『図書館戦争』だけじゃない！胸キュン必至の有川浩による恋愛小説

ベッタベタに甘く、胸キュン＆悶絶しながら読むことができる、自衛隊員の恋愛を描いた短編を集め、一冊にまとめた短編集です。通底する世界観はまるで少女マンガのように甘いものなので、読んでいるとついニヤけてしまいます。制服もののラブコメという共通点もあり、『図書館戦争』から有川小説に入った方にもオススメです。

『図書館戦争』の小説内で図書隊の小牧が視聴障害をもつ恋人の毬江に勧めた本として登場し、現実に刊行されることになったのが本書『レインツリーの国』です。この小説では耳の聞こえない少女と、彼女とネットで知り合った青年の純愛が描かれています。甘くてやさしくて、ついほろりとしてしまうシーンもあります。

女性にとって夢のようなシチュエーションの恋愛が描かれた一冊です。ひとり暮らしをするOLのさやかは、飲み会帰りの夜に1人のイケメン男子と遭遇します。彼はさやかに「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか」と提案し、「樹」という名前しか知らぬままに奇妙な同棲生活がスタート。ちょっぴりほろ苦い読後感を残す恋愛小説です。

ラブコメと地方活性化の融合という、有川浩が得意とする異なる要素が組み合わさった小説です。地方の復活に奮闘するちょっとダメな県庁職員の活躍ぶりと、優秀で頑張り屋さんのアルバイトの女の子が一緒に「地方活性」に奮闘します。お互いを意識し合うところがもどかしいのですが、職場での恋愛が疑似体験できてしまいます。

『世界が終わる瞬間まで、人々は恋をしていた。その中の一つの恋が世界を救った』というフレーズが胸を打つ、有川浩のデビュー作です。舞台となるのは、すべてのものが「塩化」してしまう「塩害」に悩まされる世界。そして塩害で崩壊していく東京で出会い、一緒に暮らすようになったある男女。その2人の純度高めの恋愛が描かれた一冊です。