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  3. 13オミさんのレビュー一覧

13オミさんのレビュー一覧

投稿者:13オミ

80 件中 16 件~ 30 件を表示

紙の本キヤノン特許部隊

2004/06/19 05:35

知的財産権は交渉力で勝ち取れ

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 知的財産権って言葉が出てきてからどれくらい経つのだろうか? あたしには無関係だなと思っていたけど、世界ではかなり大切なことらしい。しかし、第二章の「戦略的特許ビジネスとは」の中に書いてあることはよくわからなかった。丸島氏へのインタビューで話をまとめるって形ならもっと素人読者にわかりやすく出来ただろうに。

 最近、法務部っていうのがにょきにょきと各社に登場しているが、ここが会社の知的財産権をつかさどる。自社の発明を守る・独占するということで会社の利益を誘導するのだ。弁護士が出てくるドラマは殺人がからんでいたが、そのうち企業法務系の弁護士ドラマがはやるだろう。天海祐希が出演してるドラマ離婚弁護士なんかそうだろうね。これ面白いです。

 キャノンは外資系だと思ってたけど日本の会社だった。ここはメーカーなんだけど、鼻から日本国内需要は相手にしてないのです。昔から西欧と闘ってきたんだということが本書を読むとわかる。アメリカのプラザ合意以降のプロパテント政策に真っ向から挑んだ気概のある会社だ。だから不祥事もほとんどないし、優良企業なんだな。友達で入社したのがいるけど、彼は先見の明があったといまさらながら思う。

 特許というのは独占できるということだが、企業での使い方は独占ではないらしい。ややこしいが、クロスライセンスが主体だと言う。クロスライセンスとは、相手企業の技術と自社の技術を相互に使えるようにすることで、まあ、技術の等価交換みたいなものである。相手が研究した技術と自社の技術を組み合わせて新しい製品に生かす。このほうが開発コスト・時間が削減できる。そこで出てくるのが交渉力だそうだ。相手企業のおいしいとこを吸い上げて、こちらの利益をどう誘導していくかが肝心。丸島氏はアメリカでかなりきつい交渉をやってきているので、それが今生かされているということだ。裁判や訴訟を行う前に交渉で決着をつけてしまう力量が必要だと説いている。

 丸島氏が心配していることの一つに開発の空洞化がある。企業が生産部門を海外にもっていくようになり産業の空洞化が叫ばれた。今、開発部門も海外へと流れている。日本のマーケットは世界的に見ると小さい。当然、海外に市場を企業は求める。すると、生産や開発が海外マーケットにあわせた商品を売ると言う観点から移行されるのは自明だろう。このまま行けば日本国内には売るモノもなく買う人もいないという無価値時代が訪れるだろう。あー早く外国に逃亡しなくちゃ。

 会社の法務部の内情を暴くノンフィクションを読みたくなった。著者は丸島氏になっているが、取材・執筆・構成は福井信彦氏である。何者なのかわからないが、今度法務部の実態を書いてほしい。
 

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紙の本武骨の人料治直矢

2004/06/14 08:59

稀代の現場レポートはここにある

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 彼の心の闇に迫るのかと思ったが、料治直矢自身は語らない人だったので、そこは明らかにされていない。著者の深い洞察はなかったねえ。

 父親が最も信頼していたニュースが「報道特集」だった。キャスターが料治というとんでもない名前に合わせて訥々と喋る鬼軍曹みたいな顔が強烈だったのを覚えている。内容も他のニュースとは一線をがしていた。最近のニュースは恰好は良いが、鋭い洞察は全くない。一記者として重い事件に当たるというのは一切ないじゃないか。ガキなのに私は彼のレポートになんか鋭さを感じていた。それ以降、深夜のTBSドキュメントなんかに私は傾倒していったし。

 料治氏はもともとスポーツアナ希望であったが、喋りがもたもたしていて使い物にならないという烙印を押される。それでも頑張って夢を実現!などしない。だって、マスコミはそんなに甘くない。で、東大でてラグビー部でなかなか花形の道を歩んでいた彼はここで挫折を味わう。ところが、彼の哲学や知性というものは本物だから違う分野で花開く。司法記者や警視庁の記者クラブではかなりの大物ぶりを発揮していたらしい。

 彼の哲学を如実に表している部分がある。大学生のとき、英語の試験にでなかったらしい。その理由が「すでに試験勉強は終わり、あとは答案を書くだけだ。それなら、答案を書くのは、単に本郷への進学の手続きに過ぎない。無駄を省く手はないかと教務課を覗いて見たら、単位取得の条件は試験の回数ではなく、合計得点だという。自分の点数を調べてもらったら、これまで3回の試験でOKであるとわかった。それで試験を受けるのを止めにしたのだ。」常に自分の行動に意味をもたせることに彼は邁進していた。これが報道特集にも色濃くでていたのだ。

