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ぶんてつさんのレビュー一覧

投稿者:ぶんてつ

72 件中 16 件~ 30 件を表示

紙の本

精神医学について知りたい人は読んでおくべき本

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「精神分裂病」という病名を「統合失調症」に変更すると日本精神神経学会が決めたのは2002年8月のことだった。
この本は変更前に書かれた著作であるが、そこに現れた人間理解の視点は全く古さを感じさせない。
ただ、導入部を読む現在の読者にとっては、中井久夫先生の思想・文化・歴史・宗教などの幅広く厚みのある教養に基づく文章が、少し難しく古臭く感じるかもしれない。しかし、そこはサクッとスマホでわからない言葉を検索して、読書の楽しみを味わったら、どんどんと先を読み進めてもらいたい。

中井先生はまず、文化精神医学の観点から、「普遍症候群」と「文化依存症候群」の区別についての考察をおこなっている。そして、精神医学の脱ヨーロッパ(特に都市部)中心主義を示唆します。さらに「個人症候群」という概念を導入し、天理教を開いた中山ミキの宗教的な覚醒を例にあげて、精神医学上の症状を、患者を取り巻く環境との関連の中で捉え直すことを試みます。
その上で、治療の仕方や、患者と治療者の向き合い方など様々な要素からなる「治療文化」を問い直し、温かで優しさに満ちた人間理解の視点が示されています。

個人的には中井先生の書かれるエッセイに心励まされてきた者ですが、医学者としての中井先生の考えに接することができ、とても有意義で楽しい著作でした。

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紙の本

紙の本中高年ひきこもり

2023/03/29 02:45

中高年だけではない「ひきこもり」に関する本

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

第1章では40歳以上でひきこもりになった人の割合が増えていることに触れられており、ひきこもりが思春期の問題ではなくなったとされている。

しかし、内容としては40歳から64歳までの、いわゆる中高年のひきこもりに関するものではなく、全てのひきこもりを対象としている本だった。
そのことを批判するつもりはないし、むしろいつひきこもりになったかということ以上に重要なことがあるとわかって良かった。

厚生労働省のガイドラインでは、ひきこもりを「メンタルヘルスの問題であり、個々の精神障害の特性を把握することを評価の中心に据えるべき」としているのに対し、著者はひきこもりは病気ではなく、たまたま「困難な状況にあるまともな人」としている。

そういう著者が、ひきこもりのイメージに対し、Q&A形式でわかりやすく答えてくれている。

特に目を引いたのは、次の点。
・ひきこもりは非社会的なので犯罪率が低い集団
・ひきこもりが原因の二次的な精神症状はある
・ひきこもりだった偉人を持ち出しても意味がない
・抜け出すには家族以外の第三者の関与が欠かせないが悪徳業者に注意
・説得やアドバイスよりも「マイルドなお節介」がよい
・暴力はいけないと「禁止」するのではなく、暴力は嫌だと「拒否」する

ひきこもりは病気ではないという優しい視点からの意見がとても参考になった。

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紙の本

紙の本今日のトーテミスム 新装版

2023/03/16 03:15

構造主義者というより、まっとうな民族学者である

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レヴィ=ストロースと言えば、「親族構造」、「トーテミスム」、「神話」などと言われたりもするが、多くの人が構造主義者として捉えているのではないだろうか。

しかし、この本を今読んでみると、構造分析に向いている対象には構造主義者の構えをとるが、向いていない対象には民族学者として、まっとうに対峙しているように見える。

西欧社会では、「未開社会」のある集団と特定の動植物や無生物(トーテム)との間に交わされる特殊な制度的関係は、トーテミスムとひとくくりに呼ばれていた。しかし、それぞれの「未開社会」では、同一のトーテミスムとして一般化できない種々の差異があることが分かってきた。

レヴィ=ストロースは、従来のトーテミスム理解は、人間と自然を非連続として捉える西欧式のキリスト教的思考だと批判する。そして、トーテミスムについての新しい考え方を示すとともに、自然に対する考え方の多様なありかたを示している。

