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13オミさんのレビュー一覧

投稿者:13オミ

80 件中 31 件~ 45 件を表示

動物は人間の上を行っている

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 切り口はとてもユニークで「へぇ! おぉ!」と叫んでしまうのだが、動物の適応という高度な内容を易しく面白く執筆と言っても限界があるのだろうか? やっぱり理科系の教授クラスの人には庶民の思考まで落として説明する力はないんだなと思った。目に見えない相手の気持ちを慮って想像するなどという芸当は、仮説を実験で証明するフィールドワーク中心の研究では排斥されねばならないからねえ。

 コンドル・なぜ頭がはげているのか?
 魚・どうして泳ぎながら眠れるのか?
 ラクダ・なぜ砂漠に強いのか?

 こうした単純な「なぜ?」という問いは人間の好奇心をくすぐる。人間から見ればありえない行動や生活をする動物たちを見ていると自然界の不思議に感心させられる。知的なものは人間より劣るにも関わらず、個体の生存や種の保存という観点では動物はどんなに身体が小さかろうと人間を凌いでいるということに驚嘆させられてしまう。

 特に「カワウソ」のすみかの素晴らしさには参った。すみかは快適さと安全性の両面が動物にとって欠かせない。すみかの入り口を水面下に設けることで外敵の侵入を防ぐ。入り口からすぐにすみかにいくわけではなくトンネルを作る。このトンネルは比較的長く下から斜めに上がっていくように作られる。これによって、すみかへの水の浸入を防ぐ。また、トンネルを通ってすみかに行く間に身体についた水分を土中に吸い取らせてすみかを水浸しにしないようにする。どうしてこんなことが思いつくのか? 人間より頭がいいぞと思った。

 シロクマや野うさぎの体毛が白い理由も感心させられる。雪の中の保護色として外敵から身を守るだけが理由ではない。太陽の紫外線は強すぎると害になるが、不足すればビタミンDが欠乏する。極圏に住んだり冬の時期だったりすれば太陽の紫外線を皮膚に吸収できない。そこで白が必要になるらしい。普通、白は光を反射させてしまうから黒だろうと思いがちだがそうではない。動物の体毛は皮膚から直角に生えているので白い毛だと光を乱反射させる。それによって、皮膚まで光を届かせることができる。こんな話を聞くと恐れ入ってしまう。

 動物の生活の仕方から人間界に応用した例はいくつもあるらしい。一般人は日常的にそうした動物の行動をもっと参考にしてもいいのではないかと思った。科学者だけの特権にしておくのはもったいない。がんがん動物の知恵を紹介してもらいたい。

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紙の本症例A

2004/07/24 11:30

スーパーマン榊医師

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 解離性同一性障害(多重人格)の原因が幼児期以降の虐待であると説いておきながら、その原因に本書は踏み込めないでいる。確かに過去を変えることはできない。しかし、もし患者に通院で治療を施しても、あるいは入院で完治したと見えてもいずれ帰る家族との関係が修復されない限り治療に効果はないし完治しえないのではないだろうか? 亡き岐戸医師を継ぐ榊医師は、家族にまで踏み込まなければならなかったはず。それがないので、本書では榊医師に岐戸医師を越える素地が見当たらなかった。

 弓と居合が出てくる。両方とも精神統一のために集中力が非常に必要だそうだ。伏線となる話の登場人物江間遥子の弓と本線の登場人物広瀬由起の居合。これらは治療の一助の域を出ないが、人生のブレを本筋に戻すということを暗示していた。江間は病気ではないが大人になれ切れていない感がある。田舎に戻って兄と弓を射るが全く話にならないほどの醜態を晒す。広瀬は多重人格で未だに人格の統合が図られていない。その苦しみから出ようともがく。

