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もんきちさんのレビュー一覧

投稿者:もんきち

27 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

みんなが仲良くしなければチームワークは発揮できないと思っている人に

11人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

この本を読んで、マネジメントとは結局チームワークを発揮させることなんだとあらためて思いました。ただし、そのチームワークは一般に信じられているように「お互いの友情と信頼」によるものではなく、各自が求めるものを手に入れるために比較優位を最大限に活用した「チームワーク」です。熱血高校野球を求める人には物足りないかもしれませんが、チームワークに全人格的にベタベタな一体感が必要ないと聞いて「!」と感じる方にはぜひ読んでみてほしいと思います。
もちろん、これは「教科書」なので、「現実は教科書通りにはいかない」ことを承知しておく必要はありますが、現実に教科書の「公式」をどう当てはめてみればよいか、が非常に分かりやすい優れた教科書です。だって、「マーケティングとは顧客を創造することだ」なんて言われても、「野球部にとって部員も顧客だと考えて、自分の次の行動を考えてみたらいいんだ。」なんて思わないし、それで、どんな成果が得られる可能性があるか、なんて、それこそ想像もつかないじゃありませんか。それがストーリーに乗せてきれいに納得できてしまうのです。
もちろん、マーケティングやマネジメントと言ったところでそれぞれの登場人物の想いや気持ちが計算ずくでコントロールされるわけではありません。むしろ、そういう想いや気持ちを満たしながらどうやって目標を達成する(つまり、幸福になる)のかを考えるのがマネジメントの本質だと再認識しました。

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紙の本

紙の本世界屠畜紀行

2013/02/24 21:33

魚はおろせても、肉はなかなか・・

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

初出が「部落解放」と言う雑誌、と聞いて「そういう本か」と思ってしまう方も多いような気がしますが、あくまで屠畜の現場を取材して回った、まさに「紀行」文です。著者自身は(私と同様)部落問題とは無縁に育ち、屠畜にかかわる職業差別もあるとは知ってもなんか実感のない状態。実感がないので、強硬な反対論も出てきません。そういう意味では、差別に反対する人が「実態をわかってない」と批判するかもしれません。それでも、知らない人が多すぎるこの話題を、韓国やアメリカをはじめ、国内を含めた食肉産業を自分が見聞きした範囲で正確に伝えよう、という思いが伝わってきます。

日本以外でも屠畜の現場は差別されていたり、差別されていなくても動物愛護団体の標的になっていたりで、取材するにもいろいろ苦労があり、そういう体験の中で食肉産業の置かれている社会的立場が見えてきたり、と言うことはありますが、あくまで中心は「生きている動物をこうやって食肉にするんだ!」という加工技術。著者はイラストレーターでもあるということで、本人が書いたスケッチとともに細かく伝えています。イラストレータの観察眼もあるのでしょうが、知らないことを知りたいという好奇心とあわさり、迫力ある楽しげな文章で楽しく読み進められました。

この本を読もうと思った時に思い出したのは、ヨーロッパの田舎で冬に備えてブタを殺して保存食に加工するドキュメンタリーのテレビ番組。小さな子供を含めた一家で集まって、屠畜、解体、加工をしていました。それまでは、「鳥を絞めるところを見て以来、肉が食べられなくなった」と言うような話ばかり聞いていたのでショッキングだったのですが、考えてみれば、食べているのに殺すことにショックを受けるほうがおかしな話です。もちろん、直接殺す場面を見てショックを受ける人はたくさんいるでしょうし、その感覚を否定するつもりは全くありません。私自身、親が植木の手入れをしていて芋虫を殺しているのを見て「かわいそうじゃないか」と言ったこともありました。だからこそ、こういうことはきちんと知っておくべきだと思います。

ちなみに、国内の取材では衛生検査について、また、BSE問題でどんな作業が追加されたかも書かれています。言うだけならどんな作業でも「やれ」と言えますが、実際の作業を知ると、できる範囲で何をしていくか、と言うことをもっと真剣に考えるべきだと思えてきます。