本書では、「未開」なのは西欧の方だとまでは言っていないが、民族学者としてまっとうな論理展開に思える。(そう思えるようにしてくれたのが著者なのだが)

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紙の本

対談相手のそれぞれの個性が出ていて面白い

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

山口昌男の対談集だが、この本を購入した当時は大江健三郎に関心があり、面白く読んだ記憶がある。
しかし、今回読み直してみて、現在関心のあるレヴィ=ストロースや柳田国男・折口信夫について、中村雄二郎との対談で語られている箇所があったので、少しまとめておくことにした。

「中村 (略)レヴィ=ストロースは、ヘーゲルとかサルトルのやり方の有効性については十分承知していた。けれども、弁証法的なやり方ではもう汲むべきものは汲みつくしたんで反対の極の構造論を出した、と思うんです。(略)
メルロ=ポンティは非常によくそのことが分かっていた人ですね。だから、メルロ=ポンティの中にはすでに構造概念が出ていたんです。レヴィ=ストロースは明らかにそこからヒントを得て、時間や歴史ではなくて空間や共時性、それから他者の視点などを積極的にうち出した。」

「山口 (略)直感でなくちゃつかまえられない部分というのは文化の研究に必ずある。(略)柳田は折口と本居宣長との中を介して、折口の方が本居宣長よりある意味では先にいっていたと思うんです。しかし、もっと還元された現実のレベルに対しては柳田は距離を置く方法を身に付ける。そのために、いわゆる彼は現象学的な方法を使った。だから、現象学を通して解釈学という意味では、柳田の方が仕掛けが二重化している。折口の場合は解釈学そのものにいっている。その違いがあると思うんです。」

こういったことを論としてまとめようとすると、とても大きな著作になってしまうだろうが、対談では簡単に論証抜きで話せてしまう。これこそが、対談集の面白みではないだろうか。

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紙の本

貧困をなくす活動を応援したい

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この本は、西原理恵子さんや雨宮処凛さんとの対談も面白いが、勝間さんの主張を応援したいと思える本。

勝間さんが取り組んでいるChabo!のことや、グラミン銀行などについて触れているだけでなく、巻末の「15の提言」などを読むと、勝間さんの宣言書のような感じがして、とても頼もしく感じられる。

国の予算を当てにしている部分については、そう簡単にことが進まないであろうが、勝間さんのような人が何かを始めようというのは、この閉塞感に覆われた国には必要なことだと思う。

アンチに負けないで頑張って欲しいと思う。

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紙の本

とても簡単な「利益の方程式」

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勝間さんの提案する「利益の方程式」とは、利益=(単価-獲得コスト-原価)×顧客数と、いたってシンプルなものである。

この顧客当たり単価、顧客当たり獲得コスト、顧客当たり原価、顧客数の4つの要素をコントロールすることで、誰でも簡単に利益の最大化が実現できるようになるという。

それでは、他の要素は一切考慮しないでよいかといえば、当然そうではないのだが、ここで問題なのは利益を具体的に考えることである。

他にも重要なことがあるという指摘は、勝間さんがシンプルに利益について考えてもらいたいというメッセージを受け取り損ねているとしか思えない。

ではなぜシンプルに考える必要があるのか。
それは実際に利益を考えて行動してもらうためである。

算数で言えば、式は立ててあげたので、とにかく手を動かして計算しなさいよというところか。(頭の中でとか、座ったままでとかではもちろんない)