 それにしても榊医師の強靭な精神力には恐れ入る。まずは、少女・亜左美に散々病院内で振り回される。それもつかの間、広瀬由起の多重人格に勝手に触れさせられる。それによって亜左美も多重人格ではないのかという確信を強める。彼の過去には苦い経験があり、患者に自殺され自身の家庭も崩壊している。はっきり言って榊医師のほうがおかしくなってもおかしくはない状況だ。にもかかわらず、亜左美も広瀬由起も見捨てないという真摯な姿勢はいったいどこからくるのだろうか? 多重人格は幼児期の虐待に原因があると述べているが、榊医師の幼児期以降の成育過程を明らかにすることで、もしかしたらその強靭な精神力の源がわかるかも知れない。そこに多重人格治療のカギがあると見るのはうがちすぎだろうか?

 真面目に人に相対するということの大切さを本書は説いている。実は現実の世の中はこんなに他人に真摯に対応しない。いい加減である。相手の辛さはわからないし、自分の生活が大切だ。相手の中に一歩足を踏み入れることができない。もし、それが出来ていれば虐待はなかったろうし多重人格も生まれない。そうすれば、女性患者のストーカー行為も生まれずに自殺もなかったのではないだろうか? 元を断たねば負の連鎖を断ち切るのは難しい。

 多重人格をキワモノとは見ずに描いた本書は非常にレベルが高い。著者の多島氏には、キワモノと見られがちなモノを題材に真っ向から取り組む力があるような気がする。今後もそういうものを期待したい。

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紙の本ホームドラマ!

2004/07/23 08:20

血縁中心家族をひっくり返すか!?

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 全般的に盛り上がりに欠けていた。それは、9人の擬似家族を構成する人がみんな優しかったからだろう。なぜ、一癖も二癖もある人物を差し入れなかったのか?

 民放で放送されたドラマをノベライズした本書は、従来の血縁中心家族とは一線をがしている。9人の男女は全く血縁がない。共通点は最愛の家族をタイ旅行のバス事故で失っているということ。主人公である井坂将吾がどうしてもやりきれない日常から脱却を図るために考え付いたプランに、最初は乗り気でなかった人たちも常識を覆して擬似家族に参加していく。

 家族とはいったいなんなのかという話がでる。少年犯罪や自殺などがマスコミで報じられるとそれが遡上に上ってくる。家族というのはもともと生まれたときから備わっているもの。だから、家族とは?などと考えたりしない。だが、9人もの老若男女を抱えた擬制家族という形態は、家族のあるべき姿を考える上で非常に参考になるだろう。家族を考えざるを得ない。意図的に家族を建設しなければならないから。そういう観点から本書は相当に刺激的である。

 普通に転がっている家族内での事件が発生する。妊娠・授業参観・誕生日・病気・恋愛・いじめ。こうした事件に本当にうまく周りの人間は対処していく。年代を超えた大家族だからこそ出来うる器の広さを感じられる。

 当然、擬制家族だからの問題も表れてくる。父親を呼び戻しに来る本当の家族。マスコミにオモシロ半分で取り上げられる。就職がだめになる。なんといっても、今流行の心的外傷後ストレス障害を抱えた3人の子どもたちをどう扱うかなど。同じキズをもっているからこそ優しくなれるし受け入れられるという理由がそれらの問題を解決していく。

 続編がおそらく放送されると思う。もし、主人公を3人の子どもたちの成長にシフトさせることが出来れば、従来の血縁中心家族を根底から覆す何かが生まれるような気がする。

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紙の本女流官能作家

2004/07/14 11:24

作中の歩美に著者は自己投影している

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 終盤に近づくにつれ、官能度合いが薄まっていった。歩美と雅則の関係に入り込んでいく人物がいないんだもんなあ。登場人物たちに冷静にモノを考えさせすぎているんで、スリルが欠落した。

 いきなり夫婦間の母乳プレイ。ママと息子っていうシチュエーションを微妙に絡めながらお互いに上り詰めるって実はすごい気持ちいいんです。が、これは主人公歩美の書いた官能小説の原稿を雅則が読んでいたシーンだったとなる。ここから歩美の自慰行為や雅則との気持ちいいセックスシーンが挿入されていく。