 料治氏の生い立ちにも言及している。その中で、彼に影響を与えた近くに住んでいた人間にスポットを当てている。血筋は確かに良かった。父親は美術史家だし、母親は女流作家で茶道・華道の先生。その中で、会津八一という豪快な美術家との幼少時代の交流が料治の武骨な性格を形作ったと著者は見ている。

 本書は料治氏から離れて、報道の一線で活躍した周辺の人にも触れ、内容に厚みを加えている。第二章「報道特集の熱」や第六章「反骨の記者たち」がそれだ。

 料治氏は大酒のみで身体を悪くし61歳でこの世を去る。それほど異常な飲み方をしていた。テレビからは全く見えない酒を飲まずにはいられなかった料治氏の生き方を友人はコメントしている。

 料治氏を描きながらも、その動きから報道の歴史にも触れた本書では、現在の報道のあり方を述べることはなかった。著者にはそこにも触れて欲しい。一人の報道に携わる者を描くとこで見えたことがあるはずだから。

 

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「仮説検証型思考」の欺瞞

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 なんかこう言いたいことって最終段落にあるじゃない? 新書系の本は論理的にそう構成されてるのが普通。起承転結でね。ところがこの本は尻すぼみだった。伏線が張られてゴールに向かって集約していくっていうのが全然ない。盛り上げといてフェードアウトだよ。

 5/22〜25までの間に1000件以上。そのうちの3分の2は「総理に感謝すべきだ」「5人の帰国について喜びの言葉がない」などの批判であったという。これは北朝鮮拉致被害者支援組織「救う会」などに電話やメールで寄せられた意見だそうだ。そうした批判に対する支援組織の見解は「総理に敬意を表し、帰国に喜びを表したが、ほとんど報道されなかった」というものだった。あたしも総理の北朝鮮訪問後の報道で、支援組織の方々が「最悪の結果だ」「問題の先送りだ」「子どもの使いだ」と言っているシーンを見た。そのとき私も、ちゃんと総理のことを評価した上でそういうこと言わないとぉと確かに思った。

 本書の中ではそうしたマスコミの報道姿勢を「仮説検証型思考」の欺瞞と呼んでいる。あらかじめ何らかの仮説を立てておいて、その結論に符合する事例や数字ばかりを集めて、これだけ証拠があるではないかと突きつけるやり方だそうだ。今回の報道はまさにそれだった。総理批判という仮説から、その部分だけを誇張して報道するというマスコミの姿勢が招いた。それにしてもマスコミの情報ってほんと信じちゃいけないんだね。2段落に書いた1000件以上とか3分の2という情報すら疑わなくちゃならなくなる(笑) 筆者は仮説検証型思考の欺瞞に陥らないためには現場現物主義でいかないとダメだというようなことを最終的には言っている。でも、全員が全部の事象に関して現場に行って現物を見るなんて出来ないから、やっぱマスコミに頼らざるを得ないよなー。信じるしかないよなーと思ってしまった。

 曽我ひとみさんの夫であるジェンキンスさんの件も詳しい報道はなく、彼が日本に家族と今回これなかったのは総理の交渉の下手さ加減を原因とするように思われがち。彼は在韓米軍時に北朝鮮に渡り、曽我さんと結婚し子どもをもうけた。アメリカ当局としては軍法会議の訴追対象だ。日本で言えば連合赤軍と同じ。怖くて日本にこれるわけがない。アメリカにとっ捕まってしまうかもしれないからね。そうした背景説明がマスコミによってほとんど語られていないし。

 本書は素晴らしく刺激的な内容だ。「品質を上げれば原価が下がるからくり」「サイバネティクス理論」「対米黒字の最大の原因は消費財ではなく資本財だった」などがふんだんな証拠とともに語られる。

 特に彼自身が日本経済復興のために様々な活動をして実績を挙げていることが説得力を大幅に増加させている。現在は本当の不況でないことを個人消費の移り変わりで彼が述べている部分がある。しかし、個人・法人の借金について全く触れていないので、この点では仮説検証型思考に陥っているよ唐津さんと言いたいが。

