英国離脱でEUは世界はどうなる？歴史に学ぶ「グローバル化」の真実

20世紀前半に世界が引き起こした2度の大戦は、人類の歴史に拭いがたい汚点を残しました。中でも最大の負の遺産の一つが、ナチスドイツによる強制収容所でした。有名な本ですが、人類が愚かな過ちを繰り返さないために生み出した「崇高な妥協の産物」が統一EUだったことを、改めて教えてくれる心に残る一冊です。

ナチスドイツに占領されたフランスおよび北西ヨーロッパを解放するために、連合国軍が行った史上最大の上陸作戦を、アイゼンハワー、チャーチル、ルーズベルトといった指導者たちのリーダーシップに焦点を当てて描き出した「経営書」です。同じ編著者が日本軍の失敗を分析した『失敗の本質』もお勧めです。

経済成長が幸福をもたらすことに対する信頼が崩壊し、資本主義はおろか社会主義も信認を失ったために、創造なき破壊をもたらすファシズムが欧州を覆う結果をもたらした。経済に価値を認める「経済人」が弱体化して、移民の脅威や格差に対する怒りが社会を脅かしている欧州の現状の「原点」が描かれています。

時はバブルの真っ最中、経済学部生だった頃に手にした時は難しくてお手上げだったのですが、経済誌の編集長としてリーマンショック時に再読した際は、これほど分かりやすい教科書はない、というほど頭にすっと入りました。先が見えない不安こそ、世界経済最大のリスク要因であることが、体系立てて理解できる良書です。

既刊書の『17歳のための世界と日本の見方』をもとに、エリザベス女王、織田信長の時代から国民国家の成立、世界大戦からリーマンショック直前の資本主義の行き詰まりまで、世界の歴史を「タテ・ヨコ・ナナメ」に縦横無尽に切り取った語り口調の講義録です。網羅性もあり、かつ分かりやすいので、頭の整理には最適です。