とは言え、結局は、普段知る機会のない知識と出会えた楽しさが評価の一番の理由。申し訳ないのは、これだけほめておきながら、ハードカバーが出たとき買わなかったこと。とっておきたい本は保管場所の問題もありますからねえ・・

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紙の本

紙の本脳のなかの幽霊、ふたたび

2013/01/16 23:49

こちらを先に読みましょう

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

タイトルを見ると、「脳のなかの幽霊」の続編のようですが、あちらは書き下ろし、こちらは講演録です。どちらももちろん面白いのですが、講演だけあって噛み砕いた説明が多く、話題も(多少は)身近なものになっています。とにかく、薄いし。
推薦文を養老孟司氏が書いていますが、それを嫌だと思う人は避けたほうがよいかもしれません。不確かな事実をあたかも真実のように語っている、とか、十分なデータに裏付けられていないと感じるでしょう。序文にも「奇妙な症例を一例だけ調べる研究は、まちがった考えを招きやすいという批判がときどきありますが、それはナンセンスです。」「大規模なサンプルの平均を出すことによって発見されたシンドロームは、私の知るかぎり一つもありません」(p.8)とありますが、新しい理論を構築しようという試みは、そういうスタイルで注意深い観察と直観、厳しい検証によってしか進めるしかないし、そういう取り組みだからこそこんなに面白いんですよ。

で、気に入ったら、「脳のなかの幽霊」はもっとボリュームたっぷりに「濃く」楽しめます。

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紙の本

紙の本驚きの介護民俗学

2012/08/19 17:16

生活に密着した民俗学

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

シリーズとしては介護の本ですが、介護に興味のある人が読むケースと民俗学に興味のある人が読むケースとどちらが多いのでしょうか。

私はどちらかと言えば後者ですが、親もそろそろ介護の対象になってきてケアの現場に関する情報としても興味深く読めました。文中にもたびたび筆者の行っている聞き書きが介護の効果は不明、とあり、ひょっとするとこのような介護担当者がいたら「おしゃべりばかりして仕事をほっぽりっぱなし」と文句を言う人も居そうだな、と感じました。そういう方はより明確に現状への課題意識と聞き書きの意義が書かれている「おわりに」を先に読むとよいかと思います。

民族学といえば伝承や祭りの研究が代表的ですが、ここで描かれているのは自分たちの知らない歴史的な「日々の暮らし」です。これまでは一部の「自分で書ける人」「書ける人に興味をもたれた人」からしか知られていなかった事実と出合うのはまさに驚きの連続。こういう研究が積み重なると、いままで特別な事例と思われていたことが普遍的だったり、その時代の常識と思われていたことが限定的だったり、と言うこともわかって来そうです。これまでもマンガや都市伝説への民俗学的アプローチもたくさん読んだので、個人的にあまり違和感はありませんが、アプローチ自体への驚きもあるかもしれません。

さらに共感したのは、忙しい中でも思わず利用者の行為の「意味」を考えてしまう著者です。利用者の行為に意味づけができたときの楽しさが利用者への興味、話への興味になっているのでしょう。日々の業務には邪魔になりそうですが、そういう気持ちが学問や技術の進歩を支えているんだろうなあ、とか、考えながら読んでしまいました。

ここに書かれているのは介護施設という特定の状況で集められたケースですが、教育や近所付合いといったいろいろな場面で同じようなことが起こっているようにも思えます。まあ、それでこそ民俗学、ということでしょうか。

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紙の本

使いこなせる人には本当に役立ちます

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

資格試験のテキストはだいたい似たような内容のものが多くて、せいぜい図表の使い方が好みにあっているのかどうか、くらいのものと思っていましたが、これは一味違います。合格への最短距離、とか、試験に出ない内容は大胆にカット、とか、「はじめに」から飛ばしていますが、本当に合格のためのポイントをきっちりまとめた内容になっていました。ただし、これだけ読んで合格できるかと言えば、ちょっと微妙。本当にポイントだけまとめてあるので、それを理解できるだけの素地が必要です。
私の場合は、テキストや問題集を見ても「これならまあ大丈夫かな?」と思いつつ数回不合格で、それでもどこを勉強したらよいのかポイントが絞り切れていなかったので本当に助かりました。実務をしていてわかっているはずなのに合格できない、といった人には本当におすすめです。おかげさまで購入後最初の試験で合格できました。