 題名は解き方とあるが、要求している水準はグローバルすぎて高い。今度は要求水準を下げて理論を具体化した形で説法してもらいたい。

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紙の本Riko 女神の永遠

2004/05/15 14:54

善人前提説は無改善志向

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 愛しているからお気に入りだから許しちゃうよって感じの登場人物相関が連綿と続く。どこかで止めないのかょと思うが突っ走るねえ。キャラクターにけじめがないので魅力がないように思った。

 警察は官僚制度の最も発達した組織である。その組織はペーパーテストの点数で全てを決める。しかし犯人逮捕という戦闘の現場では、テストがなく現場リーダーというポストが上司から任命される。当然、その現場リーダーというポストは官僚制度に組み込まれたポストではなく、上司が任意で作ったものだ。現場の意志は現場レベルでは上司の一存で反映されるが、官僚制度というもっと上層部の中では意味をもたない。そういうことに腹を立て硬直した官僚制に挑もうとすると、官僚のトップに立たなければならない。本気で改革しようと思えば警察庁の事務次官レベルになるしかない。その典型が「踊る大走査線」の室井捜査官だろう。また、官僚のポストを目指す人が全てそうした気持ちでいるとは限らない。単に尊敬を得たり特権を得たりするために上を目指す人もいるだろう。で、この小説はそうした官僚制の後者目的がいかに多いかを訴えている。それは、今事件の原因だから。

 では、なぜ尊敬や特権ばかりを目的とする人間が官僚制のトップに立つのか? それは日本だからだ。もともと官僚制のような一元的管理だけでは統制することができない。テスト一本で人の能力実態を掴むことは難しい。アメリカはそこに話し合いや投票といった俗人制度を合わせて優秀な人間をポストにつかせた。しかし、日本はそうした公の場に入る前に裏工作をする。その裏工作とは賄賂や脅しではなく許しだ。能力に関係なく自分のお気に入りを贔屓するという価値観。結果ではなく、どれだけ伴に一生懸命汗水たらして頑張ったかという経過や関係を重視する。

 極言すれば、アメリカ人は、周囲はみな敵であり居心地が悪いことを前提として考える。しかし、日本人は、周囲はみな仲間であり居心地が良いことを前提として考える。アメリカは悪人説で日本は善人説なのである。よって、アメリカでは悪から善にもっていこうという人が多く排出される。一方、善を前提とした日本は改善などという考えは生まれない。現行の保守をもともと許すのだから、身内での尊敬や特権ばかりを追うのは当然であろう。本書はキャラクターや行動にそれをよく現わしている。官僚の腐敗臭が強いのは、日本人のモノの捕らえ方に起因するのだ。

 主人公の村上緑子は、さんざ裏切られても相手を許してしまう。圧巻なのは、犯罪者と敵対すべき警察官の緑子が職務意識を捨て去ってしまう点と犯人があろうことか…(この点々は読んでからのお楽しみです)。ここまで許しを徹底させたところに柴田氏の問いかけがあると思うのはうがちすぎだろうか?

 RIKOシリーズは3部作完結だが、どれにも警察の腐敗臭が存在する。もし、出来るなら許しと対極にある悪人前提説でも警察を描いてほしい。対比できて面白いと思うのだが。

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失敗の本質は非自己革新組織

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 日本軍は組織構造上、上意下達型機能重視の官僚制を敷きながらも、組織メンバー間の「間柄」に対する配慮も併せ持っていたという。ならば、当時の官僚制の体系図とそれぞれの役職間の間柄について詳述すべきである。組織論的研究というにはその部分の詳細が明らかではない。統帥部長・次長・参謀長・師団長・司令官・提督だとか数限りないポスト名が出てくるが、官僚ポストの相互関連性や誰と誰が密接につながっているのかといったことが全くわからない。

 日本は尻蕾風味が強い。大学入試は入学に意欲を燃やすシステム。大学生というポストを獲得すると自己変革がない。官僚ポストや閣僚ポストもそう。獲得するまでは一生懸命だが、その後は保守。会社もそうだ。当然、これは大きなシステムやポストだけに当てはまるものではない。あたしの前いた会社では、企画・販売のプロジェクトをいくつも抱えていた。さあ、みんなで一緒にやりましょうという掛け声はよかった。計画書もばっちり。そのプロジェクトがうまくいったかいかないか早晩結果がでる。しかしその結果を徹底的に分析してよかった点や敗因を次に変革してつなげるというのをしない。やりっぱなしという奴ですな。これが末端まで浸透している。生き馬の目を抜く市場経済だから、次から次へと新しい何かをしないと追いつけない。そうした漠然とした不安感の中で、検証部門というシステムもなく、個人がそれを行うという矜持もない。急いで闘わないと負けるという戦時中と同じ心理的状況下で、再び日本社会は同じ方法を取っているのだなあと本書を読んでいて思った。