 彼らは作家と編集者という関係。お互いに家庭もちだが子どもはない。不倫関係だが、他者がそこに入ってくることはなく歩美のいやらしい思念や感情が語られていくという風に物語は進んでいく。また、そこに作家歩美の描く小説が6編ほど随所にちりばめられる。ので、いろいろな設定での官能シーンが堪能できる。

 強姦っぽいのはあんまりなく和姦が多い。女性が書いた官能小説は女性の心理が巧みに描かれており、柔らかくねっとりしっとりとした描写が多いのかもと思う。男の視点で描かれた強姦系官能小説に辟易している人は読んでみるといいかもしれない。

 おそらく著者はこの作品中の歩美に自分を投影しているのだと思う。若い茉莉(作中の登場人物で純文学新人賞を受賞。歩美は茉莉の才能に嫉妬する。)に負けずに純文学書いちゃってくださいよ。

 

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広告宣伝じゃなく広報でマスコミ記事に載せよう

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 マスコミにコネがなく初めて広報をやろうとすれば、企画型プレリリースじゃなきゃ編集者の目にはとまらないね。そんな簡単にマスコミを使って自社を記事にしてもらえるわけないと思うんだけどなあ。親切なら、企画型プレリリースの書き方を詳細にすべきだろう。それをしてないんだから内容はお粗末で金取り主義の本だね。

 とりあえず、本書を参考にして50社ばかりの出版社にメール・郵便でプレリリースらしきものをだしたところ、2社から返事が返ってきました。しかし、当然「今回はご期待にそえません」との回答。企画型プレリリースにしてないから、再びチャレンジしてみます。本書にもあるように何度も切り口を変えて送り続けることが肝心。

 大ヒットの仕掛けには4つのステップがあるという。ステップ1 あるカテゴリーでナンバー1になれる強みがあること。それを打ち出す。ステップ2 顧客ターゲットをブレさせずに特定する。ステップ3 潜在顧客に訴えたいキーメッセージをネーミングやキャッチコピーに表現する。ステップ4 キーメッセージを効率的に伝えるためにどの媒体に働きかけるかなど。

 大ヒット商品のマスコミ戦略事例が実際に11例載っている。本・映画・歌謡曲・飲食店・ホテル・マーケティング・お菓子・イベント・健康食品なんかだ。売れるまでの道筋が詳細でわかりやすい。

 巻末資料として媒体先が載っている。新聞社・出版社などの連絡先がある。

 広告宣伝費を考えたら、この広報活動は経費がほとんどかからない。マスコミに記事として取り上げられたら絶大な効果を発揮するだろう。プレリリース成功事例をもっと載せてほしい。できれば、業種別で。

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会社作るならアメリカで

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 ハワイでの開業方法しか記述していない。会社を設立したいと考えている人は別にハワイで法人を設立して商売しようと思うわけではない。30万円で開業というフレーズに「お!」と思っても、日本支社設立についての話はほとんど触れられていないんだけど。

 株式会社の設立資金が30万円で済む。これは本当である。日本で株式会社を設立しようとしたら、最低資本金を1000万円積まなければならない。最低資本金制度の特例措置によって一円会社が設立可能だが、5年以内に1000万円を資本金として積まなければならない。ところが、アメリカだったらその必要はない。

 アメリカに本店登録をして、日本支社を作ることができる。これによって、アメリカの会社ではあるが、実際には日本のみで営業活動を行うことができる。

 ハワイに在住している日本人の会社の事例を沢山載せているし、実際営業するための活動準備の詳細についても丁寧にわかりやすく記述されている。

 起業がなんだか日本でははやっているみたいだが、アメリカでの会社設立はいろいろな可能性を広げてくれそうである。アメリカに開業するメリットは本書に書かれている以上に沢山ある。登記の際の役員は1名でいいとかいったことだ。日本だと4名必要だからねえ。そういうことももっと詳細に書いてほしいものです。

