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13オミさんのレビュー一覧

投稿者:13オミ

80 件中 46 件~ 60 件を表示

女盗賊プーランは誰が殺したのか

2004/06/16 06:35

ヒンズー教のカースト制度は誰が作ったんだろう?

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 題名を見て、わくわくしたがその答えは明かされずじまい。核心に迫る渾身のルポっみたいのは全然ないね。記述もだらだらとして爽快感に欠ける。

 インドっていうのは日本では考えられないことがめじろ押しである。まず、このプーラン。カーストの不可触民ではないが、シュードラというカースト最下層に生まれた。このカースト制度ってのがすごい。バラモン・クシャトリヤ・バイシャ・シュードラと続き、その下の不可触民がある。で、一応4つの階級があるが、地域によってもなんか異なるようで主要なサブカーストがあり、またそのサブカーストが枝分かれして何百もの階級に分かれるという。んー日本の官僚の比ではないほど多い。で、国はそのカーストの階級を全部把握しきれないとか。

 で、このプーランは村で強姦され虐げられ、盗賊にさらわれる。そこで盗賊となり悪事の限りを尽くす。復讐のため村人20人近く殺す。警察と司法取引をして12年間牢獄住まい。でてきて国会議員になり暗殺されるという波乱万丈の人生。貧困や差別ってのは、その解決のためならたいがいのことはOKなんだろーなー。

 持参金殺人では毎年5000人の花嫁が被害にあう。女性蔑視だからね。村社会の掟。そんなの国の力じゃとめられない。その国もなかなかで、産児制限をしたことがある。貧困追放のため、強制断種。一千万人の男性にパイプカットをした。当然、暴動が起きて政権は崩壊。

 外資参入をさせて国を潤すという政策を取るが、結局都市部の富裕層にしかその利益は還元されず、スラムは急増。地方には関係ないから、カースト上位層の力は衰えないし。選挙も半分くらいが字が読めないから、投票は絵でやる。

 とまあ、壮絶な国です。貧困の原因はヒンズー教のカースト制度にあることは自明だが、これからも、ものすごい数の人々が死んで体制が徐々に変わっていくのだろう。あんまりインドに行きたいとは思わないなあ。

 プーラン暗殺は一応決着がついている。犯人も逮捕されたし動機も個人的だ。真相がなんなのかはわからない。黒田氏には、その真相究明もさることながら、インドという国の行方について今後もレポをお願いしていきたいと思います。

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私に売れないモノはない! 世界No.1セールスマンが明かす「必ず売れる」セールステクニック 勝って勝って勝ちまくれ!

2004/06/15 07:38

欲望をもてるか?

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 恩を売るということが大切だと言っている。しかし、彼はアメリカ人で1978年に自動車セールス業界から引退した。15年間売り続け、ギネスブックに世界一と書かれている販売ディーラー。たかだか15年程度の販売で30年前まで通用した販売で、彼の顧客イメージが現代に通用するか? 客は義理を感じないよ。

 彼のすごいところは沢山ある。その中でも顧客の動き・心理をイメージする力は並ではない。彼から新車を購入した客が家に帰って新車を友達に自慢して、その友達に「ジラードはいいよ」と言い、友達が新車購入を考え出して、来店する。その後、ジラード氏は友達に対して…という販売のイメージが確立しているのだ。

 「ジラードの250の法則」が根底にある。一人の客の周囲には250人の潜在顧客がいる。それを味方にするか敵にするかだと言っている。味方にするためにはなんでもやるという気概。その気概はどこから来るものなのか? ジラード氏は具体的な欲望をもてと言う。目の前の客からどうしてもお金を引き出さなければならないという具体的な理由だ。それがなければセールスマンは何も出来るはずがないと言う。彼は35歳までは何をやっても長続きしなかったらしい。ところが、妻から「明日子どもに食べさせるものがない。どうするのか?」と問われたときに、家族への責任が自分を動かす原動力になったと言う。

 彼はもともと責任感の強い男だったと思う。販売も好きだった。彼の恵まれない状況も幸いした。私も販売に携わったことがあるが、そこまで徹底してやったことはない。おそらく誰もが「お金儲からないかなあ」くらいの感覚でモノを売っている。強い欲求などそうそう現れるものではない。それをもてる人間だけができる芸当だろう。

 とはいえ、細かい販売の方法は役に立つ。電話での売り込み方。名刺の使い方。ダイレクトメールの打ち方。小道具の使い方。見えない物を見る力。税金対策。顧客管理。おそらくこれらを徹底したら理論的にはジラード氏の言う通りの結果になるだろう。あとはやるかやらないかだ。