 失敗の本質は、日本軍が自己革新組織と成り得なかったという点であるらしい。戦略>戦術>戦闘という不等式の中で、その全てが一元化や整合性をもたない組織であったという。その部分の詳細は読んでみればわかる。ではなぜ、そんなばらばら状態で闘えたのか? それは「必勝」という精神主義でカバーせよという一丸空気だけは浸透していたからである。精神主義は合理的な革新を妨げる。最後はやる気だよという安易な結論に逃げ込むことを許容するのだ。それを動機・プロセスの重視とも言う。こうしたことが本書ではもっと詳しく語られている。

 それでも日本は戦後経済大国となり、世界的にみても環境に適応してトップクラスにまで踊り出た。負けた原因を解明してよいところと悪いところを整理してここまで来たのだろう。これは当時の日清・日露戦争や太平洋戦争初期の素晴らしい勝利と同じではないだろうか? この後に何がきたか? そう、戦局は負けに傾く。今の日本もそうではないのか? 過去の成功事例に酔いしれ、そこから出ることのできない卑しい保守。組織論は非常に難しいが、私がここまで考えるに至った本書の功績は大きい(笑)

 戦争はしてはいけないなどと観念的な本が多くなっている中、戦争の敗因分析を組織論から徹底的にしている本書は刺激に満ちている。イラク戦争のアメリカ敗因分析本がでればなと思う。

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紙の本君のためにできるコト

2004/05/13 07:40

男女の価値感の相違

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 くまおくんの表情がきつすぎる。優しくない性格だね。思い通りにいかないとキレるタイプだ。二人の将来が思いやられる。

 昔、彼女にこの本を贈った。で、電話でこの本の話になって言い合いしたことがある。あたしはくまおくん派で彼女はくまこちゃん派。「だいたい、いろいろとくまおくんがやってあげてるのに、いつも あのね…でくまこは終わってるじゃん。ちゃんと言葉に出して気持ちを伝えないとだめだ」。「くまこちゃんは口べたなんだよ。言いたくても言えないことってあるんだよ」。これは、当時の私たち二人の状況と似てたところがあって、この絵本を使って自分たちの言い分を相手に伝えていたようなところがあった。まあ、代理戦争みたいなもんかな。

 えてして男は積極的なモノやコトのプレゼントを意識的にやって、相手の反応を見る。そこで、反応が良くないといじいじと考えてしまうのだ。何かをしてあげることで自分の存在価値を感じる。女性は好きな人からプレゼントをもらうのは嬉しいだろうが、どちらかというと、一体感を感じたり安心感を感じたりを好むようだ。お互いの気持ちが手に取るようにわかることに価値を置く。この絵本にはそれが端的に描かれていた。大人のための絵本と呼ぶにふさわしい。

 気が強い男と気が弱い女という構図だが、これは気が弱い男と気が強い女の場合にも当てはまる。可愛い喧嘩だが、大切な男女関係を短い言葉でしっかりと伝えている。

 絵もとても清涼感があって、手元に置いておきたくなるね。

 絵本は短い言葉だから、なかなか言いたいことをしっかり描くのは難しいけど、一発で心に染み渡らせることが可能である。これからもそんな絵本がたくさん出てくるように。

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いい加減な切れ味鋭い動物行動エッセイ

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 駄洒落が多すぎ。あまりにも強引に引っ張ってくるので「ええ!」と何度も思ううちに「おじさん…もういぃょ」としらけてしまった。

 「科学朝日」に連載されていたものをまとめた本書は、題名からして意味不明だ。ところが、かなり会社員にとっては身につまされる話がいっぱいある。短いエッセイの一つひとつに植木不等式氏が感じた世の中に対する鋭い疑問が存在する。

 動物行動を例に出して、人間の生態を斬るという視点は楽しい。全てのエッセイは期待を裏切らずに全く同じ構図を持つ。わけのわからない駄洒落表題⇒会社員の現状⇒偉い人が言った働くということに対する一家言の引用⇒ソロモンの指輪⇒動物行動事例⇒替え歌⇒まとまらない結語⇒表題の意味をかたくなに守るのだ。これはすごいことです。

 付録にある「会社員の生物学的起源」なんかは5つほど載っているが、ここまで馬鹿馬鹿しい理論を展開する意気込みは敬服に値する。とにかく全て斜に構えるという徹底振り。世の中を投げているのか? はたまた、真面目に訴えようとしているのか? よくわからないとこが彼の真骨頂なのだ。

