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ひつきさんのレビュー一覧

投稿者:ひつき

15 件中 1 件~ 15 件を表示

悪口を言う本人の品格が問われよう

17人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 私も江原啓之の存在はうっとうしいと感じている。はっきり言ってイカサマだろうと思う。美輪明宏のバックアップがあるから、テレビ局も番組を創ってきたのだと考えている。

 しかし、大槻義彦教授のこの本についてはいただけない。まるでガキのけんかである。たしかに江原は和光大中退で高卒の資格しかないだろう。國學院大學についても、修業した北沢八幡宮を通じて、いわゆる神職資格の正階か明階をとるための就学だったのだろう。だからといって、高卒の江原はイタコと同じで信用ならないが、東大卒の脳科学者である茂木健一郎はなぜ江原を認めるのかと怒っているさまは、単なるじじいの嫉妬でしかない(同書166頁)。全編これ、一方的なガキの悪口のオンパレードである。

 買ってしまった人間だからいえるが、オンラインで買う前に、書店でパラパラと内容を立ち読みすれば足りる本である。もはやブックオフに売ってしまった私が言えるのはそれだけだ。なんか書評を書いても寂しい…。

 

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徳川埋蔵金とはまったく関係のない『徳川埋蔵金』の本

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

書評にはあまり否定的な意見は書きたくなかった。しかし、このサイトから購入した本だから、また、書評を見て購入する方もいるだろうからとあえて本音で書かせてもらう。はっきり言ってこの本は『徳川埋蔵金』とはまったく関係のない、意味不明(少なくとも私にはまったく理解できない)な紀行(奇行?)文である。著者自身が146頁の9行目でいみじくも「私には何でも埋蔵金とつなげてしまう悪い癖がある。」と述べておられるが、まさにその言葉がこの本の内容すべてを簡潔明瞭に言い表している。はっきりいって、この本に『徳川埋蔵金』関連もしくはそれらを推察できるような意味のある内容の記述は何もないのである。帯に「埋蔵金推定一千万両」とうたっているが、編集者ははたして本当にこの本を読んだうえでキャッチをつけたのか?もし読んだうえでキャッチをつけたのなら、エド・はるみではないがこう言いたい「それで!」。この本は「上」となっており、著者は「下巻」の出版も想定されているようだ。本書229頁の3行目で、下巻の出版により「徳川埋蔵金発見という歴史的事実が現実のものとなることを期待してほしい。」と述べておられるが、「上巻」の内容がこれでは、「下巻」が出版されることはおそらく二度と無いのではないか。あっても購入しないと思うが…。いかに本のタイトルが重要かわかる本ともいえよう。

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紙の本下山事件

2008/06/04 20:35

森達也の限界

5人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

森達也はこの作品で墓穴を掘った。

柴田鉄考『下山事件 最後の証言』を最後まで読めば判るし、彼自身文庫本のあとがきで認めている。

さて、森達也はどれだけの人物か?

少なくとも私には、金のために捏造するチンピラにしか思えない。

たまたま、『A』の転び公妨の画がとれたから天狗になっていたのだろう。

それまで期待していただけに、反動の落胆は大きいものだ。

この著書以降、森のものは本気でみれない。

自業自得だろう。

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『いまなぜ金復活なのか』の私流解説本

9人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 『いまなぜ金復活なのか』についての書評は別に読んでもらうとして、この著者はあきらかに同書のパクリを基本として本書を書いている。別の資料があるとしているが、やはり株式会社ジパングという会社の講演会資料のパクリである。

 つまりこの本にはオリジナリティがまったく無いのである。すべて他の著作などのパクリである。学術文献が参考書としているレベルではなく、いかにも自分の発想意見のように書いて、その実ほとんどすべてが他書籍の引用なのである。

 その箇所を、形式的には段落ちにして引用文として分けているが、自分の意見としているような表現も、結局はパクリ文章や他書籍の引用であったりするので、極めて読みづらいし、どこまでが引用で、どこまでが妄想か、全編を通して判然としないのである。

 つまり、準オカルト本ではないかと思うのである。

 この本の予測も、結局は他書籍の引用にすぎないのである。

 しかし最後にひとつだけオリジナルの意見を述べている。

 「日本人は、水の経済学を打ち立て、水をもって、ニューゴールドにすべし、と思った。」

 ふーん、そうなんだ。でも…

 著者に見捨てられた金は、寂しがっているのではないだろうか。

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思ったほどではないトレンド解説書?

