イケメンな変わり者が大活躍！日本の探偵小説シリーズをはじめから

名探偵で脳科学者「御手洗潔シリーズ」の第三作目。短編集第一作目となる本書では、御手洗のIQ300以上で語学に堪能であることなどの重要な要素が見え、相棒となるライターの石岡和己とのコンビも固まります。「数字錠」では、彼がコーヒーを飲まない理由や彼のやさしさに触れたり、実は犬好き、ギターがプロ級など、御手洗の魅力に迫る設定も描かれています。

京極夏彦の「百鬼夜行シリーズ」の第一作目。古本屋・京極堂を営む中禅寺秋彦が拝み屋として事件を受け、憑物落としを行うことがシリーズを通して話の主軸となっています。本書では相棒の小説家・関口巽から聞いた「憑物筋の呪い」が伝わる久遠寺家の謎と闇を解明します。博識で冷静な京極堂と、うつ病気味な関口のやり取りも絶妙です。

犯罪社会学の准教授「火村英生シリーズ」の第一作目。相棒は推理作家・有栖川有栖で、作者と同姓同名という設定です。最初の推理は密室もの。密室推理小説の第一人者・真壁聖一の殺人事件に挑戦しています。火村と大学からの親友である有栖川は、彼のよき理解者であり助手で、2人の「距離」の近さにドキドキしてしまいます。

主人公の犀川創平と西之園萌絵のイニシャルを取った「S&Mシリーズ」。工学部建築学科助教授の犀川と、その教え子・萌絵が、工学をトリックとした事件の謎を解いていく理系ミステリーです。過去の犯罪である島の研究所に隔離された天才プログラマー・真賀田四季が殺される事件では、2人の見事なコンビネーションが発揮されます。

物理学准教授・湯川学が推理する「ガリレオシリーズ」は、今やイケメン変人理系探偵の代名詞。ですが、実は当初作者がイメージした湯川像は俳優の佐野史郎。相棒は、ドラマでは女性に変更されましたが、元々は捜査一課の刑事・草薙。人体発火や水中爆死など一般的でない科学技術トリックが披露される、名短編5作を収録しています。