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脳の生理異常

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 脳がもたらす様々な生理異常を紹介している。その生理異常がだからなんなの?っていう感じ。結局、その生理異常は人間にとって何を意味するのかという作者自身の問いや答えが全くないからちょっと面白くなかった。

 10種類の生理異常を挙げている。「季節性感情障害」と「共感覚」っていうのは知らなかった。前者は、冬になるとひどいうつ障害に陥る症状。原因は寒い気候だからではなく、資格を通して脳が受け取る日光の刺激が少なくなるために起こるらしい。脳内ホルモンのメラトニン量が増大する。後者は、音を聞くと色が見えるといったある感覚がきっかけとなって別の感覚が鮮やかに知覚される症状。原因は特定されておらず、大脳皮質よりも大脳辺縁系の血流量が増加するところまでしか研究の成果は出ていないらしい。

 その他にも「既視感」「左利き」「絶対音感」などの脳内生理現象を説明している。平易な言葉で書かれているのでわかりやすい。

 各章の冒頭では、自分にそうした生理異常が存在するかどうかを簡単にテストできるようにいくつかの設問が設定されている。やってみると面白い。

 表紙にはどうしたわけか小泉首相の顔が載っているが、本書の内容とは全く関係がなかった。なんで載せたんだろう? 脳の生理異常をもった多くの偉人たちがいた。彼らはその特殊とも言える能力を使って数々の奇跡を起こしてきたのではないか? その部分にもっと触れて欲しかったなあ。

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紙の本12星座・あなたの運命

2004/06/28 06:39

神話が語られている

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 第3章「守護星別に見る・あなたとの相性」と第4章「占星術で見る・あなたの生き方」はよく占いにでてくる奴で、ページ稼ぎとしか思えない。無駄でしょう、紙の。

 占星術と聞くとなにやら怪しげだが夢がある。その夢を形作るのが神話ではないかと思う。本書では12星座の由来、いわゆる神話が語られている。その星座をもつ人の特徴も神話の登場人物にしっかりからめている。説得力があるというよりも、神話の人物の運命と自分をシンクロさせながらいい気分にさせてくれる。

 一つひとつの星座について、著者がかなりの分量のエッセイを記しているのは今までになく斬新である。

 読み物として、秋の夜長に眺めるように見るのが本書の読み方であろう。それだけ丁寧で奥深いものがある。

 星座別の物語を作るなんてのがあってもいいと思う。当然、そこには現代の神話的な要素もからめてほしい。

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紙の本子どもの脳が危ない

2004/06/25 08:21

胎児期のアンドロジェン量が男性化のカギ

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 環境ホルモンを蓄積する前に子どもを生んだほうがいいから、早婚を積極的に勧めている。化学物質が氾濫する現代では汚染のまだ少ない若い年代で妊娠・出産するほうが安全と言い切っている。安室奈美恵の方が黒木瞳よりもダイオキシンの子どもへの伝達量が半分で済んでいると断言している。この理論を実証するためのデータだけないんですけど、本当なの? 少子化を食い止める理論として政府の宣伝マンになっているんじゃない?

 かなり刺激に富んだ本である。過激な少年犯罪があると、人は親のせい学校のせい社会のせいで括りたがるが、それは間違いだという。基本的には、生物・心理・社会面の3点に渡って総合的に判断しなければいけないと語っている。そのうちの生物面の重要さを説いている。

 脳の器質的障害。それも胎児期か出産前後にカギがあると見る。数々の犯罪者の精神鑑定の結果から生物面での原因を強く提唱している。彼の理論の骨子はこうだ。1.まず、胎児期か出産前後に、なんらかの原因で、脳の形成異常ないし脳障害が生じる。2.その結果、学童期には多くの場合「注意欠陥多動性障害」を示す。3.その後の思春期には「行為障害」を示して非行少年となることが多い。4.成人後には、「反社会的人格障害」「境界性人格障害」と診断されることが多い。5.脳に障害があっても、表面的には人格障害や行動障害を示さないサブクリニカルな状態を維持する者の中に、特異な刺激やストレスに反応して、唐突に重大犯罪に至る人々がいる。重大犯罪を犯す人全てが器質障害を持つとは言っていないが、その割合は高いと見る。