6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 帯のあおりキャッチ「未曾有の金融危機は世界史を変える!」ほどのインパクトはなかった。

 モノラインの格付けについては良く説明されている。図説も良い。

 とくに、モノライン保険会社が信用力を均等分散し、保証を付ける有様は、さながら粘土細工の煙突をつくっているようでもある。

 著者の結論は、日本がシンガポール型の投資立国となることであるらしい。
 
 いずれにしても、おだやかな論調の本である。著者の人柄なのであろう。

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紙の本金融技術革命未だ成らず

2008/04/26 13:06

銀行負け犬の自伝本?

6人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 金融工学が1980年代に急速に台頭してきた理由を、現場サイドからの視点で語る大野氏と、その引きで金融エンジニアリングとしてつかえた中里氏の共著である。

 この本を読むと、今日のデリバティブ取引を含めた、ほとんどの金融商品が、米国によって1980年代に開発されていたことがわかる。

 金融工学というといかにも難しく聞こえるが、要は、金融博打ゲームを、いかに開発して発展させていくかということにすぎないように読めた。

 博打・ギャンブルは誰かが勝てば、誰かが負ける仕組みである。有名企業ほどこうした違法行為からは、遠ざかるのが普通ではないだろうか。

 そこを、「金融工学」という粉を振りかけて、ものの本質を見えなくするのである。要は、仕組まれた人間は、誰も本当のことをしらないのだ。

 そういった面で、この本の両著者はあまりにもサラリーマンであった。
なぜなら金融技術の詳細は本著に譲るとしても、大野氏はかなりの失敗をして本社に損害を与えている。にもかかわらず、自分の過失は省みずに、常に会社や上司の問題点を指摘している。まったくもってうらやましい。中里氏はそうした概念すらもないようだ。お二人とも、自分たちが支払いに責任ない会社の金ならば、いくらでも使っても良いとの考えであるように思える。

 いくら美辞麗句で繕っても、結局は負け犬が執行部に対してキャンキャン吠えるだけの、所詮は他人事の怨み節であるようにしか読めなかった。

 隠そうと思っても、どうしても人格は外に出るものである。本著の題名と著者達の人格とのギャップがうら悲しい。

 彼らにとってアメリカは神であった。しかし神は彼らを必要としなかった。ただそれだけのことかもしれない。
 
 一体全体、なんでそこまでして本を出さなければならなかったの?

 本流から外れた恨みからですか?

 そんな想いのする、金融テクノロジーもどきの自伝本?でした。


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権力とは何か

5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 国家権力という言葉を知っている人は多いだろう。しかし、現実の「国家」「権力」の力の源泉を認識している国民はどれだけいるのだろうか。

 著者も、かつては国家権力を行使した人間である。具体的には検察官だ。彼にまで上がってくる案件は、ほぼ刑事立件が可能であったろう。

 その彼が、いまでは国家権力に対して反論している。あまりにも都合よくないだろうか?

 なんで素直に受刑しないのか。

 すくなくとも検察官のイメージを貶めたことに、間違いはなかろう。

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イケ面山師かカミサマか?

5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 本書の結果からいうと、著者のポジションは円安ドル高である。

 しかも著者は、サブプライム問題を熟知している米経済通なのである。

 さらに、日本の年収2億円を捨てて米国の金鉱山主となった御仁である。

 とどめは「これから約10年、金の独歩高になる。」との断言だ。しかし、円安ドル高ポジションは通常、金安値に振れることは常識なのである。

 背表紙の明大卒イケ面著者は、とても好感がもてる。それだけに、「次は2年ほど円安であろう。…ドルは1ドル152円を目指す。」と常識とかけ離れたことを断言されている理由が、素人の私に理解できないことがくやしかった。結果がその通りに進行すれば著者の正しさが証明されることになるのだろうが。

 しかし、そこで自分は考えた。「本当に金持ちもしくはその可能性がある人間がその種をあからさまにするだろうか?」と。

 あなたはどう考えますか?