 彼に現役に返り咲いてもらって、日本で三菱自動車のディーラーになってもらいたい。てか三菱再生のためには必要かも。あーでももうジラード氏を突き動かす欲望はないかもね。

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これを知らなきゃ「大家稼業」はつとまらない! ワンルームマンション経営で絶対失敗しないための鉄則

2004/06/06 11:31

リスクに耐えられるかどうか不安

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 サラリーマンで大家稼業をやろうと思ってる人は、最初の資金調達とリスク物件の取捨が最も不安。読んでもその不安が解決しないんだよなあ。庶民に対して技術論を書く人は初心者の不安心理を忘れていることが多い。自分が初心者だったときの気持ちを忘れてしまっているんだと思う。

 間違い電話が鳴った。相手は不動産会社で、ワンルーム分譲型の賃貸マンションを買ってオ−ナーにならないかということだった。初めてのことだったが、興味を引かれてのこのこ話を聞きに出かけた。大家稼業のメリットを4つ挙げられた。1.年金の代わりに高利回りの投資が出来る 2.節税対策 3.生命保険代わり 4.自分の財産になる だ。30年ローンでの私専用シミュレーションを業者は作ってきて実際にマンションを売り込もうとした。物件は新築、都心、駅2分、2000万、10万手付、頭金200万、家賃保証30年、持ち出しは月3000円弱、利回り4%、マンション経営管理は全て業者、補修費用計画30年設定 とまあ一見するといいことばっか。しかも入居率は97%だと言う。んーなかなかの物件だと思った。ただ手持ちの資金がない。奴は畳み掛けるように言った。書類に赤ペンを走らせて「この200万はいりません。1800万円で売ります。あなただけに」と数字に×をつけた。

 章ごとに話を区切りつつも、著者自らの失敗経験をクロスオーバーさせて説明する形は非常に読みやすい。バブル時代の失敗や成功と現在の著者の運営にも言及している。

 物件選択の要所を箇条書きにしたり、リスクをフローチャート方式で説明しているので、そこを読むと説明されてきた内容をまとめることができる。また、家賃保証や高入居率や利回りのからくりや問題点も挙げている。

 ある程度の失敗を重ねて、業者任せにしないマンション経営が大切なことを訴えている。んー実際のリスクに耐えられるかどうかってことですな。細かい契約の手続きといったことは書かれていないが、マンション経営をすこーし考えている人には入門書としていいものであろう。

 さて、前述の1800万円の話だが、結局は買わなかった。なんとなく不安だったからだ。だっていきなり200万の頭金カットですからね。もし、持ち出しがなしでいきなり最初から1万円くらい利益が月にでるというシミュレーションだったら買っていただろう。第6章で「儲け優先」の賃貸業者に気をつけようとあるが、もっともっと事例を挙げて欲しい。こういう業界は新手の販売手法がどんどんでてくるはずだから。

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沖縄旅行記

2004/06/05 03:53

読者も一緒に歩ける旅行記

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 本島編と離島編に分かれている。さらに離島編で宮古島・与那国島・石垣島・波照間島・西表島・与論島と分かれているが、それぞれの島の特徴が浮き上がってこない。旅行記だから仕方ないが、それぞれの島の心を描いてあげないと可哀想。

 私ごとであるが、先日GWをずらして初めて沖縄に行った。憧れの南の島。目的は海をみること。釣りをすること。ネット友達と会うこと。さすが沖縄!と思ったのは、岸壁から70センチくらいのカツオを釣り上げている人がいたこと。しかも午前10時ころ。関東で釣りをする人にとっては考えられない。沖縄の恐ろしさを見た。

 沖縄に行った後この本書を読んだが、中にA&Wというファーストフード店の記載がある。「ここはアメリカの味で勝負するチェーン店で、フライドポテトがおいしい。スーパーフライとカーリーフライの2種類があり(中略)…だから今までフライドポテトがおいしい、なんて思ったことがなかった。」というくだりを目にしたときの嬉しさと言ったらなかった。そうそうそうなんだよ、と自分の思ったこととばっちり一致するのだ。著者と同じく私はオレンジジュースも飲んだ。海がきれいとかゴーヤ−チャンプルがうまいとかいうよりも共感できた。

 1ヶ月間の沖縄滞在の話だが、えらく淡々と進む。というのは劇的な出会いとかいったものが全くないからだ。二言三言一人旅の男性と会話を交わすが、もうちょっとのところで間は深まらない。逆にそれがいい。そんなもんだ一人旅って。その日その場所であった出来事や感じたことを素直に脚色なく書いている。ガイドブック的な本が多い中、読者も著者と同じ目線で旅ができる。こんな旅行記を私も書いてみたいと思った。

 大げさすぎず、かといって無感動でもなくの語り。彼女の卒業後一年しての失業という彼女と社会との軋轢が生み出したのではないだろうか? なんか大人の思想?って感じかな。若くしてプチ達観したのかも。

 著者には旅行者の視点で語る沖縄博士になってもらいたい。第2弾のようなものは刊行されているようだが、第3弾も期待します。

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出会い系サイトと若者たち

2004/06/04 10:53

あたしのHPも規制対象かも?