もっと直接的に表現すれば、社員1人1人が利益について考えて行動しなさいということである。

だから、この本の中の原則についても、「どうやって」というところに力点がある。

そして、最後は「明日からできる行動習慣」として体に身に付けてしまいなさいというところへ行き着く。

もし、あえてこの本の欠点を指摘するとするなら、サブタイトルの「粉もの屋」の事例があまり活かされていない点だろうか。

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紙の本

勝間さんが最も力を発揮する分野の本

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やはり勝間さんは会計の分野の本で一番力を発揮する。

特に物事の全体を捉えるための枝葉を切り捨てた解説は初心者がフレームワークを認識するには最適だと思う。

ただ、それがある程度知識のある人からは例外もあり正しい記述ではないと指摘される点でもある。

しかし、本の体裁やタイトルからして、この本のみで決算書の細部まで理解させ、細かな会計の規則を身に付けてもらうことを意図していないことは明らかだ。

本当にそのような知識を必要とする人はもっと別の本を手に取るだろう。

まず、勝間さんがこの本の中で繰り返している主張は決算書を読むときにもっとも大切なのは、損益計算書と貸借対照表とキャッシュフロー計算書を3つ合わせて見ることというもの。

私のように古くから決算書を見ている者からすると一番キャッシュフロー計算書の見方がわからない。

ましてや損益計算書や貸借対照表などと組み合わせて、どこを中心に見ていくといいのかは更にわからない。

それをアナリスト目線、会計士目線、投資家目線と3つの視点から捉えていく構成は興味深く、はっきりとした立ち位置からの説明で参考になる。

もちろん長年の株式投資経験から、決算書の数字がいかに信用のおけないものであるかは、勝間さんに指摘されるまでもなく百も承知の上である。

それでもやはり株式投資に際してファンダメンタルとテクニカル(チャート)を組み合わせて利益を上げようとするなら、まずその会社の財務状況を調べておきたい。

正直なところこの本だけで利益を上げられるようになるわけではないが、ここを取っ掛かりに徐々に専門的なものを読み込んで最後はバフェット流の銘柄選別をしていけば企業の財務分析としては充分だと思う。

そして、会計初心者の決算書を見る手引きとしても、ここから始めることで得られる知識は多いはずである。

わかりやすさからすると、かなりおすすめの1冊である。

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紙の本

みんなズレているから世間が構成されているという話

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虫が好きな養老さんに、蜘蛛も好きだろうとジョロウグモの話をして、蜘蛛が嫌いで特にジョロウグモが嫌いだと言われてしまう伊集院さん。

良かれと思って話した伊集院さんも可哀想だが、昆虫が好きなのに昆虫ではない蜘蛛の話をされる養老さんも可哀想。

ズレてしまうって、こういうことだという典型的な話。

そして、ズレてしまっても生きていけるし、人はみんなどこかズレている。

伊集院さんのファンにとっては、とても楽しいおしゃべりという感じで面白い本。

しかも、伊集院さんは養老さんが世間より上にズレているのに対して、自分は下にズレていると思っているようだが、読む人にとっては、2人とも斜め上にズレているように感じられるところが、世間なんてものに一致する人なんて一人もいないことを教えてくれているようで、さらにこの本を面白くしている。

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紙の本

心を病んでもいけなくなんかない

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「心を病んだらいけないの」かという問いに、「いけなくなんかない」と答えてほしい人には、なかなか答えまでに遠い本ではある。

ただ、心を病んだ歴史学者の與那覇さんが精神科医の斎藤さんとともに、うつ病社会の処方箋を考えていく内容は、とても読みごたえがあった。

この本では、各章には章末に、「この章のポイント」が分かりやすく書かれている。

例えば第四章では、『いつ、なにを、どのように「あきらめるか」が人生の本質であり、適切になされれば成熟と精神の安定をもたらす。だからこそ、いつまでもあきらめを認めなかったり、逆に都合よくあきらめさせることで相手を支配するような、悪い意味での「権力」の装置に気をつけよう。』とある。

ここで斎藤さんに悪い意味での装置として挙げられている「なんちゃって脳科学」は流行っただけに罪が重いと思う。與那覇さんに至っては「いいかげん、きちんとした科学者が警告すべき」とまで言っている。

なんとなく「最新の脳科学によれば」などと言われると、脳科学について知識がない私などからすると信じてしまい、脳の仕組みがそうなら仕方がないとあきらめてしまいそうになるが、そんな都合よくあきらめさせられることはないということだ。