 また、少子化の原因の一つに男性の精子数の減少とその活動性の低下を挙げている。環境ホルモンの影響でメス化が進んでいるらしい。その他にも目から鱗の落ちる指摘が満載である。脳の微細な異常を表現する心理テストとして「風景構成法」の「構成放棄」に注目すべきである。男子の脳の形成が女子のそれに比べて複雑で屈折が多く、それゆえ形成過程では傷つきやすい。少年の殺人数は1965年から急激に減少し現在は横ばいである。自閉症の原因は脳の機能異常によって起こることが定説である。テレビの暴力は代理満足と学習増強の2面効果がある。といったものだ。

 精神鑑定では見えない生物学的な脳障害。ここにメスを入れることが大切だとわかる。ただ、環境ホルモンによってメス化するにも関わらず、キレルという攻撃性をも亢進しているという矛盾にはしっかりと答えていない。ここの検証を期待したい。

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紙の本The 2nd lovers

2004/06/24 08:12

恋愛の成長過程を描く

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 3話ある中のレインボウ・フィッシュだけは二人の関係がかみ合っていなかった。ただ、状況を書いているにすぎない感じがした。

 第1話レインボウ・フィッシュ

 亜紗美は詩仙院が好き。寝る。心が通い合わない。リュウセイは亜紗美のやり友。だが、リュウセイは亜紗美に惚れる。理想の詩仙院に振られ、リュウセイに告白されるが…。

 第2話ア・タッチング・ビューティ

 未生は真珠が好き。が真珠は歯牙にもかけない。クズな自分は出張ホストで女をだまそうとする。何人もの金づるからどんどん離れられていく。残った一人のサユミだけとは寝ていない。別れの言葉は自分からと思っていたが…。

 第3話ブリリアント・プラチナム・スター

 ナヅナはマサムネが好き。マサムネにとってはキープ。いつもいくクリーニング店の高瀬から映画の招待券をわたされる…。

 理想の異性を探し、到達したかに見える主人公たち。しかし、第2位(未生は違うけど)にしかなれない。ただの性欲処理係。彼らが表面的に求める理想系では幸せになれない。潜在的な理想が近くにあるのに気づかない。

 未生はサユミから男冥利に尽きる言葉をもらうが、時すでに遅し。こんな別れは現実にありますね。好きだから別れなければならない切なさ。

 ナヅナと高瀬の関係はお互いの価値観がシンクロしているのがよくわかる。ハッピーエンドだ。
 
 1話で亜紗美に考えさせ、2話で未生に解らせ、3話でナヅナに手にいれさせるという図式を描かせていると思う。主人公は異なるが、時系列で成長させるという手法は非常に心地よい。こんな風にうまく恋愛できたらいいのにと思った。

 一夫一婦制度の中での悩みを描いたこの作品。そうした制度に絡めとられない関係みたいのを書いてもらうとまた面白い。そうしないと次に展開しないような気がする。

 

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紙の本木を植えた男

2004/06/23 05:51

出来事の背後の力

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 彼はいったい何者で何を考えているのか全くわからない。そんなんで小学3〜4年生向き絵本なのだろうか? いまどきの小学生を馬鹿にするなよ。

 当時、川島きこさま(皇太子の弟の奥さん)が絶賛っていう帯があって、皇室に嫁ぐ人が薦める絵本とはどんなだろうと思って読んだ。

 あたしはテレビ世代なので、想像力がなく短絡的思考だ。物事をやり遂げるには時間と手間がかかることが理解できない。実際、目には見えないけど、人一人の気持ちを理解することはたやすい。しかし、出来事の気持ち(森羅万象の動きや多数の人の動向)を見抜くのは難しい。木を植えた男は出来事の気持ちをしっかりと押さえている。だって、一人で森や湖を最終的には作ってしまうのだから。まあ、普通は一人で出来るはずがないけどね。あーこういう考え方が想像力がなく短絡的思考と言います。だって、やりようによっては出来るかもしれないじゃないか?