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 子どもの権利侵害と国家によるメディア規制という観点から穴だらけ出会い系サイト規制法案を批判しているが、最終章でもオルタナティブプランを出せていない。ここまで言うなら、著者は最良の代替法案を出すべきである。

 出会い系サイトはあたしもよく使っていた。どんなものなんだろう?と思って有料サイトにアクセスしたが、出会えた試しがない。金はガンガンかかるしね。すぐ止めた。とにかく「サクラ」が多い。可能性としては「サクラ」ではない者もいるのであろうが、一人の女性に来る男性のレス数を考えたら競争率が激しすぎてメールのやり取りにすらならない。この2点を確実に消し去る出会い系サイトがドコモの公式サイトにある。占い系だが、探して試してみてください。

 さて、本書の第1章・2章では出会いのツールの変遷が書かれている。かなり正確で細かい。援助交際が、街頭のナンパから携帯の出会い系に落ち着く現在までを理解するのに非常に良い。ゲーセンの壁に貼ってあるプリクラにポケットベル番号が書いてあって、ベル友になるなんてのがあったのは知らなかったしね。

 また、出会い系サイトでこれだけ多くの犯罪が明るみにでる構図も説明している。普通初期のユーザーは遊びなれている人が目をつける。遊びという意味でのコミュニケーションスキルがある人が多い。割り切るとトラブルは生じにくい。事件が起きるのはある程度普及し遊びなれていない人が参入してきた時期になると言う。さらに、「出会いを求める人は2種類。現実の世界である程度満たされているけれどさらに出会いを求める人と現実の世界で満たされていなくて出会いを求める人。前者の方がいい人と出会えるのではないか」と取材した人からのコメントをもらっている。

 出会い系サイトの摘発や児童買春の逮捕でも、家出・徘徊の補導→援助交際経験の有無の聴取→持ち物検査→立件可能な場合は捜査→相手の男性を検挙といった流れがパターンの一つであると言及している。直接警察がネット調査するという捜査は考えにくいらしい。

 第4章では、出会い系サイト規制法案が施行されるまでの経緯を述べているが、子どもの権利条約で保障されている意見表明権がないがしろにされ、売春行為誘発をした子どもが処罰対象とされたことの是非を問う。さらに、異性紹介事業者=出会い系サイトとの定義から規制対象が結局は警察現場の恣意的判断の介入を許すことになると疑問を投げかけている。あたしのHPも規制対象かもしれないなあ。

 全ての論理が整然と語られ非常に読みやすかった。

 児童保護という観点から拡大解釈して「出会うこと」を国家は統制できないし、してはならないと思う。先進アメリカで、どう対処しているのかを描いてもらえればもっと私の思索も深まったと思う。

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Deep love アユの物語 完全版

2004/06/03 09:00

人はなぜ勉強するのか?

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 マスコミに取り上げられなければここまで世の中に広まりはしなかっただろうに。マスコミの力ですな、完全に。

 私はサイトでこの本を読んだ。確か完全版ではなかったと思うが、内容が読みやすかったので一気に。とはいえ、携帯用をPCで閲覧したため横書きの小さい字は目で追うのがかなり苦痛だったな。なんで読んだかっていうと、「携帯サイトから始まった」ってところと「100万人が涙した」ってところに惹かれた。

 著者のすごいとこは、渋谷の109付近でチラシか名刺だったかを何千枚も書いて渡すという宣伝をしたこと。ネット・援助交際・渋谷に目をつけた戦略は完全に当たった。

 内容は悲劇的であるとはいえ、誰かのために徹底的に生きることの大切さを読者の心に残す。普通、そこまでやったら愛する人に「もういいよ。そんなことするなよ」と言われて、「本当に? ありがとう。あなたのためにもうしないね」とでも言うのだろうが、主人公であるアユはそんなことはしない。彼女はおそらく愛する者のために、自らがしてきた過去の贖罪として最後まで援助交際をした。そして金を稼ぎ愛する者に差し出した。彼女のそのストイックさにその馬鹿一徹加減に読者は涙する。ここには「人はなぜ勉強しなければならないのか?」の答えも隠されている。