 植木氏にはどこかで再び動物行動学的見地からエッセイの連載を書いてほしいなあと待っているのだけれども…。

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善意行動に対するクレームは怖くない

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 表紙の題名に激しく興味を覚えて読み出すとがっくりくる。使われている言葉が丁寧かつ勤めていた会社が大手かつメーカーなので迫真さや危機感が全然伝わってこない。まあ、安心して読めてしまうんだな。死闘…ってこんなものじゃないよ。

 顧客とのトラブルには様々なケースがある。全てに対応していく後手のクレーム処理では精神がもたない。顧客からのクレームを回避する方法としてこんなのをしていた。顧客からの普通の電話で「ここがちょっとわからないので、これを調べてほしい」「はい、承知しました。では、明日ご連絡差し上げます」と言って電話を切る。で、即行で調べて明日を待たずに当日連絡を顧客に取る。こういうことを普段からやっておく。すると、顧客は「自分は大切にされた。あそこは処理が早い。」とまあそう考えるようになる。これがあると当の顧客からの不慮のクレームでも対応が厳しくならない。これを先行提案とクイックレスポンスと言う。とにかく顧客よりも心理的に優位に立っておくのが大切。中小企業なら出来るでしょう。顧客が少ないから。

 著者はクレーム畑一本で来たような方で、その処理の仕方は抜群である。徹底的にクレーム発生の元を調べ上げ顧客に説明をする。最初に謝ること。これが重要らしい。

 クレーム処理の事例をただ挙げていくのではなく、いわゆるクレーマー(非があってもそれ以上の法外な要求を突きつけてくる客)をタイプ別に論じていたり、クレームの社会的な変遷に言及しているあたりはとても参考になる。

 クレームを発生させないということは不可能に近い。発生後に会社の評判をいかに落とさずに、ただの客をコア客にもっていけるかを考えさせてくれる。こんな人が上司だったら心強いこと限りなしだ。

 本書は基本的に善意行動におけるクレーム処理だった。意図して行ったものに対するクレームではない。しかし、実態は「商売はぎりぎりのところでやる」というように悪意行動が存在する。儲けるためには詐欺かもの範疇までが現実の世界だ。そうした悪意行動が招いた結果のクレーム処理方法を伝授してほしい。

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紙の本シド・ヴィシャスの全て

2004/05/07 10:56

伝説の作り方

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 とにかくカタカナの名前が多くて(当たり前か)、人間関係を把握するのに手を焼く。それに輪をかけて、まるでパンクの生き方そのままに文章は構成もへったくれもなく進んでいく。ところどころ主語がない。あー読みづらい。

 パンクロックに喧嘩や怪我はつきものである。バイト先の同僚がパンクスでいつも生キズが絶えなかった。「あーライブは、いつも喧嘩だよ。客とはしょっちゅう殴り合い。ギターなんかぶっこわすし」 頭に包帯巻いて仕事していたこともあった。パンクは音楽なのかそれとも…。

 セックスピストルズは、その短い生涯ながら今でもパンクの神だ。べーシストであったシド・ヴィシャスに至っては永遠のカリスマとさえ言われている。彼は21歳でこの世を去った。激烈な人生と言っていい。なぜ、この21歳の男がここまでに崇められるのか? それを知るにはピストルズの遍歴を見るとわかる。

 彼らは当時のパンクムーブメントに乗りイギリスで小さく暴れていた。シングルがチャートに上るようになったとき、テレビの生番組に新人バンドとして出演。
そこで隠語を連発。全国紙の一面を飾る。以降、レコード会社のEMIから見放され、どこからも出入り禁止を言い渡される。そしてようやくシドが正式メンバーとして加入する。ただ、捨てる者あれば拾う者ありで、この強力なパンクバンドを売り込んでやろうというマネージャーのマルコムはA&Mレコードと契約を結び、アメリカ本土上陸の足がかりを掴む。もつかのま、ピストルズは蛮行を働き7日間でクビ。エリザベス女王をこけ下ろす曲「ゴッド・セイブ・ザ・クイーン」の売り出しに全面協力したのはヴァージンレコードだった。圧巻なのは、シングルが5日で15万枚売れ、シングルチャートでトップになったのに、素行がよくないという理由でチャートから外される。というように次から次へと傍若無人な振る舞い。それをすればするほど、ピストルズの勢いは客を熱狂させた。