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紙の本

いちばん役にたった子育て本

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

自分が読んだのは2000年に出たハードカバーですが、子供が中学生になる今でもいちばん役に立っている本です。子供を育てるときに直面する問題をどう判断したらよいか、解決するための基準が揃っています。具体例については、当然のことながら米国やキリスト教に特有の事情が反映されている部分があるのですべてを丸のみにしたい人には向きません。ただ、この本は自分の子供をそういう大人に育てたくない人のための本です。自分がどう育ってきたか、自分自身を見つめ直すためにも役立ちますし、もし、自分の親とうまくいっていないなら、親の弱さや欠点を認めてあげるためにも読んでみるとよいかもしれません。もちろん、語り口はやさしくわかりやすいもので、構える必要はありません。書かれている内容の基本的な考え方はハードカバーの書評に詳しい説明があるのでそちらをご参照ください。
ただ、そのぶん内容は重い本で、子育てに疲れて癒しを求めている人(そういう人向けの本があふれかえってます)にはちょっと向きません。また、単純マニュアルを求めている人(そういう人向けの本もあふれかえってます)にも向きません。まあ、本当はそういう人にこそ、この本を読んでほしいと心から思います。

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電子書籍

謎は解けても、すべてが解決したわけではないミステリ

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ジャンルは安楽椅子探偵もののライトノベルと言った感じでしょうか。あとがきを読んだら、書下ろしだそうで、4編の連作ではあるものの、最終話まで合わせて評価するのがよいように思います。ミステリとしては、若干無理を感じるところがないではありませんし、なんとなく後味の悪い解決になっているのも読んでいる最中には気になりましたけれど、最後まで読むと、「それも合わせて人生だし、生きているってそれほど悪くない」みたいな気になってきます。
私と同じような読後感の人がどれだけいるのかはわかりませんけれど、同じ気持ちを感じてほしいとの思いを込めて5点をつけます。物語の中でまで切ない思いをするのは嫌だけれど、爽快なだけでは作り物っぽくて飽きたかな、と言うときにいかがでしょうか。

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紙の本

現代物理学のガイドマップ

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ニュースで聞く「物理学を塗り替えるかもしれない大発見」とか、何回解説を聞いてもよくわからない人は多いと思います。昔から科学解説書を愛読していた私でもついていけないトピックスはいろいろありますし、理科が嫌いだった人ならなおさらでしょう。

昔、相対性理論が「世界に理解できるのは3人だけ」という話がありましたが、結局のところあれも数式とそれがあらわす物理的事実の関連、モデルと事象のつながりがわかっていなかったということで、要するに地図はあるが地図記号や等高線の意味が分からない、というような状態だったのだと思います。しかし、地図の読み方の解説をしてもらえればそれで理解できること、また、それで地図を読み取った人が「この辺はこんな場所だ」と教えてくれればそれで理解できることがぐんと増えてきます。そんなわけで、今となっては相対性理論がどういうものか、数式で理解している人も、数式では理解できなくてもどういう宇宙が記述されているのかを理解している人も、世界中に山のようにいるわけです。

もう一つの難しさは、個別の理論や発見の位置づけ。何が重要なのか、どれくらい、どんなふうに重要なのかがわからないことでしょう。しかも、素粒子の動きが予想と違っただけで宇宙の成り立ちが説明できなくなってしまう、なんて話があっても素人には何のことやら、という感じ。その理由をこの本では「世界は『ウロボロスの蛇』」と説明しています。そして、その蛇の全身を一通り見てみましょうね、というガイドマップがこの本。どこに立ってみると、どういう景色が見えるのかをわかりやすく教えてくれます。

私自身、CP対称性の破れとか、左回りのニュートリノとか、この本を読んで「そうだったのか」と納得した話がいっぱいあります。もちろん、別のところで蓄えた違う知識が役立っている部分もありますが、自分が知っていることでも「こう説明してあげれば、あの時わかってもらえたかも」と思うことがいっぱいです。今まで読んだ中で最高のわかりやすさ。かなり密度が高くて、かなりの知識がないとななめ読みはむずかしいですが、興味はあるけど結局わからない、という人には心からお勧めします。