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へたな資産運用本より勉強になりました

13人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

  著者はオウム脱洗脳で有名な脳機能学者である。著者の本を読んだのはこれが初めてであるが、『洗脳支配』という題名からしてオカルト的内容なのかと思っていたのである。しかしながらその予想に反し、本書は単なるオカルト陰謀論を凌駕する極めて現実的な視点から、現代日本社会に刷り込まれた支配者達の呪縛を、著者自身の経験も踏まえたうえで解き明かしてくれている経済的啓蒙書である。著者は、われわれが知らず知らず見えない支配のしくみに取り込まれ、そして奴隷化されていくさまをクールなタッチ描きだす。確かに、ある企業が銀行から借金をするという行為を、借金は支配される力であると捉えれば、債務超過となった会社は、もはやその株主の会社ではなく現実的に貸主銀行の支配する会社となるのである。同じように、直接金融の上場企業においては、株主株こそが会社を支配する力であり、それは昨今の外資系ヘッジファンドの行いや報道をみれば一目瞭然である。

 著者はこうした見えない支配のしくみを「仕組まれた意図」とし、われわれはこうした呪縛から解き放たれないかぎり、本来享受すべき富を取り戻すことはできないと訴える。そして本書は全編にわたり経済的な問題にスポットライトを当て続ける。わたしも、精神論だけでは豊かにはなれないと考えるタイプの人間である。少なくともこうした「仕組まれた意図」を理解したうえで精神論を展開するのならわかる。しかし現実には、経済社会の中に生きて生活している現実を見据えずに、理想や妄想だけを述べる経済音痴の精神論の書が氾濫している。それこそオカルト本であろう。本書はそうしたオカルト本とは違い、銀行による信用創造や新BIS規制など、ある程度経済に詳しい人が読めば、より理解が深まる内容となっている点でも現実的だ。

 今後の資産運用に、重大な指針を与える内容となっているので、実際の経済の流れと照らし合わせて5年後に読み返せば、2度目も楽しめる本である。

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明治日本におけるユダヤ人の支配力

12人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 徳間書店にユダヤとくれば、オカルトマニアの琴線にふれる本となります。そうは言ってもオカルト的ユダヤ本は巷に氾濫しているので、この本はハズレではないか?と危惧するマニアは、どうしても大型書店に赴いて、現物を手にとって、内容確認までしなければならないでしょう。

 はたして本書はユダヤ陰謀本?オカルト本?どうでしょうか…。


 この本には明治政府とユダヤ商人たちとの驚くべき関係ならびに真実が、「これでもか」というくらい、次から次へとなにげなく記述されています。

 日本でも昭和シェル石油として有名な会社は(親会社は石油メジーのロイヤル・ダッチ・シェル)、もとは日本の横浜元町の創業で、しかもそのシンボルのペクテン(帆立の一種の貝)マークも、湘南海岸で食用後に捨てられた貝殻を拾い集めて加工後ロンドンに輸出し、成功をおさめ立身出世したユダヤ人のマーカス・サミュエルが、異国の地で苦労した商いの想いをこめてシンボルマークとしたものなのだそうです。いったい現在の日本経済連のお偉方のいかほどが、こうした経緯を少しでも理解しているのでしょうか。

 さらに、日露戦争の巨額な戦費調達資金の半額を、個人で引き受けたニューヨークのユダヤ人ヤコブ・ヘンリー・シフに対する返礼として、明治天皇が昼食をともにされ、日本人にもまれな名誉ある旭日大綬章まで授けられたことなどが詳しく記されています。
 
 「ほんまかいな?」と疑う人のために?、証拠写真も挿入されています。


 この本を読み、いかに自分は日本ご都合主義的な歴史観の枠に縛られ過去を眺めていたのか、ということを理解させられた私は、ショックというよりはむしろ、「天才とキチ・イは紙一重」と同じように、「真実とオカルトは紙一重」、積極的に見聞を広めなければ現実社会から乗り遅れる、真実は当事者が明らかにしないかぎりは伝説、などの認識を新たに心に秘めたのです。

 最後に、「日本銀行は国営ではなく、現在ジャスダック市場で株も売買されている民間中央銀行である。日本国が50パーセント以上の株を保有しているとされるが、確かな株主構成は公表されていない。ユダヤ人が大株主とも噂されている。」、これはオカルトですか?それとも真実ですか?
 