 そんな中でシドはベースがへたくそだったらしい。後年、ボーカルのライドンはシドはお飾りだったと言っている。彼の人気の秘密は、その甘いマスクとセックスやドラッグに塗れた暴力的なパーソナリティをPR戦略として事務所が使ったからに他ならない。政治的な反体制思想があるのではなく、自己解放するための暴力をそのまま野ざらしにさせるという手法を使ったのだ。これは強烈に若者に訴える。さらにそうしたマスコミの手を離れても今だ彼が伝説でいるのは、恋人ナンシーを手にかけたといういわれのない罪と彼自身のドラッグ死だろう。激しくダークな生き方であったにも関わらず、全世界のパンクスにとって、彼のイメージはどこまでも純粋にひた走る子どもの姿なのだ。

 今の日本の音楽シーンを考えると伝説はありえないだろう。ここまで無謀に振舞えるバンドはいない。が、ぜひ、ぜひ出てきて欲しい。
 

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紙の本哀愁の町に霧が降るのだ

2004/05/01 12:24

失恋の特効薬

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 だらだらと垂れ流される椎名氏の自伝話。洗練されたヒーロー的要素も瑞々しい感性もない。昔はよかったのだと牧歌的な感慨に浸るだけ。

 大学生の頃、サークルにすごく好きな一個上の先輩がいた。何か班活動のようなものを行って、彼女はその班長。私は班員。急速に仲良くなった。デートを申し込んだ。闇雲に好きで、そのデートの帰りに思い切って告白。が、彼女は無言になり怒っている様子。「あー失敗した。ちょっと早かったか。今日は静かに帰ろう」などと思っていたら「ちょっと話がある」と言われて喫茶店へ。なぜ話し合いなのか? 恥じをさらしていた私はほんとに帰りたかった。そこで延々となぜ告白したのかと説教され、さらに自分は白馬の王子さまを待っているだとか好きな芸能人にもし告白されても困ってしまうだとか博物学者南方熊楠が好みだとか言われる。あたしは王子でも芸能人でもない。すかすか脳しかもってないあたしは博物学者でもない。(ごめんなさい、話はなかなか始まらない)

 決定的だったのは、大学の図書館で待ち合わせをしたのだが、いつまで経っても彼女は現れない。友達に聞いたら、帰ったんじゃないか? 当時、携帯はなかったため直ちに彼女の実家に電話するが帰宅していないとのこと。仕方なく家に帰ると彼女からの宅急便が届いていた。「は?」と思って急いで封を切ると便箋3枚に字がびっちりしたためられていた。あたしの能力ではもう処理しきれんと思った。それでも好きなことに変わりはない。ふと封筒の中味を見ると、一冊の本が入っていた。椎名誠氏の『少年と海』という写真集だった。

 (話が長くてごめんなさい。まだ話は始まらない)で、最終的には好きなんだけど、自分は彼女にふさわしくないというジレンマの中で最後通牒の手紙が届いた。公園で、その手紙の中にある「さようなら」の文字を発見したとき涙がとまらなかった。何日か経っても心のキズは癒えない。女々しいことに、もらった椎名誠氏の本を何度も読む。女々しいことに彼女が好きであろう椎名氏の他の本も読みたくなった。そこに登場してきたのが『哀愁の町に霧が降るのだ』だった。

 おもしろかなしずむ? スーパーエッセイ?〜なのだ? 強烈に引き込まれていった。「なにこれ? オモシロすぎるぅ」腹を抱えて笑ってしまった。自分の悲しすぎる境遇も忘れてむさぼるように読んだ。大げさだけれども、救われる思いだった。

 彼の言葉は独特で強烈に楽しい。プチ凶暴でシニカルなのだ。読んでもらえばわかる。世の中をオモシロおかしく渡っていく爽快感がある。読み終わった後、びっちりと敷き詰められた雲間からおてんとさまが顔をだした。恋愛でうじうじしてても始まらない。

 振られて苦しんでいる男性諸君、この本は特効薬である。彼の胸に身体を預けて泣き笑いしなさい。そこには新しい世界が待っている。

 椎名氏は小説ではなく、エッセイに卓越したものをもつ。もっと昔のようにびしっばしっと世の中を市井の視線で斬って捨ててもらいたい。 

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紙の本東電OL症候群

2004/04/27 12:56

司法は闇独立

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 テレビや新聞は事件の状況について同じことを何度も何度も報道する。それと同じように一回説明した事件状況を再び登場させるために「またか…」と辟易させられる。事件状況の説明は一回でいい。新しい情報があるときだけ追加で書き足せと言いたかった。さらに、ゴビンダ氏の裁判における公判内容の説明では何を言っているのかよくわからないところに何度もぶち当たった。難しい法律用語や複雑な解釈をようする公判内容は平易な言葉に置き換えたり、解釈を噛み砕いてもらわないと理解できない。何度も「ん? これはどういう意味だ?」と立ち止まらなくてはならなかった。読み進めるのが非常に困難だった。

