ブックキュレーター週刊・フジマル
「今」を作ったのは誰なのか、その核心に迫った本
民進党の低迷ぶりを心配する声は数多あるが、それよりも深刻なのが安倍政権化で進んでいる自民党の弱体化だ。戦後レジームからの脱却を謳った安倍晋三首相だが、その政策は戦後レジームの色彩が濃い。その矛盾が深刻な保守地盤の弱体化を招いているとしたら、いったい「今」、どんな視点が必要なのか。
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岸信介 権勢の政治家
原 彬久(著)
日米安保条約を改定した人物として記憶され、孫の安倍晋三が3次にわたる政権を現代に築いたことから注目を浴びた。安倍が岸の政権運営の手法まで丸パクリしていることは意外と知られていない。満州国建国という壮大な実験に立ち会った経験は、戦後の中核的な政策作りにも活かされた。同書は岸信介の思想を知る教科書。
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戦後日本で最も福祉政治を進展させたのは岸信介だった―。福祉政治を構成する「雇用レジーム」と「福祉レジーム」。現在は財政難で福祉レジームが縮小する中、雇用レジームの再建が必要だが、自民党の地方組織は中央からの政策資金の誘導しか方策を持っていないために、日本の福祉政治は停滞を余儀なくされている。
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現代の既得権益は、高度成長期に利権分配のイニシアチブを握った人物により形成された。ただし彼らの多くは既得権益の形成を意図していたわけではなく、それは自己の理想社会の実現のための単なる手段にすぎなかった。自民党内で権勢を誇った野中広務だが、その視線の先にあったのは社会的弱者たちの存在だった。
ブックキュレーター
週刊・フジマル取材者・ライターとなって11年目のシーズンを迎えた。「週刊現代」を主戦場に、芸能、事件、経済、政治などなど、なんでも取材してきた。取材資料として本を読みあさり、どこかしこから届けられる献本にも目を通している。企業不祥事、内紛、政治家や官僚の汚職事件をやりながら、日本の富裕層モノや資産運用の記事を作って、EU崩壊を本気で心配していると、好きなジャンルはなかなか定義しづらくなっているけど、かつては斉藤貴男の『カルト資本主義』に感動し、最近では横田増生の『仁義なき宅配』を読んで、取材者とはかくありたいと思った。福岡県出身、無趣味。
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