ブックキュレーターhonto編集員
ゾクッとする読後感が特徴!日常をしばし忘れられる「奇妙な味」の小説
「奇妙な味」とは江戸川乱歩が定義した小説のジャンルです。ミステリーやSF、ホラーにかぎりなく近いのですが、そのどれにも明確には分類できない特異な小説のことを指します。共通する特徴は、読後にゾクっとさせられること。しばし日常を忘れて、このミステリアスで摩訶不思議な世界に浸ってみてはいかがでしょう。
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特別料理
スタンリイ・エリン(著) , 田中 融二(訳)
ある日、友人に誘われて出かけた隠れ家レストランで食事した男は、そこをすっかり気にいって常連になる。そして、めったにありつけないアミルスタン羊を使った「特別料理」を心待ちにしていたが・・・。そんな表題作をはじめ、巧みな筆さばきで奇妙な世界に誘うスタンリイ・エリンによる極上の短編集です。その練られたプロットに圧倒されます。
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悪魔が持ってきた「悪魔に魂を与える」という契約書。サインするようにせがまれた女子学生が、それをビジネス文章に書きかえて悪魔を煙にまき、真逆の契約をとりつける「喫煙室」など、人間の心に潜む邪悪なものを恐怖と笑いに包んで描いた短編集です。エッセイも収録されており、シャーリイ・ジャクスンの職人芸が存分に楽しめる一冊です。
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街角の書店 18の奇妙な物語
F.ブラウン(ほか著) , S.ジャクスン(ほか著) , 中村 融(編)
新作を書きあぐねている作家が、ある書店に入ります。棚には文豪が決して書かなかった本がずらっと並んでいて、そこで作家が見たものとは・・・。哀切な味わいがあるネルスン・ボンドによる表題作など、18人の外国人作家による「奇妙な味」の物語が、心ゆくまで楽しめる短編アンソロジーです。
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サキ短編集 改版
サキ(著) , 中村 能三(訳)
短い文章のなかにウィットと残酷さを秘めたイギリスの小説家サキによる、代表的な短編21編が収録された一冊です。のんびりと休憩している紳士の前に男が現れ、紳士が巧みな会話術でその男を圧倒する「秋の公園」をはじめ、人をくったようなおもしろさがたっぷり詰まっています。読み進むにつれ、サキの世界観の虜になっていることでしょう。
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怪奇小説日和 黄金時代傑作選
西崎 憲(編訳)
怪奇小説の古典のアンソロジーですが、内容は実にバラエティに富んでいます。なかでもジョーン・エイケンの「マーマレードの酒」は、まさに「奇妙な味」という呼び方がふさわしい短編です。散歩中にあるコテージに迷い込んだ男が酒を勧められて寝入ってしまい、男が目覚めたとき起こったこととは・・・。ゾクッとする不条理な恐怖が味わえます。
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