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紙の本

紙の本反省させると犯罪者になります

2014/05/18 22:57

犯罪者には死刑か終身刑、と言う人に読んでほしい

9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

自分があまり社会に適応していない、と感じているので、いつ犯罪者になるかわからない不安で刑務所と言う場所にはとても興味があります。現在は厳罰化の動きが盛んで、犯罪者など世間に野放しにするな、と言う人も多いのですが、犯罪者とそうでない人はそれほどの違いがあるのかと言うこともいつも感じています。

この本はそんな私の期待に応えて犯罪者予備軍や犯罪者を生み出す背景を考えてくれたように感じます。土下座や泣いて自分の非を謝罪するような態度が、本当に反省から生まれるものなのかについて疑問を投げかけ、犯罪者にならずに社会で生きていくためにどうすべきかを深く突っ込んで考えていると感じました。

ちなみに、タイトルは「反省しろ」と求めると犯罪者に、ということで、実際に犯罪者の更生に必要だ、と主張している内容は一般的に「反省」と呼ばれている行為です。学校や職場で子供や部下に一生懸命反省させようとしているが効果を実感できない、と言う場合に役に立つ知識もたくさん出ています。

なるべくたくさんの人がこの本を読んで、糾弾と謝罪が繰り返されるだけで何がよくなったのかわからないような息苦しい世の中が変わっていってほしいものです。

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紙の本

「裏ワザ」か正面突破か

7人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

タイトルは「裏ワザ」とあるが、意外性のある裏ワザというよりは正統派の処世術と思って読んだほうがよいかもしれない。個人的には、人望重視で短期主義的な処世術は嫌いだが、「本当に小手先だけ」のテクニックではないので、それなりに素直に読めた。著者が何を思って書いたかはわからないが、あちこちに暮らしと政治のかかわりを感じさせる記述があり、ひょっとすると、もっと多くの人に政治に関心を持ってほしい、と思ったのかもしれない・・などと考えてしまう。小泉政権を肯定的に書いているのは割り引いて読むにしても、第3章の政治編は(全面的に同意するかどうかはともかく)ニュース解説としても面白い。
1章の半分と3章に重点配分してちょっと甘めの評価。

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紙の本

「法はお上から与えられたもの」に違和感を持ったら、どうぞ

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

法律は「お上から押し付けられた自分たちを拘束するもの」という印象を持っている人は多いと思います。また、押し付けられたものではないぞ、という場合にはたいてい「人間として守るべき根本的な道徳や倫理に根ざした絶対のもの」と扱われることが多いと感じます。私にとって法律は共同体を円滑に維持するための「約束」にすぎないので、自分の考え方がおかしいのか知りたいものだと思っていましたが、法律やルールが社会との関わりの中でどういう意味を持っているのか、という本は結構ありそうで実はないんですよね。で、この本を知って子供向きと知りつつも買ってしまいました。
この本は、スポーツを例にとって、ルールの「社会を円滑に運営するためのツール」と言う側面を上手に紹介しています。コミュニティを自分たちで運営することで法律を上手に使いこなそう、という提案にも共感しました。(学校の生徒会は、そういう本来の趣旨とは異なり練習の場になっていないなあ、と思いつつ・・。品川女子学院とかは別かもしれませんが。)
難をいえば、(見かけないテーマの本にありがちなように)中身が網羅的で広範囲にわたっていてちょっと散漫な印象を受けることと、せっかく対話形式で書かれているのに会話の展開に違和感があって返って読みにくく感じるるところがあることでしょうか。著者と息子の会話ですが、いきなり親を「キミ」と読んでいたりして面食らいました。話が進んで息子のプロフィールを理解してからやっと「なるほど、それでこんな風に会話してるのか」と納得でした。

