無し

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

将棋アプリの中の人に負け続け、せめて通勤時間を埋めるレベルにはなりたいと選んだ。
初心者モードではあるが、確かに設定レベルは数段階上がった。
それぞれの駒の役割から始まり、戦術面の囲い(守り)から戦法(攻め)までひと通りの解説がある。
それぞれの単元で悪手も示しつつ、何故そうすべきか意味まで解説されている。
ぼんやり理解していた内容を整理し、明確化してくれる最良の入門書。

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紙の本

ナチス賛歌か勝者が隠した新事実の発掘か?

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

チャーチルの第二次大戦回顧録で、政治家チャーチルは第二次大戦が起こった原因を、ドイツへの第一次大戦の戦後補償が過度であったためとしている。
同じ主張を経済学者のケインズがしており、そのケインズの経済論を知りたくて購入。
ケインズの理論とナチスの経済運営が、非常に似通っているとの主張に無理は無い。そしてユダヤ人に対する評価も概ね賛同できる。
ただ著者のナチスへの傾倒も垣間見え、そこは割り引く必要があるかも知れない。
今はまだ、危険なナチス賛歌か、戦勝国米英とスポンサーのユダヤが隠蔽した事実の発掘か、判断がつかない。
確かにヒットラーの提唱する国家社会主義の成功例が、高度成長期の日本であり、ここまでの中国なのかも知れないが。
内容は平易に噛み砕かれ、経済を正式に学ばない者にも理解し易い。点数評価はその部分の評価。

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紙の本

紙の本イタリアからの手紙 改版

2020/01/29 11:05

いつものイタリア紀行にプラスアルファ

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長ったらしく似通った古代ローマ人の名前が覚えられないので、塩野作品はエッセー専門である。
彼女のエッセーは、何時も南イタリアの陽光と地中海の煌めきが眼前に拡がりつつ、イタリアの人々への皮肉や愛情、ヨーロッパ文化を通した日本人への批評等、地中海世界への脳内小旅行にはピッタリである。
本書にはそういった従来の作品とは違う、若き医学生(後に新米の医者)の一人称による小文がある。山田詠美の「僕は勉強が出来ない」のような、あの年頃特有の自堕落でそれでいて将来の明るさを疑わない、陽気なエネルギーに満ちた作品だ。
従来の彼女のイメージとは違っており、こんな小説を書いてくれたら、あの長ったらしい名前の登場人物に悩まされずに済むのだが。

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紙の本

バスケを始めた姪っ子と再読

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「左手は添えるだけ」キャプテンゴリから、シュートのコツをアドバイスさた初心者の花道は、なんとか周りに追いつきたいと努力する。
そして迎えたインターハイ強豪山王戦。土壇場で逆転するも再逆転され、一点差のまま残りは十数秒。
ここから全ての科白も歓声もシャットアウトされた、無音の映像が続く。音声が途切れたからこそ伝わる鼓動、叫び、スピード。
花道がライバル視していがみ合う、同じ一年生にしてエースの流川が逆転をかけて1人で相手ゴールに迫る。
三枚のブロック囲まれた流川の横で、このシーン唯一の音声、花道の科白が聴こえる「左手は添えるだけ」
花道にとっては自分を鼓舞する言葉。
自分に絶対の自信を持つ流川にとってはその言葉は。
伝説のラストシーン唯一の音声、自らをそして仲間を信じるこの言葉により、物語は終縁を迎える。

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紙の本

紙の本信長燃ゆ 下巻

2020/01/16 15:47

本能寺の変の新解釈

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多くの作家や歴史家が挑んだ、本能寺の変の真相。
光秀に変後のビジョンが感じられない事、にも関わらず決断した背景。
逆に秀吉が次々と布石を打てた理由。
何より信長公記など当時の私文書に対し、公文書とも言うべき公家衆の日記の抜け落ち。
数々の疑問に対し、これまでの物語の中で最も説得力があった。
僧籍から還俗した義昭にブランドは有っても、政治的能力があるはずがない。では幾重にも張り巡らした、信長包囲網は誰の手によるのか。
信長がうち果たそうとし敵わなかった、当時の真の権力者とは?
信長物の新たな登場人物の誕生の書である。

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紙の本

紙の本

2018/12/15 17:04

名画とともに江戸の庶民の暮らしが読者の眼前に拡がる

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

稀代の天才絵師葛飾北斎が造型と構図で動きを捉える天才なら、色を光で表現するお栄(後の応為)もまた父とは違う才能を持つ。
二人の天才の物語ではあるが、そこに描かれるのは北斎の才能に圧倒され、自らの才能が見えずに足掻く娘の姿。一方、父北斎も当代きっての人気絵師ではあるが、絵師としての理想と現実に苛立ち、また人並みに女房の小言に辟易しながら、金策に窮する日々を重ねる。
更にその苦しい家族の歩みに追い打ちをかける不肖の孫の存在。
そんな当人たちにとっては苦痛であろう日々を、後々の功績を知る我々は興味深く覗き込むのである。
江戸言葉の会話とともに庶民の暮らしや風俗をイキイキと浮かび上がらせる文章は、一転絵の描写においては、二人の生き様に呼応するように緊迫感を持って読むものに迫る。
特に二人が進行形で描く場面は、取り巻きの版元や弟子たちと同様、読み手までも息を詰め身を硬くし、その世界に取り込まれる。
二人が描くその場で身を硬くしないのは母にして女房殿である小兎ばかりでなかろうか。
娘にクドクド小言をぶつけ北斎の危急には全てを投げうち支えるこの女房殿、北斎が頭を抱え尻拭いのためせっせと絵をかく羽目になる孫、そしてお栄を惑わせ、苦しめ、そして救う色男善次郎、脇を固めるものたちも役者揃いだ。

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紙の本

紙の本家康 1 信長との同盟

2020/07/21 22:51

今後に期待

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

安部龍太郎にしては軽めの文体。
他の小説ではあっさり結論だけ触れている、桶狭間の後の岡崎城入城や織田家との同盟について、家中、そして近隣勢力との葛藤や駆け引き、そして戦闘行為が細かく触れられており、今後の長編ならではの微に入り細に入った物語に期待したい。

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紙の本

紙の本落陽

2020/01/23 23:28

見事な時代の描写力

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

明治神宮の造営を辿ることで、時代やそこに生きた市井の人の思い。そして明治天皇の苦悩と決意から維新に始まった国家建設を考える。
日本人の国家観、天皇制へのスタンスをこのタイミングで詳らかにする事を意図していたのか。
「眩」で読むものを江戸後期に引き込んだ作者は、今回も情景描写、登場人物の会話といった手管により、瞬時に明治の後期から大正の日本という、国家の青年期に引き込まれてしまう。

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