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なぜ長期&高齢化しているのか?ひきこもりのメカニズムを理解するための本
ひきこもりの問題は若者のことと考えられてきましたが、ひきこもり期間の長期化とそれによる高齢化によって、中高年にとっても深刻な問題となっています。ここでは、ひきこもり脱出のハウツー本ではなく、精神科医やひきこもり当事者、ジャーナリストが、それぞれの視点から「ひきこもり」という社会現象をとらえた本を紹介します。
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ひきこもりはなぜ「治る」のか? 精神分析的アプローチ
斎藤 環(著)
著者は、ひきこもり状態にある若者を患者として治療した実績が長い精神科医です。ひきこもりのメカニズムを精神医学の立場で分析して、ひきこもり状態を病理として解説しています。ひきこもりを治療する上での家族としての接し方なども書かれており、根拠がはっきり述べられているので、入門書として最適です。
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不登校・ひきこもりが終わるとき 体験者が当事者と家族に語る、理解と対応の道しるべ
丸山 康彦(著)
高校で不登校、いったん社会に出てから再びひきこもる、という二度のひきこもり期間を経て社会復帰した著者による一冊。個人の体験談はさまざまですが、著者はひきこもり当事者の相談機関を設立・運営しており、それが本書に感想にとどまらない普遍的な視点を与えています。当事者の体験書を読みたいときにオススメです。
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公的機関のひきこもり支援は「35歳以下」という規定があり、それ以上の「大人のひきこもり」は統計からもれていました。著者はひきこもる大人の実情を取材し、発信を続けてきたジャーナリスト。本書ではひきこもりが長期化する原因や、社会のセーフティネットからもれて潜在化する経緯が実例とともに述べられています。
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『生活保護基準相当で暮らす高齢者』。誰もがそんな下流老人となる可能性があることを、指摘しているのが本書。老人世代とその子ども世代が共倒れする例として、『ひきこもり期間が履歴書の空白となりますます就労できなくてひきこもる』中高年の存在が挙げられており、ひきこもりの高齢化を分析した本としても読むことができます。
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