本当に世の中、いろいろな支配の構図があるもので、おちおち心を病んでもいられないということらしい。

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紙の本

シリーズ第3弾も面白い

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この本は、『「1秒!」で財務諸表を読む方法』シリーズの第3弾にあたり、企業分析を中心にこれまでの復習も兼ねているという優れものである。

1秒で財務諸表を読むには、流動負債と流動資産を見るというのが、『「1秒!」で財務諸表を読む方法』では説明されていたが、今回は実際に財務諸表を読む上で必要となる知識を1部上場企業を例に挙げて分析することにより詳しく解説してくれている。

また、ビジネスで数字を扱う人だけでなく、株式投資をしている人も、これを読んでおくと勘所が押さえられるというのは前作同様である。

そして、興味ある企業例がたくさん出てくるのでそれらの企業の特長を加味しながら財務諸表を分析することにより、どこを見なければならないかという注目点が身につくような構成になっている。

取上げられている企業は、トヨタ、JAL、三菱商事、三井物産、ライオン、花王、ユニチャーム、新日鉄、高島屋、エルピーダメモリなど多数。

また、第5章の「各業界に独特の財務諸表のクセを理解する」では、電鉄業界、ドラッグストア、調剤業界、旅行業界、銀行、百貨店、アパレル業界、化学繊維会社が分析の対象になっている。

このシリーズはハズレがなく、良書ぞろいで面白い。

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紙の本

1秒で理解できなくても大丈夫な本の実践編

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1秒で財務諸表を読むには、流動負債と流動資産を見るというのが、前作の『「1秒!」で財務諸表を読む方法』で説明されていたが、今回はその続編となる実践編。

企業の実力を見抜くための「財務分析」の手法が分かりやすく解説されている。

ビジネスで数字を扱う人だけでなく、株式投資をしている人も、これを読んでおくと勘所が押さえられる。

また、何よりも企業を分析することが楽しくなってくる。

第5章の資金繰り分析がやや駆け足な気がするが、それ以外は興味ある企業例が出てきて参考になる。

特に参考になったところを挙げておくと、会社の実力を「安全性→収益性→成長性」の順に見るということ。そして、「安全性」は貸借対照表で見るということ。

また、実践編らしく一般論だけで片付けてしまう危険性にも触れていて、注意すべき場合を指摘してくれているところは有難い。

騙されるポイントは売掛金、たな卸資産、長期借入金としている。

損益計算書の見方の第1のポイントは売上高「および」利益が伸びているかどうか。

これは、どちらかが伸びていれば良いというものではないことを示している。

収益性分析では全体とセグメントを分析する重要性を個別の企業を見ながら解説している。

これで第5章のキャッシュフロー計算書の解説がもっと充実していれば言うことなしだった。

とにかく参考になることが多くお薦めの1冊。

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紙の本

1秒で理解できなくても大丈夫な本

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1秒で財務諸表を読むには、流動負債と流動資産を見る。

この本は、1秒で財務諸表を読む方法を取っ掛かりに会計に関するさまざまな話に展開していく。

確かにタイトルと中身が乖離しているように見えるが、私のように会計の知識がない者にとっては大変ありがたいビジネスマン向けの本である。

特に前半の貸借対照表や損益計算書、増し分利益まではとても分かりやすく実際の仕事にも役に立つはずである。

ただ、コンサルタントにとっては簡単な初歩的概念なのかもしれないが、後半に行くにしたがって直接原価計算やPPMなど馴染みのないものが出てきて今までの会計の入門書と比べ歯ごたえがある気がした。

特に原価計算には馴染みがなく、在庫調整による利益変動は実感がわかなかった。

PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)の話は、小林製薬と花王の事例自体は大変面白かったがPPMの使い方はいまいち理解できなかった。

何度か繰り返し読んで理解を深める必要がある1冊である。

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紙の本

若いマジメなビジネスマンにぜひ読んでもらいたい1冊

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この本は、現在が残念ながら優勝劣敗の二極化の世界になっていることを告げている。

ビジネスではスキルを磨いて自らの価値を高めた人だけが抜擢され、高給を得るようになる。
勉強していない人、有用な人脈を持たない人、「そこそこにいよう」と考える向上心のない人は、二極化時代には底辺に留まってしまう。