 ここ一番の時に愛する人のために自分の能力が役立たなかったときほど、絶望を感じることはない。どんなに気持ちを込めても自分に知識や知恵がなければ、愛する人を助けることは出来ない。いずれ愛する人のために、その人が本気で夢を追ったり危急の間際に立たされたとき、自分が無能であることに愕然とする。そうならないためにも、今あらゆる勉強をして自分の能力を最大限まで引き上げる訓練をするべきだ。近い将来必ずその能力を必要とする人が自分の前に現れる。そのとき、彼、彼女を悲しませないためにも、今そしてこれからも勉強をし続けなければならない。

 映画化されたそうですが、見に行ってないけど役者はかなり演じるのが大変だと思う。イメージからちょっとでもずれれば台無し。実写じゃなくてアニメでやったほうがいい気がするなあ。

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東京地検特捜部

2004/06/02 10:35

金は天下の回りモノって言葉は政・官・業の大物だけの権利

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 題名が「東京地検特捜部」だから、特捜主体のカッコイイ話なのかと思ったら、談合構造の話だった。『談合の病理』っていう連載企画が元になってるから仕方ないんだけど、題名と内容のズレはかなりある。売らんかなのタイトル設定はよろしくないよ。

 金は天下の回りモノっていう言葉がある。これは利権政治家か建設業界トップ層か高級官僚の誰かが言ったんじゃないかな。あるいは庶民が皮肉をこめて言ったのかも。ものすごい数の証言者の声が政官業の癒着の構図を暴く。刺激的だった。

 贈収賄という言葉がある。刑法の収賄罪の規定によると「公務員がその職務に関し、賄賂を収受したときは5年以下の懲役に処する」とある。公務員がその職務に関しというところが味噌で、職務権限をもたない政治家がお金をもらっても収賄罪には問われない。例えば、現職の国土交通大臣が直接賄賂をもらって便宜を図れば罪に問われるが、その大臣の所属する派閥のドンに賄賂を送って大臣への口聞きを図ってもらうとそのドンは罪に問われない。刑事告発できないのだ。迂回賄賂だ。政治献金も国会議員ではなく政党員として収受するのであれば罪はない。政治資金規制法なんかがあってもうまく立ち回るんだろうしね。

 検察庁の人事に政治家から横槍がはいったり、検察庁自体が犯罪を追及する捜査機関と内閣を支える行政機関という2面性を備えているため、悪事に鋭いメスを入れながらも尻蕾になるということも描かれている。検事総長伊藤栄樹の言葉がある。「(造船疑獄のとき)佐藤栄作幹事長を逮捕した後には、池田勇人政調会長を始め、なお何人かの国会議員の逮捕が予定されており、一体この事件はどこまで発展するのだろう、日本の政治はどうなるのだろうといった漠然とした不安が胸にあった」この感覚が検事たちの追及を鈍らせるのは想像に難くない。結局、法務大臣の指揮権発動により造船疑獄での大物逮捕は頓挫で刑事告発はなかった。検察庁は無念を抱えながら、ほっと安心もする。あまりにも激しい心的疲労だろう。

 談合に関しては、建設業界では必要悪と見られていた。巨大な公共事業の一般入札制度のみで受注を決めれば、必ず受注価格で安価な費用競争が発生し下請けにその弊害が来る。また発注側から見ても価格が安い分の手抜き工事を恐れる。業側での談合が業と官の利益をうまく取り持つことを求められていた。しかし、日本にとってのアキレス腱がある。外圧だ。ロッキード問題のきっかけは、米国上院多国籍企業小委員会での発覚から日本に調査依頼が入ってのこと。談合問題は、関西国際空港建設工事へのアメリカ企業の参入要請から表面化する。いっつも日本は黒船でやられる。内部自浄・牽制といったものは皆無なのだろう。

 政治家やフィクサーのやることは簡単。例えば友人が恋人と喧嘩した。ある人がお互いの友人だから、仲を取り持って「まあまあ、あいつにもいいとこあるからさ」ということを言ってやるのと同じだ。で円満に元の鞘に収まり、ある人はその恋人たちから感謝の言葉をもらう。違うのは、そこに職務権限やにらみを聞かすという力が複雑に働くので、感謝の言葉ではなく政治家には莫大なお金が投下されるということ。三権分立ならぬ三権融合だね。本書からはこうした構図が読み取れる。

 政・官・業の動きに検察を絡めて描いた部分に関しては非常に面白かったが、ここに今度はマスコミを登場させてほしい。マスコミがこうした構図の中でどのような動きをしどういう立場にいたのかを見てみたい。

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だから、潰れた! 新人OLが見た倒産までの波瀾万丈

2004/06/01 08:29

転職ライターってのがあったら面白いかも

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 社員数120ちょっとの会社の内情が暴露されてる。新入社員であるOLがここまで社内のことに詳しいのは眉唾もの。経営者サイドの視点でモノを見ているところもある。入社一年目でここまで視野が広く深い洞察をもてるものだろうか…。作ってない?