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金価格を決める人物周辺からの金復活論

6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 金本位制とは何か、いまの若い人にはあまり興味が無いことかもしれない。しかし、金が水と同じように、人類にとって普遍的に無くてはならないものであった事実は、文明世界各国の歴史が教えてくれている。

 著者は、1990年代の金価格低迷は、信用創造を拡大したい各国中央銀行によって、意図的に操作され低く維持されたものだとする。金プロバガンダである。

 そして、その時期に逆張りで金を買い占めたものがあるという。

 その組織は、世界恐慌を期待し、その後の金融秩序を金を裏付けにしたものに逆行させるという。

 そのとき「金価格は月に届くほどに上昇する」らしい。

 真の世界中央銀行を創設するためには、世紀末的大恐慌が必要である。なぜなら、金融恐慌は、銀行預金を基盤に生活している市井の人々にとって、驚くべき反作用効果をもたらすものであるからだ。

 サブプライム問題の混迷を見ていると、デリバティブ取引を代表とする仮構金融社会は、こうした事実を隠蔽すべく最後のあがきに出ているということなのだろうか。

 おそらく2012年にはすべての結論が出ることだろう。

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お金とは何か?その真実にせまる

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 この本は本来アメリカ人読者に向けて書かれたものである。そのために後半のほうでは、あまり日本とは関連のない内容も書かれている。しかし、それらをもってしても、本書の評価を貶める要因とはなりえないほど、本質的な部分における著者の見識はすばらしく、目をみはるものがある。

 たとえば、「貨幣は富の基準を伝達する。1インチや1メートルのように、1グラムの金は、勘定する際の変化しない単位である。そのため、時代を経ても、ものの価値がいくらなのかに関して、意味のある知識を与えてくれる。」の記述は、貨幣とは何か、また金のもつ本質をズバリと突いている。

 そもそも経済活動といった金融事象を営むうえにおいて、貨幣とは一体なにかについて理解していないということは、レバレッジの利点のみしか知らずにFX取引をしている主婦のように、きわめて危険極まりない行為なのである。

 なぜなら、現在の貨幣経済は実態以上に膨張しているから(バブル)だ。

 
 反面、貨幣経済の根幹が「金」によってなされてきた事実も、いったいどれだけの市井の人々が知っているのか。

 アメリカでは1933年に金の保有が禁じられ、1974年に解除されるまでなんびとも金を持つことができなかったという。私も本書で初めて知った。

 なぜ?

 その後に、ブレストンウッズ会議、ニクソンショックを経て金本位制がみごとに崩壊していくのであるが、信用創造の増大に係る単なるマネーサプライの増加とみるには、不可思議な内実を孕んでいたと著者は指摘する。(別評『いまなぜ金復活なのか』で私は、違った切り口で指摘する)

 逆もまた真なりとするならば、おそらくこの時点を転機として、信用創造すなわち現実経済とは乖離した仮構の貨幣は飛躍的に増大していくのである。もはや貨幣の裏付け金は邪魔者でしかなくなったのだ。

 であれば、1990年代の金融工学の台頭も理解できるのである。

 貨幣とは何か?金融とは何か?

 金融先物・ヘッジファンド誕生の意味、サブプライム破綻の必然性etc.

 本書はその答えを示唆してくれるだろう。

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面白い時期にはなぜか読めない?

6人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 経済書にもトンデモ本といわれる分野が存在する。いわゆる、今後の経済はこのようになると断言する書で、しかも著者が学際的な枠からはみ出している人物である場合が多い。著者もどちらかというとそのように色付けされてるようだ。しかし、本書出版から7年たった今になってみると、驚くほど的中している箇所が多いことに気付かされる。逆に言えば、学際的な人の経済書は、自分達が絶対に傷つかないような内容でお茶を濁しているから、面白みがないのだ。

 その点著者は、

1)「2003年に速水総裁の任期が切れるか、それより早く辞任するとしたら、内情にくわしい人たちは後継者として同じ名前をあげるだろう。富士通総研の福井俊彦理事長である。」(15ページ)

2)「十年計画と日本へのアメリカの要求が非常に良く似ていたのは、あながち偶然ではなかった。…プリンスたちは世界全体への日本開放を決意していたが、具体的な相手はアメリカだった。」(256ページ)

3)「アラン・グリーンスパンはバブルのあとに来る経済の大混乱は、戦前の経済危機も色あせるほどのものであることを知っている。……大恐慌が起こるかもしれない。……彼らの論理からすれば、究極の目標は、通貨圏をつないで世界通貨同盟を創り出すことだろう。……危機はときには、驚くほどの効果を生むものだから…。」(337~338頁)

