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「ロボット」はSF小説から生まれた!?原点から現在につながるSF傑作選
「ロボット」という言葉は今でこそ当たり前に使われていますが、実は20世紀初頭までは存在していなかった言葉なのです。この言葉が広く一般に認知されるようになるまでには、SFによるロボットのイメージの確立と、多くの作品によるその後の発展がありました。そこで、ロボットSFの原点、さらにその発展に寄与した名作SFを紹介します。
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ロボット〈R.U.R.〉
チャペック(作) , 千野 栄一(訳)
チェコの文学者であるカレル・チャペックによる戯曲です。「ロボット」という言葉はここで初めて登場し、ロボットSFの歴史を語る上で絶対に外せない存在となっています。文学者による戯曲らしく、文明に対する確かな視点が感じられるお話です。登場するロボットのイメージが、現在とは大きく異なる点にも注目して読んでみてください。
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歴史に名を残す、ロボットSFの名短編集です。ロボットの存在が当たり前となった未来社会で、草創期からロボットに関わってきた博士が過去を回想しています。メカニカルな存在としてのロボット像が確立された一冊で、そのイメージが現在の基盤となっています。かの有名な「ロボット工学三原則」が初めて登場している点も注目です。
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未来社会の人間の刑事がパートナーとして指名されたのは、なんとロボットでした。ロボットSFでありながら警察もののミステリーでもあり、バディものでもある小説で、ミステリーとSFが融合した物語になっています。ロボットSFがその可能性を広げつつあった、20世紀半ばの好著です。事件の真相は意外な点にあり、一読の価値があります。
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日本漫画界の巨人・手塚治虫の代表作です。日本の初期のロボットものの比類なき作品であり、ときを経ても色あせない魅力に満ちています。主人公であるロボットのアトムが、自らを作り出した人間から見捨てられた経験があるなど、エンターテインメントでありながらも奥深い世界観をもった古典的名作です。
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「アンドロイド」とは、外見が人間に似ているロボットを指す言葉です。この物語では、人間に酷似したアンドロイドが未来都市に紛れ込み、主人公は懸賞金を目当てにそれらの摘発に乗り出します。人とロボットの違いというロボットSFの昔からのテーマが、著者特有の「シミュラクラ」という概念と融合した印象深い小説です。
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