 創立14年目にして潰れた中堅アパレルメーカーの社長を徹底的にこき下ろしている。表現といい、その内容といい小気味よい。思わずにやにやと笑ってしまった。特にジュリアナ崩れの社長愛人本部長の馬鹿さ加減には開いた口がふさがらない。

 アパレルの専門性に疎く、ワンマンである社長によって衰退の一途を辿る会社の傾きが手にとるようにわかる。中小企業はこうして成り上がり潰れていったのだなあとバブル崩壊後の失われた10年が思いやられることよ。

 自前のホームページを持ち、そこから生まれたこの本書。終章では、いろいろな立場の人から寄せられたエキセントリックな会社の実態も紹介している。

 次に勤めた会社の内情も書いてほしい。同じくらいの密度の濃さで。で、転職に転職を繰り返し「転職ライター」になってほしいな。

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当世もののけ生態学

2004/05/30 07:05

妖怪を語る妖怪

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 入試問題としてこの本書が出題されたら全く歯が立たないだろう。なにを言っているのかよくわからない論理体系だ。読んでいて私の頭に??マークが異常にでてきた。

 近代科学と妖怪学を強引に対比させようとする手腕には敬意を表する。序文で、近代科学と妖怪学と良識の関係について述べている。過去の良識は、錬金術や魔術や占星術といった当時の科学をいかがわしいものとして排斥してきた。やがて近代科学として錬金術や魔術や占星術が良識に受け入れられる。しかし、良識に忠誠を誓うために近代科学はいかがわしさの一切を捨て去ることになる。いかがわしさから抜け出ることのできない妖怪学は近代科学から裏切られ攻撃される。そうして近代科学は良識と手を組み、その立場を確固としたものにしてきた。しかし「試験管ベビー」「遺伝子組み替え」「臓器移植」という近代科学が生み出したこれらがいかがわしさの匂いをまとい登場してきている現代において、再び良識に疑われだしていると言う。ここで近代科学と妖怪学は再び融和すべきではないかと言っている。この論理は面白い。

 「ろくろっくび」や「ざしきわらし」は妖怪として認知されているが、「これくらい」や「てもちぶさた」や「どうも」や「もったい」や「くだん」や「とりとめ」と言った言葉が妖怪だとは知らなかった。妖怪の存在意義をそれぞれの章でこじつけも絡めて紹介している。別役氏の語りは本気なのか嘘なのか皆目見当がつかない。これは事実でこれは嘘だなと自分で判断しながら読み進めていかないととんでもないことになる。こちらの判断力が鍛えられるという感じだ。

 欄外に注釈が入る。全然要所と思われないところに注釈が入っていたりするが、ここも面白い。例えば「爪と指との間に竹ひごを差し込むと痛い〜」の注釈では、「言うまでもなくこれは、最初に考え出された最も素朴な拷問の仕方である。つまり、この方法が優れているのは、その痛さを爪と指とのどちらが引き受けるべきものかわからないという点にあり、にもかかわらずどちらかが引き受けなければならない、という点にある」と。いったいどうしてここにこんな注釈をという風に読者を混乱に陥れる。まさに別役氏は読者にとっての妖怪である。

 別役氏の分析はかなり異端だと思う。しかし、こうした異端の書というものに最近ではお目にかかれない。トンデモ本の一つに推薦したいが、そんな本を受け入れる器の大きさを私はもちたいと思う。今後もトンデモ本の大量生産を期待する。

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プロ家庭教師の技

2004/05/29 11:44

プロであろうとなかろうと高時給家庭教師は責任を果たさなければならない

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 プロ家庭教師の技なんかが載っているわけではない。具体的な技が載っていると思われる部分は全体の6分の1程度。しかも抽象論。「教科書中心に」とか「新聞を活用する」とか「音読が基本」とか当たり前のことしか書いてない。がっかりだ。