 男が作った森には動物や人が戻ってくる。誰のどんな努力で森が再生されたのかを誰も知らない。当たり前に存在しているものの裏に多大なる意志の力があることを人は忘れてはならない。いや想像しなければならないということをこの絵本は説いている。そうするとばかげた50分もののテレビドラマも、くそ真面目に考えて手間ひまかけてやっているんだなあと思ってしまいます。

 こんな奥の深い絵本がもっと沢山でてくればいいのにと思います。

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紙の本潤一

2004/06/22 10:06

注入屋潤一

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 最後の潤一の章はなくてもいいと思う。潤一の行動原理はすでに9つの章で立証済み。彼に語らせて彼の頭の中を覗いて見たってなんにも出てこなかったじゃないか。

 潤一と9人の女性との出会いから別れ。潤一は簡単にセックスするくせにそのうち3人とはえっちしてないんだなあ。ここに彼の行動原理の一端を見ることができる。そして、千尋の章で「あなたは、いつもこんなふうなことをしているの?」と問われたときの答えの中にも彼の生き方が出ている。

 表面的に見ると最年少瑠依14歳が考えた「あたしのことも、自分のことも、こいつ何も考えてないんじゃないか」という指摘は正しい。彼女が学生だからこういうところにまで思考が至ったのだろう。20歳以上になると、生活することでいっぱいいっぱいだからねえ、人は。

 一生懸命というのは自分や他人が納得するように説明するという性格をもつ。そこでは何らかの事情はあるにせよ、論理的妥当性が存在することを説明しなければならない。そうすると必ず、自分がこのままじゃダメだとか。もっと頑張んなきゃとか。考える。そんなときふと「なんか生きるのって面倒だな」「死にてぇ」と思う。狂おしいほどの自殺願望ではなく「死んだら何も考えなくていいんだろーなー」という憧れに似ている。普通、人は生活がうまくいっているときにはそんなことは考えない。登場する女性たちはなんとなくこんな思いを抱え始めている。そこに潤一の登場である。

 おそらく何人かの登場してくる女性は1年前に潤一と出会っていたら、全く彼に心惹かれなかったかもしれない。タイミングがよかったのだ。女性のエネルギーが枯渇しているところに、突如として現れセックスでエネルギーを注入してやる。これによって女性たちは「死にたい。死のう」という虚無に陥らないで済むのだ。しかも、エネルギーを充填しすぎることはない。ころあいを見て去っていく。そうしないと潤一自身の身が持たないし、未来には何人もの女性が待っているから。ということで潤一は神の子としての役割を果たしていく。おそらく彼は触媒だろう。だからろくでなしでもいいのだ。

 相手が男性だとこうはいかないだろうなあ。潤子っていうので、潤一と全く同じことをすると、男たちは「なぜ? どうして?」って絶対追求するからねえ。それに挑戦してみてほしいな。

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紙の本アダルト系

2004/06/21 07:27

いろんな人たちがいる

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 第3章「エロメディアな人々」は著者が物書きのためか業界の歴史に終始した感があり、面白くなかった。専門分野を扱うとこんな取材になっちゃうんだろーなー。やっぱ、素人の視点で今を描いてもらわないと。

 第1章「マニアな人々」第2章「風俗な人々」では、その分野の人がどうしてそこに埋没しているのかという心情をつまびらかにしている。刺青や女装の意味を著者は取材を通してその空気を読み取っている。女装では体験取材をして女の子の気持ちがわかったらしい。

 第4章「裏ビジネスな人々」では、盗聴・雇用調査・死体洗いなどがほんとにあるのかどうかを突っ込んで調べている。超高自給アルバイトの死体洗いの取材は難航を極め、結局そんなアルバイトはないらしい。伝説だったみたい。

