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もはや他人事ではすまない!猶予を許さない貧困問題について考えるための本
政府の調査では、2009年にはひとり親世代の貧困率が半数以上になったという結果が出ています。どんな理由で貧困に陥るのかがわかると、その原因を「自己責任」で片づけることはできなくなるでしょう。また、世界には1日1ドル以下の生活費で過ごす人々が十数億人も存在しています。他人事ではすまない、貧困事情が紹介された本を集めました。
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ホームレスの自立支援を行うNPO法人の理事長を務める大西連が、支援現場の様子からリアルな貧困の現状を明かしたノンフィクションです。親の暴力から逃れるために路上生活を選び、生活保護申請をしても親の同意が得られず実家に引き戻されてしまった若者の話など、貧困にはそれぞれの事情があり、それが問題を複雑にしていることがわかります。
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ルポライターの鈴木大介が、出会い系を通して知り合ったシングルマザーの現状をまとめた一冊です。彼女らは安易に「売春」を選んだのではなく、多くは仕事を探した経験があります。また、わが子をとても大切にしています。子どもが大事ならば売春などしてはいけないのですが、それを選ばざるを得なかった女性たちの心情が綴られています。
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大学卒業後、修士、博士課程に進学した学生たちに待ち受ける、就職難についてまとめた一冊です。就職氷河期であった90年代以降には大学院への進学希望者が増えました。博士を取得して研究者を目指してもそのポストは圧倒的に少なく、高学歴を理由に一般企業への就職は逆に厳しくなります。「高学歴=明るい未来」とは限らない、現実があるのです。
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NHKスペシャル「老人漂流社会~“老後破産”の現実~」の内容をベースに、高齢者の貧困についてまとめたルポタージュです。今の年金制度は、親子が同居していた昔のライフスタイルをもとに設計されています。しかし、独居や老人のみの世帯は増えており、そこから発生する高齢者の貧困や「老後破産」などについて、詳しく紹介されています。
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絶対貧困 世界リアル貧困学講義
石井 光太(著)
世界の貧困事情を知りたいときに最適なのがこの本です。貧困のなかでたくましく生きる子どももいますが、インドのチェンナイではマフィアによってわざと障害を負わされる子どもたちが存在しています。外見で「かわいそう」と思われる方が、より多くの施しがもらえるからです。1日1ドル以下の所得で暮らす「絶対貧困」の現状がわかります。
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