 今あたしは家庭教師を片手間でやっている。片手間というのは一回あたり2時間の授業に1時間の予習をあてるだけだからだ。家庭教師の時給は高いと言われる。コンビニでバイトすれば時給800円くらいだが、家庭教師は時給1500円くらい。ほぼ倍の時給。なんでこんなに高いのか? いろいろ理由はあるのだろうが、私の考えは3つ。1.学力向上は付加価値が高い 2.予習も時給に組み込まれている 3.マニュアルがない。1.は頭の良いのはいいことであり、将来に対しての付加価値が高いと親たちが思っているということ。いい学校に入学することは将来のためになるという価値観からくる。2.は生徒の学力に合わせた指導をすることが求められているということ。理論的にはこうすればこうなるという技術はある。しかし、生徒の学力が予想通り向上するとは限らない。逆に急飛躍する場合もある。時事に応じてその生徒の学力に合った授業を組み立てるには事前の準備が欠かせない。3.は親から使用するテキストをあらかじめ決められてしまったり、どこそこ中学合格という求められる目標が多様であったりでマニュアル化ができないということ。こうした点が家庭教師の時給が高い理由と思われる。

 本書では家庭教師業界の実態が描かれている。家庭教師が教える生徒のタイプは大別すると3つになる。生活改善を必要とする生徒、成績不振の生徒、成績優秀な生徒だ。それぞれのタイプの生徒に対して、家庭教師がどう接しているかの事例がかなり載っていた。

 家庭教師派遣業界の実態に関しても、マネジメントシステムや家庭教師のランク制度、家庭教師の資質の2極化について言及している。

 優れた家庭教師の特徴として5つを挙げている。1.精神面でのサポーター役 2.科目のオールラウンドプレイヤー 3.興味を引く教え方 4.効率重視の指導 5.優秀なコーチ。まあ、当然といえば当然な資質である。しかし、こうした力を持っている人は少ないし、持っていたとしてもそれを生徒や親に示していくのは難しい。

 プロ家庭教師を目指すのであれば、こうした点を備えるように努力しなければならない。が、プロを志向しようがしまいが前述した時給の高さを考えるとその責任は果たさなければならない。学校テストの成績向上や志望校に合格させることだ。私は四谷YTネットテスト各教科偏差値60以上と四谷C会員5組以上を3ヶ月以内に。女子学院合格を目標としている。小5の女子を教えているが、達成されない場合はクビにしてくれと言ってある。期間中に効果が出なければ家庭教師の存在価値はない。そうした責任感をもつ家庭教師は現実的には少ない。今後も家庭教師の資質と責任の2極化は砂漠化と同じように進むであろう。

 家庭教師を初めてやろうと思う大学生はほとんど無手勝流だ。派遣業界なら研修制度もあるから、そこでアドバイスをもらうこともできるかもしれない。家庭教師のやり方というマニュアル本があってもいいのではないか? そんな本を期待したい。
 

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倒産社長の告白

2004/05/28 07:11

維持できなかった自転車操業

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 資金繰りのために金融機関から借りまくっているが、貸借対照表が時期時期で描かれていないため、読んでてなんで資金繰りに苦しんでいるのかよくわからない。さらに、倒産の過程はほんとに辛かったんだということを書かなければっていう強迫観念が全面にでてしまい読みづらかった。

 会社設立から倒産までここまで細かく書いた本を見たことがない。コアという編集・出版系株式会社の成長と崩壊があますところなく載っている。まあ、資金繰りの話ばかりだけれどすさまじい。なにがってまさに自転車操業だ。バブルでの売上UP⇒多角化経営⇒金融機関からの借金(設備投資)⇒バブル崩壊⇒売上過剰減少⇒金融機関の貸し渋り⇒営業拡大⇒リストラ⇒債務超過といった崩壊の王道を行く。

 融通手形や市中金融によって圧迫される経営。連鎖倒産や金融機関の強制破綻などに飲み込まれていく様が執拗に描かれる。民事再生もできないほどに金がない。だって、給料遅滞・返済遅滞がこれでもかと出てくる。生きつなぐという言葉が本当にふさわしい。ほとんどの中小企業がこうした経営をしているという。いわゆる、金融機関から金を借りて計画通り返済して信用を作り、すぐさま同じ金融機関から借りるという手法。売上が上がっているときはいいが、売上がなければ他の金融機関からお金を借りて返済するしかない。倒産の決め手はメイン金融の破綻。これをやられたら会社は終わるというのがまじまじとわかる。

 友人からも借りまくり、自分の親族の財産を担保保証したっておっつかない。よく著者の三浦さんは逃げなかったものだと思う。周囲の人々に対する感謝の念が彼を動かしていたのであろうか? なんとかしようともがき苦しむ社長の姿は悲惨だが美しい。

 破産の申請の流れも詳細で、これから破産しようと思っている会社にとっては参考になる。とにかく実体験をありのままに描写している。こうゆう話がよみたかった。

 倒産後の生活についても触れているが、もうマネジメント業務はご免だそうだ。しかし、この経験を生かして会社をまた立ち上げてもらいたい。そして成功のステップを今度は踏みしめてもらいたい。で、またこうして書いてほしい。

