初めてのひとり暮らしが寂しすぎる！そんな孤独を癒してくれる物語

2007年に芥川賞を受賞した青山七恵による小説です。20歳の知寿が母親のもとを離れ、遠縁の吟子71歳と暮らす1年間を描いた物語。慣れない土地で暮らしながらも、しだいに街になじんでいく様子や、短い恋、孤独からくる寂寥感などが鮮やかに描かれています。ひとり暮らしに不安になっている人は知寿に共感し、癒されることでしょう。

主人公は25歳の独身OL大山田マリモ。がさつに見える彼女ですが、実は心に闇を抱えています。最初はコミカルな小説かと思うのですが、マリモは東京でひとりで暮らすということの孤独感に苛まれています。高校時代の国語教師の言葉を思い出しながら、自分自身の再生を目指していきます。その過程に触れることで、あなたの孤独も癒されるでしょう。

少年アヤというWEBライターが、「おかま」として生きていた頃の日々が綴られた日記です。自分のセクシャルについて悩みながら、誰といても癒せない孤独感を抱えながら日常を過ごしていきます。孤独に悩むのは自分だけではないと思わされ、ラストに近づくにつれ募っていく寂寥感は読者も深く考えさせられることでしょう。

スタイリッシュな絵柄で、非常に「都会的」ともいえるコミックを描く魚喃キリコの代表作です。主に描かれているのは、切ない片思いや大都市で過ごす何気ない日常の様子など。こんな風に暮らしてみたいと憧れを喚起するとともに、都会ではひとりで過ごすことは孤独ではないのだ、という気にさせられます。

大学入学をきっかけに両親が海外へ転勤。そこで初めてのひとり暮らしをすることになった大学生の泉は、ぼんやりとした寂しさを抱えながら日々を過ごしていました。登場人物の心理が細かく描き込まれていて、その全員が抱えているどうしようもない孤独感に、「寂しいのは自分だけではない」と励まされる小説です。