 ブラックジャーナリズムって総会屋のことじゃないのかなあ。国会議員がみんな読んでる国会タイムズっていう政治業界紙があるのは初めて知った。

 危ない橋を渡るという取材は本書から読み取れなかった。ひとごとだからだけど、もっとやばかったあという体験取材を織り込んでほしい。そうすればかなり引き込まれたのに。それにしてもいろいろ勉強にはなりました。

 

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簡単!豪快!新鮮!まさにその通り

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 第4章の漁師料理の数が少なすぎる。92品しか載ってない。300品くらい載せてもらわないとぉ

 海釣り好きな私としては、この漁師料理は憧れだった。釣ってすぐに調理して食べるという豪快さは格別の味を出す。今までかつおの水なます。アジの大葉揚げ。サバの漁師バーグ。イカの沖漬け。イカ飯。ブリのあら煮。イワシのつみれ汁。これらはほんとにうまかった。やっぱ、シンプルな料理が一番おいしいものです。

 表紙に簡単!豪快!新鮮!と書いてあるように漁師料理の定番がずばんと載っている。漁師料理アラカルトでは、1ページに1作品。材料やアドバイスをきちんと書いてくれている。最もいいところは、調理法が図示で全て指示されているところだ。これなら面倒な人でもやってみようかなとなる。

 漁師料理が全く初めての人でも、道具の説明・下ごしらえ・調理基礎編があるので迷うことはない。かなり親切な本である。

 ここに出ている漁師料理は全て家庭料理向きにアレンジされている。著者の藤井氏が自ら現場に出向き教わった料理法だ。実はまだまだ沢山漁師料理はあるのだという。自分で現場に行って教わってくることをオススメするそうだ。

 目次を見ると魚料理は50音順ではない。一つの魚に一つの料理があるというわけでもない。調理法別で載っているわけでもない。全くのばらばらである。もうちょっと分類分けしてもらったものを手元においておきたいなあ。

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紙の本パンク侍、斬られて候

2004/06/18 07:48

冠状動脈作家の抜刀

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 物語の終末に向けてかなりいい線いってたんだけど、最後はまともな落ちで終わらせている。宇宙が膨張していくに任せて強烈な笑いで終わらせるのかと思ったんだけど、やっぱ落語家じゃなく文学者なのか?町田氏は。

 抱腹絶倒から一転していつのまにか恐ろしいほどの緊張感へと移行させる手腕には恐れ入る。いかがわしい宗教腹ふり党大幹部茶山との出会いのシーンや猿大臼と元ご家老大浦とのかけあいでは、それが強烈。コントだと思ったら、人物の語る言葉に神妙に耳を傾けてしまっている。

 人物を次から次へと被せていく手腕には脱帽する。普通これだけ新しい人物を登場させていくと混乱するものだが、全くそういうことはなく新旧ともにストーリー上重要な役回りを確実に占めていくのだ。超能力者の虐げられ方をたった10行程度で表現。出来る上司のあり方についてもほんの10行程度で語っている。最近の若者の傾向をほぼ4ページでまとめあげる。大きな物語の中にまた小さな物語を入れ込むというのも出色だ。

 終末部分の戦闘では、物すごい勢いで人らが死んでいき、人物名と享年を言うところではやけに哀切を感じさせる。主要人物の表と裏の口を語らせて、内面に細かく踏み込み表裏を棲み分けするときの豊富な語彙量はなかなか他の小説ではない。町田氏にネームをつけるとしたら、心臓の冠状動脈作家とでも言ったらいいだろうか? なんか自分の心臓にびっちり言葉が張り付く感じなんだもん。

 こういう楽しい小説はなかなかない。いわゆる時代劇だけじゃなく、いろんな時代、例えば縄文時代とか平安貴族時代とかで、パンク原始人・パンク貴族を再び斬ってもらいたい。

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