 法曹資格を持つと裁判官か検事か弁護士の道に進むことができる。知り合いの弁護士に「どうして裁判官にならなかったんですか?」と聞いたら笑われた。「だって、転勤はあるし給料だし聖人君子のような生活を求められるんだよ。そんなの耐えられる? あたしには耐えられない。さらに、ある一定の期間の中で処理しなければならない裁判が振り分けられる。休む間もなく次から次へと仕事が来るんだよ。そんなの誰もやりたがらないよ」裁判官のストレスは常人には理解できないものがあると言っていた。そうした中で東京高裁のゴビンダ氏再勾留決定以降の佐野氏の司法追及を複雑な思いで読んだ。再勾留決定に関わった判事村木の児童買春・児童ポルノ禁止法違反。2審判決で逆転有罪とした高木裁判官の過去。司法当局者の人間性にまで踏み込んだ点は素晴らしかった。

 また、混沌とした被害者の行動がどこからくるものなのかを解明しようとする佐野氏の姿勢には頭が下がるほどのものがあった。被害者である渡辺氏が社会的に見て自堕落とも言える行為をきっちりこなしていたという不思議を調査の上推論していく。
 
 海外のマスコミがこの事件をどう捉えているかについても数々の外国記者との取材で明らかにしている。

 昨年、最高裁はゴビンダ氏弁護側の上告を棄却した。佐野氏が言うように司法は自殺にとどまらず、自らの死体にナイフを刺すという死体損壊を行った。また、裁判員制度なるものが突然降って湧いてきた。この制度の詳細はまだ明らかでないが、ランダムに25歳以上の一般人が指名され、それを断ると罰金が科せられるそうである。それを聞くと司法には、なにやら恐ろしい魔物が住んでいると思わざるを得ない。佐野氏はこれからどういう取材を進めていくのだろうか? その動向に興味を抱かずにはいられない。

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紙の本白き手の報復

2004/04/20 09:31

6つのうち4つは駄作

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 6つの短編からなる小説集。そのうち4つは全然面白くない。だって、あらすじ全然覚えてないし、読んだ記憶すらない。どうして、ここまで収録された短編に温度差があるのか? 作家って大変だなあと思った。それにしても、表題が面白くなかった短編「白き手の報復」にしてるのが解せません。まあ、読んだ理由はこの表題があったからなんだけどね。報復って言葉に惹かれました。

 「少女の死ぬ時」はちょっとショックだった。二人の医師が病室で危篤の少女の心臓マッサージをする。いつ医師はその手を止めるのか? すごぃ緊迫感。二人の医師のやり取りからその情景がはっきりと伝わる会話。最後は「ああ、そうか。そうしたか」となんとなく共感する。

 「遺書の告白」は泣きました。癌に侵されたお父さん。平和な4人家族に訪れる静かな別れ。どの家庭にも訪れるかもしれない状況を描いてみせる。会話で4人の家庭の雰囲気をはっきりと映し出す。読んでると、自分の家族のことをいきなり考えさせてくれるような作品です。

 渡辺氏の作品は好きなんですが、冒頭で書いたように作品ごとの出来不出来が激しい気がします。もっと安定した仕事をしてほしい。特に彼が医師であったということを考えるともっと病院や死についての作品を書いてほしいと思います。

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紙の本うつくしい子ども

2004/07/10 08:57

少年犯罪の親たちを愚弄している

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 弟の女児殺害の理由を兄にフィールドワークをさせて特定していく。兄の成長の物語としては抜きん出ている。また、扱った題材も少年の快楽殺人でありセンセーショナルだ。

 第1章は全くいらない。なかなか事件に到達しないからねえ。登場人物の紹介だったのかもしれないが、冗長で読んでて飽きた。

 このミステリーは女児殺害の理由はなんなのだろうかという謎で読者を引っ張っていく。しかし、その理由がお粗末。第三者の介入を示唆するあたりから興味を失った。いかな子どもであろうとそう簡単に洗脳はされない。ましてや中学生に。国立中だかなんだか知らないが、学校も手が出せない生徒の自治組織の存在からして夢のような話だ。

 警察署長が加害者の親として自ら命を絶つという筋書きも世の少年犯罪の加害者・被害者の親たちを愚弄している。少年の心の闇を深く追うという真摯な姿勢が著者には足りない。読めば読むほどに腹立たしくなった。アーノルドシュワルツネッガーの映画「プレデター」かと思った。