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会長はなぜ自殺したか 金融腐敗=呪縛の検証

2004/05/26 09:46

「呪縛」は巨大不安を抹殺する装置

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 なぜ第一勧業銀行や野村證券は総会屋小池隆一氏に利益供与し続けなければならなかったのか? なぜ四大証券は大蔵省事務次官クラスや日銀幹部を接待し続けなければならなかったのか? なぜ日興證券は新井将敬議員に不正に儲けさせなければならなかったのか? そうした一連の不祥事の構図はしっかり描かれているが、不正を続けなければならなかった供与側の不安心理については深いところまで触れることはない。その不安はいったいどういうものなのかがわからないのだ。

 会社にいた頃、私も数々の不正をやった。利益供与はやったことはないが、売上の改竄や嘘の報告なんかは日常的だった。では、なんでそんなことをしたのか? 面倒だからだ。大きなストレスがかかるときには短絡的な発想しか生まれない。その不安から一時的に逃れるため、自分の都合のいいように物事を運んだり解釈したりする。これはかなり強烈なストレスがかかった人でないと理解できない。毎日、1時間置きに上司から売上の状況を聞かれる。売りあがってなければ1時間ごとに作業の予定をFAXで送信することを義務づけられる。その直後に電話で叱責を受け「お前、どうするつもりなんだよ。この数字」と詰め寄られる。そんな毎日を繰り返していれば自己崩壊を起こしてしまう。

 第一勧銀にとっての小池隆一氏。野村證券にとっての小池隆一氏。日興證券にとっての新井将敬議員。まさに会社にとっての強烈なストレスだった。第一勧銀の内情を熟知している小池氏への不正融資を打ち切った場合のストレスはとんでもないことになる。野村證券の株を持つ小池氏はサラリーマン経営者にとっては逆らえない相手だ。しかもどんな手をつかって揺さぶりをかけてくるかわからない。大蔵に対しての力を持つ新井議員の申し出を断ったらどうなるか…。このような不安は経営者もそこで働く全面部隊にとっても、自己崩壊を起こすきっかけを作る。「呪縛」を続けることは不安を抹殺する装置なのだ。大蔵や日銀を接待することによって、便宜を図ってもらうのも同じだ。強烈なマイナス不安を引き起こす総会屋・政治家・官僚の脅しにだれが逆らえるだろうか? 逆らうことによって、不安を助長し、ひいては社会的に殺される。民間・政治家・官僚の幹部6人は「社会的な殺人」よりも自殺を選んだ。それが、社会的な殺人の怖さを物語っている。

 多くの人間の証言から癒着の実態をつまびらかにしている。総会屋・官僚・総務部関連から記者たちはきわどい部分まで聴取している。

 第一勧銀から始まり、証券会社・官僚がどう絡み合っているのかもスムーズに描かれており一気に読ませる。政治家に関しては新井議員のみでやや弱かった。

 今後は、政治家と民間の関係や他業種(生命保険会社・航空会社・商社・建設会社)の呪縛も描いてほしい。

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出世の見取り図 業界組織図のすべて

2004/05/25 09:32

どう見ても給料の中間搾取

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 行政・司法といった官僚組織までは出世の構造をつまびらかに説明している。全省庁が掲載されているから。が、民間系統になると浅い。大多数の人間が民間に就職することと民間業種が多岐に渡ることを考えれば、そちらも詳細に描かなくてはいけなかったのではないか? 残念だ。

 ピラミッド型で図示された役職名がこと細かに描かれている。例を挙げれば、内閣府は上から「内閣総理大臣(1人)、副大臣(2人)、政務官(3人)、事務次官(1人)、内閣府審議官(2人)、官房長・政策統括官・局長(12人)、審議官(18人)、参事官・課長・審査官・室長・政策評価官・厚生管理官、課長補佐・参事官補佐、係長、係員」といった層構造にある。老舗料亭(料理人)は上から「花板(1人)、煮方(1人)、向板(1人)、脇鍋(1人)、揚げ場(1人)、焼き場(1人)、追い回し(1人〜3人)」となる。この構造図が75業界に渡り出ている。

 それぞれポイントにあたる役職には注釈がつけられており、内閣府であればノンキャリアの多くは「課長補佐」で定年を迎えるとか、老舗料亭の向板以上は料理だけでなく店の経営についても気を配らなければいけないとか。出世を考える人にとっては非常に参考になる。

