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京都、美文、ときどき阿呆!?森見登美彦に影響を与えた作品たち
京都を舞台に阿呆な大学生が東奔西走する奇天烈な物語 『太陽の塔』でデビュー以後、諧謔(かいぎゃく)と騒乱に充ちた話題作を世に送り続ける作家・森見登美彦。味わい深い美文体を筆頭に、同世代の作家とは一線を画す作風が持ち味です。そんな彼の作品はどうやって生まれたのか、誰が彼に影響を与えたのかにフォーカスして集めた作品をご紹介します。
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ラ・タ・タ・タム ちいさな機関車のふしぎな物語
ペーター・ニクル(文) , ビネッテ・シュレーダー(絵) , 矢川 澄子(訳)
『夜は短し歩けよ乙女』にも登場した絵本です。少し冷たい印象の絵柄と、皮肉が利いた内容が特徴的。幼少の森見登美彦は、もっぱら祖母の家にある絵本をたしなんでいて、特に本著は絵が綺麗なため、何度も読んだとのこと。森見登美彦の作中では、黒髪の乙女が必死に追い求める描写があり、思い入れの強さがうかがえます。
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百鬼園随筆
内田 百間(著)
森見登美彦の美しく笑いに満ちあふれた文体の原点は、内田百間にありました。借金の天才であり、真面目な顔で飄逸(ひょういつ)なことばかり語るさまは、対岸の火事を眺めるような味わいがあります。森見作品にて表現されている阿呆の心意気は、まさしく内田百間譲り。森見作品を読み解くうえでの最重要人物といえるでしょう。
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太宰治といえば『人間失格』『斜陽』など、一般的には暗いイメージがつきまといます。しかしながら、実は軽妙洒脱で笑いを誘うような作品も数多くあるのです。本書では、森見登美彦が編者となり、おもしろおかしい太宰作品だけがピックアップされています。読書に愉快さを求める方にイチオシできる作品集です。
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