 世の中を震撼させる少年の重大殺人が関心事になっている現在において、ミステリーとして表面をなぞるのはタブーだ。もっと研究して書いてほしい。

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紙の本博士の愛した数式

2004/05/30 06:12

過去の非共有からくる浅い関係

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 喫茶店でこの本を読んでいて、たまたまある曲が流れてきた。宇多田ヒカルの「誰かの願いが叶うころ」だった。曲調・歌詞が本書の内容・雰囲気にピタリと来て落涙しそうになり急いで店を出た。

 心に残る本というのは「ひっかかり」がある本だと思う。私にとってのひっかかりとは、登場人物が現実を受け入れることの出来ない心をもち、それに抗うために行動し発言することだ。そうした言動が私の心に烙印を押し永遠に記憶を残す。悲劇とも言う。博士はどうしたわけか自分の現実を受け入れてしまっているように家政婦とその子には振舞う。完読して自分に聞いてみると、本書は永遠性を私の心に刻み込まなかったと言った。家政婦とその子ルートの思い出が博士の心に刻みこまれないのと一緒だ。

 殺人事件の原因は過去にある。生い立ちというものにその原因をもってくる小説は多い。過去に縛られる人間の性といってもいい。しかし、博士と家政婦とその子ルートは過去を共有できない。博士の新しい記憶は80分しか持たないから。確かに数学の定理や阪神タイガースの江夏は過去として共有が可能だが、その共有感はどこまでも浅い。

 博士の過去が明らかにならない。母屋に住む未亡人との関係がキーポイントになると予想されるにも関わらず、最後まで博士は未亡人との関係を語らないし家政婦もその子も博士の深いパーソナルな過去を自ら聞くことができない。これでは浅い人間関係にしか至らないだろう。小説の面白さが半減するはずだ。善悪の彼岸にある真理(数学)を持ち出してしまえば、なんだかよくわからない瞬間の美しさは描けるが話は前に進まない。ここに深い友愛や親愛というものが存在するだろうか? 博士の過去を聞かなかったことに家政婦は後悔の念すらもたない。過去を語る単なる家政婦のお話だった。深みを根こそぎ削った設定だった。

 スマートな作品に仕上がった本書とは対極に位置する小説。過去が次々暴かれて、それを受け入れられない人間同士の葛藤。戦いの末、相互受容していく物語を小川氏には描いてほしい。
 

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紙の本住所田園調布職業ホームレス

2004/07/27 09:36

自給自足ホームレス

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 ジャーナリスト岡田氏のあんな長いあとがきはいらない。ホームレス青山氏が述べてきたことを後追いする言葉になんの意味があるのか。あと、写真が少ない。多摩川の自然の中で生きる青山氏の情景が浮かび上がってこないぞ。

 多摩川で天然の鰻や鮎や手長海老を捕って食べるホームレスってどんな贅沢ものなんだろう? そもそもそんな魚が捕れるのか? ホームレスというと新宿などを棲家とした拾い喰い集団だと思っていたが、全然違う。彼は拾い喰いは絶対にしない。自給自足の生活を多摩川という豊かな自然の中で送っている。とはいえ、自然の中でたった一人で生きていけるはずもない。当然そこには人との交流がある。いろいろなモノを差し入れしてもらったりして助かっている。そんな路上生活者である彼は一方的な憐みを享受するだけではない。人命救助をしたり河川敷の清掃も欠かさない。多摩川に来る人たちにご馳走を振舞ったりもする。そうやって、自分の住処を確保するための処世術を身につけている。

 路上生活者というところを除けば私たちの社会生活と彼の生活はほとんど変わらないと思う。自然と人の恵みを受け入れて、その分自分にできることを自然や人に施す。至極当たり前のことをしているように映った。そして、それはいつでも社会に復帰してもよいよう準備を怠らないという姿勢にも通じている。

 社会的な負け犬だが、彼は強く逞しく生きている。人は負け犬にはなりたくない。だから、つまらない苦しい仕事でもやっていく。あるいは人を裏切ったりして到底人の道とは呼べない行動に走ることがある。しかし、誰もが多摩川にいる彼に会いに行きたいと思う。彼のように自然の中で、人を裏切ったりしないで、自由に生きたいと思っているから。

 幸せな生き方とはいったい何か? 静かに考えさせてくれる彼のモノローグ。ホームレスであってもその生き方には多様なものがあったのだ。日本ではなく、先進諸外国にもホームレスはいる。そこの人たちの暮らしぶりも見てみたい。

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