これは私に向けて書かれた本であるかと思うほど痛いところをついていると思わせられた。
なぜなら、私こそがつい最近まで「そこそこにいよう」と考える人の典型であったからである。

しかし、この本を読むともうそのような考え方では生き残れないことがはっきりと分かってくる。
まず取り組むべきなのは、優れた経営者の本から、「考え方」を学ぶこと。
たとえば、松下幸之助さんや稲盛和夫さんは、「正しい考え方」を持っていたからこそ、日本を代表する事業家になれたという。

私には何となくビジネスの成功者を大したことがない人と思いたがる傾向が今まではあった気がする。
しかし、この本には、その考えは間違いであるとはっきりと書かれている。
仕事や報酬をもらうということは、悪いことではない。

「お金が欲しい、お金が欲しい」と思ってお金を得ることは、私利私欲であるが、逆に人々を幸せにしようと考え、
よい仕事をした結果としてお金を得ることは、私利私欲ではないという。

お金は良い仕事をしたことの「ごほうび」なのだ。
お金は目的ではなく、良い仕事をした結果なのだ。
このことは会社でも同様で、利益は「目標」であっても「目的」ではないということ。
「目標」とは、そこに至るまでの通過点であり、単なる評価ポイントである。
それに対して、「目的」とは、存在意義なのだ。

では、良い仕事をするためにはどうしたらよいのか。
ビジネスパーソンが30代半ばまでにやっておくべき準備は、「正しい考え方を確立しておく」ことと、「生きてゆくための技を磨いておく」ことだという。

そして、二極分化の時代にビジネスパーソンが身につけておくべき「技」とは、順番に次のとおり。
1.今の自分の仕事に関係すること
2.会計や会社法など、会社に関係すること
3.マクロ経済など、世の中全体に関係すること
この順番に勉強するのが良いということ。

昔は一人前を目指せばそれで良かったが、現在では一流を目指さなければ落ちていく。
このことは一見すると不幸なようにも思えるが実は早くからそのことに気づいた人にとっては意外とチャンスなのかもしれない。

なぜなら、マジメにやっているだけの人は残念ながら落ちていかざるを得ないからだ。

若いビジネスマン、それもマジメなビジネスマンにぜひ読んでもらいたい1冊である。

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紙の本

紙の本哲学ノート

2023/04/27 02:10

哲学するとはどういうことかを教えてくれるノート

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古い本ではあるが、「新しき知性」に始まる13編は、どれを読んでも得るものがある。

著者の真摯な態度の表れであるかのような改行の少ない文章は、哲学するとはどういうことかを教えてくれているようである。

日々の生活の中で、ちっぽけな自分を感じたら、歴史の中に逃げ込むのも良い方法だと思う。
そして、しばらくして心癒されたら、このノートの中から次の文章を探し当ててほしい。

「歴史的なものは過ぎ去ったものでなく、今なお生き、はたらくものである。歴史は現在の意識によって支えられている。そして神話的意識はあたかも現在の意識から生れる。」

日本にも哲学する人はいたのだと気づかせてくれる名著です。

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紙の本

紙の本人生論ノート 改版

2023/04/27 01:36

人生を豊かなものとするためのノート

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「死について」から始まる23題の中で、どれに最も心惹かれるかは、その人の中でも時期によって異なるだろう。

だから、「仮説について」に心惹かれる今の自分がいることをここに書き残しておく。

「思想が何であるかは、これを生活に対して考えてみると明瞭になるであろう。生活は事実である、どこまでも経験的なものである。それに対して思想にはつねに仮説的なところがある。仮説的なところのないような思想は思想とはいわれないであろう。思想が純粋に思想としてもっている力は仮説の力である。思想はその仮説の大きさに従って偉大である。もし思想に仮説的なところがないとすれば、如何にしてそれは生活から区別され得るであろうか。」

皆さんもその時々に応じた、自分の心惹かれる1題を見つけてみてください。

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