明日への一歩を踏み出せる！家族愛と友情が心に響く小説

会社をリストラされ、離婚や家庭内暴力の問題を抱えた主人公が、幽霊親子の運転するワゴンに乗り込み、過去をさかのぼっていく物語。過去の自分と向き合いながら、主人公は絶望の縁から立ち上がっていきます。家族とは？人生とは？という誰しもの心の中にある問いに、自分なりの答えを見つけ出すヒントをくれます。

不登校の少女まいは、西の魔女と呼ばれるイギリス人の祖母に預けられ、自然の中で暮らし始めます。時にはやさしく、時には一人の大人として接するおばあちゃんとの「魔女修行」により、やがて生きる喜びを見つけていく少女。読んでいるうちに、幼い頃の自分を重ねあわせ、甘く切ない気持ちになるでしょう。

映画にもなった『ショーシャンクの空に』の原作である『刑務所のリタ・ヘイワース』が収録されている中編集です。人間の勇気と諦めない心、そして温かな友情に、何度読み返しても涙できます。そして、ただ泣けるだけではなく「よし前へ進もう！」と、明日への一歩を踏み出す力を与えてくれる一冊です。

兄と親友が天才で、2人に羨望を感じつつ、成長していく少年の物語です。少年は、スター選手である兄と比べられるつらさから、サッカーを辞めて陸上を始めます。きっかけは、才能あふれるスプリンターである親友の美しい走り。やがて兄とも親友とも違う、自分自身の存在に気づき、まっすぐ走りだす主人公の姿に胸がいっぱいになります。

亡くなった人に一度だけ会えるとしたら、誰に会いたいですか？「ツナグ」の能力は、死者と生者を引き合わせるもの。この世を去ってしまった家族や親友と再会することで、残された人々の止まっていた時が前へと動き出します。本来はあり得ないはずの死者との出会いがオムニバス形式で語られる、ファンタジー風の感動小説です。