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紙の本

紙の本天才!成功する人々の法則

2016/07/09 11:59

極端な例を見て全体につなげる

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

天才と言われる人々も環境に支えられているのだ、と言えば、彼らを引きずり降ろそうと言う読み方も可能ですが、同様の環境で別の人が同じ成果を出せるかは別の話です。それでも、支える環境がなければ彼らがそこまでの成果を出せなかったとすれば、環境を整えることでより多くの成果を社会に出現させられるわけで、停滞の時代にこそ、これを考えるべきです。
タイトルの「天才!」に関して1万時間の法則とか、タイミングの問題とかが注目されるけど、最後の方の文化と平均点の話をきちんと読み解かなくてはなりません。「人こそ資源」とか言うなら、読んでみて損はないでしょう。

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紙の本

紙の本文章をダメにする三つの条件

2007/05/20 13:30

読み手の立場になった文章を書くために

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

読み手の立場になって書け、とよく言われるが、この本には読み手の立場になって考えるとどうすればよいかが書かれていた。私にとっては最高レベルの参考書である。
子供の頃、「読書感想文」というのが苦手で「感想なんて、面白い、つまらないの他に何があるんだ」と思いつつも、読み手としては確かに面白い感想文とつまらない感想文があることはわかる。報告書やレポートはそれなりにまとめられるようになったが、子供が読書感想文の宿題をするようになって、あらためてもう一度「文章の書き方」を考えるようになった。この本の「感想文に書くのは、”本の感想”ではなく”感想を持った自分のこと”」と言う発想はすごく新鮮だし、不特定多数の「実際の私」を知りたい訳でもない読者にとっては、紹介する自分は創作でもよい(「こんな感想を持った自分」を想像して、その自分が主役のお話を作る)なんて、ひとりで「読み手の立場になって」考えたところで絶対に思いつかない。高等技術まで紹介してました。子供の頃に、この本に出会っていればちょっとは楽ができたのに・・・。
「三つの条件」は、1)羅列、2)理屈攻め、3)一般論、ということで、よくある文章作法とかわらないようだが、一通り読んでみれば「作文指導の立場でいろいろなレベルの作文を山のように読まなければならなかった」経験にもとづく読者の立場からのアドバイスが身にしみると思う。

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紙の本

紙の本植物からの警告

2013/08/15 18:40

遠いところにも身近なところにも意外性満載

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

世界各地を飛び回り、植物の状況を観察して回るという、受け取り方によってはとっても贅沢と言うか、のどかな仕事をしている人の仕事の成果をまとめた本です。いろんな土地の植生とその時代による変化を紹介していて、それがタイトルにあるように人類への「警告」になっています。
植物にとって、温暖化より降水量の変動のほうが影響が大きい、なんて話も最近の集中豪雨のニュースや農作物への影響を考えると納得ですし、また、竹の一斉開花による枯死の問題など、まさに盲点とも言える話も興味深いものでした。外来植物と言えばセイヨウタンポポとセイタカアワダチソウ、と言うのはどうも生活への影響から見たら的外れのようです。
ギアナ高地の話や南アフリカの花畑の話など、紀行文的な面白さもあり、そこに人間と植物のかかわりと言う著者の専門分野から見た解説もありで、カラーページの写真とともに単純な科学書より楽しんで読める本と思います。

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紙の本

あるべきリーダーの姿が学べる

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

話題性もたっぷりで、薄く、短く、読みやすい本です。

個人的にリーダーの育て方、日本のあり方には異論もありますが、リーダーのあるべき姿に関する話題は、海外の平和維持活動を率いて非常に高い評価を得たと言う経歴の持ち主だけに説得力もあり、とても納得感のあることが書いてありました。

また、自衛隊は災害救助だけやっていればいい、とか、平和維持活動に武器を持ってゆくのはおかしい、と言う主張がありますが、中から見て、現場に行ってみたら、それがどういうことなのか、と言うところもなかなか知ることのない話題です。

政治に関しての話題を期待しすぎると期待はずれかもしれませんが、リーダーのあるべき姿を模索している人にはすごく良い本だと思います。また、自衛隊を毛嫌いしている人にも読んでほしいと思います。

(当然と言えば当然ですが)あちこちに民主党批判が盛り込まれていますので、何が何でも民主党支持、と言う人にはお勧めしません。

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