 面白いのは、寺院・占い師・酒蔵・同族会社・NPO法人・国立国会図書館なんかが載っているところ。それにしても、中間管理職の役職と理事の人数の多いこと。やっぱ、中間管理職は流通構造と同じでどうみても給料の中間搾取じゃないのか? 理事が二桁もいるというのも給料泥棒のような気がする。天下りは別にいいが、いい加減なポスト数を増やして安住させるというのはどうなのか? 行政改革とかリストラっていうのはポスト数の適正化だと思うけど。

 役職ごとに給料についても触れているが、業界別に表で作ってくれると出世と給料の相関構造が見えて面白いはず。今度はもっと細かいのが見たい。

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幸福な質問

2004/05/24 08:09

高レベルな恋愛会話

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 完璧な男女関係である。読んでいくと憧れとむかつきが混在する。

 名もない犬のカップル。一緒に食事をしながら次々繰り出される女性のちょっと意地悪な質問。それを洒脱な答えで返す男性。そんな男性を見る女性はとんでもなく楽しそう。今度は男性もそれに対して反逆を試みる。が、女性に簡単に切り返される。ベッドに入って夢中で本を読む男性にちょっとむっとする女性。そして、少しの不安から、今までとはやや異なる二人の関係を根源から問う質問を彼女はする。彼は…全く負荷なく彼女がもっとも聞きたかった言葉を紡ぎだした。彼女の不安は雲散霧消。かなり高レベルな究極の関係である。

 カップルの動きや表情がそれぞれの気持ちを端的に表す。絵と会話が絶妙にマッチしている。

 こんな質問をしたい。こんな風に答えたい。ってカップルたちは憧れるだろう。でも、恥ずかしくてできない。できない。彼らがそれをしてくれた。特に女性はこの関係に引き込まれるだろう。世の男性はこうでなくちゃって。

 こんなに静かな感動で泣ける絵本がある。ときどき落ちてるもんだなあって思った。また、ときどき落としてくださいね、おーなりさん。

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ポリアモリー恋愛革命

2004/05/10 08:53

運命の赤い糸が複数あってもいいじゃないか?

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 オウムのように同じコトを何度も繰り返してページ数を増やしている。ところどころ一文が長くて、よく意味の理解できないところがあった。こういう思想系の話は、十分注意して書かないと読者を混乱に陥れる。勢いで書こうとして理解されない典型的な例だねえ。

 あたしは結婚願望がない。理由はよく説明できない。しいて挙げるなら今の生活水準を下げたくないからかな。しかし、ただ一人の人をすごく好きにはなりたい。いわゆる運命の赤い糸の人とつながれたい。のに、自分の好みの人とたくさんつながりたいとも思う。あたしは、相手に彼がいても好きになると告白してしまう。一緒に遊びに行ってえっちしちゃうしね。友達は「彼氏がいない女性を好きにならないと」と言うが、別に彼氏からこっちに乗りかえるかも知れないしプチ逆愛人でもいいしと思ってるんだけど、まあうまくいかないわけです。うーむ、あたしは異端なのかなあ。

 と思っていたところ、本書を発見。お! ちょっと答えがあるかもと。ポリアモリ−っていうのは複数の愛という意味。非一夫一婦制だ。といっても、ありとあらゆるパターンがあるらしい。結婚しながら、いろんな人を好きになってもいいし。独身でいながら、同性愛でもいいらしい。まあ、恋愛の雑種形態かな。これって乱交?と思うが、通常乱交は恋愛感情や信頼感情よりもSEXの欲望が上位にくる。しかし、ポリアモリ−は強引に当てはめると信頼>恋愛>欲望という感じらしい。当然、複数の愛には嫉妬がつきものでこれを超越しなければ関係は崩壊する。不倫や浮気を認めてるんじゃないの?と言われるが、普通不倫や浮気は相手に秘密のうちに行われるが、ポリアモリ−は開示型でお互い了解済みなのだ。お互い了解なら、不倫だろうと浮気だろうと問題ない。いやいや、不倫は配偶者が許さないし、浮気は本気ではないからダメか。しかし、これはかなり画期的な考え方である。

 著者は何十年もかけて、この関係を模索している。結婚も離婚も経験している。一つのカルト主義と見られるが、本書には宗教的で攻撃的な濃い匂いは感じられない。

 ポリアモリ−の本や映画もふんだんに紹介している。実践には、かなり高次の精神が要求される。が、複数の愛のほうが一夫一婦制よりも人間の自然な感情かもしれないと思わせてくれます。

 残念なことに著者の数十年に渡るいろいろな人との関係がつかみにくい。年代別の相関図がほしい。同時に誰と付き合い、その関係がどれくらい濃いものであるのかといったことを図示して書いて欲しい。

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