と、極めて具体的に予言していた。

 私から言わせると、トンデモというよりはモットモすぎて怖いくらいだ。
著者は、1980年代より戦後日本の戦時体制を維持するコストが大きくなりすぎたので、アメリカは日本に対し規制緩和・金融ビッグバン等の改善要求をし、それが今日の構造改革の混乱につながったのだとしている。しかもその公式誓約が、元日銀総裁前川春雄の「前川リポート」であったのだという。

 以上のことは「年次改革要望書」や「思いやり予算」をみれば明らかだが、こうした取り決めが30年まえになされていて、それが今おおきく実現していることの不可思議さは、いまごろ不満の声を上げている無知なわれわれよりも、日銀のプリンスたちがいかに知恵があったか、ということなのだろうか?いずれにしても、この著者はただものではないと私は思う。更なる本の出版を期待したい。

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紙の本日本の埋蔵金 1 キッドの宝

2008/04/15 15:04

『日本の埋蔵金』上・下巻のブックレット復刊シリーズ1

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

もし日本に埋蔵金発掘者の業界があるとするならば、著者の名前を知らないものは誰一人としていないであろう。そのくらい日本の埋蔵金の世界ではビックネームとして知られた故畠山清行氏である。そもそも日本において埋蔵金伝説を一般社会に知らしめたのは、まったく彼個人の業績の賜物といってもよい。その代表的著書である『日本の埋蔵金』上・下巻は、今日ではほとんど入手不可能な状況にある。しかるに「合資会社たんさく」はこのたび、ブックレットの体裁をもって待望の復刊をしてくれた。これほどうれしいことはない。だがなぜか他のオンライン書店ではこのシリーズ1が購入できない。ようやく探して、こちらのサイトから入手することができた。えらいぞビーケーワン!内容的には、著者自身のネットワークを通じて入手した日本各地の埋蔵金伝説を、ドキュメンタリータッチで描いた大変興味深いものとなっている。昭和初期のにおいを感じさせる点では、三角寛に近いものがある。現時点ではどこまで復刊が期待できるか不明であるが、こうした本は入手できるときに入手しとかないと、すぐに絶版になってしまうのが常である。現在復刊シリーズは3までが出版されている。いそげ!

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なぜユダヤ人が頭いいのかが理解できる本。そして家族で問題を解きあってもたのしめる本。

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ユダヤ人社会におけるラビ(ラバイ)の立場は、日本人社会に類するものを見出せないくらいに重要かつ尊敬される存在であるという。この本の著者もラビである。ラビは、代々ユダヤ人に伝わってきた口伝律法であるタルムード(本来はミシュナとその解説のゲマラに分かれているが通常一体化されてタルムードと呼称される)を規範として、現実にラビに持ち込まれる悩みや相談を、「今回の問題はタルムードに照らして考えてみるとこのように解釈できる」等と指導し問題を解決し、ユダヤ人社会の安寧に寄与することが主たる役割であるという。いわば生活全般に係る人生指南役であろう。さらにタルムードは、ユダヤ人家庭において問題が起きようが起きまいが、幼少時より毎週の安息日(金曜日の日没から土曜日の日没まで)に家族で共に勉強をする、大切な生きた知恵の源泉であり、ユダヤ民族の歴史文化そのものを表象する代表的な宗教文献であった。本書の素晴らしいところは、本来はユダヤ人以外は目にすることのできないタルムードの原本が口絵写真で紹介されている他、ラビがタルムードに基づいて実際にどのように問題を解決しているのかの例を、日本語に訳して記していることである。実際にこの本のなかのタルムード例題集を子供や妻に質問してみると、まず正解を答えるものはいない。そのあとで答えを言うと。「ユダヤ人ってあたまいいね」と答え、「もっとタルムードの問題だして」という。そのくらい知的興味のある人にとっては、タルムードは素晴らしき知恵の宝庫である。うちの子供も幼稚園のころからタルムードの問題を解く習慣をつけさせていたら、もっと賢い子供になっていたのではないか?などと妄想してしまうほどインパクトある本でなのだ。ちなみに似た題名の姉妹本もありますが(当然読みました)、どちらか一冊というのなら絶対にこちらがお薦めです。

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