心がすり減っている・・・と思ったらちょっと元気になるために読みたい本

関西に実在するローカル線を舞台とした連作短編集。ある電車に乗り合わせた乗客たち。隣に座っただけなのですが、その偶然の出会いから恋が始まったり、大きな決断ができたり、それぞれの人生に彩りが加わります。毎日すれ違っている人のなかから、自分にも明日は素敵な出会いがあるかも。そんなことを思いながら読めば、元気が湧いてきます。

フィンランドのヘルシンキにある「かもめ食堂」。日本人女性のサチエが、1人で切り盛りするこの食堂の看板メニューはおにぎりです。職を失ったミドリ、親の介護が終わったマサコがたまたま食堂を訪れて、やがて一緒に働くことに。何気ない日常をほのぼのと描いた小説です。心を込めて作られたごはんは、どの国の人の心も癒してくれます。

村上春樹が読者からの質問に答える大人気サイトが、一冊にまとめられました。お悩み相談、社会問題から猫の話まで、3716の問答を収録。深刻な質問にも、それでも前向きに生きていくためには、という視点で回答されています。疲れたときにパラパラ読んでみてください。著者のユーモアと明るさに、心が軽くなります。

ショッピングセンターの片隅で占い師を始めた元OLのルイーズ吉田。巧みな話術と直感で売れっ子になりましたが、手ごわい問題を抱えたお客さんもちらほら。占いを必要としている人は、本当は他人に背中を押してほしいのだけなのかもしれません。つい、応援したくなってしまうキャラクターばかりが登場します。読めばほっこりする短編集です。

中学校に行けなくなった少女・まいが、ひと夏の間だけ祖母の家に預けられ、人生で大切なことを学んでいくお話です。「西の魔女」とは、田舎に住み、自分でいろんなものを手作りしている祖母のこと。素朴で丁寧な暮らしに、いつの間にか読み手まで癒されています。魔女修行の大事なのは「何でも自分で決めること」。生きる力を与えてくれる一冊です。